有価証券報告書-第34期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)

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2019/09/30 10:58
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138項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況
収益の柱である「マーケティング・コミュニケーション事業」及び「スポーツ事業」がグループ業績を牽引したことに加え、「SP・MD事業」の業績安定化に向けた施策の効果が顕在化したことにより、売上高・営業利益ともに過去最高を達成しました。
営業外の一時的な特殊要因では、連結子会社SUNNY SIDE UP KOREA. INCにおいて、営業外収益として匿名組合損益分配額が発生しました。また、前連結会計年度に特別利益として計上した賃貸用不動産の売却に伴う固定資産売却益は当連結会計年度では発生しておりません。
その結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、461百万円増加し、5,788百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、46百万円減少し、3,391百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、508百万円増加し、2,397百万円となりました。
(経営成績)
当連結会計年度の連結業績は、売上高14,627百万円(前期比8.1%増)、営業利益610百万円(前期比71.5%増)、経常利益718百万円(前期比96.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益493百万円(前期比29.8%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
イ. マーケティング・コミュニケーション事業
PR、プロモーション、ブランディング、コンテンツ開発等、時代のニーズに沿ったマーケティング・コミュニケーションサービスを提供する当事業では、大きな話題を創出する企画力と強力なメディアネットワークを活用し、食品、飲食、小売、消費財といった従来からの得意分野だけでなく、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を目前に控えて次々にオープンする商業施設やホテルの開業PR・プロモーション、コンビニチェーン等で継続的に実施されているキャラクターコンテンツを活用した人気キャンペーンや物販施策、地域や自治体と連携したプロジェクト、独自のキャスティングノウハウを活用した企業ブランディング等の多種多様な案件を手掛けることで、基幹事業としてグループ業績を牽引しました。
その中でも、商業施設関連案件については、開業時において最大限のメディア露出を実現させる戦略的なブランディング視点を強みに成功事例を増やし続けており、当連結会計年度では、「渋谷ストリーム」や「渋谷ブリッジ」など、渋谷再開発プロジェクトにより次々と誕生する話題の商業施設の開業PR等を多数手掛けております。
また、当セグメントにおいては、エリア全体のブランディング展開、各クライアントのニーズの深掘り等、1つの案件を点ではなく線や面で捉え、獲得していくことにより、収益機会の拡充と最適化を実現しております。
当事業では、問い合わせの増加による新規案件の獲得、安定収益を生み出すリテーナー案件数の増加に加えて、案件特性の変化に伴う業務効率化、コストの見直し、マネジメント強化による売上高の伸長のみならず、営業利益率が向上しております。
既存事業が好調に推移するなかで、2020年を機に増加が見込まれるグローバル案件をターゲットにした専門部署を編成しており、将来の業績向上に向けた取り組みにも着手し、当該領域の案件についても成果が着実に出始めております。
また、受託型ビジネスにとどまらない新たな収益機会創出に向けた施策の一つとして、「資本参加型PRサービス」の提供を開始し、新たなビジネスモデルやテクノロジーを保有する国内外の将来有望なベンチャー企業との提携を進めております。
その他、国際連合で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成を当社のマーケティング・コミュニケーションサービスの側面から貢献すべく、新プロジェクト「SSU’s Social Action 3.2 for SDGs」を発足し、当連結会計年度では、国際連合が制定する「国際女性デー(International Women’s Day)」の普及活動や2019年3月に日本で初開催された「W20 JAPAN 2019」のPR及び運営サポートを手掛けました。
その結果、当連結会計年度の売上高は7,434百万円(前期比20.0%増)、セグメント利益は996百万円(前期比39.3%増)となりました。
ロ. SP・MD事業
店頭等の消費者とのコンタクトポイントにおける購買・成約の意思決定を促すためのソリューションを提供する当事業では、業績安定化を最優先課題と位置づけ、特定のクライアントのみに依存しない事業ポートフォリオの再構築に取り組んでおり、着実に成果が出始めております。
当連結会計年度においては、キャンペーン及びノベルティグッズの製造ノウハウを活かしたテーマパーク向けの雑貨商品のOEM事業、コンタクトポイントにおいて消費者を購買活動に促すノウハウを活かした国際支援団体のマーケティングサポート事業及びキャンペーン・イベント事務局運営等で安定的に収益を生み出す一方、企業等の販促キャンペーン案件の獲得に取り組みました。
その結果、当連結会計年度の売上高は1,234百万円(前期比14.9%減)、セグメント利益は2百万円(前期はセグメント損失150百万円)となりました。
ハ. スポーツ事業
PR発想を活用したスポーツマーケティングビジネスを展開する当事業では、2020年に向けて活況を迎えるスポーツ関連市場において幅広い領域の案件を獲得することで、着実な成長を遂げております。
当連結会計年度においては、中田英寿プロデュース「CRAFT SAKE WEEK」に代表される当社所属のアスリート・文化人の関連イベント及び肖像権ビジネス、「東京マラソン」、「ブルームバーグ・スクエア・マイル・リレー」などの人気スポーツイベントのPR及び企画運営サポート、2019年9月に日本で初開催されるラグビーワールドカップに向けた日本ラグビーフットボール協会の年間活動のサポート、プロ野球、Jリーグ等のプロスポーツチームのマーケティングサポート、スポーツの新しい形として世界的にも注目が高まるeスポーツ関連案件等を手掛けております。
著名なアスリートのマネジメントビジネスにおいて大きな成果を残してきた当事業では、マネジメントからマーケティング領域に事業ドメインを広げることに加え、数多くのスポーツコンテンツを手掛ける中で培ってきた当事業独自のコンテンツディベロップメント及びコンテンツマーケティングを展開することで事業成長を実現しております。
その結果、当連結会計年度の売上高は1,366百万円(前期比6.9%増)、セグメント利益は237百万円(前期比33.3%増)となりました。
ニ. bills事業
シドニー発のオールデイダイニング「bills」のブランディング・ライセンシングビジネス及び海外における店舗運営を行う当事業では、新規出店及び既存店強化により、収益基盤の拡大と強化を進めております。
国内と海外における状況はそれぞれ下記のとおりです。
(国内)
夏場における記録的な大雨・台風等の天候不良が既存店の集客に影響しましたが、「bills 銀座」を中心としたインバウンド需要の取り込みに加え、新メニューの導入等による集客力強化の施策に取り組んだ結果、「bills 七里ヶ浜」、「bills 横浜赤レンガ倉庫」、「bills お台場」といったオープンから年数が経過した既存店についても概ね堅調に推移しております。
(海外・ハワイ)
グローバル戦略の旗艦店である「bills Waikiki」では、パリ発祥の人気アパレルブランド「MAISON KITSUNE(メゾンキツネ)」とのコラボレーションによるポケットストアを2017年12月より展開するなど、収益性向上施策に取り組んでおります。更なるブランド力・集客力強化の施策として、全日本空輸株式会社とのコラボレーションを新たに展開し、2019年5月より「bills」が監修した限定メニューを東京(羽田・成田)発ホノルル行き全線のエコノミークラスで提供しております。
(海外・韓国)
韓国におきましては、2018年9月に韓国3号店となる「bills 江南(カンナム)」を出店したことで初期の出店関連コストを計上しました。また、既存店「bills 蚕室(チャムシル)」が入居している商業施設のメンテナンス時の事故により水漏れが発生した結果、2019年1月中旬から4月中旬までの間、臨時休業を強いられることとなり、その期間の売上が一時的に減少しました。
なお、臨時休業に伴う損失及び店舗の営業再開にかかる費用については商業施設側の保険金などで補填されますが、営業再開に伴う一時的な先行費用が発生いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は4,241百万円(前期比4.1%減)、セグメント利益は66百万円(前期比59.8%減)となりました。
ホ. 開発事業
当社グループならではのPR発想を活用することで「bills」などの新規ビジネスを創出してきた開発事業では、現在、少数精鋭で特化した領域における高い専門性を発揮するサービスを提供するPRブティックである株式会社エアサイドがエンターテインメント業界のPR案件を多数獲得する等、当事業の業績を牽引しております。
その結果、当連結会計年度の売上高は351百万円(前期比83.6%増)、セグメント利益59百万円(前期比44.5%増)となりました。
その他、上記の5つのセグメント以外の取り組みとして、当連結会計年度では施設そのものをメディア化する「アセットメディアビジネス」を立ち上げております。東京オリンピック・パラリンピック開催を機に世界中から多くの観光客が訪れている東京・原宿駅前(神宮前6丁目)では、さまざまな企業のプレゼンテーションステージとなる商業施設「jing(ジング)」を株式会社電通との共同事業として展開し、運用を開始しており、ルイ・ヴィトンやカルティエなどの世界的ブランドのポップアップショップなどに利用されています。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、1,559百万円(前連結会計年度末比137百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により取得した資金は529百万円(前連結会計年度より227百万円の取得減)となりました。主な要因としましては、売上債権の増加額505百万円、仕入債務の増加額447百万円、法人税等の支払額367百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は336百万円(前連結会計年度は738百万円の獲得)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出240百万円、出資金の払込による支出108百万円が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により支出した資金は338百万円(前連結会計年度より456百万円の支出減)となりました。これは、短期借入金の純減額56百万円、長期借入れの返済による支出226百万円、配当金の支払額73百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループの主たる業務は、PR及びSP活動の支援やマネジメント業務等の役務を提供する業務であるため、生産に該当する事項はありません。
(受注実績)
当社グループの主たる業務は、PR及びSP活動の支援やマネジメント業務等の役務を提供する業務であり、受注販売を行っておりませんので、該当する事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
前年同期比(%)
マーケティング・コミュニケーション事業 (千円)7,434,173120.0
SP・MD事業 (千円)1,234,87685.1
スポーツ事業 (千円)1,366,039106.9
bills事業 (千円)4,241,37395.9
開発事業 (千円)351,495183.6
合計 (千円)14,627,959108.1

(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年7月1日
至 2018年6月30日)
当連結会計年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社トランジットダイニングオペレーション1,831,39813.51,728,06411.8

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
詳細につきましては、「2.事業等のリスク」をご参照ください。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において営業活動により取得した資金は529百万円(前連結会計年度より227百万円の取得減)となりました。主な要因としましては、売上債権の増加505百万円等によるものであります。
当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は336百万円(前連結会計年度は738万円の取得)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出240百万円、出資金の払込による支出108百万円が主な要因であります。
当連結会計年度において、財務活動により支出した資金は338百万円(前連結会計年度より456百万円の支出減)となりました。これは、短期借入金の純減額56百万円、長期借入金の返済による支出226百万円によるものであります。
その結果、自己資本比率は、当連結会計年度の33.4%から39.7%と上昇しました。
② 資金の流動性
財務健全性の向上を目指し、グループ全体としての資金の効率的な調達・運用を方針としております。
(運転資金)
原則として、自己資金でまかないますが、一時的な運転資金を効率的に調達するため、当座貸越を利用することがあります。SP・MD事業においては、キャンペーン・ノベルティグッズ等の制作を中国を中心とした海外に発注しており、各案件が大規模になることが多いため、資金繰りに細心の注意を払い、外貨保有のバランスも考慮した資金調達を行っております。
(設備資金)
bills事業における新規店舗開発や既存店舗の設備改修等多額の資金を必要とする事案につきましては、投資回収期間を精査した上で、長期借入金として効率的な資金の調達・運用を行っております。
(4) 経営者の視点による中長期的な経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当連結会計年度末時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要がありますが、結果としてこのような見積りと実績が異なる場合があります。当社グループが採用しております会計方針のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度は、マーケティング・コミュニケーション事業およびスポーツ事業が着実な成長を実現しているため、売上高14,627百万円(前期比8.0%増)となりました。
(売上原価)
売上原価に関しましては、上記の売上高の増加に伴い、12,117百万円(前連結会計年度比6.6%増)となりました。一方、原価削減に取り組んだ成果により、売上原価率に関しては、低下しております。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費に関しましては、人件費等の増加により、1,900百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。
(営業利益)
売上高と同様、マーケティング・コミュニケーション事業およびスポーツ事業の売上高の伸長に伴い、営業利益610百万円(前期比71.5%増)となりました。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益に関しましては、匿名組合損益分配額97百万円に加えて、受取保険金30百万円の計上があった結果、営業外収益は144百万円(前連結会計年度比206.9%増)となりました。また、為替差損18百万円に加え、組合損益分配額10百万円の計上があった結果、営業外費用は35百万円(前連結会計年度比3.3%減)となりました。
(特別利益・特別損失)
特別利益に関しましては、持分変動利益として26百万円となりました。
当社グループは、東京に世界中の注目が集まる2020年を企業体としての発展における重要なマイルストーンと位置付け、利益性・効率性・生産性の向上を重要課題として持続的成長を実現する事業基盤を構築しつつ、飛躍的成長を可能とする施策に積極的に取り組む事で、企業価値の最大化を図ってまいります。
基幹事業を中心に当社グループの連結経営成績は着実に伸長しているものの、受託型ビジネスによる業績の変動性や構造的な問題から利益性の改善が進みづらいビジネスモデルの影響により、営業利益率等の経営指標は十分なレベルには至っていないと認識しております。そのため、今後の持続的な事業規模拡大に向けて、引き続き、利益性のみならず効率性や生産性の向上を重要経営課題として持続的な成長の実現を図っております。
各セグメントの状況として、マーケティング・コミュニケーション事業においては、PR市場の拡大に伴い積極的な人財投資の継続を実施していくことによる生産性の向上、その人財リソースを効率性の向上を図るためのマネジメント力強化、ソリューション力の拡充とコスト管理の厳格化による利益性の向上を実現することで、持続的な成長を実現させるための盤石な事業基盤を構築しております。その結果として、人財投資に伴う生産性の向上による売上増加に加え、利益性・効率性を実現することで、売上高の増加率を上回るセグメント利益の増加率を実現しております。
SP・MD事業においては、事業規模が大きく業績に対するボラティリティが高い事業であるため、クライアントポートフォリオの再構築とそれに伴う営業力強化、OEM事業や開発事業への経営リソースの選択と集中を実施することで、利益性の安定化を実現し、連結業績への変動要因を抑制しております。
スポーツ事業においては、マーケティング・コミュニケーション事業と同様に利益性・効率性の向上を図りつつも、今後活況を迎えるスポーツ市場を見据え、引き続き人財育成に注力しております。
bills事業においては、PRノウハウを活かしたブランディングの奏功により、国内においては着実な店舗展開を実現しており、今後の更なる成長を実現するため、グローバル戦略の旗艦店であるbills Waikikiや主要エリアで3店舗を構えるbills韓国の海外店舗運営のナレッジを活かし、カントリーリスクに対する管理を徹底しながらグローバル展開に注力してまいります。
上記の実現による盤石な経営基盤の構築が、既存事業の持続的な成長に加えて、グローバルビジネス参入による事業領域拡大、新規事業開発やM&A等による中長期に向けた飛躍的成長の根幹となると考えております。

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