有価証券報告書-第13期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

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2019/03/26 13:35
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(1)経理成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当及び連子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益が堅調に推移するとともに、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費が持ち直し、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、米中貿易戦争等、世界経済の動向に関する不確実性は続いており、我が国の景気を下押しするリスクは依然として含んでおります。
当社グループが属する婚活業界におきましては、婚活というワードも社会に広く浸透し、結婚願望を持つ独身者が高い割合で存在する中、依然として需要は拡大傾向にあります。
このような環境の中、当社グループは、友人・恋人探しのマッチング事業、結婚支援事業、恋愛メディア事業の三本柱で、比較的ライトなユーザー層(婚活潜在顧客層)をターゲットとする株式会社Diverseを新たな連結子会社とし、IT基盤の増強と会員数の増加を図るとともに、既存の各サービスのクオリティの向上に努めてまいりました。この結果、月間成婚者数が1,006名となり、過去最高となるとともに、成婚組数が年間6,132組(12,264名)となり、日本の年間成婚組数に占める割合の1%を実現しました。
また、「日本の成婚の3%をIBJが創出する」中期経営計画実現に向けた婚活会員数の更なる増加のために、各サービスの基盤強化を目的とした先行投資に努めてまいりました。
加えて、ライフデザイン事業において、成婚者および婚活会員に対して保険、旅行などの周辺サービスをワンストップで提供出来る体制の拡充強化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は11,818,942千円(前年同期比24.9%増)、営業利益は1,476,735千円(同1.1%減)、経常利益は1,468,850千円(同1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,050,812千円(同1.3%増)となりました。IBJ個別での当事業年度の業績は、売上高は6,115,614千円(前年同期比4.5%増)、営業利益は1,362,284千円(同10.6%減)、経常利益は1,370,277千円(同9.8%減)、当期純利益は903,582千円(同14.9%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報 」の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。
<コーポレート事業>当セグメントは、コーポレート事業、連盟事業、FC事業により構成されております。当連結会計年度は、コーポレート事業においては、結婚相談事業者の新規開業支援の強化により加盟相談所が増加し、加盟店数が1,898社となりました。また、連盟事業における日本結婚相談所連盟の会員向けアプリ「IBJお見合いシステム(お見合い管理システム)」の機能と連盟本部事務局自身の機能の増強により、登録会員数が60,000人を突破するとともに、お見合い数が増加しました。更に、FC事業における加盟店開拓やサポート体制の強化により、フランチャイズ店舗が増加しました。このような加盟相談所数・登録会員数の順調な増加により収益力が向上しました。
この結果、セグメント売上高は1,632,996千円(前年同期比24.4%増)、セグメント利益は932,354千円(同18.5%増)となりました。
<コミュニティ事業>当セグメントは、コミュニティ事業により構成されております。当連結会計年度は、婚活サイトの機能拡充により、お相手紹介機能によるマッチング率の向上を図るとともに、婚活色を高めたリニューアルにより他社サイトとの差別化を行い、満足度の向上と新規会員獲得に努めました。また、株式会社Diverseを子会社化にしたことより会員数が増加したことなどから、収益力が向上しました。一方、提供サービスのクオリティ向上に努め、それに伴う費用が増加しました。
この結果、セグメント売上高は2,174,416千円(前年同期比130.3%増)、セグメント利益は381,174千円(同33.7%減)となりました。
<ラウンジ事業>当セグメントは、イベント事業、ラウンジ事業により構成されております。当連結会計年度は、イベント事業におけるアプリのダウンロード数増加促進、自社会場企画と開催数の拡充、自社会場企画に加え外部会場開催の企画型イベント等、クオリティ強化への取り組みを通じた動員数増加により収益力が向上しました。また、ラウンジ事業における上野マルイ店、大名古屋ビルヂング店、なんば店、京都店の新規オープンや、婚活アドバイザー及びカウンセラースタッフの拡充とスキルアップ(成婚の育み方)研修の計画的実施など、定員制ラウンジのクオリティ強化に努め、その結果入会数及び成婚数が増加しました。一方、新店舗のオープンに伴う費用や人員増強による費用が増加致しました。
この結果、セグメント売上高は3,717,214千円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は1,318,005千円(同7.7%減)となりました。
<ライフデザイン事業>当セグメントは、ウエディング事業、旅行事業により構成されております。当連結会計年度は、ウエディング事業におけるウェブサイトのリニューアルにより、広告掲載件数の増加及びラウンジ事業部との連携強化により、式場送客数が増加しました。また、旅行事業においては、中南米、北米、北欧、フィリピン、パプアニューギニアなどのオリジナルパッケージツアーを企画し、大手旅行代理店へのツアー提供やオーダーメイド旅行をアレンジするなど、多様なニーズに柔軟に対応し、収益力が向上するとともに、経費節減に努めました。この結果、セグメント売上高は4,294,315千円(前年同期比14.0%増)、セグメント利益は51,662千円(前年同期比1,259.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ251,936千円増加(前年同期比7.0%増)し、当連結会計年度末には3,859,434千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,240,835千円(同1.7%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,434,287千円、減価償却費が209,025千円、のれん償却額が64,720千円、前受金の増減額が115,858千円、法人税等の支払額593,235千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は529,115千円(前連結会計年度は209,798千円の使用)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出49,999千円、有形固定資産の取得による支出184,461千円、無形固定資産の取得による支出146,750千円、敷金及び保証金の差入による支出127,645千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は459,784千円(前連結会計年度は92,542千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入による収入100,000千円、長期借入金による収入570,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入90,131千円がありましたが、長期借入金の返済による支出363,360千円、自己株式の取得による支出499,986千円、配当金の支払額355,744千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
該当事項はありません。
ロ.受注状況
該当事項はありません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成30年1月1日
至 平成30年12月31日)
販売高
(千円)
前年同期比(%)
コーポレート事業1,632,996124.4
コミュニティ事業2,174,416230.3
ラウンジ事業3,717,214108.1
ライフデザイン事業4,294,315114.0
合計11,818,942124.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える経営者の判断に基づく見積りや判断が必要となります。この判断及び見積りに関しては過去の実績や状況を勘案し合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高に関しては、各事業部ともに好調に推移いたしました。
直営イベント会場と直営相談所の複合施設として上野マルイ店、なんば店、京都店を、更に直営イベント会場として、大名古屋ビルヂング店をオープンさせ、集客力の向上を図りました。婚活パーティ―からの結婚相談所への入会を強化し、コーポレート事業における結婚相談事業者の新規加盟強化、会員向けアプリの強化により、婚活会員数の増加と満足度を高めるなど、各サービスのクオリティ向上と、各事業部連携を強化した事で、月間成婚者数が1,006名となり、過去最高となるとともに、成婚組数が年間6,132組(12,264名)となり、日本の年間成婚組数に占める割合の1%を実現しました。
また、ライフデザイン事業においては、ウエディング事業における、サイトのリニューアルによる告販売の強化、旅行事業における、個人向け海外パッケージツアーや大手旅行代理店へのツアー提供等積極的な営業活動を行うなど、婚活分野以外の領域の積極的な取り組みに加え、イベント事業やラウンジ事業との連携強化による式場送客や、旅行客の増加を実現し、日本最大級の婚活会員基盤を活かした総合ライフデザインカンパニーとして着実に収益力の強化を図ってまいりました。
イ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて2,357,089千円増加し、11,818,942千円(前年同期比24.9%増)となりました。これは主に、弊社サービスを利用する結婚相談所事業者の加盟の増加、会員数や成婚者数が増加したことなどによるものです。
各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、コーポレート事業が13.8%、コミュニティ事業が18.4%、ラウンジ事業が31.5%、ライフデザイン事業が36.3%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べて1,848,133千円増加し、7,635,053千円(同31.9%増)となりました。売上総利益率は、サービスの業務効率化が進んだことにより、前連結会計年度に比べて3.4%増加し、64.6%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は人件費や地代家賃、広告宣伝費の増加により、前連結会計年度に比べて1,875,874千円増加し、6,135,495千円(同44.0%増)となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べて17,075千円減少し、営業利益は1,476,735千円(同1.1%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べて5,462千円減少し、3,309千円(同62.3%減)となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて1,842千円増加し、11,194千円(同19.7%増)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べて24,380千円減少し、1,468,850千円(同1.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は、前連結会計年度に比べて155,666千円減少し、34,562千円(同81.8%減)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて13,970千円増加し、1,050,812(同1.3%増)となりました。
ロ.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における流動資産は5,173,195千円となり、前連結会計年度末に比べ688,504千円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が225,410千円、売掛金が330,858千円、前払費用が21,001千円、繰延税金資産が76,702千円増加したことによるものであります。固定資産は2,389,585千円となり、前連結会計年度末に比べ653,883千円増加いたしました。これは主に、のれんが293,969千円、建物が76,793千円、工具、器具及び備品が49,036千円、投資有価証券が106,418千円、差入保証金が118,418千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は7,562,781千円となり、前連結会計年度末に比べ1,342,387千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度における流動負債は2,771,500千円となり、前連結会計年度末に比べ739,459千円増加いたしました。これは主に未払金が107,707千円、未払費用が118,960千円、前受金が511,434千円、短期借入金が100,000千円、ポイント引当金が24,715千円増加した一方、未払法人税等が149,145千円減少したことによるものであります。固定負債は1,234,984千円となり、前連結会計年度末に比べ217,858千円増加いたしました。これは主に長期借入金が209,640千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は4,006,484千円となり、前連結会計年度末に比べ957,318千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は3,556,296千円となり、前連結会計年度末に比べ385,069千円増加いたしました。これは主に資本金が45,625千円、資本剰余金が45,625千円、親会社株主に帰属する当期純利益が1,050,812千円、配当金の支払が355,127千円、自己株式が499,986千円、その他有価証券評価差額金が69,474千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は46.61%となりました。
ハ.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ニ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」として開示しております。
ホ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持ならびに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。
手元流動性につきましては、通常運転資金の3か月分を目安として確保することとしており、当連結会計年度末の現預金残高は3,859,434千円であり、十分に確保している状況であることから、健全な財務状況と認識しております。
へ.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針の立案及びその実施に努めており、流動的な市場環境においても継続的に利益を確保するために、工夫と創造や、変革と挑戦に取り組む姿勢を全社的に持ち、顧客満足度及び社会貢献度の高いサービスを提供し続けることが重要と認識しております。
取り組むべき課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。