有価証券報告書-第11期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)業績等の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しましたが、消費税増税後の個人消費の低迷や米中貿易摩擦による世界経済の減速に加え、新型コロナウイルス感染症の国内および海外における感染拡大により、先行きは不透明な状況で推移いたしました。このような状況の下、当社グループの各事業セグメントの状況は以下のとおりでした。なお、第3四半期連結会計期間において、当社の連結子会社である株式会社フジ医療器の持分譲渡を決定したため、同社および同社子会社の事業を非継続事業に分類しております。また、当社グループは、「貴金属事業」、「環境保全事業」、「ライフ&ヘルス事業」の3つを報告セグメントとしておりましたが、第3四半期連結会計期間より、「貴金属事業」、「環境保全事業」の2つに報告セグメントを変更しております。
貴金属事業セグメント
国内および韓国・マレーシアにおける貴金属リサイクル分野の売上収益および営業利益は、貴金属回収量の増加や貴金属価格の上昇により前年同期比で増加しました。また、北米における貴金属精錬分野の売上収益および営業利益は、精錬取引の増加や金融取引の拡大により前年同期比で増加しました。一方、北米における貴金属精錬の効率および採算性を一層高めるため、アサヒリファイニングフロリダ社の金銀精錬設備の廃棄を決定し、固定資産の減損損失(10億円)を計上しました。しかしながら、本セグメントの売上収益および営業利益は前年同期比で大幅に増加しました。
環境保全事業セグメント
各事業会社の特長を活かしながら、相互の連携を強化し、新規案件の開拓等に努めた結果、本セグメントの売上収益および営業利益は前年同期比で増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益135,563百万円(前年同期比25,150百万円増、22.8%増)、営業利益20,119百万円(前年同期比6,676百万円増、49.7%増)、税引前利益17,650百万円(前年同期比5,298百万円増、42.9%増)、当期利益9,846百万円(前年同期比845百万円増、9.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益9,846百万円(前年同期比845百万円増、9.4%増)となり、営業利益、税引前当期利益、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益はいずれも過去最高の業績となりました。セグメント別の売上収益は、貴金属事業が113,755百万円(前年同期比25,951百万円増、29.6%増)、環境保全事業が20,716百万円(前年同期比1,308百万円増、6.7%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ69,685百万円増加し、229,958百万円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権が53,265百万円、棚卸資産が12,556百万円増加、のれんが6,638百万円減少したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ68,315百万円増加し、160,783百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が63,004百万円増加したことによるものです。
資本につきましては、1,370百万円増加し、69,174百万円となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前期末の42.3%から30.1%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より6,610百万円増加し、22,908百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は60,318百万円(前年同期比192.1%増)となりました。これは主に、税引前利益17,650百万円(前年同期比42.9%増)、減価償却費及び償却費2,827百万円(前年同期比21.8%増)、営業債権及びその他の債権の増加額64,029百万円(前年同期比117.1%増)、棚卸資産の増加額15,209百万円(前年同期比459.0%増)、法人所得税の支払額5,940百万円(前年同期比5.5%減)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は1,927百万円(前連結会計年度は5,629百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,960百万円(前年同期比28.7%減)、子会社の売却による収入6,259百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は65,165百万円(前年同期比256.9%増)となりました。これは主に、長短借入金の純増加額65,419百万円(前年同期比189.0%増)、社債の発行による収入4,928百万円、配当金の支払額4,714百万円(前年同期比28.6%増)によるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は当連結会計年度現在において判断したものであります
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当社グループは、第8次中期経営計画(2018年4月~2021年3月)において、戦略遂行の成果を、連結売上収益、連結営業利益、連結営業利益率、株主資本当期利益率(ROE)の4つの経営目標でモニタリングしております。
当連結会計年度の売上収益は135,563百万円(前年同期比22.8%増)、営業利益は20,119百万円(前年同期比49.7%増)、税引前利益は17,650百万円(前年同期比42.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は9,846百万円(前年同期比9.4%増)となり、当初目標として掲げていた営業利益145億円を超え、3期連続して過去最高の業績となりました。当社が経営効率化の指標としている株主資本当期利益率(ROE)は14.4%(前年同期比0.8ポイント改善)、営業利益率は14.8%(前年同期比2.6ポイント改善)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
(ⅰ)キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績等の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(ⅱ)財務政策
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保及び適切な流動性の維持を図るにあたり、営業活動で得られた資金により設備投資の資金をまかなうことを基本方針としています。この基本方針のもと、持続的な利益成長によってキャッシュ・フローを創出し、資本効率の向上と財務ガバナンスの強化を通じて、財務面からグループ全体の企業価値の向上に努めていきます。
(ⅲ)資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、貴金属製品製造のための原材料の購入、製造経費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費、広告宣伝費および専門家への業務委託費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場および北米拠点の向上を中心とした生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対して、財務基盤の安定と資本効率の向上を両立させながら積極的に対応する方針です。
(ⅳ)資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、主として営業活動で得られた資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入や社債による資金調達を実施しています。これらの借入金および社債について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。また、当社グループの様々なサステナビリティ経営への取り組みの一環として、環境に配慮した施設・設備の導入に必要となる資金をグリーンボンドの発行により調達しております。当グリーンボンドの適格性については、第三者評価として、株式会社格付投資情報センターから、R&Iグリーンボンドアセスメントにおいて最上位評価である「GA1」評価を取得しております。
なお、当社グループは、現在取引している金融機関と良好な関係を築いております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
① 業績
売上収益 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 税引前利益 (百万円) | 親会社の所有者に帰属する当期利益 (百万円) | 基本的1株当たり当期利益 (円) | |
当連結会計年度 | 135,563 | 20,119 | 17,650 | 9,846 | 250.24 |
前連結会計年度 | 110,412 | 13,442 | 12,351 | 9,000 | 228.14 |
増減率(%) | 22.8 | 49.7 | 42.9 | 9.4 | 9.7 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しましたが、消費税増税後の個人消費の低迷や米中貿易摩擦による世界経済の減速に加え、新型コロナウイルス感染症の国内および海外における感染拡大により、先行きは不透明な状況で推移いたしました。このような状況の下、当社グループの各事業セグメントの状況は以下のとおりでした。なお、第3四半期連結会計期間において、当社の連結子会社である株式会社フジ医療器の持分譲渡を決定したため、同社および同社子会社の事業を非継続事業に分類しております。また、当社グループは、「貴金属事業」、「環境保全事業」、「ライフ&ヘルス事業」の3つを報告セグメントとしておりましたが、第3四半期連結会計期間より、「貴金属事業」、「環境保全事業」の2つに報告セグメントを変更しております。
貴金属事業セグメント
国内および韓国・マレーシアにおける貴金属リサイクル分野の売上収益および営業利益は、貴金属回収量の増加や貴金属価格の上昇により前年同期比で増加しました。また、北米における貴金属精錬分野の売上収益および営業利益は、精錬取引の増加や金融取引の拡大により前年同期比で増加しました。一方、北米における貴金属精錬の効率および採算性を一層高めるため、アサヒリファイニングフロリダ社の金銀精錬設備の廃棄を決定し、固定資産の減損損失(10億円)を計上しました。しかしながら、本セグメントの売上収益および営業利益は前年同期比で大幅に増加しました。
環境保全事業セグメント
各事業会社の特長を活かしながら、相互の連携を強化し、新規案件の開拓等に努めた結果、本セグメントの売上収益および営業利益は前年同期比で増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益135,563百万円(前年同期比25,150百万円増、22.8%増)、営業利益20,119百万円(前年同期比6,676百万円増、49.7%増)、税引前利益17,650百万円(前年同期比5,298百万円増、42.9%増)、当期利益9,846百万円(前年同期比845百万円増、9.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益9,846百万円(前年同期比845百万円増、9.4%増)となり、営業利益、税引前当期利益、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益はいずれも過去最高の業績となりました。セグメント別の売上収益は、貴金属事業が113,755百万円(前年同期比25,951百万円増、29.6%増)、環境保全事業が20,716百万円(前年同期比1,308百万円増、6.7%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
売上収益 | セグメント利益(営業利益) | |||||
前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | |
貴金属事業 | 87,804 | 113,755 | 29.6 | 11,992 | 18,022 | 50.3 |
環境保全事業 | 19,408 | 20,716 | 6.7 | 3,850 | 4,355 | 13.1 |
計 | 107,212 | 134,472 | 25.4 | 15,842 | 22,378 | 41.3 |
その他 | 3,241 | 1,094 | △66.2 | 156 | 3 | △98.0 |
合計 | 110,454 | 135,566 | 22.7 | 15,998 | 22,381 | 39.9 |
調整額 | △42 | △3 | - | △2,556 | △2,261 | - |
連結 | 110,412 | 135,563 | 22.8 | 13,442 | 20,119 | 49.7 |
② 財政状態の状況
前期末(百万円) | 当期末(百万円) | 増減(百万円) | 増減率(%) | |
資産合計 | 160,272 | 229,958 | 69,685 | 43.5 |
資本合計 | 67,804 | 69,174 | 1,370 | 2.0 |
親会社所有者帰属 持分比率 | 42.3% | 30.1% | △12.2ポイント | - |
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ69,685百万円増加し、229,958百万円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権が53,265百万円、棚卸資産が12,556百万円増加、のれんが6,638百万円減少したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ68,315百万円増加し、160,783百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が63,004百万円増加したことによるものです。
資本につきましては、1,370百万円増加し、69,174百万円となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前期末の42.3%から30.1%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (百万円) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △20,648 | △60,318 | △39,670 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △5,629 | 1,927 | 7,557 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 18,261 | 65,165 | 46,904 |
現金及び現金同等物期末残高 | 16,297 | 22,908 | 6,610 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より6,610百万円増加し、22,908百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は60,318百万円(前年同期比192.1%増)となりました。これは主に、税引前利益17,650百万円(前年同期比42.9%増)、減価償却費及び償却費2,827百万円(前年同期比21.8%増)、営業債権及びその他の債権の増加額64,029百万円(前年同期比117.1%増)、棚卸資産の増加額15,209百万円(前年同期比459.0%増)、法人所得税の支払額5,940百万円(前年同期比5.5%減)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は1,927百万円(前連結会計年度は5,629百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,960百万円(前年同期比28.7%減)、子会社の売却による収入6,259百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は65,165百万円(前年同期比256.9%増)となりました。これは主に、長短借入金の純増加額65,419百万円(前年同期比189.0%増)、社債の発行による収入4,928百万円、配当金の支払額4,714百万円(前年同期比28.6%増)によるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
貴金属事業 | 113,755 | 129.6 |
環境保全事業 | 20,713 | 107.0 |
その他 | 1,094 | 33.8 |
合計 | 135,563 | 122.8 |
(注)1.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
Varinor SA | 19,329 | 17.5 | 22,335 | 16.5 |
田中貴金属工業㈱ | 14,077 | 12.7 | 16,493 | 12.2 |
BASF・メタルズ・ジャパン㈱ | - | - | 14,649 | 10.8 |
3.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は当連結会計年度現在において判断したものであります
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当社グループは、第8次中期経営計画(2018年4月~2021年3月)において、戦略遂行の成果を、連結売上収益、連結営業利益、連結営業利益率、株主資本当期利益率(ROE)の4つの経営目標でモニタリングしております。
当連結会計年度の売上収益は135,563百万円(前年同期比22.8%増)、営業利益は20,119百万円(前年同期比49.7%増)、税引前利益は17,650百万円(前年同期比42.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は9,846百万円(前年同期比9.4%増)となり、当初目標として掲げていた営業利益145億円を超え、3期連続して過去最高の業績となりました。当社が経営効率化の指標としている株主資本当期利益率(ROE)は14.4%(前年同期比0.8ポイント改善)、営業利益率は14.8%(前年同期比2.6ポイント改善)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
(ⅰ)キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績等の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(ⅱ)財務政策
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保及び適切な流動性の維持を図るにあたり、営業活動で得られた資金により設備投資の資金をまかなうことを基本方針としています。この基本方針のもと、持続的な利益成長によってキャッシュ・フローを創出し、資本効率の向上と財務ガバナンスの強化を通じて、財務面からグループ全体の企業価値の向上に努めていきます。
(ⅲ)資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、貴金属製品製造のための原材料の購入、製造経費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費、広告宣伝費および専門家への業務委託費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場および北米拠点の向上を中心とした生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対して、財務基盤の安定と資本効率の向上を両立させながら積極的に対応する方針です。
(ⅳ)資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、主として営業活動で得られた資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入や社債による資金調達を実施しています。これらの借入金および社債について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。また、当社グループの様々なサステナビリティ経営への取り組みの一環として、環境に配慮した施設・設備の導入に必要となる資金をグリーンボンドの発行により調達しております。当グリーンボンドの適格性については、第三者評価として、株式会社格付投資情報センターから、R&Iグリーンボンドアセスメントにおいて最上位評価である「GA1」評価を取得しております。
なお、当社グループは、現在取引している金融機関と良好な関係を築いております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。