四半期報告書-第102期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/11/13 15:06
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【項目】
32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間の世界情勢は、政治・経済両面において不安定な状況が継続しました。米国では雇用情勢の着実な改善と個人消費の堅調な推移により景気は緩やかに拡大する一方、欧州におきましては、持ち直しつつある中、地政学リスクの影響が見られました。アジアにおいては、中国の景気後退の影響が顕著となり、その他の新興国においては景気の方向感が地域によって異なるものの全体としては緩やかな成長に留まりました。
日本経済は、円安基調を背景とした輸出企業の収益改善が見られたものの、消費増税による反動減から回復のペースは弱く、全体としては持ち直しの傾向があったものの景況は鈍化しました。
こうした環境のもと、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、5,879百万円(前年同期は5,978百万円)と前期比で98百万円の減少となりました。営業損失は17百万円(前年同期は営業損失43百万円)、経常損失は234百万円(前年同期は経常損失76百万円)、親会社株主に帰属する四半期損失は266百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期損失は99百万円)となりました。
当第2四半期連結累計期間を概括すると、売上高は、主力自動車部品事業が国内市況の低迷を受けて前期比減少し、その他の部品事業は概ね横ばいとなりました。
営業損益は、これまで取り組んできた諸施策が完了し、確実に利益を計上できる体制が整いましたが、それら諸施策の効果の発現が遅れたことにより、当初計画どおりの黒字転換には至りませんでした。
具体的には、
① 不採算である空調家電製品の値上げ交渉を行って参りましたが、不採算な状態での受注が継続したことに
加え、当該製品の需要が想定以上増加し中国工場での高コスト生産対応を行ったこと。
② 当該不採算製品の一部値上げ合意がなされたものの、その改訂時期が遅れたこと。
③ タイ工場への生産移管が遅れ、固定費負担が重くなったこと
等により、営業利益が伸び悩みました。
他方、営業外損益面では、期末日である9月末でのUSドルに対するタイバーツが急落し、多額の為替差損を計上したこと等により、経常損益を圧迫しました。
当第2四半期会計期間は、第1四半期会計期間に引き続き、一連の経営施策の調整が継続した結果となりましたが、空調事業における値上げ、材料費の低減、三極生産体制による労務費を中心としたコスト削減は既に定着しておりますので、第3四半期会計期間以降は期初想定通りのコスト改善効果を享受できる見通しです。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は8,080百万円(前連結会計年度末比112百万円の減少)(前連結会計年度末比1.4%減)となりました。これは主に有形固定資産などの減少によるものであります。
負債につきましては7,263百万円(前連結会計年度末比134百万円の減少)(前連結会計年度末比1.8%減)となりました。これは主に長期借入金などの減少によるものであります。
なお、純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失266百万円となりましたが、新株予約権付社債等の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ136百万円増加したこと等により、817百万円(前連結会計年度末比22百万円の増加)(前連結会計年度末比2.8%増)となりました。また、自己資本比率は10.1%(前連結会計年度末比0.4ポイント増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より168百万円増加し、576百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、333百万円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失227百万円等の資金の減少がありましたが、減価償却額208百万円及び仕入債務の増加額431百万円等による資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、178百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出177百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、14百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増減額340百万円及び株式の発行による収入257百万円等による資金の増加、及び長期借入金の返済による支出393百万円等の資金の減少等によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、184百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループには、「1 事業等のリスク」に記載のとおり、重要事象等が存在しております。
当該状況を解消・改善するための対応策は、次の通りであります。
① 生産工場の分散化と生産移管の完了
従来の中国工場に集中していた温度センサの組立を中国国内向けは中国工場、日本国内向けは日本国内工場、ASEAN・インド及び欧州向けはタイ工場、という「地産地消型」の分散生産体制を確立すべく生産移管を完了させました。これにより、当社グループの過去の主な赤字要因であった、中国国内の毎年2桁の賃金上昇率や労働力の逼迫による時間外労務費の増加、及び大幅な元高・円安による円換算での大幅な原価上昇等のリスクを軽減します。
② 欧米の自動車及び自動車部品メーカーを中心にした新規取引の拡大
従来の日系自動車部品メーカーとの取引に加えて、新規に欧米の自動車及び自動車部品メーカーとの取引を拡大していきます。
③ 空調・カスタム部品関連分野における事業構造の転換
空調・カスタム部品関連分野では、従来、ルームエアコン向け中心に事業展開しておりましたが、製品サイクルが短く、かつ競争も激しい市場であるため、当社グループの製品の「高品質、耐久性」を訴求できる業務用・ビル用パッケージエアコン分野でのシェア拡大をめざします。
④ 経費の抑制
在庫水準や直材費の削減、仕入量の見直し及び物流費の削減等を行うため、テーマ別に社内プロジェクトを立ち上げております。また、引き続き人件費の抑制、工程の改善等をはじめとする、諸経費全般に亘る削減を実施してまいります。
⑤ 資金調達及び資金繰り
財務内容の改善と老朽化設備の更新を主目的として、平成27年3月25日に発行しました第2回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使された累計数は平成27年10月末時点で、5,055個(発行総数の50.6%)、調達金額は本新株予約権の発行価額5.2百万円を合わせて総額287百万円となっており、当面の必要資金は確保できております。
主要取引金融機関に対しては継続的な支援が得られるよう良好な関係を築いており、資金調達や資金繰りの安定化に努めてまいりますので、財務面及び資金面に支障はないものと考えております。
当社グループでは、当該状況を解消・改善するために、上記の対応策を講じ改善効果も出始めていることから継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。