有価証券報告書-第53期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/27 16:41
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【項目】
116項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善等が見られるものの、一方で、ウクライナや中東地域をめぐる国際情勢不安、米国の金融政策と通商政策及び物価上昇の長期化などの課題に直面しており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社が事業展開している医療機関におきましても、人口構造の変化による医療需要の拡大は見込まれるものの、より質の高い医療の提供、医療従事者の人材確保のための処遇改善、医師の働き方改革、医療需要の変化、資材や光熱費の高騰など、重要な課題に直面しており、経営環境においてはコストの見直しや生産性の向上など、様々な判断が求められる状況です。
喫緊の課題として医療サービスの質の向上と効率的な医療提供体制の構築が挙げられ、いわゆる「骨太方針2025」におきましても、政府を挙げて「全国医療情報プラットフォーム」の基盤整備などの医療DXの推進を加速する方針が改めて示されております。また、2025年12月には、「医療法等の一部を改正する法律」が可決、成立しました。この中でも「地域医療構想の見直し等、医師偏在是正に向けた総合的な対策の実施、これらの基盤となる医療DXの推進のために必要な措置を講ずる」こととされており、その中核を担う電子カルテシステム等の医療情報システム需要は引き続き強く、当社が事業を展開するにあたって、大きな追い風となっております。
当社が長年培ってきたクラウド技術は保守負担の軽減や、データのバックアップによる業務継続性の向上、医療機関間の情報連携の効率化等により一層重要性が増しております。また、研究を進めている生成AIなどの先端技術は、医療現場における業務効率化に寄与することが期待されています。
このような状況の下、当社は主力製品であるWeb型電子カルテシステムを、データセンターを活用したパブリック
クラウドおよびグループ病院向けのプライベートクラウド(※)にてお客様に提供しております。これにより、競争が激化する市場環境の中において差別化を図るとともに、既存顧客のリプレイス需要の取り込みにも注力してまいりました。
加えて、医療DX関連のシステムの開発、販売、導入、保守を継続的に行ってまいりました。また、開発・技術部門においては、顧客ニーズに応じたシステム機能の拡充と信頼性向上に引き続き取り組むとともに、他社との連携を強化し、先進的なテクノロジーを活用した医療プロジェクトを推進することで、顧客満足度の向上に努めてまいりました。
(※)パブリッククラウド:外部のデータセンターを利用して電子カルテ等を使用すること
プライベートクラウド:グループ病院内の病院や診療所等のワンサーバーでのクラウド環境で電子カルテ等を使用すること
その結果、新規導入案件や既存顧客のリプレイス需要は堅調に推移し、当事業年度の業績は売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも上場以来過去最高となりました。
当事業年度の業績は、売上高6,928,650千円(前期比27.6%増)、営業利益740,630千円(前期比11.8%増)、経常利益794,725千円(前期比13.4%増)、当期純利益573,459千円(前期比19.4%増)の増収増益となりました。また、受注高は4,739,027千円(前期比10.9%減)となりましたが、引き続き堅調に推移しました。
なお、財政状態につきましては、後記の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態の分析」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末より103,212千円増加し、2,449,256千円となりました。
なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動により得られた資金は、388,949千円(前事業年度は663,976千円の収入)となりました。主な要因は、売上債権の増加171,706千円などの資金減少があったものの、税引前当期純利益の計上794,725千円などの資金増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動により使用した資金は、1,169,293千円(前事業年度は92,760千円の支出)となりました。主な要因は、投資不動産の賃貸による収入101,707千円などの資金増加があったものの、投資不動産の取得による支出1,775,840千円などの資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動により得られた資金は、883,556千円(前事業年度は100,223千円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出34,200千円、配当金の支払180,430千円などの資金減少があったものの、長期借入れによる収入1,000,000千円などの資金増加によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績を示すと、次のとおりであります。
事業部門当事業年度
(自 2025年 1月 1日
至 2025年12月31日)
システム事業生産高 (千円)前年同期比 (%)
5,103,712116.6

(注) 金額は当期総製造費用によっております。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を種類別に示すと、次のとおりであります。
種類別当事業年度
(自 2025年 1月 1日
至 2025年12月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
ソフトウェア2,712,55073.12,335,74192.2
ハードウェア2,026,477126.1847,73192.1
合計4,739,02789.13,183,47392.2

c.販売実績
当事業年度の販売実績を種類別に示すと、次のとおりであります。
種類別当事業年度
(自 2025年 1月 1日
至 2025年12月31日)
販売高 (千円)前年同期比 (%)
ソフトウェア2,910,792117.7
ハードウェア2,099,210157.8
保守サービス等1,918,647118.1
合計6,928,650127.6

(注) 当事業年度の保守サービス等には、損益計算書上の売上高区分の「商品売上高」45,005千円が含まれております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度
(自 2024年 1月 1日
至 2024年12月31日)
当事業年度
(自 2025年 1月 1日
至 2025年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
医療法人社団日高会 日高病院--738,72410.7

※ 前事業年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、流動資産が147,845千円減少、固定資産が1,741,338千円増加した結果、1,593,492千円増加し、9,129,108千円となりました。流動資産の減少は、主に売掛金が168,446千円増加したものの、現金及び預金が335,777千円減少したことによるものです。一方、固定資産の増加は、有形固定資産が27,518千円減少したものの、投資その他の資産が1,759,374千円増加したことによるものです。
(負債)
当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ、流動負債が170,589千円、固定負債が1,015,251千円増加した結果、1,185,840千円増加し、5,203,738千円となりました。流動負債の増加は、主に支払手形が191,784千円減少したものの、買掛金が141,389千円、短期借入金が100,000千円それぞれ増加したことによるものです。また、固定負債の増加は、主に長期借入金が899,080千円増加したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ、407,652千円増加し3,925,369千円となりました。その主な要因は、当期純利益の計上573,459千円、配当による利益剰余金の減少179,970千円によるものです。なお、自己資本比率は43.0%となりました。
b. 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、医療DX関連のシステム需要の高まりや大型案件の受注売上に加え、導入件数の増加に伴う保守を含めた売上の伸長の結果、前事業年度に比べ1,499,664千円増加し6,928,650千円(前期比27.6%増)となりました。種類別の内訳では、ソフトウェアが17.7%増加の2,910,792千円、ハードウェアが57.8%増加の2,099,210千円、保守サービス等が18.1%増加の1,918,647千円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、売上高の増加1,499,664千円から売上原価の増加1,308,221千円を差し引き、前事業年度に比べ191,442千円増加し1,863,503千円(前期比11.4%増)となりました。システム売上原価の内訳では、売上の増加に伴い、当期製造費用のすべての内訳で前期比において増加となりました。
(営業利益、経常利益)
営業利益は、販売費及び一般管理費が113,344千円増加したものの、売上総利益が191,442千円増加したことにより、前事業年度に比べ78,098千円増加し、740,630千円(前期比11.8%増)となりました。さらに営業外損益の54,095千円(益)が加わり、経常利益は、前期比13.4%増加の794,725千円となりました。
(当期純利益)
税引前当期純利益は、経常利益の増加により、前事業年度に比べ93,776千円増加し794,725千円(前期比13.4%増)となりました。当期純利益は、法人税、住民税及び事業税が3,596千円増加したものの、法人税等調整額が3,126千円減少し、19.4%増加の573,459千円となりました。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項及び投資家の投資判断、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、リスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、詳細につきましては、本書「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社は、経営資源を総合医療情報システムの開発、販売、導入指導に集中させ、その基幹システムであるWeb型電子カルテシステムの市場拡大に取り組んでまいりました。近年、医療機関をとりまく環境は大きく変わろうとしており、より質の高い医療サービス、システムが求められております。中でも、医療分野のICT化は国の掲げる政策であり、ICTの普及による医療の効率化、医療費の削減が喫緊の課題となっております。このような環境の下、当社では、ICT化の代表的な指標である医療機関における電子カルテシステムの稼働施設数のアップを推進してまいります。こうした導入推進とともに、システムの機能強化、次世代システムの開発に取り組むことが、当社の更なる成長の基盤となる見通しです。
なお、詳細につきましては、本書「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、本書「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社の資金需要は、主に運転資金、設備資金需要ですが、今後の事業展開を考慮しますと、研究開発資金需要が増えることが想定されます。運転資金、設備資金については、自己資金で賄うことを原則としておりますが、場合により銀行借入による資金調達も選択肢の一つとしております。また研究開発資金については、有価証券発行による資金調達も視野に入れ、総合的にその調達先を判断する方針であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、会計方針の選択・適用、資産・負債、収益・費用の金額など開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

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