有価証券報告書-第27期(2022/10/01-2023/09/30)

【提出】
2023/12/21 15:30
【資料】
PDFをみる
【項目】
159項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況の概要は、以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
a.資産
当社グループの当連結会計年度末における総資産は1,198,668百万円となり、前連結会計年度末と比較して167,493百万円増加しました。これは主として、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が合わせて84,151百万円増加したほか、現金及び預金が52,574百万円増加したこと等によるものであります。
b.負債
負債は718,251百万円となり、前連結会計年度末と比較して82,779百万円増加しました。これは主として、短期借入金、長期借入金(一年内返済予定の長期借入金を含む)及び社債(一年内償還予定の社債を含む)が合わせて66,176百万円増加したことに加えて電子記録債務が3,756百万円、営業未払金が3,708百万円増加したこと等によるものであります。
c.純資産
純資産は480,416百万円となり、前連結会計年度末と比較して84,714百万円増加しました。これは主として、利益剰余金が75,297百万円、非支配株主持分が6,202百万円増加したこと等によるものであります。
ロ.経営成績
当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高は1,148,484百万円(前連結会計年度比20.6%増)、営業利益は142,330百万円(同19.2%増)、経常利益は136,927百万円(同13.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は92,050百万円(同18.2%増)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
(戸建関連事業)
戸建関連事業につきましては、前連結会計年度と比べて土地並びに資材価格の上昇による影響はありましたが、都心部の堅調な戸建需要を背景に売上高は2桁の増収となりました。
その結果、売上高は590,342百万円(前連結会計年度比14.3%増)、営業利益は63,178百万円(同0.3%増)となりました。
(マンション事業)
マンション事業につきましては、首都圏、名古屋圏、福岡圏の都心部において新築分譲マンションを展開しております。販売は順調に推移しているなか、第4四半期連結会計期間に集中していた物件の引渡しも計画通り完了し、業績は好調に推移いたしました。
その結果、売上高は124,689百万円(前連結会計年度比99.9%増)、営業利益は25,139百万円(同136.0%増)となりました。
(収益不動産事業)
収益不動産事業につきましては、金融機関による投資家及び物件の選別が進むなか、当社グループが顧客とする事業法人、富裕層が投資対象とする賃貸マンション、オフィスビル等に対する需要は高く、販売は好調に推移いたしました。
その結果、売上高は184,710百万円(前連結会計年度比19.9%増)、営業利益は20,222百万円(同14.4%増)となりました。
(その他)
その他につきましては、資産分散を目的とするアメリカ不動産に対する投資需要が高く、販売は好調に推移いたしました。
その結果、売上高は87,459百万円(前連結会計年度比17.7%増)、営業利益は8,667百万円(同5.6%増)となりました。
(プレサンスコーポレーション)
プレサンスコーポレーションにつきましては、主要販売エリアの近畿圏、東海圏及び首都圏、沖縄圏を含む地方中核都市の中心部において、好立地の投資用及びファミリーマンションの販売に注力いたしました。
その結果、売上高は161,265百万円(前連結会計年度比11.0%増)、営業利益は25,791百万円(同24.4%増)となりました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて32,562百万円増加し、378,643百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、17,393百万円(前連結会計年度は16,353百万円の使用)となりました。これは主として、棚卸資産の増加額が85,219百万円、法人税等の支払額が40,239百万円であった一方、税金等調整前当期純利益が136,901百万円、仕入債務の増加額が7,857百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、35,575百万円(前連結会計年度は4,367百万円の使用)となりました。これは主として、定期預金の預入による支出が18,527百万円、関係会社出資金の払込による支出が10,537百万円、有形固定資産の取得による支出が6,381百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、49,103百万円(前連結会計年度は24,694百万円の獲得)となりました。これは主として、配当金の支払額が16,753百万円あった一方、借入れによる収入、借入金の返済による支出の純収入が66,415百万円あったこと等によるものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループの生産実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、生産実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
② 受注実績
当連結会計年度における建築請負の受注状況は次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前連結会計年度比
増減率(%)
受注残高
(百万円)
前連結会計年度比
増減率(%)
戸建関連事業69,748△11.252,225△10.8
プレサンスコーポレーション138,282△2.775,049△17.1

(注) 上記以外のセグメントについては、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
販売実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメント別の業績にて示しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の鎮静化に伴う行動制限の緩和を受け、長く停滞していた社会経済活動が活発化するなか、個人消費並びに設備投資は持ち直しております。また、企業収益及び企業の業況判断は総じてみれば改善傾向を示し、雇用情勢には改善の動きがみられ、消費者物価も上昇するなど、景気は緩やかに回復しております。
当社グループが属する不動産業界につきましても、地価は景気の緩やかな回復を受け、三大都市圏を中心に上昇が拡大しております。住宅地においては、都市中心部並びに生活利便性に優れた地域における住宅需要は堅調であり、地価の上昇が続いております。商業地においては、都市部を中心に人流の回復を受け、店舗需要は上昇傾向にあり、オフィス需要も底堅く推移するなど地価の回復傾向はより進んでおります。
このような事業環境のもと、当社グループは中期経営計画「行こうぜ1兆!2023」(2021年9月期~2023年9月期)に掲げる経営目標の達成に向け、業務に取り組んでまいりました。当連結会計年度におきましては、すべてのセグメントで売上高及び営業利益において増収増益を果たしております。
ロ.経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して195,798百万円増加の1,148,484百万円(前連結会計年度比20.6%増)となりました。これは、戸建関連事業の売上高が73,840百万円増加して590,394百万円(同14.3%増)となったことに加えて、マンション事業が62,622百万円増加して124,984百万円(同100.4%増)となったこと等によるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して162,009百万円増加の930,127百万円(前連結会計年度比21.1%増)となり、売上総利益は33,787百万円増加の218,356百万円(同18.3%増)となりました。売上総利益率は、0.4ポイント低下して19.0%(前連結会計年度は19.4%)となりました。これは、主として戸建関連事業において土地仕入原価が上昇したことにより、売上総利益率が、1.5ポイント低下して16.7%(前連結会計年度は18.2%)となったこと等によるものであります。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して、10,815百万円増加して76,026百万円(前連結会計年度比16.6%増)となり、売上高販売費及び一般管理費率は0.2ポイント低下の6.6%(前連結会計年度は6.8%)となりました。これは主として、事業拡大に伴う人員増加により人件費が2,616百万円増加して23,774百万円(前連結会計年度は21,157百万円)になったこと等により販売費及び一般管理費は増加しましたが、前連結会計年度より生産性を改善したことにより、売上高販売費及び一般管理費率が低下したものであります。
営業利益は22,972百万円増加して142,330百万円(同19.2%増)となりました。なお、売上高営業利益率は、0.1ポイント低下して12.4%(前連結会計年度は12.5%)となりました。
d.営業外損益、経常利益
営業外収益は、前連結会計年度と比較して5,849百万円減少の2,441百万円(前連結会計年度比70.6%減)、営業外費用は、1,361百万円増加して7,884百万円(同21.0%増)となりました。これは、主として、円安の進行が鈍化し、為替差益が4,598百万円減少の471百万円となったことによるものであります。
この結果、経常利益は、15,760百万円増加して136,927百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。なお、売上高経常利益率は、0.8ポイント低下して11.9%(前連結会計年度は12.7%)となりました。
e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、14,165百万円増加して92,050百万円(前連結会計年度比18.2%増)となりました。なお、売上高当期純利益率は、0.2ポイント低下して8.0%(前連結会計年度は8.2%)となりました。
② 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年11月に中期経営計画「行こうぜ1兆!2023」(2020年10月~2023年9月)を策定いたしました。策定時に掲げた経営目標は、最終年度となる2023年9月期の売上高を8,000億円といたしましたが、当連結会計年度の好調な事業進捗を受け、4度の上方修正を経て3,300億円引き上げ、新たな経営目標を1兆1,300億円と設定いたしました。また、資本政策としては、当初よりROE20.0%、自己資本比率30.0%、配当性向20.0%以上を設定しております。なお、本中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度の業績及び目標に対する達成状況は以下のとおりであります。
売上高は1,148,484百万円(当初目標1,000,000百万円、達成率114.8%)、営業利益は142,330百万円(同88,000百万円、161.7%)、ROEは24.4%(4.4ポイント超過)、自己資本比率は34.7%(4.7ポイント超過)、配当性向は21.5%(1.5ポイント超過)となり、全ての指標で超過達成いたしました。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの主な資金需要は、各セグメントにおける事業用地、物件取得、建設資金、事業拡大のための投資資金並びに運転資金であります。それらの財源については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、自己資本、金融機関からの借入金並びに社債の発行による有利子負債等を充当することに加え、資金使途に応じた幅広い資金調達手段の確保に努めております。
④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。