四半期報告書-第102期第1四半期(平成27年4月1日-平成27年6月30日)

【提出】
2015/08/14 9:41
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【項目】
28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結会計期間(以下、当四半期)における経済情勢は、海外においては、米国では雇用環境が改善し、個人消費の回復基調が継続しましたが、欧州ではギリシャの財政危機をはじめとした金融不安が続き、中国では経済成長が鈍化したほか、原油・資源安の影響を受けた新興国でも成長が鈍化、世界経済全体として足踏み状態となりました。
国内においては、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策等により企業業績の向上、雇用情勢の改善傾向が見られ景気は緩やかな回復基調で推移したものの、消費税増税による個人消費への影響の長期化、円安による物価上昇等もあり、先行きはなお不透明な状況が続いております。
こうした環境のもと、当四半期における当社グループの売上高は、2,977百万円(前年同期は2,978百万円)と前年同期比較で同水準となりました。営業損失は16百万円(前年同期は営業損失141百万円)、経常損失は75百万円(前年同期は経常損失176百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は100百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失179百万円)となりました。
当四半期を概括すると、前々年度より主に円高対策として取組んでいた「地産地消」を前提にした日本・中国・タイでの三極生産体制が客先承認も下り漸く完了しました。しかし、当初は生産移管にあたり、不採算取引の解消を目論み、生産数量は大きく減じる計画でおりましたが、主要顧客との値上げ交渉が首尾よく結実、それによって減産を見込んでいたところ空調製品の需要増等も手伝い一転増産となり、中国及び国内で臨時増産対応したことにより、残業代、外注加工費、人材派遣費等のコストが増加しました。
価格改定の効果は、第2四半期以降になることから、値上げよりコスト増が先行した結果利益は伸び悩みましたが、中国からの生産移管と並行して取組んでいた資材等の合理化効果も徐々に顕在化してきていることから、当四半期を、一連の経営施策に係る最後の調整局面として捉えることができます。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は8,056百万円(前連結会計年度比136百万円の減少)(前連結会計年度比1.7%減)となりました。これは主に受取手形及び売掛金の減少によるものであります。
負債につきましては7,066百万円(前連結会計年度比331百万円の減少)(前連結会計年度比4.5%減)となりました。これは主に借入金などの減少によるものであります。
なお、純資産は親会社株主に帰属する四半期純損失100百万円となりましたが、新株予約権付社債等の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ118百万円増加したこと等により、990百万円(前連結会計年度比195百万円の増加)(前連結会計年度比24.6%増)となりました。また、自己資本比率は12.3%(前連結会計年度比2.6ポイント増)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、96百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループには、「1 事業等のリスク」に記載のとおり、重要事象等が存在しております。
当該状況を解消・改善するための対応策は、次の通りであります。
① 生産工場の分散化と生産移管の完了
従来の中国工場に集中していた温度センサの組立を中国国内向けは中国工場、日本国内向けは日本国内工場、ASEAN・インド及び欧州向けはタイ工場、という「地産地消型」の分散生産体制を確立すべく生産移管を完了させました。これにより、当社グループの過去の主な赤字要因であった、中国国内の毎年2桁の賃金上昇率や労働力の逼迫による時間外労務費の増加、及び大幅な元高・円安による円換算での大幅な原価上昇等のリスクを軽減します。
② 欧米の自動車及び自動車部品メーカーを中心にした新規取引の拡大
従来の日系自動車部品メーカーとの取引に加えて、新規に欧米の自動車及び自動車部品メーカーとの取引を拡大していきます。
③ 空調・カスタム部品関連分野における事業構造の転換
空調・カスタム部品関連分野では、従来、ルームエアコン向け中心に事業展開しておりましたが、製品サイクルが短く、かつ競争も激しい市場であるため、当社グループの製品の「高品質、耐久性」を訴求できる業務用・ビル用パッケージエアコン分野でのシェア拡大をめざします。
④ 経費の抑制
在庫水準や直材費の削減、仕入量の見直し及び物流費の削減等を行うため、テーマ別に社内プロジェクトを立ち上げております。また、引き続き人件費の抑制、工程の改善等をはじめとする、諸経費全般に亘る削減を実施してまいります。
⑤ 資金調達及び資金繰り
財務内容の改善と老朽化設備の更新を主目的として、平成27年3月25日に発行しました第2回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使された累計数は平成27年7月末時点で、4,810個(発行総数の48.1%)、調達金額は本新株予約権の発行価額5.2百万円を合わせて総額276百万円となっており、当面の必要資金は確保できております。
主要取引金融機関に対しては継続的な支援が得られるよう良好な関係を築いており、資金調達や資金繰りの安定化に努めてまいりますので、財務面及び資金面に支障はないものと考えております。
当社グループでは、当該状況を解消・改善するために、上記の対応策を講じ改善効果も出始めていることから継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。