有価証券報告書-第22期(平成30年9月1日-令和1年8月31日)

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2019/11/22 16:20
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136項目
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、各国間の通商問題や米国株式市場の変動等、海外経済の不確実性及び地政学的な不安の高まりはあるものの、企業収益や雇用情勢や所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
このような情勢の中、当社グループは、既存事業の抜本的な見直しと新規事業の推進に注力し、メディア事業におけるシステム構築や、医療ツーリズム及び越境eコマースの国内外における提携先の発掘並びにMRシステム開発を進めております。新規事業、既存事業ともに、先行投資は順調に行われましたが、収益の主柱である占いコンテンツ事業における売上構成の変化やゲームコンテンツ事業の売上不調により売上高は前年同期比減少となりました。営業利益についても、売上構成の変化に伴う売上原価の増加により、前年同期比減少にて着地しております。
また、開発の見直し及び構築システムの増加等に伴う新規事業収益化の遅れも収益減少の要因となっております。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高1,943百万円(前年同期比10.5%減)、営業利益36百万円(前年同期比49.8%減)、経常利益40百万円(前年同期比42.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益22百万円(前年同期比9.9%増)となりました。なお、当社グループは、当連結会計年度において、営業外収益として投資有価証券売却益4百万円、受取和解金5百万円及び受取損害賠償金2百万円並びに特別利益として新株予約権戻入益12百万円を計上しております。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① 占いコンテンツ事業
当社では占いコンテンツ事業を、 ISP、各移動体通信事業者及びApple や Google 等のプラットフォーム向けに主にインターネット回線上で占いコンテンツを企画・制作・配信する占いコンテンツサービス(以下「占いコンテンツサービス」といいます。)と、ユーザーと占い師を電話等で直接結び付ける、双方向のやり取りを特徴とするOne to One サービス(以下「One to One サービス」といいます。)の2つに分けております。占いコンテンツサービスでは、レコメンド機能をはじめとする各種システムの開発等を進め、人員配置についても適正化を図ってまいりましたが、当連結会計年度においては依然としてISPやキャリアに依拠するところが強く、会員数減少等に伴う収益の減少が発生いたしました。売上の不調については底打ちの様子を見せており、前述の各種開発が翌連結会計年度において収益貢献するものと考えております。一方で、One to One サービスについては、第20期に営業黒字化して以降順調に業績を伸ばしており、当連結会計年度におきましても売上収益ともに増加し、占いコンテンツサービスの収益減少を下支えました。
以上の結果、当連結会計年度における占いコンテンツ事業の売上高は1,647百万円(前年同期比6.9%減)、営業利益は532百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
② ゲームコンテンツ事業
当社グループのゲームコンテンツ事業は子会社「株式会社ブルークエスト」、「株式会社ルイスファクトリー」の2社でゲーム配信及び運営を行っておりますが、ブルークエストに関しては、収益性の観点から事業規模を縮小しており、収益のほとんどは、ルイスファクトリーによるものとなっております。当連結会計年度におけるゲームコンテンツ事業は、ゲーム配信及び運営を行う他、株式会社SQ(代表取締役 松本恒彦)との協業により新規自社タイトルの制作を行ってまいりましたが、運営タイトル数の減少並びに運営期間の長期化による既存タイトルの収益性低下と、前述の新規タイトル制作費が影響し、売上収益ともに前年同期比減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるゲームコンテンツ事業の売上高は212百万円(前年同期比35.9%減)、営業利益は6百万円(前年同期比76.3%減)となりました。
③ メディア事業
メディア事業においては、AIを生かしたキュレーションサイトの運営を行っております。当連結会計年度においては、既存メディアの運用の他、新規メディア2本を制作・リリースいたしました。既存メディアにおける広告枠の拡大及び収益体制の多角化によりに売上が増加したものの、新規メディアについてはいずれも集客段階のため当連結会計年度における利益貢献に至らず、これらの制作費が利益を下押し、営業損失を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるメディア事業の売上高は75百万円(前年同期比17.8%増)、営業損失は26百万円(前年同期は営業損失27百万円)となりました。
④ その他
新規事業におきましては、国内外の子会社が連携し、医療ツーリズム事業及び越境eコマース事業を推進する他、MR事業における、自社独自開発のリアルタイム実写立体動画撮影技術「SUPERTRACK」を使用したアプリケーション「ホログラ」の開発に注力してまいりました。しかしながら、香港合弁会社の設立遅延や各種計画の一部見直しにより、開発先行投資の増加及び収益化の遅れが発生し、営業損失が前年同期比で拡大しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるその他の事業の売上高は14百万円(前年同期比147.6%増)、営業損失は106百万円(前年同期は営業損失94百万円)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当社グループは、主に占いをデジタルコンテンツ化し、携帯電話向け及びPCサイト向けに提供する占いコンテンツ事業を中心としており、またゲームコンテンツ事業、メディア事業、その他においても、生産に該当する事項がないため記載しておりません。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年9月1日
至 2019年8月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
占いコンテンツ事業--
ゲームコンテンツ事業--
メディア事業--
その他6,262159.4
合計6,262159.2

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.その他の増加につきましては、当連結会計年度よりVR機器の販売を開始したことによるものであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年9月1日
至 2019年8月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
占いコンテンツ事業1,647,07793.1
ゲームコンテンツ事業212,85364.1
メディア事業69,486108.2
その他14,199247.6
合計1,943,61789.5

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.その他の増加につきましては、VR機器の販売及び受託案件の獲得による増加によるものであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年9月1日
至 2018年8月31日)
当連結会計年度
(自 2018年9月1日
至 2019年8月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
LINE株式会社341,62015.7438,70322.5
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ442,48820.4357,26518.4
KDDI株式会社271,84212.5203,49910.5

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5.株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ及びKDDI株式会社に対する販売実績は、iモードサービス、EZweb有料情報提供サービスを介してユーザーが情報の提供を受け、その利用代金を当社に代わり、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ及びKDDI株式会社が料金回収代行サービスとして回収した金額であります。
(3) 財政状態の分析
① 資産の状況
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末と比較して90百万円増加し、3,087百万円となりました。
これは主に、現金及び預金の増加201百万円、売掛金の減少46百万円及び投資有価証券の売却による減少66百万円によるものです。
資産の内訳は、流動資産2,679百万円、有形固定資産22百万円、無形固定資産178百万円及び投資その他の資産207百万円となっております。
② 負債の状況
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末と比較して149百万円増加し、1,739百万円となりました。
これは主に、1年内返済予定の長期借入金の増加169百万円によるものです。
負債の内訳は、流動負債949百万円、固定負債789百万円となっております。
③ 純資産の状況
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して59百万円減少し、1,348百万円となりました。
これは主に、利益剰余金の増加22百万円、自己株式の取得による支出60百万円及び新株予約権の行使期限満了に伴う失効12百万円によるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して201百万円増加し、2,302百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により増加した資金は、107百万円(前連結会計年度は129百万円の増加)となりました。
主な増減要因は税金等調整前当期純利益53百万円、減価償却費48百万円及び売上債権の減少45百万円であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により減少した資金の額は、13百万円(前連結会計年度は82百万円の減少)となりました。
主な増減要因は、無形固定資産の取得による支出69百万円及び投資有価証券の売却による収入66百万円であります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により増加した資金は、110百万円(前連結会計年度は175百万円の減少)となりました。
主な増減要因は、長期借入金の借入による収入800百万円、長期借入金の返済による支出637百万円及び自己株式の取得による支出60百万円であります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの事業活動における主な運転資金需要は、各事業の事業規模拡大や新規事業推進に伴う国内外の子会社における運転資本及びシステム開発費の増加等であります。
当社グループは、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、これらの事業活動に必要となる資金の安定的な確保に努めております。資金調達においては、当社は、金融機関に十分な借入枠を有しており、市場環境を勘案し、慎重な判断のもと借入を行っております。一方で内部資金についてはこれまでの利益剰余金の積み重ねにより高水準を維持している現預金を活用しており、各種事業への機動的な投資の実行を可能にするとともに、自己資本比率をはじめとする各指標のもと、資金効率の向上に努めております。
(5) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り、計上しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」をご参照願います。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2(事業等のリスク)」をご参照願います。
(8) 経営戦略の状況と今後の見通し
当社グループは、占いコンテンツ事業及びメディア事業を中心として安定的な収益を確保すると同時に、新規事業の育成を重視し、積極的かつ継続的な投資を行う所存です。MR事業における独自開発をはじめとして、医療ツーリズム、越境eコマース等の新規事業におけるシステム・体制構築に注力し、経営の多角化を進めております。
なお、財務面に関しましては、これまで同様資産の透明性を確保し、新規事業への挑戦を、安定した内部留保によって下支えする健全な経営を行う考えであります。
各事業別の見通しは以下のとおりであります。
■占いコンテンツ事業
占いコンテンツサービスに関しましては、自社サイト内におけるユーザーの回遊率の向上及び占いコンテンツの中国展開により、1コンテンツあたりの収益増加を図ってまいります。
一方で、One to One サービスにつきましては、引き続き電話による直接鑑定や LINE 株式会社へのサービス提供強化による安定的な収益を見込んでおりますが、収益増加を図るべく、これまで培ってきたノウハウを新規サービスへ生かし、新たな顧客層へのアプローチを試みてまいります。
■ゲームコンテンツ事業
ゲームコンテンツ事業に関しましては、昨今のセカンダリー市場のレッドオーシャン化を鑑み、セカンダリー事業のみならず他社との協業による新規タイトル制作についても積極的に行ってまいります。
■メディア事業
メディア事業に関しましては、引き続きキュレーションサイトの運営を行ってまいります。来期においては、1サイトあたりの価値を高めることに注力すると共に、引き続き新規メディアを制作してまいります。
■その他
その他事業に関しましては、国内外の子会社及び中国現地企業との協力体制を強化し、引き続き新規事業の推進を最重要事項としてまいります。なお、来期の注力項目は以下のとおりです。
1.医療ツーリズム、越境eコマースにおける顧客基盤の確保及び拡大化並びにシステムの構築
2.他社との協業による自社独自開発のリアルタイム実写立体動画撮影技術「SUPERTRACK」のサービス拡大及びプラットフォームの立上げ
新規事業における2020年8月期業績への貢献については、一定の売上寄与を予測してはおりますが、各種システムの開発や販路の拡大等、引き続き先行投資を行う予定であり、利益面での寄与は2021年8月期以降を見込んでおります。
なお、2020年8月期の通期業績見通しにつきましては、売上高2,200百万円、営業利益130百万円、経常利益120百万円、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円を予測しております。これらの数値は、上記各事業の見通しに基づき予測する数値となっております。従って、新規事業の進捗に変更がある場合、利用ユーザー数が大幅に見込みを上回る若しくは下回る場合、又は当社事業が進出する海外諸国において法令が改正されあるいは情勢が変化した場合、変動する可能性があります。各事業の進捗並びに業績に与える影響を精査の上、当該連結業績予想に変更が生じた際は、速やかに訂正・開示いたします。
(注)本記載内容につきましては、現時点で入手可能な情報に基づき当社で判断したものであります。今後の展開には様々な不確定要素が内在しており、実際の進捗はこれらと異なる場合がありますので、本記載内容を全面的に依拠して投資等の判断を行うことは差し控えられますようお願い致します。