四半期報告書-第29期第3四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/14 16:02
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」をご参照ください。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(自2022年1月1日至2022年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症「第7波」や世界景気の悪化などにより、個人消費や輸出を中心に停滞感がみられましたが、国内では設備投資が増加基調にあるなど内需主導で緩やかな回復基調にあります。一方、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が再度増加に転じつつあり、今冬はインフルエンザとの同時流行が経済再開に水を差す可能性も指摘されるなど、米国長期金利の高騰による円安、資源価格の高騰などの経済情勢とあいまって依然として予断を許さない状況にあります。
当社の情報サービス事業と関連性の高い国内株式市場は、海外景気の減速懸念が重荷となりつつも、金融緩和が維持され、経済活動が再開しつつあるなど、相対的に好材料が多く、米国経済のインフレ対策の進展により、さらなる日本株の押し上げも期待されます。
一方で、当社の暗号資産・ブロックチェーン事業と関連性の高い暗号資産市場は、世界的に進む金融引き締めにより2022年3月以降現在も低迷しており、またNFTの仕組みを支える暗号資産(仮想通貨)の一つであるイーサリアムの価格の下落は、NFT取引額の減少をもたらしております。しかしながら、我が国では、ウェブ3の環境整備を掲げており、市場育成に動き出していることから、将来的には、企業や個人に広く受け入れられてゆくものと予想されます。
このようなマクロ経済動向のなか、引き続き当社グループは2022年3月28日付「事業計画及び成長可能性に関する事項」に掲げた長期的な成長目標を指針として、事業規模拡大を目指してまいります。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は915百万円(前年同期は934百万円の売上高)、売上原価は343百万円(前年同期は351百万円の売上原価)、売上総利益は572百万円(前年同期は582百万円の売上総利益)となりました。販売費及び一般管理費は、414百万円(前年同期は409百万円の販売費及び一般管理費)となり、営業利益は157百万円(前年同期は172百万円の営業利益)となりました。
営業外収益で暗号資産売却益34百万円を計上したことなどにより、経常利益は187百万円(前年同期は190百万円の経常利益)となりました。
当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は183百万円(前年同期は4,023百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの業績は、次のとおりであります。
① 情報サービス事業
金融・経済情報配信サービス分野におきましては、法人向けリアルタイムサービス及びアウトソーシングサービスが前期比で減少しているものの、ポータルサイト向けコンテンツ提供からの収益が底堅く推移したこと、フィスコブランドを活用したプラットフォームの利用増加により、広告売上が増加したことなどから、前期比で11百万円増加し、売上高は432百万円(前年同期は421百万円の売上高)となりました。
上場企業を対象としたIR支援及びコンサルティングサービス分野におきましては、フィスコウェビナー開催による潜在ニーズ顕在化の働きかけ、ならびに軟調な株式市況から引き続きIRを積極化する企業ニーズを受けて、中核サービスであるスポンサー型アナリストレポート(企業調査レポート)の受注及び改訂コーポレートガバナンスコード対応を意識した統合報告書、決算説明資料・翻訳等の受注によって概ね昨年通りに推移し、売上高は409百万円(前年同期は373百万円の売上高)となりました。この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は841百万円(前年同期は794百万円の売上高)となり、セグメント利益は320百万円(前年同期は265百万円のセグメント利益)となりました。
② 広告代理業
広告代理業分野では、従来からのビジネス媒体による定期広告出稿は順調に推移しているほか、第3四半期に入り旅行関連のメディア出稿が一部復活しておりコロナ禍からの脱却を予感させる状況となっております。またHPのコンテンツ更新に加えてSEO対策の強化や分析の深化を目的とする追加や修正は継続して発生しており、ネット分野のサービスも多様化しながらも堅調に推移しています。
また月次商品・サービスキャンペーンのスポット的な実施からレギュラー化の流れは続いており、売上増の推進力になっております。案件は依然小型化しているものの、営業ツール制作案件の受注も回復しつつあり、今後幅広い分野での受注に向けた営業力強化を継続してまいります。この結果、売上高は45百万円(前年同期は36百万円の売上高)となり、セグメント利益は6百万円(前年同期は5百万円のセグメント利益)となりました。
③ 暗号資産・ブロックチェーン事業
フィスコ・コンサルティングは暗号資産に対する自己勘定投資を行っておりますが、第1四半期連結累計期間よりフィスコも暗号資産に対する自己勘定投資を開始し、トレーディング収益に係る損益の純額を売上高に計上しております。ビットコインを中心とした取引価格が年初から下落傾向が続いており、保有する暗号資産の売却損及び評価損などにより、売上高は△2百万円(前年同期は101百万円の売上高)、セグメント損失は5百万円(前年同期は99百万円のセグメント利益)となりました。
(2) 財政状態の概況
(資産)
当第3四半期連結累計期間の総資産は、前連結会計年度末に比して916百万円減少し、4,467百万円となりました。これは、主に保有する投資有価証券に係る株式評価差額金の計上により、投資有価証券が828百万円減少し、また、主に有形固定資産の売却により、有形固定資産が38百万円減少したことなどによるものです。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比して69百万円減少し、1,689百万円となりました。これは、短期及び長期借入金が27百万円減少したこと、未払金の42百万円減少及びその他流動負債が21百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比して846百万円減少し、2,778百万円となりました。これは、利益剰余金が46百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が899百万円減少したことなどが主たる要因であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動に該当するものはありません。
(5) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
今後の新型コロナウイルス感染症の状況等により、当社の業績が大きな影響を受け、通期の業績予想について修正の必要が生じた場合には、速やかに開示いたします。