有価証券報告書-第54期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態および経営成績の状況
2022年度の経済情勢を顧みますと、世界経済はウィズコロナへの転換と社会経済活動の正常化が進む一方、ウクライナ情勢の長期化に加え、世界的なインフレによる金融引き締めなど、先行きは不透明な状況となっております。日本経済においても、設備投資の伸び悩みや半導体不足等から製造業の生産活動が弱含んでいるものの、行動制限の緩和等に伴い、サービス業等を中心に緩やかな回復基調にありました。一方、欧米の金融引き締めに伴う海外経済の減速、国内の物価高や労働需給のひっ迫、金融政策の動向等、先行きに留意が必要な状況が続くと認識しております。
リース業界におきましては、経済活動の回復を背景に設備投資が持ち直しつつあり、リース取扱高は前年度並みの実績となりました。
こうした環境の下、当社グループは、2019年度より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画において、お客さまと共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野(環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、不動産、グローバル、航空機、テクノロジー)に取り組むとともに、みずほグループや丸紅グループ等のアライアンスパートナーとの連携、協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行いました。
また、当社グループの更なる成長とステークホルダーの皆さまに提供する価値の向上を目指し、最終年度の連結数値目標として「親会社株主に帰属する当期純利益 300億円」、「グローバル分野の残高 2019年3月末比 3倍」および「配当性向25%以上を目指す」を掲げております。
このような中、2022年度は、コロナ禍から社会経済活動が正常化へ向かう中、お客さまの事業戦略や財務戦略上のニーズを捉えたソリューションの提供に注力し、注力分野への取り組みを着実に遂行してまいりました。
その結果、契約実行高は前期(2022年3月期)比7.3%増加して1,470,485百万円となりました。
損益状況につきましては、売上高は、前年度に不動産案件の満了に伴う物件の売却が重なったことから、前期比25,108百万円(4.5%)減少して529,700百万円となり、売上原価についても同31,941百万円(6.4%)減少して468,333百万円となりました。売上総利益は、みずほフィナンシャルグループとの協業をはじめとした第6次中期経営計画で掲げる戦略の推進から、収益性の高いファイナンスや不動産分野での資産積み上げにより、同6,832百万円(12.5%)増加して61,366百万円となりました。販売費及び一般管理費は、信用コストが低位に推移したことなどから、同7,030百万円(19.2%)減少して29,610百万円となりました。営業利益は、同13,862百万円(77.5%)増加して31,756百万円となりました。経常利益は、持分法投資損益の大幅な増加により、同20,046百万円(99.9%)増加して40,110百万円となりました。特別損益は、負ののれん発生益等により特別利益が298百万円となった一方、特別損失にて投資有価証券売却損等により371百万円となったことから、総額で73百万円の損失となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、同13,495百万円(90.6%)増加して28,398百万円となりました。
財政状態につきましては、以下のとおりであります。
契約実行高は、リース・割賦セグメントでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響から総じて減少し、前期(2022年3月期)に比べ、8.8%減少して489,128百万円となりました。一方、ファイナンスセグメントでは、注力する不動産や航空機分野等における大口案件の積み上げもあり、同17.7%増加して981,356百万円となりました。この結果、契約実行高全体では、同7.3%増加の1,470,485百万円となりました。営業資産残高は、みずほとの連携を中心に主に不動産や環境分野において、お客さまへの経営課題解決に資する提案での成果があがったことで残高を積み上げ、前期(2022年3月期)末比163,578百万円増加して2,580,137百万円となり、資産合計額は同205,823百万円増加して2,954,634百万円となりました。
また、負債合計額は前期末比160,792百万円増加して2,678,800百万円となり、このうち有利子負債は営業資産の増加に伴い、同162,311百万円増加して2,537,555百万円となりました。
純資産は期間利益の蓄積により引き続き増加し、275,834百万円となりました。
② セグメントごとの経営成績
セグメントの業績は次のとおりであります。(売上高は外部顧客への売上高を記載しております。)
[リース・割賦]
リース・割賦の売上高は、前期(2022年3月期)に比べ不動産案件の満了に伴う物件の売却が減少したことから、前期比6.1%減少して505,000百万円となり、営業利益は同9.8%減少して21,409百万円となりました。
当期(2023年3月期)末の営業資産残高は、不動産や航空機案件の積み上げ等により、前期末比1,574百万円増加し1,595,808百万円となりました。
[ファイナンス]
ファイナンスの売上高は、資産積み上げにより前期比44.3%増加して23,563百万円となり、営業利益は16,244百万円となりました。
当期末の営業資産残高は、注力する不動産や航空機分野における大口案件の積み上げにより、前期末比162,003百万円増加し984,328百万円となりました。
[その他]
その他の売上高は、前期比34.7%増加して1,135百万円となり、営業利益は同44.0%増加して388百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当期(2023年3月期)のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業資産残高の増加やプロジェクトボンドへの出資等の事業活動に伴う支出に対し、資金の流動性を確保しつつ、金融機関からの借入や市場での資金調達を行いました。その結果、当期(2023年3月期)末における現金及び現金同等物の残高は、前期(2022年3月期)末比8,951百万円増加し、33,453百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス中心に営業資産が増加したことにより、117,816百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、再生可能エネルギープロジェクトへの出資等により、17,111百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による5,880百万円の支出に対し、間接調達で99,863百万円の収入、コマーシャル・ペーパーおよび社債等による直接調達で49,345百万円の収入となり、財務活動全体では143,518百万円の収入となりました。
(2)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金およびその他の営業貸付債権)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
② 資金調達内訳
③ 業種別貸付金残高内訳
④ 担保別貸付金残高内訳
⑤ 期間別貸付金残高内訳
(注)期間は、約定期間によっております。
(3) 営業取引の状況
① 契約実行高
当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
② 営業資産残高
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
③ 営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(a)前連結会計年度
(b)当連結会計年度
(注)セグメント間取引については相殺消去しております。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績および財政状態
当社グループは、2019年度より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画において、お客さまと共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野(環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、不動産、グローバル、航空機、テクノロジー)に取り組むとともに、みずほグループや丸紅グループ等のアライアンスパートナーとの連携、協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行いました。
2022年度の注力分野における具体的な取り組みにつきましては、次のとおりであります。
[環境・エネルギー]再生可能エネルギー領域への取り組みを強化し、非FIT太陽光発電設備由来の電力供給、自己託送やコーポレートPPA等を活用した太陽光発電ビジネスの推進、英国陸上風力発電所プロジェクトへの投資等、設備のリースに留まらず事業そのものへの取り組みを推進しました。また、商用電気自動車とエネルギーマネジメントシステムの普及に取り組む企業への出資に併せ、電気自動車の利便性向上と車載用蓄電池を活用した新たなソリューション開発を行うなど、再生可能エネルギーの拡大に貢献し、お客さまの脱炭素、サステナビリティの取り組みを支援しております。
[不動産]子会社であるエムエル・エステート㈱を通じてリート等のお客さまのニーズに合った期間で不動産を一時的に保有するビジネスに引き続き取り組んだほか、日本を代表するビジネスエリアに立地し、最高水準の環境性能を備える大手町プレイスを取得するファンドへの出資を行いました。また、持分法適用会社とした日鉄興和不動産㈱との連携を一段と深化させ、CRE提案力の強化、商品ラインナップの拡充を図るなど、新しいビジネスへの挑戦にも取り組みました。
[グローバル]アライアンスパートナーとの協業を推進し、関係当局からの許認可等を前提としてインドのエクイップメント(機器設備)リース会社のRent Alpha Pvt.Ltd.の51%の株式を取得することに合意するなど、ビジネスフィールドの拡大に取り組みました。
[航空機]コロナ禍、ウクライナ情勢の緊迫化等により、厳しい経営環境にありましたが、世界的な航空需要の回復と航空機オペレーティングリースの中長期的な回復を見据え、アライアンスパートナーとの協業強化を通じた案件組成への取り組みを進めました。
アライアンスパートナーとの連携、協業につきましては、みずほグループ各社と当社グループとの連携を一段と深化させ、双方の機能を掛け合わせることにより、様々なソリューションをお客さまに提供してまいりました。みずほグループ各社と当社が連携して取り組んだ、国内最大規模となる「自己託送方式による低圧・分散型太陽光発電設備を通じた再生可能エネルギー調達」は、国内初の取り組みとなります。
また、丸紅グループとの海外ビジネスでの連携や㈱リコーおよびリコーリース㈱との業務提携では、既存事業の強化および新たな事業機会の創出に向けた取り組みを推進いたしました。
さらに、新たな事業領域への挑戦として、TREホールディングス㈱と「高度循環型社会」・「脱炭素社会」の実現に向け、サーキュラーエコノミーに向けた事業スキーム構築に係る基本合意を行いました。また、コーポレートベンチャーキャピタル事業へ参画すべく、未来創造キャピタル㈱を設立し、持分法適用会社としたみずほキャピタル㈱との協業を通じて、スタートアップ企業への投資やビジネスにおける連携を推進しております。
② 資本の財源および資金の流動性
当社グループは、お客さまのニーズに対応して幅広い金融サービスを提供するため、資金調達については安定性の確保とコストの抑制を図るよう努めております。また、各年度の資金計画と金融環境の変化に即したALM(資産負債の統合管理)運営方針のもと機動的な資金調達を行っております。
当社グループの資金調達につきましては、金融機関からの借入による間接調達と市場からの直接調達による長期および短期の資金により構成されております。当期(2023年3月期)末において、間接調達は前期(2022年3月期)末比112,420百万円増加し1,415,103百万円となりました。直接調達はコマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などにより、同49,890百万円増加し1,122,451百万円となりました。
また、運転資金の流動性や調達の機動性を確保するため、当期末において取引金融機関50社と総額931,961百万円の当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約による借入未実行残高は518,320百万円であり、資金の流動性は十分に確保しております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
(a)貸倒引当金の計上
当社グループの貸倒引当金は、予め定めた償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。
破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者に係る債権およびそれと同等の状況にある債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額および保証による回収可能見込額を控除し、その残額を直接減額しております。
また、現在は経営破綻の状況にないものの、今後経営破綻に陥る可能性が高いと認められる債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額および保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、将来の予想損失額を算定し、計上しております。
上記以外の債権については、過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率等に基づき計上しております。
すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が自己査定を実施し、当該部署から独立した部署が査定結果を確認しております。
当社グループは、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分な額を計上しており、債権額から貸倒引当金を控除した額は回収可能な額として計上していると判断しております。
ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。
このため予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来、当社グループが貸倒引当金を増額または減額する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症が与える影響については、感染症法上の5類指定等の政府方針の変更による感染再拡大等の懸念は残るものの、政府・自治体による防疫体制の拡充や医療体制の整備により、影響は収束していくものと認識しております。
今後の感染状況等によっては、景気悪化に伴うお客さまの業況の悪化による信用コストの増加、資金調達コストの増加等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 客観的な指標等の進捗状況・分析等
第6次中期経営計画(2019年度~2023年度)では、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を実現するため、計画最終年度(2023年度)の経営目標数値(連結)を以下のとおり設定しております。
(注)グローバル分野の年度末残高は、グループ会社が保有する営業資産を含む。
2022年度は、親会社株主に帰属する当期純利益については、業績予想値260億円に対して283.98億円の実績となりました。グローバル分野の残高については、クロスボーダーローン案件の実行や為替の影響などにより、前期(2022年3月期)末比541億円増加し3,770億円となりました。また、2022年度の1株当たり年間配当額は147円00銭と21期連続での増配となり、配当性向は25.1%となりました。
① 財政状態および経営成績の状況
2022年度の経済情勢を顧みますと、世界経済はウィズコロナへの転換と社会経済活動の正常化が進む一方、ウクライナ情勢の長期化に加え、世界的なインフレによる金融引き締めなど、先行きは不透明な状況となっております。日本経済においても、設備投資の伸び悩みや半導体不足等から製造業の生産活動が弱含んでいるものの、行動制限の緩和等に伴い、サービス業等を中心に緩やかな回復基調にありました。一方、欧米の金融引き締めに伴う海外経済の減速、国内の物価高や労働需給のひっ迫、金融政策の動向等、先行きに留意が必要な状況が続くと認識しております。
リース業界におきましては、経済活動の回復を背景に設備投資が持ち直しつつあり、リース取扱高は前年度並みの実績となりました。
こうした環境の下、当社グループは、2019年度より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画において、お客さまと共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野(環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、不動産、グローバル、航空機、テクノロジー)に取り組むとともに、みずほグループや丸紅グループ等のアライアンスパートナーとの連携、協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行いました。
また、当社グループの更なる成長とステークホルダーの皆さまに提供する価値の向上を目指し、最終年度の連結数値目標として「親会社株主に帰属する当期純利益 300億円」、「グローバル分野の残高 2019年3月末比 3倍」および「配当性向25%以上を目指す」を掲げております。
このような中、2022年度は、コロナ禍から社会経済活動が正常化へ向かう中、お客さまの事業戦略や財務戦略上のニーズを捉えたソリューションの提供に注力し、注力分野への取り組みを着実に遂行してまいりました。
その結果、契約実行高は前期(2022年3月期)比7.3%増加して1,470,485百万円となりました。
損益状況につきましては、売上高は、前年度に不動産案件の満了に伴う物件の売却が重なったことから、前期比25,108百万円(4.5%)減少して529,700百万円となり、売上原価についても同31,941百万円(6.4%)減少して468,333百万円となりました。売上総利益は、みずほフィナンシャルグループとの協業をはじめとした第6次中期経営計画で掲げる戦略の推進から、収益性の高いファイナンスや不動産分野での資産積み上げにより、同6,832百万円(12.5%)増加して61,366百万円となりました。販売費及び一般管理費は、信用コストが低位に推移したことなどから、同7,030百万円(19.2%)減少して29,610百万円となりました。営業利益は、同13,862百万円(77.5%)増加して31,756百万円となりました。経常利益は、持分法投資損益の大幅な増加により、同20,046百万円(99.9%)増加して40,110百万円となりました。特別損益は、負ののれん発生益等により特別利益が298百万円となった一方、特別損失にて投資有価証券売却損等により371百万円となったことから、総額で73百万円の損失となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、同13,495百万円(90.6%)増加して28,398百万円となりました。
財政状態につきましては、以下のとおりであります。
契約実行高は、リース・割賦セグメントでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響から総じて減少し、前期(2022年3月期)に比べ、8.8%減少して489,128百万円となりました。一方、ファイナンスセグメントでは、注力する不動産や航空機分野等における大口案件の積み上げもあり、同17.7%増加して981,356百万円となりました。この結果、契約実行高全体では、同7.3%増加の1,470,485百万円となりました。営業資産残高は、みずほとの連携を中心に主に不動産や環境分野において、お客さまへの経営課題解決に資する提案での成果があがったことで残高を積み上げ、前期(2022年3月期)末比163,578百万円増加して2,580,137百万円となり、資産合計額は同205,823百万円増加して2,954,634百万円となりました。
また、負債合計額は前期末比160,792百万円増加して2,678,800百万円となり、このうち有利子負債は営業資産の増加に伴い、同162,311百万円増加して2,537,555百万円となりました。
純資産は期間利益の蓄積により引き続き増加し、275,834百万円となりました。
② セグメントごとの経営成績
セグメントの業績は次のとおりであります。(売上高は外部顧客への売上高を記載しております。)
[リース・割賦]
リース・割賦の売上高は、前期(2022年3月期)に比べ不動産案件の満了に伴う物件の売却が減少したことから、前期比6.1%減少して505,000百万円となり、営業利益は同9.8%減少して21,409百万円となりました。
当期(2023年3月期)末の営業資産残高は、不動産や航空機案件の積み上げ等により、前期末比1,574百万円増加し1,595,808百万円となりました。
[ファイナンス]
ファイナンスの売上高は、資産積み上げにより前期比44.3%増加して23,563百万円となり、営業利益は16,244百万円となりました。
当期末の営業資産残高は、注力する不動産や航空機分野における大口案件の積み上げにより、前期末比162,003百万円増加し984,328百万円となりました。
[その他]
その他の売上高は、前期比34.7%増加して1,135百万円となり、営業利益は同44.0%増加して388百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当期(2023年3月期)のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業資産残高の増加やプロジェクトボンドへの出資等の事業活動に伴う支出に対し、資金の流動性を確保しつつ、金融機関からの借入や市場での資金調達を行いました。その結果、当期(2023年3月期)末における現金及び現金同等物の残高は、前期(2022年3月期)末比8,951百万円増加し、33,453百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス中心に営業資産が増加したことにより、117,816百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、再生可能エネルギープロジェクトへの出資等により、17,111百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による5,880百万円の支出に対し、間接調達で99,863百万円の収入、コマーシャル・ペーパーおよび社債等による直接調達で49,345百万円の収入となり、財務活動全体では143,518百万円の収入となりました。
(2)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金およびその他の営業貸付債権)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
2023年3月31日現在 |
貸付種別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) | 平均約定金利 (%) |
消費者向 | |||||
無担保(住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
有担保(住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
住宅向 | - | - | - | - | - |
計 | - | - | - | - | - |
事業者向 | |||||
計 | 1,372 | 100.00 | 642,616 | 100.00 | 2.54 |
合計 | 1,372 | 100.00 | 642,616 | 100.00 | 2.54 |
② 資金調達内訳
2023年3月31日現在 |
借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
金融機関等からの借入 | 1,243,933 | 0.78 | |
その他 | 998,051 | 0.16 | |
社債・CP | 872,243 | 0.16 | |
合計 | 2,241,984 | 0.51 | |
自己資本 | 146,512 | - | |
資本金・出資額 | 26,088 | - |
③ 業種別貸付金残高内訳
2023年3月31日現在 |
業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
製造業 | 87 | 15.45 | 27,880 | 4.34 |
建設業 | 5 | 0.89 | 44 | 0.01 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 10 | 1.78 | 23,458 | 3.65 |
運輸・通信業 | 62 | 11.01 | 154,512 | 24.04 |
卸売・小売業、飲食店 | 80 | 14.21 | 8,963 | 1.39 |
金融・保険業 | 13 | 2.31 | 86,864 | 13.52 |
不動産業 | 93 | 16.52 | 272,072 | 42.34 |
サービス業 | 188 | 33.39 | 45,893 | 7.14 |
個人 | - | - | - | - |
その他 | 25 | 4.44 | 22,925 | 3.57 |
合計 | 563 | 100.00 | 642,616 | 100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳
2023年3月31日現在 |
受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
有価証券 | - | - | |
うち株式 | - | - | |
債権 | 98 | 0.01 | |
うち預金 | - | - | |
商品 | 0 | 0.00 | |
不動産 | 1,925 | 0.30 | |
財団 | - | - | |
その他 | 174,711 | 27.19 | |
計 | 176,736 | 27.50 | |
保証 | 17,809 | 2.77 | |
無担保 | 448,069 | 69.73 | |
合計 | 642,616 | 100.00 |
⑤ 期間別貸付金残高内訳
2023年3月31日現在 |
期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
1年以下 | 152 | 11.08 | 23,931 | 3.72 |
1年超 5年以下 | 711 | 51.82 | 403,381 | 62.77 |
5年超 10年以下 | 386 | 28.13 | 166,075 | 25.84 |
10年超 15年以下 | 53 | 3.86 | 34,311 | 5.34 |
15年超 20年以下 | 65 | 4.74 | 13,274 | 2.07 |
20年超 25年以下 | 5 | 0.37 | 1,641 | 0.26 |
25年超 | - | - | - | - |
合計 | 1,372 | 100.00 | 642,616 | 100.00 |
1件当たり平均期間 | 5.80年 |
(注)期間は、約定期間によっております。
(3) 営業取引の状況
① 契約実行高
当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 契約実行高(百万円) | 前年度比増減率(%) | |
リース・割賦 | 情報・事務用機器 | 117,826 | △26.3 |
産業・土木・建設機械 | 80,597 | △4.2 | |
その他 | 69,377 | △30.2 | |
ファイナンス・リース計 | 267,801 | △22.0 | |
オペレーティング・リース | 186,646 | 16.9 | |
リース計 | 454,448 | △9.7 | |
割賦 | 34,680 | 4.4 | |
489,128 | △8.8 | ||
ファイナンス | 981,356 | 17.7 | |
その他 | - | - | |
合計 | 1,470,485 | 7.3 |
(注)リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
② 営業資産残高
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
期末残高 (百万円) | 構成比(%) | 期末残高 (百万円) | 構成比(%) | ||
リース・割賦 | 情報・事務用機器 | 347,190 | 14.4 | 309,829 | 12.0 |
産業・土木・建設機械 | 389,998 | 16.1 | 373,016 | 14.5 | |
その他 | 435,455 | 18.0 | 439,365 | 17.0 | |
ファイナンス・リース計 | 1,172,643 | 48.5 | 1,122,211 | 43.5 | |
オペレーティング・リース | 314,988 | 13.1 | 378,300 | 14.6 | |
リース計 | 1,487,631 | 61.6 | 1,500,511 | 58.1 | |
割賦 | 106,601 | 4.4 | 95,296 | 3.7 | |
1,594,233 | 66.0 | 1,595,808 | 61.8 | ||
ファイナンス | 822,324 | 34.0 | 984,328 | 38.2 | |
その他 | - | - | - | - | |
合計 | 2,416,558 | 100.0 | 2,580,137 | 100.0 |
(注)割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
③ 営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(a)前連結会計年度
セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) | |
リース・割賦 | ファイナンス・リース | 347,859 | - | - | - | - |
オペレーティング・リース | 183,602 | - | - | - | - | |
リース計 | 531,461 | 489,402 | 42,059 | 4,756 | 37,302 | |
割賦 | 6,178 | 2,805 | 3,372 | 373 | 2,998 | |
537,639 | 492,207 | 45,432 | 5,130 | 40,301 | ||
ファイナンス | 16,326 | 253 | 16,072 | 2,450 | 13,621 | |
その他 | 843 | 231 | 611 | - | 611 | |
合計 | 554,809 | 492,693 | 62,115 | 7,581 | 54,534 |
(b)当連結会計年度
セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) | |
リース・割賦 | ファイナンス・リース | 332,370 | - | - | - | - |
オペレーティング・リース | 166,479 | - | - | - | - | |
リース計 | 498,849 | 454,281 | 44,568 | 6,590 | 37,977 | |
割賦 | 6,151 | 2,464 | 3,686 | 439 | 3,246 | |
505,000 | 456,746 | 48,254 | 7,030 | 41,224 | ||
ファイナンス | 23,563 | 240 | 23,323 | 3,902 | 19,420 | |
その他 | 1,135 | 413 | 721 | - | 721 | |
合計 | 529,700 | 457,400 | 72,299 | 10,932 | 61,366 |
(注)セグメント間取引については相殺消去しております。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績および財政状態
当社グループは、2019年度より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画において、お客さまと共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野(環境・エネルギー、医療・ヘルスケア、不動産、グローバル、航空機、テクノロジー)に取り組むとともに、みずほグループや丸紅グループ等のアライアンスパートナーとの連携、協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行いました。
2022年度の注力分野における具体的な取り組みにつきましては、次のとおりであります。
[環境・エネルギー]再生可能エネルギー領域への取り組みを強化し、非FIT太陽光発電設備由来の電力供給、自己託送やコーポレートPPA等を活用した太陽光発電ビジネスの推進、英国陸上風力発電所プロジェクトへの投資等、設備のリースに留まらず事業そのものへの取り組みを推進しました。また、商用電気自動車とエネルギーマネジメントシステムの普及に取り組む企業への出資に併せ、電気自動車の利便性向上と車載用蓄電池を活用した新たなソリューション開発を行うなど、再生可能エネルギーの拡大に貢献し、お客さまの脱炭素、サステナビリティの取り組みを支援しております。
[不動産]子会社であるエムエル・エステート㈱を通じてリート等のお客さまのニーズに合った期間で不動産を一時的に保有するビジネスに引き続き取り組んだほか、日本を代表するビジネスエリアに立地し、最高水準の環境性能を備える大手町プレイスを取得するファンドへの出資を行いました。また、持分法適用会社とした日鉄興和不動産㈱との連携を一段と深化させ、CRE提案力の強化、商品ラインナップの拡充を図るなど、新しいビジネスへの挑戦にも取り組みました。
[グローバル]アライアンスパートナーとの協業を推進し、関係当局からの許認可等を前提としてインドのエクイップメント(機器設備)リース会社のRent Alpha Pvt.Ltd.の51%の株式を取得することに合意するなど、ビジネスフィールドの拡大に取り組みました。
[航空機]コロナ禍、ウクライナ情勢の緊迫化等により、厳しい経営環境にありましたが、世界的な航空需要の回復と航空機オペレーティングリースの中長期的な回復を見据え、アライアンスパートナーとの協業強化を通じた案件組成への取り組みを進めました。
アライアンスパートナーとの連携、協業につきましては、みずほグループ各社と当社グループとの連携を一段と深化させ、双方の機能を掛け合わせることにより、様々なソリューションをお客さまに提供してまいりました。みずほグループ各社と当社が連携して取り組んだ、国内最大規模となる「自己託送方式による低圧・分散型太陽光発電設備を通じた再生可能エネルギー調達」は、国内初の取り組みとなります。
また、丸紅グループとの海外ビジネスでの連携や㈱リコーおよびリコーリース㈱との業務提携では、既存事業の強化および新たな事業機会の創出に向けた取り組みを推進いたしました。
さらに、新たな事業領域への挑戦として、TREホールディングス㈱と「高度循環型社会」・「脱炭素社会」の実現に向け、サーキュラーエコノミーに向けた事業スキーム構築に係る基本合意を行いました。また、コーポレートベンチャーキャピタル事業へ参画すべく、未来創造キャピタル㈱を設立し、持分法適用会社としたみずほキャピタル㈱との協業を通じて、スタートアップ企業への投資やビジネスにおける連携を推進しております。
② 資本の財源および資金の流動性
当社グループは、お客さまのニーズに対応して幅広い金融サービスを提供するため、資金調達については安定性の確保とコストの抑制を図るよう努めております。また、各年度の資金計画と金融環境の変化に即したALM(資産負債の統合管理)運営方針のもと機動的な資金調達を行っております。
当社グループの資金調達につきましては、金融機関からの借入による間接調達と市場からの直接調達による長期および短期の資金により構成されております。当期(2023年3月期)末において、間接調達は前期(2022年3月期)末比112,420百万円増加し1,415,103百万円となりました。直接調達はコマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などにより、同49,890百万円増加し1,122,451百万円となりました。
また、運転資金の流動性や調達の機動性を確保するため、当期末において取引金融機関50社と総額931,961百万円の当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約による借入未実行残高は518,320百万円であり、資金の流動性は十分に確保しております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
(a)貸倒引当金の計上
当社グループの貸倒引当金は、予め定めた償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。
破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者に係る債権およびそれと同等の状況にある債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額および保証による回収可能見込額を控除し、その残額を直接減額しております。
また、現在は経営破綻の状況にないものの、今後経営破綻に陥る可能性が高いと認められる債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額および保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、将来の予想損失額を算定し、計上しております。
上記以外の債権については、過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率等に基づき計上しております。
すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が自己査定を実施し、当該部署から独立した部署が査定結果を確認しております。
当社グループは、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分な額を計上しており、債権額から貸倒引当金を控除した額は回収可能な額として計上していると判断しております。
ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。
このため予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来、当社グループが貸倒引当金を増額または減額する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症が与える影響については、感染症法上の5類指定等の政府方針の変更による感染再拡大等の懸念は残るものの、政府・自治体による防疫体制の拡充や医療体制の整備により、影響は収束していくものと認識しております。
今後の感染状況等によっては、景気悪化に伴うお客さまの業況の悪化による信用コストの増加、資金調達コストの増加等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 客観的な指標等の進捗状況・分析等
第6次中期経営計画(2019年度~2023年度)では、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を実現するため、計画最終年度(2023年度)の経営目標数値(連結)を以下のとおり設定しております。
指標 | 2021年度 (実績) | 2022年度 (実績) | 最終年度(2023年度)の数値目標 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 149.02億円 | 283.98億円 | 300億円 |
グローバル分野の年度末残高 | 3,229億円 (2.3倍) | 3,770億円 (2.7倍) | 2019年3月末比 3倍 |
配当性向 | 35.7% | 25.1% | 25%以上を目指す |
(注)グローバル分野の年度末残高は、グループ会社が保有する営業資産を含む。
2022年度は、親会社株主に帰属する当期純利益については、業績予想値260億円に対して283.98億円の実績となりました。グローバル分野の残高については、クロスボーダーローン案件の実行や為替の影響などにより、前期(2022年3月期)末比541億円増加し3,770億円となりました。また、2022年度の1株当たり年間配当額は147円00銭と21期連続での増配となり、配当性向は25.1%となりました。