有価証券報告書-第70期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(流動資産について)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ2,112百万円減少し、21,304百万円となりました。
これは、主に現金及び預金の減少と原材料及び貯蔵品の増加によるものであります。
(固定資産について)
固定資産は、前連結会計年度末と比べ1,736百万円増加し、9,515百万円となりました。
これは、主に有形固定資産と投資有価証券の増加によるものであります。
(流動負債について)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ434百万円減少し、4,462百万円となりました。
これは、主にその他(主に仮受消費税、未払費用及び前受金)と支払手形及び買掛金、電子記録債務の減少によるものであります。
(固定負債について)
固定負債は、前連結会計年度末と比べ571百万円減少し、2,502百万円となりました。
これは、主に長期借入金とリース債務の減少によるものであります。
(純資産について)
純資産は、前連結会計年度末と比べ629百万円増加し、23,854百万円となりました。
これは、主に為替換算調整勘定の増加によるものであります。なお、自己資本比率は77.4%となり
1株当たり純資産額は、2,485円87銭となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、地域間で濃淡はあるものの、全体としては緩やかな回復基調が継続しましたが、年度末にかけて、中東地域での地政学的リスクの高まりによりエネルギー供給や資源価格の動向に対する警戒感が強まり、国際情勢の不透明感が増しました。
このような状況のもと、当企業グループの業績は、前連結会計年度と比べ、売上高は小幅な増加でありましたが、各段階利益は減少となりました。売上高は、家電・住設及びOA機器用途の需要が減少した一方で、自動車用途が堅調に推移し、産業機器用途も回復基調となりました。利益面では、原材料価格の高騰及び人件費の増加により売上総利益が減少し、研究開発費及び運搬費等の増加で営業利益も減少しました。また、営業外費用として固定資産除却損を計上したことから、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益も、前連結会計年度を下回りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は25,458百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は3,535百万円(前年同期比9.7%減)、経常利益は3,611百万円(前年同期比11.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,690百万円(前年同期比13.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(日本)
OA機器用途の売上高は減少し、自動車用途の売上高も一部商流が中華圏に移管されたことで減少しましたが、産業機器用途の売上高は、顧客在庫調整が一巡したことで増加し、全体で前年同期を上回りました。セグメント利益は、研究開発費及び諸経費の増加により、前連結会計年度を下回りました。これらの結果、売上高は5,466百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント損失は571百万円(前年同期はセグメント損失444百万円)となりました。
(中華圏)
OA機器及び家電・住設用途の売上高は、顧客の需要減や在庫調整等により減少し、全体で前年同期を下回りました。セグメント利益は、中国子会社の売却による生産集約、コスト削減に取り組んだことにより、前連結会計年度を上回りました。これらの結果、売上高は8,578百万円(前年同期比5.9%減)、セグメント利益は1,478百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
(その他アジア)
家電・住設及びOA機器用途の売上高は減少しましたが、自動車用途の売上高は、韓国系企業向けが堅調に推移したことにより増加し、全体で前年同期を上回りました。セグメント利益は、他セグメントへの内部販売価格を引き下げたことにより収益性が低下し、前連結会計年度を下回りました。これらの結果、売上高は7,109百万円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益は1,721百万円(前年同期比7.9%減)となりました。
(北米)
医療用途の売上高は、血糖値測定器向けが堅調に推移し、産業機器用途の売上高も増加したことで、全体として前年同期を上回りました。セグメント利益は、医療用途において、一部販売価格を引き下げたことにより収益性が低下しましたが、販売数量が増加したことにより、前連結会計年度を上回りました。これらの結果、売上高は4,303百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は1,049百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,418百万円減少し、9,619百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,906百万円となりました(前年同期5,190百万円の収入)。これは主に税金等調整前当期純利益3,740百万円の計上、仕入債務の増減額△530百万円及び関係会社出資金売却益△187百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,225百万円となりました(前年同期1,508百万円の支出)。これは主に固定資産の取得による支出2,613百万円及び投資有価証券の取得による支出421百万円と、連結の範囲の変更を伴う関係会社出資金の売却による収入691百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,582百万円となりました(前年同期1,820百万円の支出)。これは主に自己株式の取得による支出2,399百万円、長期借入金の返済による支出440百万円及び配当金の支払額425百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は、製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態 (単位:百万円)
(流動資産)
現預金:主に自己株式及び固定資産の取得に伴う支出による減少であります。
(固定資産)
有形固定資産:主に薄膜サーミスタ用生産設備、研修生寮、工場用地(山口工場)等の取得による増加であり
ます。
(流動負債)
買入債務:主に中国子会社売却に伴う買掛金及び電子記録債務の支出による減少であります。
(固定負債)
長期有利子負債:主に長期借入金とリース債務の減少であります。
(純資産)
主に利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加により、自己資本は23,854百万円(前連結会計年度は、23,224百万円)となり、自己資本当期純利益率(ROE)は、11.4%(前連結会計年度は、13.9%)となりました。
なお、現預金と有利子負債のバランスは、現預金が有利子負債を上回っている状況から、財政状態において問
題はないと判断しております。

●セグメントごとの財政状態は、以下のとおりであります。
日本:主に現金及び預金の減少によるもの。
中華圏:主に中国子会社譲渡に伴う売掛債権及び固定資産の減少によるもの。
その他アジア:主に棚卸資産と固定資産の増加によるもの。
北米:主に現金及び預金、固定資産(使用権資産)の減少と売掛債権の増加によるもの。

2)経営成績
●用途別売上高の各要因は、以下のとおりであります。
OA機器:顧客の需要低調及び在庫調整より、複写機・プリンタ用が減少したもの。
家電・住設:顧客の需要低調及び冷夏の影響により、エアコン用が減少したもの。
自動車:韓国系・日系向けHEV車バッテリー・モーター用が増加したもの。
産業機器及びその他:顧客の在庫調整が一巡し、日系商社向け中心に増加したもの。
医療関連:米国系向けの血糖値測定器用が増加したもの。
情報機器:米国系向けのディストリビューター向けが微増したもの。
●地域別売上高の各要因は、以下のとおりであります。
中国:主に日系・中国系向けOA機器、家電・住設用途の減少によるもの。
日本:主に商社向け産業機器用途及び自動車用途の増加によるもの。
韓国:主に韓国系向け家電用途の減少の一方、自動車用途の増加によるもの。
米国:主に米国系向け医療用途の増加によるもの。
東南アジア他:主に日系向けOA機器用途及び自動車用途の減少によるもの。
欧州:主に欧州代理店向け産業機器用途の微増によるもの。
インド:主に家電用途の微減によるもの。

●各段階利益の要因は、以下のとおりであります。

売上総利益:原材料費及び人件費等が売上原価を圧迫し、前連結会計年度を下回りました。
営業利益:販売費及び一般管理費における研究開発費を増加したため、前連結会計年度を下回りました。
経常利益:営業外費用において、固定資産除却損(約97百万円)を計上したことにより、前連結会計年度を下回り
ました。
親会社株主に帰属する当期純利益:特別利益において、関係会社出資金売却益(約187百万円)を計上しました
が、前連結会計年度を下回りました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(日本)
売上高:主に産業機器用途の増加
セグメント利益:研究開発費及び諸経費の増加に伴う減少
(中華圏)
売上高:主にOA機器用途及び家電・住設用途の減少
セグメント利益:中国子会社の売却による生産集約、コスト削減により増加
(その他アジア)
売上高:主に自動車用途の増加
セグメント利益:他セグメントへの内部販売価格値下げにより減少
(北米)
売上高:主に医療用途及び産業機器用途の増加
セグメント利益:医療用途の販売価格値下げにより収益性が低下したが、販売数量の増加により増加
総じて、当連結会計年度は、自動車及び医療用途が好調であった一方、家電・住設及びOA機器用途の減少が大きく微増収となり、営業利益では、原材料費、人件費の増加が売上原価を圧迫したことから、減益の結果でありました。なお、期初計画比では、増収(2,076百万円)、増益(535百万円)であります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、売上高の8割以上が国外であり、生産において
も、7割以上が国外で生産を行っていることから為替相場の影響を大きく受ける状況下であります。なお、為替感応度として、1円変動により売上高約100百万円(年額)、営業利益約20百万円(年額)程度であると試算しております。また、外貨建ての資産・負債の邦貨換算により、為替差損益(営業外損益)の計上によって、経常利益に影響を与えます。なお、その他としては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度に比べ、主に税金等調整前当期純利益の減少及びその他の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主に固定資産の取得による支出(新規の製造設備購入分と老朽化に伴う製造設備の更新)によるものであり
ます。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に自己株式の取得による支出のものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物期末残高は、前連結会計年度に比べ減少の結果となりました。

●各投資状況については、下記のとおりであります。
・設備投資 :主に、薄膜サーミスタ用生産設備、研修生寮、工場用地(山口工場)等の取得によるものであり
ます。
・減価償却費:概ね計画通りの水準感であります。なお、上記の薄膜サーミスタ用生産設備取得に伴う減価償却
費は、翌年度発生する見込みであります。
・研究開発費:概ね計画通りに推移いたしました。なお、増加の主は、開発人員の増加に伴うものであります。
※設備投資・減価償却費には、使用権資産(リース資産等)のものを含んでおります。
2)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保
することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、部材・原材料のほか、製造費、人件費、研
究開発費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等に
よるものであります。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運
転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における
借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,270百万円(前連結会計年度末の残高は2,785百万円)となって
おります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9,619百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、会計上の見積りの判断が翌連結会計年度以降の繰延税金資産及び税金費用の計上額に影響を与える可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、会計上の見積りの判断が翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産の収益性の低下を適切に連結財務諸表に反映するため、一定期間払い出されていない棚卸資産について、棚卸資産の払出状況や廃棄実績等から算出した一定率に基づき、簿価切下額を計上するとともに、個別に販売見込みがない棚卸資産についても簿価切下額を計上しております。また、製品の期末における正味売却価額が取得原価を下回っている棚卸資産については、当該差額を簿価切下額として計上しております。
当社は、顧客からの受注見込みに基づいて部材及び原材料を調達し、製品を製造しておりますが、顧客の環境変化等により実際の受注数量に変動があった場合、余剰在庫を保有するリスクが生じる可能性があります。また、原材料の市場価格の高騰等により、製品の期末における正味売却価額が取得原価を下回るリスクも存在します。このようなリスクを軽減するため、毎月の取締役会において各拠点の棚卸資産残高の水準を監視し、在庫の処分方針を検討するとともに、必要に応じて顧客に対して買取数量や買取価格の交渉を行うなどの施策を講じております。しかし、これらのリスクが顕在化した場合には、棚卸資産の収益性の低下により、簿価の切り下げが必要となる可能性があります。
市場環境の変化により、見積り額の前提条件や仮定に変更が生じた場合、会計上の見積り判断が翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、営業利益金額としております。また、投下資本に対しどれだけ効率的に利益を生み出しているかを測るROIC(投下資本利益率)を採用し、9%以上を目標としております。なお、2026年3月期のROICは、11.0%であります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(流動資産について)
流動資産は、前連結会計年度末と比べ2,112百万円減少し、21,304百万円となりました。
これは、主に現金及び預金の減少と原材料及び貯蔵品の増加によるものであります。
(固定資産について)
固定資産は、前連結会計年度末と比べ1,736百万円増加し、9,515百万円となりました。
これは、主に有形固定資産と投資有価証券の増加によるものであります。
(流動負債について)
流動負債は、前連結会計年度末と比べ434百万円減少し、4,462百万円となりました。
これは、主にその他(主に仮受消費税、未払費用及び前受金)と支払手形及び買掛金、電子記録債務の減少によるものであります。
(固定負債について)
固定負債は、前連結会計年度末と比べ571百万円減少し、2,502百万円となりました。
これは、主に長期借入金とリース債務の減少によるものであります。
(純資産について)
純資産は、前連結会計年度末と比べ629百万円増加し、23,854百万円となりました。
これは、主に為替換算調整勘定の増加によるものであります。なお、自己資本比率は77.4%となり
1株当たり純資産額は、2,485円87銭となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、地域間で濃淡はあるものの、全体としては緩やかな回復基調が継続しましたが、年度末にかけて、中東地域での地政学的リスクの高まりによりエネルギー供給や資源価格の動向に対する警戒感が強まり、国際情勢の不透明感が増しました。
このような状況のもと、当企業グループの業績は、前連結会計年度と比べ、売上高は小幅な増加でありましたが、各段階利益は減少となりました。売上高は、家電・住設及びOA機器用途の需要が減少した一方で、自動車用途が堅調に推移し、産業機器用途も回復基調となりました。利益面では、原材料価格の高騰及び人件費の増加により売上総利益が減少し、研究開発費及び運搬費等の増加で営業利益も減少しました。また、営業外費用として固定資産除却損を計上したことから、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益も、前連結会計年度を下回りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は25,458百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は3,535百万円(前年同期比9.7%減)、経常利益は3,611百万円(前年同期比11.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,690百万円(前年同期比13.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(日本)
OA機器用途の売上高は減少し、自動車用途の売上高も一部商流が中華圏に移管されたことで減少しましたが、産業機器用途の売上高は、顧客在庫調整が一巡したことで増加し、全体で前年同期を上回りました。セグメント利益は、研究開発費及び諸経費の増加により、前連結会計年度を下回りました。これらの結果、売上高は5,466百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント損失は571百万円(前年同期はセグメント損失444百万円)となりました。
(中華圏)
OA機器及び家電・住設用途の売上高は、顧客の需要減や在庫調整等により減少し、全体で前年同期を下回りました。セグメント利益は、中国子会社の売却による生産集約、コスト削減に取り組んだことにより、前連結会計年度を上回りました。これらの結果、売上高は8,578百万円(前年同期比5.9%減)、セグメント利益は1,478百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
(その他アジア)
家電・住設及びOA機器用途の売上高は減少しましたが、自動車用途の売上高は、韓国系企業向けが堅調に推移したことにより増加し、全体で前年同期を上回りました。セグメント利益は、他セグメントへの内部販売価格を引き下げたことにより収益性が低下し、前連結会計年度を下回りました。これらの結果、売上高は7,109百万円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益は1,721百万円(前年同期比7.9%減)となりました。
(北米)
医療用途の売上高は、血糖値測定器向けが堅調に推移し、産業機器用途の売上高も増加したことで、全体として前年同期を上回りました。セグメント利益は、医療用途において、一部販売価格を引き下げたことにより収益性が低下しましたが、販売数量が増加したことにより、前連結会計年度を上回りました。これらの結果、売上高は4,303百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は1,049百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,418百万円減少し、9,619百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,906百万円となりました(前年同期5,190百万円の収入)。これは主に税金等調整前当期純利益3,740百万円の計上、仕入債務の増減額△530百万円及び関係会社出資金売却益△187百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,225百万円となりました(前年同期1,508百万円の支出)。これは主に固定資産の取得による支出2,613百万円及び投資有価証券の取得による支出421百万円と、連結の範囲の変更を伴う関係会社出資金の売却による収入691百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,582百万円となりました(前年同期1,820百万円の支出)。これは主に自己株式の取得による支出2,399百万円、長期借入金の返済による支出440百万円及び配当金の支払額425百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 4,625,718 | 107.22 |
| 中華圏(千円) | 5,343,183 | 79.26 |
| その他アジア(千円) | 6,287,468 | 146.98 |
| 北米(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 16,256,370 | 106.02 |
(注)金額は、製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 5,779,919 | 108.46 | 1,361,740 | 129.84 |
| 中華圏 | 8,160,602 | 86.45 | 1,388,154 | 76.86 |
| その他アジア | 7,209,891 | 103.61 | 927,939 | 112.12 |
| 北米 | 4,140,958 | 102.00 | 803,741 | 83.16 |
| 合計 | 25,291,370 | 98.08 | 4,481,574 | 96.40 |
(注)金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 5,466,929 | 100.81 |
| 中華圏(千円) | 8,578,343 | 94.03 |
| その他アジア(千円) | 7,109,543 | 104.01 |
| 北米(千円) | 4,303,614 | 108.85 |
| 合計(千円) | 25,458,430 | 100.49 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態 (単位:百万円)
(流動資産)現預金:主に自己株式及び固定資産の取得に伴う支出による減少であります。
(固定資産)
有形固定資産:主に薄膜サーミスタ用生産設備、研修生寮、工場用地(山口工場)等の取得による増加であり
ます。
(流動負債)
買入債務:主に中国子会社売却に伴う買掛金及び電子記録債務の支出による減少であります。
(固定負債)
長期有利子負債:主に長期借入金とリース債務の減少であります。
(純資産)
主に利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加により、自己資本は23,854百万円(前連結会計年度は、23,224百万円)となり、自己資本当期純利益率(ROE)は、11.4%(前連結会計年度は、13.9%)となりました。
なお、現預金と有利子負債のバランスは、現預金が有利子負債を上回っている状況から、財政状態において問
題はないと判断しております。

●セグメントごとの財政状態は、以下のとおりであります。
日本:主に現金及び預金の減少によるもの。
中華圏:主に中国子会社譲渡に伴う売掛債権及び固定資産の減少によるもの。
その他アジア:主に棚卸資産と固定資産の増加によるもの。
北米:主に現金及び預金、固定資産(使用権資産)の減少と売掛債権の増加によるもの。

2)経営成績
●用途別売上高の各要因は、以下のとおりであります。
OA機器:顧客の需要低調及び在庫調整より、複写機・プリンタ用が減少したもの。
家電・住設:顧客の需要低調及び冷夏の影響により、エアコン用が減少したもの。
自動車:韓国系・日系向けHEV車バッテリー・モーター用が増加したもの。
産業機器及びその他:顧客の在庫調整が一巡し、日系商社向け中心に増加したもの。
医療関連:米国系向けの血糖値測定器用が増加したもの。
情報機器:米国系向けのディストリビューター向けが微増したもの。
●地域別売上高の各要因は、以下のとおりであります。中国:主に日系・中国系向けOA機器、家電・住設用途の減少によるもの。
日本:主に商社向け産業機器用途及び自動車用途の増加によるもの。
韓国:主に韓国系向け家電用途の減少の一方、自動車用途の増加によるもの。
米国:主に米国系向け医療用途の増加によるもの。
東南アジア他:主に日系向けOA機器用途及び自動車用途の減少によるもの。
欧州:主に欧州代理店向け産業機器用途の微増によるもの。
インド:主に家電用途の微減によるもの。

●各段階利益の要因は、以下のとおりであります。

売上総利益:原材料費及び人件費等が売上原価を圧迫し、前連結会計年度を下回りました。
営業利益:販売費及び一般管理費における研究開発費を増加したため、前連結会計年度を下回りました。
経常利益:営業外費用において、固定資産除却損(約97百万円)を計上したことにより、前連結会計年度を下回り
ました。
親会社株主に帰属する当期純利益:特別利益において、関係会社出資金売却益(約187百万円)を計上しました
が、前連結会計年度を下回りました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(日本)
売上高:主に産業機器用途の増加
セグメント利益:研究開発費及び諸経費の増加に伴う減少
(中華圏)
売上高:主にOA機器用途及び家電・住設用途の減少
セグメント利益:中国子会社の売却による生産集約、コスト削減により増加
(その他アジア)
売上高:主に自動車用途の増加
セグメント利益:他セグメントへの内部販売価格値下げにより減少
(北米)
売上高:主に医療用途及び産業機器用途の増加
セグメント利益:医療用途の販売価格値下げにより収益性が低下したが、販売数量の増加により増加
総じて、当連結会計年度は、自動車及び医療用途が好調であった一方、家電・住設及びOA機器用途の減少が大きく微増収となり、営業利益では、原材料費、人件費の増加が売上原価を圧迫したことから、減益の結果でありました。なお、期初計画比では、増収(2,076百万円)、増益(535百万円)であります。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、売上高の8割以上が国外であり、生産において
も、7割以上が国外で生産を行っていることから為替相場の影響を大きく受ける状況下であります。なお、為替感応度として、1円変動により売上高約100百万円(年額)、営業利益約20百万円(年額)程度であると試算しております。また、外貨建ての資産・負債の邦貨換算により、為替差損益(営業外損益)の計上によって、経常利益に影響を与えます。なお、その他としては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度に比べ、主に税金等調整前当期純利益の減少及びその他の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主に固定資産の取得による支出(新規の製造設備購入分と老朽化に伴う製造設備の更新)によるものであり
ます。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に自己株式の取得による支出のものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物期末残高は、前連結会計年度に比べ減少の結果となりました。

●各投資状況については、下記のとおりであります。
・設備投資 :主に、薄膜サーミスタ用生産設備、研修生寮、工場用地(山口工場)等の取得によるものであり
ます。
・減価償却費:概ね計画通りの水準感であります。なお、上記の薄膜サーミスタ用生産設備取得に伴う減価償却
費は、翌年度発生する見込みであります。
・研究開発費:概ね計画通りに推移いたしました。なお、増加の主は、開発人員の増加に伴うものであります。
※設備投資・減価償却費には、使用権資産(リース資産等)のものを含んでおります。2)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保
することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、部材・原材料のほか、製造費、人件費、研
究開発費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等に
よるものであります。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運
転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における
借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,270百万円(前連結会計年度末の残高は2,785百万円)となって
おります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9,619百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、会計上の見積りの判断が翌連結会計年度以降の繰延税金資産及び税金費用の計上額に影響を与える可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、会計上の見積りの判断が翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産の収益性の低下を適切に連結財務諸表に反映するため、一定期間払い出されていない棚卸資産について、棚卸資産の払出状況や廃棄実績等から算出した一定率に基づき、簿価切下額を計上するとともに、個別に販売見込みがない棚卸資産についても簿価切下額を計上しております。また、製品の期末における正味売却価額が取得原価を下回っている棚卸資産については、当該差額を簿価切下額として計上しております。
当社は、顧客からの受注見込みに基づいて部材及び原材料を調達し、製品を製造しておりますが、顧客の環境変化等により実際の受注数量に変動があった場合、余剰在庫を保有するリスクが生じる可能性があります。また、原材料の市場価格の高騰等により、製品の期末における正味売却価額が取得原価を下回るリスクも存在します。このようなリスクを軽減するため、毎月の取締役会において各拠点の棚卸資産残高の水準を監視し、在庫の処分方針を検討するとともに、必要に応じて顧客に対して買取数量や買取価格の交渉を行うなどの施策を講じております。しかし、これらのリスクが顕在化した場合には、棚卸資産の収益性の低下により、簿価の切り下げが必要となる可能性があります。
市場環境の変化により、見積り額の前提条件や仮定に変更が生じた場合、会計上の見積り判断が翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、営業利益金額としております。また、投下資本に対しどれだけ効率的に利益を生み出しているかを測るROIC(投下資本利益率)を採用し、9%以上を目標としております。なお、2026年3月期のROICは、11.0%であります。