有価証券報告書-第20期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)

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2020/07/31 10:15
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
各セグメントの事業の内容は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
当社グループは、中期事業方針『SiLK VISION 2020』の達成に向けて事業を推進しました。売上高は8期連続増収となり、過去最高の実績となりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に対する精査を行うとともに、同感染症の第2波、第3波の発生及びウィズコロナ(新常態時代)を視野に入れたBCP(事業継続計画)対応が不可欠との認識から、BCM(事業継続マネジメント)に則ったマネジメントプロセスによる検証も実行し、将来の当社グループの事業への影響も慎重に精査した結果、営業利益、経常利益、親会社に帰属する当期純損益は前連結会計年度を下回ることとなりました。
継続成長事業の1つと位置付けているモバイル事業においては、2019年12月1日付で、DTIがMVNOとして格安スマートフォンサービスを提供するトーンモバイルの全事業を会社分割(吸収分割)により承継しました。その格安スマートフォンサービス「トーンモバイル」では、スマートフォン新端末を投入する等、ユーザー数拡大に尽力しました。当社グループが事業を展開するMVNO・MVNE市場においても、大手モバイル通信キャリアによる新プランの投入やサブブランドでの攻勢、参入事業者の増加並びに事業者再編といった市場環境の変化はあったものの、当社がMVNEとして提供するMVNO支援パッケージサービス「freebit MVNO Pack」においても提供先企業数が増加しました。
もう1つの継続成長事業と位置付けているアドテクノロジー事業では、フルスピード及びその子会社がDSP広告サービス等の拡販や動画広告市場向けのサービス展開に注力しました。また、アフィリエイターの利用満足度が極めて高いアフィリエイトサービス「afb」の利便性の向上及びサービスの海外展開に取り組んだことで、事業規模が拡大しました。
新分野である生活領域の各事業については、今後の当社グループ発展の一翼を担うものとするべくその育成に注力しており、“Health Tech”分野においてはフリービットEPARKヘルスケアが、また、“IoT”分野においては当社が、“不動産Tech”分野においてはギガプライズが、そして“EdTech”分野においてはアルクがそれぞれ中心となり、当社グループの事業リソースを最大限に活かす形で推し進めてきました。当社グループでは、現段階において事業規模の拡大を最優先事項と位置付けており、そのためには、性急な収益化よりも顧客基盤獲得のための投資を継続していくことが肝要であるとの認識のもと、事業活動に臨みました。
以上の結果、営業利益は2,587,802千円(前連結会計年度比13.2%減)、経常利益は2,481,053千円(前連結会計年度比3.4%減)と前連結会計年度を下回りましたが、売上高は55,295,010千円(前連結会計年度比9.8%増)と前連結会計年度を上回り過去最高実績の達成となりました。しかしながら、減損損失として1,461,952千円の特別損失を計上することとなり、親会社株主に帰属する当期純損失は619,352千円(前連結会計年度は279,337千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
インフラテック事業
固定網通信関連サービスについては、スマートフォンやタブレット、AIアシスタント機器等のICT端末の普及に伴い、宅内Wi-Fi環境を通じたネット動画視聴、ゲームをはじめとしたリッチコンテンツやSNSの利用増加により固定回線向けインターネット接続サービスの帯域費用が高止まり傾向にあります。
モバイル通信関連サービスについては、当社がMVNEとしてサービスを提供するMVNO企業数が増加するとともに、エンドユーザー向けMVNOサービスの拡販にも注力しました。また、格安スマートフォンサービス「トーンモバイル」では自社ユーザー層に合わせ、社会問題化している子供のスマホ問題をAIで解決する機能などを搭載した新スマートフォン端末を発売しました。
クラウド関連サービスについては、パブリッククラウドサービス及びプライベートクラウドサービス、そしてそれらを組み合わせたハイブリッドクラウドサービスの拡販に注力しました。また、アルプスアルパイン株式会社と包括的提携し、インターネット/IoTインフラの改ざんをBlockChainを使って軽減する基礎技術を発表する等、CASE/MaaS時代の「シームレスカーライフ」実現に向けて様々な取り組みを実施しました。
以上の結果、売上高は15,705,886千円(前連結会計年度比1.6%減)、セグメント利益は856,938千円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。
不動産テック事業
集合住宅向けインターネット接続サービスについては、提供戸数の拡大に向けて、大手顧客からの継続的な受注と新規獲得に注力いたしました。新築物件については、将来の機器交換時の工事を不要とする新商品「PWINS」を開発し、販売開始に向けて取り組んでまいりました。今後更なる需要が見込まれる既存物件については、その導入シェア拡大に向けて「SPES」を開発し、販売を開始しました。
以上の結果、売上高は13,648,405千円(前連結会計年度比25.2%増)、セグメント利益は1,356,888千円(前連結会計年度比17.0%増)となりました。
アドテク事業
当社グループ独自のアドテクノロジー関連サービスであるDSP広告等の商材を中心としたインターネット広告サービスの提供に注力したことに加え、アフィリエイトサービスにおいては、得意とする業界での伸長に加え、その他の業界への提供も順調に広がり、引き続き、事業規模並びに売上規模が拡大しました。
以上の結果、売上高は17,081,876千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。なお、海外展開及び新規事業等のインキュベーション領域への先行投資による人材関連費の増加により、セグメント利益は873,143千円(前連結会計年度比16.3%減)となりました。
ヘルステック事業
フリービットEPARKヘルスケアが展開するお薬手帳アプリ利用者や調剤薬局向けソリューションサービス利用事業者の獲得等を企図した投資を継続したことに加え、医薬品の不動在庫管理や薬局の生産性改善を実現するファーマシーシステム事業が立ち上がったことにより事業規模が大きく拡大し、売上高は3,513,881千円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。ただし、フリービットが担う介護施設事業者向けサービスにおいて、顧客基盤獲得のための投資に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるシステム導入延期や営業活動の停滞等により、セグメント損失が144,102千円(前連結会計年度は308,752千円のセグメント損失)となりましたが、フリービットEPARKヘルスケアは順調な事業進捗により黒字化しています。
エドテック事業
当事業を担うアルクの主軸となる教育向け出版分野は、第4四半期偏重型のビジネスモデルですが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、第4四半期に見込んでいた売上が急減しました。加えて、同じく新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、キッズ向け英会話教室の休校や海外研修をはじめとする企業向け研修事業の受注が最需要期を迎える前に急減しましたが、売上高は5,907,322千円(前連結会計年度比23.7%増)となりました。第4四半期の売上高急減及びデジタル領域への事業転換の遅れ等により、セグメント損失が368,987千円(前連結会計年度は246,006千円のセグメント利益)となりました。
なお、アルクは前連結会計年度中での子会社化であるため、前連結会計年度は9カ月、当連結会計年度は12カ月での業績比較を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は15,718,804千円となり、前連結会計年度末比で260,101千円増加しました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、1,480,330千円の増加(前連結会計年度は3,182,339千円の増加)となりました。これは主に、未収入金の増加が2,870,376千円あったものの、税金等調整前当期純利益が1,253,257千円、減価償却費が2,060,401千円、減損損失が1,461,952千円及び未払金の増加が1,701,604千円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、1,870,231千円の減少(前連結会計年度は3,688,469千円の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が944,137千円及び吸収分割による支出が977,313千円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、625,898千円の増加(前連結会計年度は2,320,739千円の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が2,343,834千円及びリース債務の返済による支出が901,563千円あったものの、長期借入れによる収入が3,600,000千円及びセール・アンド・リースバックによる収入が591,229千円あったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、ネットワーク維持費用及びユーザーのネットワーク利用度に応じて発生する費用が費用の大半を占め、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年5月1日
至 2020年4月30日)
前年同期比(%)
インフラテック事業(千円)15,705,88698.4
不動産テック事業(千円)13,648,405125.2
アドテク事業(千円)17,081,876105.3
ヘルステック事業(千円)3,513,881117.4
エドテック事業(千円)5,907,322123.7
報告セグメント計(千円)55,857,373109.8
消去(千円)△562,363112.3
合計(千円)55,295,010109.8

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで
あります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年5月1日
至 2019年4月30日)
当連結会計年度
(自 2019年5月1日
至 2020年4月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
D.U-NET株式会社4,877,3229.65,640,27910.2%

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、不動産テック事業のマンションインターネット売上増及びエドテック事業の通期取り込みにより、前連結会計年度比9.8%増の55,295,010千円となりました。
当連結会計年度の営業利益は、エドテック事業の既存事業減及びデジタル領域への事業転換の遅延、アドテク事業利益減により、前連結会計年度比13.2%減の2,587,802千円となりました。
当連結会計年度の経常利益は、営業利益が減少したこと等により、前連結会計年度比3.4%減の2,481,053千円となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、経常利益が減少したこと等により、619,352千円の損失(前連結会計年度は279,337千円の利益)となりました。
なお、当社グループの当連結会計年度の経営成績の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② 財政状態の分析
a.資産の部
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末比3,308,116千円増加の42,472,125千円となりました。
これは主に、受取手形及び売掛金が1,006,357千円、原材料及び貯蔵品が520,382千円及び未収入金が2,867,539千円増加したことによるものです。
b.負債の部
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末比3,768,149千円増加の31,623,538千円となりました。
これは主に、短期借入金が391,000千円、1年内返済予定の長期借入金が1,160,555千円及び未払金が1,901,801千円増加したことによるものです。
c.純資産の部
当連結会計年度の純資産合計は、利益剰余金が減少したこと等により、前連結会計年度末比460,033千円減少の10,848,586千円となり、この結果、自己資本比率は19.0%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に示したとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度末の有利子負債は、18,897,487千円となりました。その内訳は、金融機関からの短期借入金700,000千円及び長期借入金10,608,231千円(1年内返済予定の長期借入金を含む)、社債3,511,000千円(1年内償還予定の社債を含む)、リース債務4,078,256千円となっております。
有利子負債については、当社及び連結子会社の事業活動により獲得するキャッシュ・フローにより返済を行う考えであります。なお、必要な資金を安定的に確保するため、複数の金融機関と良好な関係を維持しており、内部資金の活用も合わせ、事業活動の維持拡大に必要な運転資金及び設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しています。その作成は、経営者による会計方針の選択及び適用並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症の影響については、今後の広がり方や収束時期等について統一的な見解がなく、業績への影響を見通すことは困難ではありますが、同感染症の第2波、第3波の発生及びウィズコロナ(新常態時代)を視野に入れたBCP(事業継続計画)対応が不可欠との認識から、BCM(事業継続マネジメント)に則ったマネジメントプロセスによる検証を実施し、その影響を慎重に精査いたしました。エドテック事業は同感染症の拡大により、その収益性が多大に影響を受けている分野となっております。そのため、将来収益の見積りにあたっては、同感染症の影響を受けた直近の事業動向をもとに、その影響が一定期間継続することを視野に入れ、精査を実施しました。また、ヘルステック事業における介護事業者向けサービスにおいては、同感染症拡大の影響によるシステム導入延期や営業活動の停滞等が続いており、不動産テック事業における不動産事業においても、同感染症拡大の影響が散見されるため、その影響を踏まえ事業計画の見直しを実施しております。連結財務諸表に影響のある項目としては、ヘルステック事業、不動産テック事業及びエドテック事業に係る固定資産の減損が該当し、固定資産の減損を評価するにあたっての新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等の仮定については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※4 減損損失」に記載しております。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。

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