有価証券報告書-第49期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

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2018/12/21 11:31
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(1)経営成績
当連結会計年度(平成29年10月1日~平成30年9月30日)のわが国経済は、緩やかな回復が継続しました。消費は、雇用・所得環境の改善や株高による資産効果などを背景に持ち直し、設備投資は、生産の回復や企業収益の改善に加え、人手不足に対応するための自動化・省力化投資やIT投資の拡大を背景に底堅い動きが続いています。輸出は、IT関連製品・部品の世界的な需要好転に伴って、中国などアジア向けが増えたほか、輸送用機械や一般機械を中心に欧米向けも堅調に推移しました。
海外経済は、総じて拡大傾向が続いています。米国経済は、良好な雇用環境や消費者マインドの改善を背景に、消費が底堅く推移し、欧州経済は、雇用環境の改善や企業マインドの回復を背景に、成長ペースが加速しました。新興国では、中国経済が引き続き堅調なほか、他の新興国も緩やかな回復を続けています。
このような環境の下、当社グループは品質及び顧客満足を最優先しつつ、総合シンクタンクとして培った科学的手法、先端的な科学技術の知見及び総合的なソリューション提供力を活かした事業展開を進めました。製造業に加え、流通・サービス業等においても、製品・サービスの競争力強化に向けた投資は堅調に推移しており、その中でもAI(人工知能)やIoT、クラウドを活用したコンサルティング、ITサービスに対する活用ニーズが高まっています。
当社グループは、当連結会計年度から3カ年の新たな「中期経営計画2020」に取り組んでいます。従来の強みを活かして安定的に当社事業を支える公共分野や金融・カード分野を基盤事業と位置付けるとともに、民間企業向けにAI等を活用した新たなサービスを提供する事業や、公共分野の制度・政策を起点として官民を横断したコンサルティングやITソリューションへ展開する事業を成長事業として取り組んでいます。また、これらを迅速に展開していくための営業体制を整え、電力システム改革や医療介護保険改革、地方創生等の政策革新を踏まえたエネルギー分野、ヘルスケア・ウェルネス分野、運輸・交通分野などに重点的に注力しました。
一方で、受託した大型システム開発において品質改善対応が必要となる案件(以下「課題案件」)が発生いたしました。これにともない受注損失引当金を計上することといたしました。
このような結果、当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高は90,250百万円(前年度比0.9%増)、営業利益は4,963百万円(同13.4%減)、経常利益は5,364百万円(同14.3%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は3,402百万円(同11.2%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(シンクタンク・コンサルティングサ-ビス)
当連結会計年度は、官公庁向けの大規模調査などに加え、営業体制を強化して取り組んできた民間向けのエネルギー分野、ヘルスケア・ウェルネス分野などが売上に寄与しました。また、新サービスとして開発・市場投入した採用活動向けのAI診断サービスやエネルギーの市場予測モデルなどが伸長し、利益面でも貢献しました。こうした結果、売上高(外部売上高)は33,489百万円(同2.3%増)、経常利益は、3,233百万円(同59.3%増)となりました。
(ITサービス)
当連結会計年度は、メガバンク向けのシステム構築などの売上が堅調であり、売上高(外部売上高)は56,760百万円(同0.0%増)となりました。経常利益は受注損失引当金の計上により、2,050百万円(同50.3%減)となりました。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて2,945百万円増加し、78,600百万円(前年度末比3.9%増)となりました。内訳としては、流動資産が46,710百万円(同1.6%減)、固定資産が31,889百万円(同13.2%増)となりました。流動資産は、現金及び預金が6,058百万円、たな卸資産が614百万円それぞれ増加、短期資金運用のための有価証券が6,999百万円、受取手形及び売掛金が287百万円それぞれ減少しております。固定資産は、新規投資及び保有株式の株価上昇により投資有価証券が4,781百万円増加しております。
負債は、前連結会計年度末と比べて57百万円増加し、25,315百万円(同0.2%増)となりました。受注損失引当金が1,702百万円増加したものの、買掛金が628百万円、賞与引当金が545百万円、前受金が363百万円それぞれ減少しております。
純資産は、利益剰余金が2,089百万円、その他有価証券評価差額金が542百万円それぞれ増加したことにより、前連結会計年度末に比べ2,888百万円増加し、53,284百万円(同5.7%増)となりました。自己資本比率は、59.1%となっております。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,058百万円増加し、22,062百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、7,013百万円の収入(前連結会計年度は6,582百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,257百万円及び減価償却費3,207百万円のほか、受注損失引当金の増加1,702百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,129百万円の支出(前連結会計年度は5,368百万円の支出)となりました。これは主に、短期資金運用のための有価証券の償還による収入2,999百万円、投資有価証券の取得による支出3,804百万円、無形固定資産の取得による支出1,470百万円、有形固定資産の取得による支出837百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,826百万円の支出(前連結会計年度は2,164百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額1,313百万円及びリース債務の返済による支出313百万円によるものであります。
(4)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
前年同期比
(%)
シンクタンク・コンサルティングサービス(百万円)34,2043.0
ITサービス (百万円)46,7220.8
合計 (百万円)80,9271.7

(注)1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
シンクタンク・コンサルティングサービス35,45512.125,0008.5
ITサービス56,9721.336,4770.6
システム開発35,739△3.417,076△6.6
アウトソーシングサービス21,23210.119,4007.9
合計92,4275.261,4783.7

(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.継続的に役務提供を行い実績に応じて料金を受領するサービスにつきましては、翌連結会計年度の売上見込みを受注残高に計上しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
前年同期比
(%)
シンクタンク・コンサルティングサービス(百万円)33,4892.3
ITサービス (百万円)56,7600.0
システム開発 (百万円)36,9490.2
アウトソーシングサービス (百万円)19,811△0.3
合計 (百万円)90,2500.9

(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成28年10月1日
至 平成29年9月30日)
当連結会計年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
金額
(百万円)
割合(%)金額
(百万円)
割合(%)
三菱UFJニコス㈱13,20814.812,03213.3
㈱三菱UFJ銀行10,47211.79,50710.5

(注)株式会社三菱UFJ銀行は、平成30年4月1日付で株式会社三菱東京UFJ銀行から商号変更しております。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (注記事項) 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成においては、期末日における資産及び負債、報告期間における収益及び費用等に影響を与えるような仮定や見積りを必要としております。過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる見積りを行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の89,466百万円に対し783百万円増加し、90,250百万円(前年度比0.9%増)となりました。シンクタンク・コンサルティングサービス、ITサービスの両セグメントとも堅調に推移し、いずれも前連結会計年度に比べて増加しております。
一方、経常利益は、前連結会計年度の6,258百万円に対して893百万円減少し、5,364百万円(同14.3%減)となりました。
(シンクタンク・コンサルティングサービス)
当連結会計年度は、官公庁向けのエネルギー、社会保障、次世代インフラストラクチャー及びICTの社会活用等の重点政策分野の受注や一般企業向けの業務・事業改革コンサルティング及びパッケージ・ソリューション活用型ICTコンサルティング等に係る需要を見込むことに加え、拡充した営業体制により営業効率を高め民間企業向け事業展開に取り組みました。これらの取り組みが奏功し、官公庁向け事業は堅調に推移し、民間企業向け事業は受注・売上が伸長するとともに、利益率も大幅に向上しました。内訳としては、再生エネルギーやAI、ビッグデータを活用した案件等、新たなサービスが売上・採算性向上に寄与しています。この結果、売上高は前年度比2.3%増、経常利益は前年度比59.3%増となりました。
(ITサービス)
当連結会計年度は、堅調な企業のIT設備投資を背景に、金融機関向けの決済・預金系及びリスク管理系システム、カード関連システム構築の拡大、証券・保険・インフラ分野・公共企業等への展開とともに、ICT基盤強化に向けた設備投資等に取り組みました。これらの取り組みにより、金融・カード分野を中心に売上高はほぼ前年度並みとなりました。一方で、連結子会社が受託した大型のシステム開発案件において、テスト段階で障害が発生し品質確保のための追加の改修作業等が必要となったことを受けて、損失見込額として受注損失引当金1,680百万円を計上いたしました。これが1,216百万円の利益押し下げ要因となり、経常利益は前年度比50.3%減となりました。なお、この減益要因の額は、受注損失引当金から、業績連動賞与の減少分など経費減の影響分を差し引いたものとなっております。当該課題案件については、遂行スケジュール、体制や作業内容等について顧客と協議を続けてまいりましたが、この度顧客より主要部分の開発中止の意向が示され、平成30年12月6日に当社連結子会社経営会議において当該部分の契約解除に応じることを決定し、当該契約解除及びその他部分の契約見直しについて協議を開始いたしました。契約見直しにより追加費用が発生する可能性がありますが、作業内容等について顧客と協議中であり、業績への影響は評価中であります。

③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、平成30年9月期に「中期経営計画2020」(以下、「本中計」)を開始し、平成32年9月期の売上高目標1,000億円、経常利益目標80億円、目標ROE水準を10%としております。本中計の初年度にあたる平成30年9月期は、課題案件による影響があったものの、これを除けば当初計画通りに進捗しております。
本中計では、事業ポートフォリオ、ビジネスモデル、働き方をそれぞれ改革する三大改革を掲げています。
事業ポートフォリオ改革では、本中計における成長をけん引する事業のひとつとして掲げた「官民共創ソリューション事業」について、シンクタンク・コンサルティングセグメントの業績に見られるように、その成果が顕在化してきております。一方で、持続的成長を目指すためには、成長事業を担う人財を一層充実させていく必要が生じており、新たな課題と認識しております。
ビジネスモデル改革では、平成29年9月期から注力しているストック型の事業において、売上、収益性ともに向上しています。この5月には公共、金融分野を中心に先端技術サービス及びシステムソリューションの事業拡大を目的に、株式会社アイネスと業務・資本提携を行うなど、ビジネスパートナーとのネットワーク網を拡充いたしました。
働き方改革では、複線型のキャリア、シニアの一層の活躍、社員の副業などを盛り込んだ人事制度設計に着手し、平成31年9月期から導入いたします。
本中計の2年目となる平成31年9月期は、新たな課題に対処しつつ、改革を継続、加速し、本中計における成長軌道への回帰を目指します。
シンクタンク・コンサルティングサービスは順調な受注状況のもと、前期効果を発揮した営業体制をさらに拡充するとともに、将来の持続的成長に向けた研究開発やベンチャー出資などの先行投資を拡大いたします。ITサービスでは、課題案件の収束と再発防止に最優先で取り組むとともに、IT分野でのBPOサービスなど、新規事業への取り組みを拡大することで業績を積み上げ、回復を目指してまいります。
平成30年9月期実績平成32年9月期目標
連結売上高902億円1,000億円
連結経常利益53億円80億円
ROE7.5%10%

④ 財政状態、キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の財政状態、キャッシュ・フローの分析につきましては、(2)財政状態、(3)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、データセンターの設備・機器装置への投資、ソフトウェア開発費用、成長分野への事業投資や研究開発投資などがあります。これらの資金需要に対して、主に自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達する方針としております。
また、当社グループは売上高の季節変動が大きく、第2四半期までは支出が先行し営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになる傾向があります。季節的な資金需要に機動的かつ安定的に対応するため、当座貸越契約を締結しております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は22,062百万円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。

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