四半期報告書-第27期第2四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/14 15:03
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、緊急事態宣言の発出を受け、休業要請や外出自粛要請を背景に、個人消費は大きく落ち込み、小売業、サービス消費の低下など、経済活動の停滞は避けられない状況となっており、依然として景気の先行きが不透明な状況が続いております。
当社の事業である情報サービスと関連性の高い国内株式市場におきましては、世界的な新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、日経平均株価が3月に16,000円台まで大きく下落する場面もありましたが、5月には20,000円を超えるまで回復いたしました。新型コロナウィルス感染症の収束の兆しが見えない状況が続く中、企業活動の抑制と、景気や企業業績の悪化が続いており、国内株式市場を取り巻く環境は依然として厳しいものとなっております。
暗号資産交換業業界では、2019年6月に現行の資金決済法と関する金融商品取引法の改正が公布され、利用者保護を図るための措置、利用者の金銭・暗号資産の管理方法等、暗号資産交換業者の業務に関する規定の制度整備が盛り込まれた改正案が、2020年5月1日より施行されることとなりました。このような状況のもと、引き続き当社グループでは、ビットコインを中心とした暗号資産の情報、交換所、同システム、金融仲介機能を網羅し、暗号資産による一気通貫のサービス提供を可能とすることを成長戦略としています。当社の持分法適用関連会社である株式会社フィスコ仮想通貨取引所(以下「FCCE」といいます。)は2019年6月21日に、金融庁より資金決済法に基づく、業務改善命令を受けており、早期の是正を目指し改善に取り組んでおります。2020年2月12日に、FCCEが運営する「フィスコ仮想通貨取引所」と仮想通貨取引所「Zaif」を統合し、「Zaif Exchange」といたしました。また2020年3月6日より新規口座開設受付を再開しており、取引所統合により運営の効率化及び経常費用削減に加え、直近の手数料増収などから業績の改善を見込んでおります。
フィスココイン(略称「FSCC」)は、2016年に当社が発行した企業トークンです。当社グループでは、FSCCを決済通貨として利用促進することで、利用者が様々なメリットを享受できるようなフィスココイン経済圏の形成に取り組んでいます。具体的には、2020年6月に、利用者の利便性向上を目的として、FSCCのプロトコルを「カウンターパーティー」から「ERC20」に変更し、7月には、スマートコントラクトを利用したバーチャル株主総会の議決権行使アプリケーション、株主優待アプリケーション、FSCCのステーキングアプリケーションの開発に着手したことを発表しました(http://www.fisco.co.jp/uploads/20200731_fisco_pr.pdf)。同時に2020年4月、「Zaif Exchange」にて、「トークン」から「主要通貨」への移行が行われ、「Zaif川柳」のプレゼントとしてFSCCが採用されました。また、フィスコが運営するクラブフィスコにて、5月には、株式会社クシム子会社のイーフロンティアが運営するイーフロンティアストアにて、それぞれFSCCを決済通貨として採用し、法定通貨よりも2割ほどディスカウントされた価格で商材を購入することを可能としています。今後も「Zaif Exchange」を通じて、Ui/UXの観点による利便性向上を進めながら、フィスココイン経済圏拡大を計画しています。
前第3四半期連結累計期間より、株式会社ネクスグループが連結子会社から持分法適用関連会社へ変更したことに伴い、業績が前年同期と比して大幅に減少しております。当第2四半期連結累計期間の売上高は449百万円(前年同期は5,161百万円)、売上原価は191百万円(前年同期は3,014百万円)となりました。販売費及び一般管理費は、354百万円(前年同期は2,680百万円)となり、営業損失96百万円(前年同期は533百万円の営業損失)となりました。
また、当社が保有するFSCCを売却したことにと伴い、暗号資産売却益として営業外収益に78百万円を計上したものの、持分法適用関連会社の株式会社ネクスグループ(以下「ネクスグループ」といいます。)に対する持分法による投資損失の計上により経常損失は113百万円(前年同期は745百万円の経常損失)となりました。
当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損益は、ネクスグループ株式の売却により特別利益141百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、27百万円(前年同期は758百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
① 情報サービス事業
金融・経済情報配信サービス分野におきましては、個人向けサービスである、「クラブフィスコ」が前期比で売上が伸長しているものの、ポータルサービスおよび法人向けリアルタイムサービスが前期比で減少しており、売上高は193百万円(前年同期比9.82%減)となりました。
企業IR支援サービス分野におきましては、季節性の高い大企業向け統合レポートやアニュアルレポートについて、案件の検収時期が第3四半期以降となるため、売上高の通期計画の約70%が下期に偏重して計上される傾向にあります。また、スポンサー型アナリストレポート(企業調査レポート)は今般の新型コロナウィルス感染症に伴う解約が発生した影響により、売上高は225百万円(前年同期比14.9%減)となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は418百万円(前年同期は480百万円の売上高)となり、セグメント利益は65百万円(前年同期は45百万円のセグメント利益)となりました。
② 広告代理業
新型コロナウィルス感染症拡大に伴う東京オリンピック・バラリンピックの開催延期およびクライアント企業の事業活動の自粛等の影響により、新規案件の獲得が伸び悩み、売上高は26百万円(前年同期は52百万円の売上高)となり、セグメント損益はセグメント損失2百万円(前年同期は6百万円のセグメント損失)となりました。
③ 暗号資産・ブロックチェーン事業
株式会社フィスコ・コンサルティングは、暗号資産に対する自己勘定投資を行っており、損益の純額を売上に計上しております。現在はトレーディングを縮小し、リスクを抑え小さな利ザヤを積み上げる運用を行っております。この結果、売上高は4百万円(前年同期は14百万円の売上)、セグメント利益は4百万円(前年同期は2百万円のセグメント利益)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比して504百万円増加し、2,707百万円となりました。これは、ネクスグループが持分法適用関連会社から除外されることに伴い、保有株式の評価替えを行ったことにより510百万円増加したことなどが主因であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比して95百万円減少し1,320百万円となりました。短期および長期借入金等が39百万円減少したこと、持分法適用に伴う負債が34百万円などによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比して600百万円増加し、1,386百万円となりました。ネクスグループが持分法適用関連会社から除外されることに伴い利益剰余金が386百万円、自己株式が279百万円増加し、その他有価証券評価差額金が53百万円減少したことなどによります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比して1,037百万円減少し、235百万円となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は47百万円の支出(前年同期は588百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益26百万円、売上債権、未払金、未払費用の減少額14百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は233百万円の獲得(前年同期は1,298百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が141百万円、暗号資産の売却による収入が78百万円増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は59百万円の支出(前年同期は564百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出27百万円、配当金の支払額による支出20百万円があったこと等によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。