有価証券報告書-第43期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 11:48
【資料】
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【項目】
133項目
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、ウィズコロナの下で行動制限が緩和され、経済社会活動の正常化が進む中、国内旅行支援や海外からの入国制限の緩和など各種施策の効果により、緩やかな回復基調で推移しました。
一方、原材料価格やエネルギー価格の高騰、サプライチェーンの混乱による部品の供給制約、記録的な円安と金融資本市場の変動など、先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、経済産業省の「特定サービス産業動態統計」によると2023年2月の情報サービス業の売上高合計は、前年同月比3.2%増と11か月連続して増加となりました。主力の「受注ソフトウェア」は前年同月比6.1%増加となったものの、「ソフトウェアプロダクツ」は同8.9%減少、「システム等管理運営受託」は同0.5%減少となり、DX(デジタルトランスフォーメーション)技術を活用した業務プロセスやビジネスモデルの変革が進む中、企業のIT投資需要は引き続き旺盛であるものの、業務種類ごとに売上高の増減が分かれる結果となりました。
このような経営環境の中、当社は当連結会計年度の基本方針として次の項目について取り組んでまいりました。
a) ソリューションビジネスの更なる拡大とプライムベンダー化
当社の基幹分野であるソリューションビジネスの拡大、特に得意分野へのさらなる特化と、優良顧客を高い利益率が期待できるプライムベンダー化(エンドユーザーからの一次請け)に取組みました。
b) ストックビジネスの拡大と優良顧客の獲得を重点的に実行
既存顧客からの継続受注を安定的に確保したことに加え、新規顧客からの案件を積極的に受注しました。
c) DX関連事業への取り組み
ペーパーレスソリューション「デジペーパー」や画像認識AI開発クラウドサービス「MODEWO」といった自社製品や、販売パートナーの提供するサービスを活用したソリューションの提供により、お客様のDXや働き方改革、業務改革のニーズに応えてまいりました。
d) 赤字プロジェクト・低採算プロジェクト縮小施策の推進
PRM強化策“PRiMER”を運用することにより、赤字プロジェクト・低採算プロジェクトの縮小に繋がりました。
e) 働き方改革・健康経営への取り組み
労務面については、従前からの「グッド・ジョブ・チャレンジ」(ノー残業デーの実施強化、事前承認残業の徹底、有給休暇の取得率向上など)を推進するとともに、職場の健康づくりに取り組む環境の整備や、コミュニケーション促進を目的としたサークル活動規程の策定など、従業員の健康保持・増進を経営の最重要課題のひとつとして取り組んだ結果、「健康経営優良法人2023」に認定されました。
業務区分別の売上高につきましては、次のとおりであります。なお、当社グループは、ソフトウエア関連事業の単一セグメントであるため、業務区分別の業績を記載しております。
企業のシステム構築を中心とするSIサービス業務は、当社の主要顧客である製造業、金融業などからの請負案件の受注が増加したことから、売上高は8,220百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
ソフトウエア開発業務は、既存顧客からの保守・メンテナンス業務を安定的に受注出来たことに加え、昨年1月にゼネラルソフトウェア株式会社を子会社化したことにより、売上高は12,393百万円(前年同期比19.3%増)となりました。
ソフトウエアプロダクト業務におきましては、通販業向け販売・顧客管理ソフト「Simplex」の売上等により、売上高は343百万円(前年同期比8.7%増)、商品販売ではパソコン・情報機器、ソフトウエア等の商品仕入れ販売により、売上高は363百万円(前年同期比18.9%増)となりました。
その他WEBサイトの運営ならびにクラウドサービス(SaaS)等では、新規オンラインショップ開設数、GMV(流通取引総額)が増加したことから、売上高は234百万円(前年同期比12.4%増)となりました。
利益面におきましては、受注量の増加に伴い技術者の稼働率が高い水準を維持していること、PRM(プロジェクト・リスク・マネジメント)活動による不採算プロジェクトを発生させない取り組みなどにより、安定した利益を計上しました。一方、確定給付企業年金制度から確定拠出年金制度へ移行したことに伴い、特別損失として退職給付制度終了損363百万円を計上いたしました。
以上の結果、当期における連結業績は、売上高21,556百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益2,501百万円(前年同期比20.3%増)、経常利益2,515百万円(前年同期比19.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,601百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループはソフトウエア関連事業の単一セグメントであるため、業務区分別の実績を記載しております。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
業務区分金額(百万円)前年同期比(%)
SIサービス業務8,220116.0
ソフトウエア開発業務12,393119.3
ソフトウエアプロダクト業務343108.7
その他234112.4
合計21,192117.8

(注) 金額は、販売価格によっております。
② 外注実績
当連結会計年度の外注実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
業務区分金額(百万円)前年同期比(%)
SIサービス業務3,271120.8
ソフトウエア開発業務5,121117.5
ソフトウエアプロダクト業務5698.9
その他0117.6
合計8,451118.6

③ 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
業務区分金額(百万円)前年同期比(%)
商品販売301127.7

(注) 金額は、仕入価格によっております。
④ 受注実績
当連結会計年度の受注実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
業務区分受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
SIサービス業務8,207104.71,98099.3
ソフトウエア開発業務12,876121.12,421124.8
ソフトウエアプロダクト業務347111.0105103.2
商品販売371117.349119.9
合計21,802114.14,557111.8

⑤ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。
業務区分金額(百万円)前年同期比(%)
SIサービス業務8,220114.3
ソフトウエア開発業務12,393119.3
ソフトウエアプロダクト業務343108.7
商品販売363118.9
その他234112.4
合計21,556117.1

(注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱トヨタシステムズ2,95816.03,18714.7

(2) 財政状態
① 資産の部
当連結会計年度末の流動資産は11,904百万円であり、前連結会計年度末に比べ1,488百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が1,021百万円増加および売掛金が447百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定資産は2,277百万円であり、前連結会計年度末に比べ191百万円減少しました。主な要因は、土地が205百万円増加した一方で、退職給付に係る資産が505百万円減少したことによるものであります。
② 負債の部
当連結会計年度末の流動負債は4,385百万円であり、前連結会計年度末に比べ300百万円増加しました。主な要因は、賞与引当金が126百万円増加およびその他が135百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定負債は661百万円であり、前連結会計年度末に比べ4百万円減少しました。これは、長期借入金が38百万円増加した一方で、退職給付に係る負債が43百万円減少したことによるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末の純資産は9,135百万円であり、前連結会計年度末に比べ1,001百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が1,100百万円増加したことによるものであります。
当社グループの自己資本比率および流動比率は、当連結会計年度末においてそれぞれ、64.3%、271.4%となり、良好な財政状態を保っております。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,021百万円増加し、7,336百万円(前年同期末は6,314百万円)となりました。
また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、1,796百万円(前年同期は1,287百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,152百万円、退職給付制度終了損363百万円などの増加要因が、売上債権の増加による減少額454百万円、法人税等の支払額703百万円などの減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、273百万円(前年同期は254百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出210百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、501百万円(前年同期は526百万円の減少)となりました。これは主に、長・短期借入れによる収入1,780百万円、長・短期借入金の返済による支出1,780百万円や配当金の支払額501百万円によるものであります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フローの安定的な確保と金融機関からの借入による資金調達を基本方針としております。
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は7,336百万円であり、資金の流動性は十分に確保できております。なお、資金の主要な使途としては、運転資金であり、経済情勢の悪化等により、万一事業環境が悪化した場合でも一定程度の運転資金の水準を維持することとしております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。