有価証券報告書-第37期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 13:05
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1 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善を背景に設備投資は底堅く推移し、雇用・所得環境の改善により長く低迷していた個人消費も持ち直しに向かうなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外においては、米中間の貿易摩擦の影響が今後懸念されるなど、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。
介護サービス業界においては、高齢社会の進行に伴い、介護サービスの需要は一層拡大することが予想されます。また、平成30年4月の介護報酬改定では改定率0.5%のプラスとなっており、「質の高いサービス」や「自立支援・重度化防止に資するサービス」については1.0%相当のプラス改定が行われております。一方で給付の適正化で0.5%のマイナス部分もあり今後どのように事業の運営を行っていくのかが問われる改定となっています。
このような状況のもと当社グループにおきましては、収益面では、既存施設において施設稼働率を上昇させるため、新規利用者の獲得とサービスの向上に努めました。また、有料老人ホーム1施設、ケアプランセンター1施設を新規開設しており、積極的な施設展開を図ってまいりました。利益面では、前連結会計年度に開設した施設を中心に既存店の入居者獲得に注力したことなどから、営業収益の増加に伴い、営業利益、経常利益とも大幅に改善いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は13,861,945千円(前連結会計年度比8.9%増)となり、営業利益は535,221千円(前連結会計年度比268.3%増)、経常利益は250,603千円(前連結会計年度は経常損失136,726千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は224,003千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失137,988千円)となりました。
①デイサービス事業
当セグメントにおきましては、既存デイサービス施設のサービスの質の向上により施設稼働率の向上に努めてまいりました。また、労務費を中心としたコスト管理を徹底してまいりました。さらに福岡県福岡市で「舞松原デイサービスセンター」を移転開設いたしました。その結果、売上高は3,530,876千円(前連結会計年度比4.5%増)、セグメント利益は453,974千円(同11.7%増)となりました。
②施設サービス事業
当セグメントにおきましては、新規及び既存の有料老人ホームの入居者獲得に注力し、入居率の向上に努めました。また、当連結会計年度におきまして、福岡県北九州市に「ラ・ナシカこくら」を新規開設いたしました。その結果、売上高は9,416,253千円(同11.2%増)、セグメント利益は977,560千円(同60.9%増)となりました。
③在宅サービス事業
当セグメントにおきましては、利益率の改善のため人員配置や業務手順の見直し等、効率的な運営に取り組むことに注力してまいりましたが、売上高は853,746千円(同1.3%増)、セグメント損失は67,379千円(前連結会計年度はセグメント損失51,102千円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて182,213千円増加して863,027千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は1,177,152千円(前連結会計年度比94.6%増)となりました。その主な内訳は、収入要因として税金等調整前当期純利益250,603千円、減価償却費624,061千円、支出要因として売上債権の増加額112,582千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は450,394千円(同60.3%減)となりました。その主な内訳は、支出要因として有形固定資産の取得による支出434,262千円、預り保証金の返還による支出74,135千円、敷金及び保証金の差入による支出25,197千円、収入要因として預り保証金の受入による収入86,285千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は544,545千円(前連結会計年度は451,583千円の獲得)となりました。その主な内訳は、支出要因として短期借入金の返済による支出2,320,000千円、長期借入金の返済による支出688,592千円、リース債務の返済による支出148,844千円、収入要因として短期借入れによる収入1,600,000千円、長期借入れによる収入1,010,000千円であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループは生産を行っていないため、該当事項はありません。
②受注実績
当社グループは受注を行っていないため、該当事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
なお、当社グループは一般顧客を対象とした介護サービス事業ですので、特定の販売先等はありません。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
デイサービス事業(千円)3,530,876104.5
施設サービス事業(千円)9,416,253111.2
在宅サービス事業(千円)853,746101.3
報告セグメント計(千円)13,800,876108.8
その他事業(千円)61,069130.8
合計(千円)13,861,945108.9

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 施設サービス事業において、新規に有料老人ホーム1施設を開設しております。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、第5 経理の状況の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 当連結会計年度につきましては、新規開設した有料老人ホームの入居者獲得及びデイサービスの利用者獲得に注力したことから、売上高は13,861,945千円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。
セグメント別では、デイサービス事業におきましては、既存デイサービス施設のサービスの質の向上により施設稼働率の向上に努めてまいりました。また、労務費を中心としたコスト管理を徹底してまいりました。さらに福岡県福岡市で「舞松原デイサービスセンター」を移転開設いたしました。その結果、売上高は3,530,876円(前連結会計年度比4.5%増)、セグメント利益は453,974千円(同11.7%増)となりました。
施設サービス事業におきましては、新規及び既存の有料老人ホームの入居者獲得に注力し、入居率の向上に努めました。また、当連結会計年度におきまして、福岡県北九州市に「ラ・ナシカこくら」を新規開設いたしました。その結果、売上高は9,416,253千円(同11.2%増)、セグメント利益は977,560千円(同60.9%増)となりました。
在宅サービス事業におきましては、利益率の改善のため人員配置や業務手順の見直し等、効率的な運営に取り組むことに注力してまいりましたが、売上高は853,746千円(同1.3%増)、セグメント損失は67,379千円(前連結会計年度はセグメント損失51,102千円)となりました。
② 売上原価につきましては、新規施設の開設初期費用に加え、有料老人ホームの入居者の増加に伴う介護職員の増員及び景気の回復傾向に伴い人材確保のための求人費用及び人件費が上昇、入居促進のための入居紹介業者への手数料が増加いたしました。また、消費税増税に係る控除対象外消費税の負担が増加しております。その結果、12,348,134千円(前連結会計年度比5.8%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費につきましては、事業規模の拡大に伴う管理費用の増大や内部監査体制の強化及び美化・サービスについての社員教育に係る費用、消費税増税に係る控除対象外消費税の負担増等の影響により、978,589千円(同6.9%増)となりました。
④ 営業利益につきましては、有料老人ホームの入居者獲得及びデイサービスの利用者獲得に注力したことにより、営業利益535,221千円(同268.3%増)となりました。
⑤ 営業外収益につきましては、40,717千円(同0.3%増)となりました。これは主に、受取賃貸料によるものであります。
営業外費用につきましては、325,335千円(同0.8%増)となりました。これは主に、銀行借入及びリース取引に伴う支払利息によるものであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業において、各種介護サービス費用の約9割は、介護保険により給付され、介護報酬の基準単位もしくは一単位あたりの単価又は支給限度額は、当社グループの事業の状況に関わりなく介護保険法及びそれに基づく政省令により定められていることから、介護保険制度が改正されることにより、経営成績が重要な影響を受ける場合があります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、第2 事業の状況の「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
② 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産の残高は、3,463,220千円(前連結会計年度比10.4%増)となりましたが、この主な内訳は、現金及び預金863,027千円及び売掛金2,271,752千円であります。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産の残高は、14,590,318千円(同2.1%減)となりましたが、この主な内訳は、有料老人ホーム及びデイサービス施設の建物及び構築物5,200,494千円、リース資産4,345,481千円、土地2,204,476千円と敷金及び保証金2,170,195千円であります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債の残高は、4,968,275千円(同6.8%減)となりましたが、この主な内訳は、短期借入金2,600,000千円、1年内返済予定の長期借入金731,256千円であります。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債の残高は、11,974,281千円(同1.3%増)となりましたが、この主な内訳は、長期借入金5,354,203千円、リース債務5,299,739千円であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、1,110,981千円(同25.0%増)となりました。この主な内訳は、資本金432,280千円、資本剰余金308,030千円及び利益剰余金372,305千円であります。
これらの結果、当連結会計年度における総資産は18,053,538千円(同0.1%増)となりました。
当社グループの業容拡大についてはデイサービスセンターと有料老人ホームの新規開設に負う部分が大きく、今後も事業拡大のため積極的に事業所開設を行う考えでありますが、開設に係る用地取得資金、建設資金及び建物の賃借契約にかかる敷金・建設協力金等につきましては、銀行借入を含め、財務収支のバランスを勘案しながら最善の資金調達手段を検討していく考えであります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、第2 事業の状況の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。