四半期報告書-第28期第3四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/12 15:05
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、本四半期報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(自2021年1月1日至2021年9月30日)におけるわが国経済は、4回目の緊急事態宣言の再発出や東京五輪の無観客開催、さらには緊急事態宣言の延長・拡大の影響で消費の回復が遅れていました。しかしながら、ワクチン接種の進展や感染者数の減少により緊急事態宣言が解除され、経済活動の回復が見込まれ、加えて岸田新総理は、数十兆円規模の経済対策の策定を表明しており、来年以降には追加経済対策の効果が期待されます。
当社の事業である情報サービスと関連性の高い国内株式市場におきましては、新型コロナの感染拡大で上値が重くなる局面もありましたが、新型コロナウイルスの感染者が急減したことを背景に大幅に上昇しております。
また、7-9月期における暗号資産は、規制の強化、金融引き締め政策への懸念、環境問題、機関投資家の需要の鈍化などが引き金となり、前年より続いた上昇が途絶え、現在は価格を下げて調整局面に入っております。
当社の持分法適用関連会社である株式会社カイカエクスチェンジホールディングス(2021年11月1日付で、株式会社Zaif Holdingsより商号変更。以下、「カイカエクスチェンジ HD」といいます。)の株式につき、2021年8月13日に株式会社CAICA DIGITAL(2021年11月1日付で、株式会社CAICAより商号変更。以下、「CAICA DIGITAL」といいます。)が行うカイカエクスチェンジ HDを株式交付子会社とする株式交付に申込を行い、同8月31日に株式交付の効力が発生致しました。これに伴い、カイカエクスチェンジ HDは当社の持分法適用関連会社から除外されましたが、株式交付によるCAICA DIGITALの株式取得を通じて、両社の営業基盤を活用した営業促進の連携、新規製品の共同マーケティング、ソフトウェア等の共同開発・共同研究および人材の相互交流等の業務提携のみならず、暗号資産に関する知見を活用した暗号資産ビジネスの強化、革新的な金融サービスの共同開発および共同研究に注力してまいります。また、カイカエクスチェンジ HDが運営する暗号資産交換所Zaif(2021年11月1日付で、Zaif Exchangeよりサービス名変更)が取り扱う「フィスココイン」(略称「FSCC」)の決済通貨として利用促進することで、利用者が様々なメリットを享受できるようなフィスココイン経済圏の形成に取り組んでいます。具体的には、株式会社FISCO Decentralized Application PlatformによるFSCCレンディングアプリケーション募集や、FSCCマーケティングエアドロップなどのキャンペーンを通じて利便性向上を進めながら、フィスココイン経済圏拡大を目指しています。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は832百万円(前年同期は716百万円の売上)、売上原価は305百万円(前年同期は273百万円の売上原価)となりました。販売費及び一般管理費は、455百万円(前年同期は524百万円の販売費及び一般管理費)となり、営業利益71百万円(前年同期は81百万円の営業損失)となりました。
営業外収益でカイカエクスチェンジ HDの持分法による投資利益29百万円及び暗号資産売却益100百万円を計上したことなどにより、経常利益は190百万円(前年同期は246百万円の経常損失)となりました。
当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損益は、特別利益にCAICA DIGITALによるカイカエクスチェンジ HD子会社化に伴う持分変動利益592百万円およびCAICA DIGITALがカイカエクスチェンジHDを株式交付子会社とする株式交付に伴う関係会社株式交換益4,853百万円を計上したこと、また、関係会社株式交換益に対する繰延税金負債を計上したことによる法人税等調整額を1,625百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は、4,023百万円(前年同期は85百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
なお、セグメントごとの業績は、次のとおりです。
① 情報サービス事業
金融・経済情報配信サービス分野におきましては、法人向けリアルタイムサービスが前期比で減少しているものの、アウトソーシングサービスの取引増加および個人向けサービスである、「クラブフィスコ」の売上が引き続き伸長しているほか、期首からの暗号資産マーケットの急伸に伴った広告売上が好調に推移したことなども加わり、前期比で133百万円増加し、売上高は421百万円(前年同期は287百万円の売上)となりました。
上場企業を対象としたIR支援及びコンサルティングサービス分野におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響から、徐々に復調しており、中核サービスであるスポンサー型アナリストレポート(企業調査レポート)の受注および東証新市場区分に向けた開示資料・翻訳等の受注によって計画以上に推移し、売上高は373百万円(前年同期は387百万円の売上)となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は794百万円(前年同期は674百万円の売上高)となり、セグメント利益は265百万円(前年同期は141百万円のセグメント利益)となりました。
② 広告代理業
広告代理業分野では、需要が高まるネット広告や動画制作に重点を置いた提案活動は年間を通して継続しており、特に東京2020オリンピック・パラリンピックに合わせた媒体広告出稿やイベント動画制作は順調に推移しました。コロナ禍においては、依然として企業広告はクライアント企業も広告のタイミング、広告内容や広告出稿には慎重な姿勢を崩していませんが、当第3四半期においては、計画通り進捗しています。一方で、スポット案件受注は依然厳しい状況は続いており、引き続き案件受注に向け営業強化が課題となります。この結果、売上高は36百万円(前年同期は36百万円の売上高)となり、セグメント損益はセグメント利益5百万円(前年同期は2百万円のセグメント利益)となりました。
③ 暗号資産・ブロックチェーン事業
株式会社フィスコ・コンサルティングは、暗号資産に対する自己勘定投資を行っており、損益の純額を売上に計上しております。2021年5月にビットコインを中心とした暗号資産市場の大幅な下落相場から回復基調にありましたが、保有する暗号資産の評価損などにより、売上高は△0百万円(前年同期は5百万円の売上)、セグメント損失は△1百万円(前年同期は4百万円のセグメント利益)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比して3,070百万円増加し、5,791百万円となりました。これは、CAICA DIGITALによるカイカエクスチェンジ HDの子会社化に伴い持分変動利益の計上および、CAICA DIGITALがカイカエクスチェンジ HDを株式交付子会社とする株式交付に伴う関係会社株式交換益を計上したことで、投資有価証券が3,145百万円増加したことなどが主因であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比して414百万円増加し、1,837百万円となりました。短期および長期借入金等が79百万円減少したこと、CAICA DIGITALがカイカエクスチェンジ HDを株式交付子会社とする株式交付に伴い、持分法適用に伴う負債が1,125百万円減少した一方で、株式交付に伴う関係会社株式交換益に対する繰延税金負債を1,589百万円計上したことなどによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比して2,655百万円増加し、3,953百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が1,214百万円減少し、利益剰余金が3,886百万円増加したことなどによります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動に該当するものはありません。
(5)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
連結業績予想については、2021年8月31日付「2021年12月期通期業績予想の修正に関するお知らせ」で公表いたしました通期の業績予想を直近の業績の動向を踏まえ業績修正しております。
なお、今後の新型コロナウイルス感染症の状況等により、当社の業績が大きな影響を受け、通期の業績予想について修正の必要が生じた場合には、速やかに開示いたします。