有価証券報告書-第19期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

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2019/03/29 16:48
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(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、設備投資は増加し、企業収益、雇用情勢ともに改善する等、景気は緩やかな回復が続きました。また、日本政府が2017年3月に決定した「働き方改革実行計画」に基づき、働き方改革関連法が成立し、本格始動に向けて動き出しました。好調な企業収益を背景に、投資の増加や雇用環境の更なる改善等による経済の好循環の拡大がみられました。世界の景気は緩やかに回復していますが、政策に関する不確実性による影響、通商問題の動向、金融市場の動向によっては景気が下振れするリスクがあります。中国では各種政策の効果もあり、景気は持ち直しの動きが続きましたが、足下ではその動きに足踏みがみられ、不動産価格や過剰債務問題を含む金融市場の動向によっては景気が下振れするリスクがあります。中国以外のアジア地域では、おおむね景気は持ち直しや緩やかな回復の動きがみられました。
当社グループが注力するクラウドサービスを取り巻く環境について、クラウドサービスの利用企業の割合は2010年末の14.1%から2017年末には56.9%と大きく増加してきております((注)1、2)。ネットワーク環境の進歩に加え、スマートフォンやタブレット等のモバイルデバイスの登場により、クラウドサービスの利用環境が改善されてきており、クラウドサービスへの認知度が高まるにつれ、利用企業は順調に増加すると予想されます。
このような環境の下、当社グループは、「いつでも」・「どこでも」・『だれでも』使えるビジュアルコミュニケーションサービスをコンセプトとして、「アジアNo.1のビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」を目指し、以下の重点施策を遂行してきました。
1.働き方改革市場の深耕
Web会議・テレビ会議分野でのシェア拡大、利用シーンの拡大、普及の加速と日常性の実現、グループシナジーの最大化
2.社会インフラとしての活用
3.アジアを中心とした海外での事業拡大
一方で、前連結会計年度を構造改革の年と位置づけ、今までの成長の過程で顕在化してきた問題点を洗い出し、注力すべき課題を明確化しました。「選択と集中」を基本に、日本国内でのコスト削減や不採算事業・拠点の見直しを最優先に行った結果、固定費の増加に歯止めをかけ、販売費及び一般管理費を中心とした削減効果により当連結会計年度において営業利益は前年同期に比較して大幅に改善し、四半期ベースで黒字が定着しました。今後も損益分岐点比率をより改善していくため、限界利益や固定費について、従来以上に厳格に管理していきます。
当連結会計年度において、「クラウド」型を中心とした「V-CUBE」各サービスの提供を積極的に推進してきたことや、オンプレミスやアプライアンスの大口案件があり、売上高は前期比で約20%増加しました。
費用面では、「オンプレミス」型、「アプライアンス」型サービス売上増加に伴い仕入原価が増加しましたが、前年度に行った構造改革の効果により、ソフトウェア償却費、販売費及び一般管理費は前期比でそれぞれ約7%、12%減少しました。これらの結果、営業利益は前期の営業損失から896,289千円改善し黒字転換しました。
経常利益は、グループ内貸付を主とした外貨建て債権の換算による為替差損の影響を受けたものの、営業利益の増加を受けて、前期の経常損失から黒字転換しました。また、外部委託システム障害対応費用等の特別損失が発生したものの、電子黒板サービス事業の売却による事業譲渡益453,403千円を特別利益として計上したため、最終利益も大幅な黒字となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高7,960,678千円(前期比19.9%増)、営業利益345,536千円(前期は営業損失550,753千円)、経常利益259,522千円(前期は経常損失567,047千円)、親会社株主に帰属する当期純利益456,121千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3,035,797千円)となりました。
なお、当社グループは、ビジュアルコミュニケーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
当連結会計年度の主な取り組みは、以下のとおりであります。
・2017年の国内Web会議市場について、当社グループは11年連続で、Web会議「ASP(クラウド)型」及びWeb会議「ASP(クラウド)型+SI(オンプレミス)型」の分野でシェアNo.1を獲得しました(注3)。
・当社の販売する防音型のコミュニケーションブース「テレキューブ」は、三菱地所株式会社が行うテレワークの実証実験及び東日本旅客鉄道株式会社が行うシェアオフィスサービスの実証実験にそれぞれ採用されました。公共空間においても「いつでも」「どこでも」働ける場所を創り出すことで、多様なワークスタイルの実現に貢献します。
また、働き方改革を加速させるテレコミュニケーションブース「テレキューブ(2人用)」の販売を開始しました。2人で利用できるテレキューブは、働き方改革のための人事制度の整備が進み、目標設定や成果確認、人事評価に関する1on1面談の機会が増えたことによる社内の会議室不足を解消します。
・当社は、米国のVidyo(ヴィディオ)社との間で、Vidyo社のサービス・技術の販売に関する日本国内の総代理販売契約を締結しました。Vidyo社の技術は、当社の主力サービスの基幹技術として採用されているほか、日本国内の販売パートナーを通じた提供も行われています。今後は当社が国内総代理店としてパートナーへの技術、販売サポートを行います。また、企業内におけるWeb会議だけでなく、欧米では金融・医療分野において多くの実績を持つVidyo社のソリューションを国内で共同展開していきます。
・当社は、Web会議システム「V-CUBE ミーティング」のWebRTCに対応した新バージョンの提供を開始しました。WebRTC版は、専用アプリケーションをインストールしなくてもWebブラウザからワンクリックでWeb会議を始めることが可能になり、ゲスト参加者の利便性が向上します。これにより、より広いシーンでご利用いただきやすくなりました。
・当社は、高齢者の在宅診療における多職種連携を実現する地域包括ケアシステム構築の研究プロジェクトに参加しました。医療・介護連携クラウドを提供する(株)カナミックネットワーク、在宅医療を中心とした地域包括ケアを提供する医療法人笑顔会、在宅医療機関向けにクラウド型の電子カルテ「モバカルネット」を開発するNTTエレクトロニクステクノ(株)等と、在宅診療など高齢化社会に対する課題解決を目的として連携します。
・当社は、(株)アインホールディングスが愛知県の国家戦略特区で始める薬剤遠隔指導の取り組み、日本調剤(株)が福岡市の国家戦略特区特定地域で始める薬剤遠隔指導の取り組み及び(株)ミナカラの遠隔服薬指導向けシステム開発を、当社のビジュアルコミュニケーションツールの提供を通じて支援します。薬剤遠隔指導は特区内の特定地域に居住し一定の要件を満たした患者様に対して遠隔服薬指導を実施するもので、今後「一気通貫の在宅医療」を行う上で大変重要な要素になると考えられています。
・岐阜県郡上市及び加茂郡白川町は当社が提供するWeb会議システム「V-CUBE Meeting」を教育委員会、公立小中学校での遠隔授業や働き方改革等を実現するため50拠点に導入しました。過疎化・少子高齢化が進む地域における小規模学校の教育上の課題を克服するため、学校同士をICTで結び合同学習を実施しています。
・滋賀大学教育学部附属小学校は、当社が提供するWeb会議システム「xSync Prime(バイシンクプライム)」を使って、滋賀県と東京にいる滋賀県出身のアスリートを繋ぎ、遠隔講演を実施しました。児童は本講演を通して、これまで接したことのない経験をもったアスリートの自分とは異なる考え方に触れました。
・当社は、フィールドワーカーの働き方改革を支援する業務支援ソリューションの提供を開始しました。(株)L is Bと、L is Bが提供するビジネスチャット「direct(ダイレクト)」及び当社が提供するWeb会議システムを連携します。チャットによるテキストや写真を使った情報共有や、Web会議による映像音声を使った対話でのコミュニケーションなど利用シーン毎に最適なコミュニケーション方法を選択することが可能になり、柔軟な意思の疎通を実現します。また、当社は、コニカミノルタ(株)が開発したメガネ型ウェアラブル端末に、当社が開発した遠隔作業支援ソリューション「Smart Eye Sync(スマートアイシンク)」を搭載し、販売を開始しました。ウェアラブル端末を装着した現場のスタッフに操作させることなく、本部からの遠隔操作で作業者目線とズームとの切替がスムーズに行えます。また、「Smart Eye Sync」は、通信状態が悪い現場でも高品質な映像と音声を届けることが可能であるため、インフラや建設業などに展開していきます。
・当社は、経営の公正性及び透明性を高めることを通じた持続的な企業価値向上のため、取締役の指名や報酬等に関する事項について、社外取締役が過半数で構成する「指名・報酬諮問委員会」を設置し、審議することとしました。
・当社は、2018年10月16日に創業20周年を迎えました。この先もお客様をはじめ社会に必要とされる企業として成長し続けることを目指し、新たなMISSION、VALUEを策定しました。
(「クラウド」型サービス)
主力のWeb会議サービス「V-CUBE ミーティング」をはじめとする「V-CUBE」各サービスについて、「クラウド」型による提供を推進しており、代理店販売網も活用し、市場の開拓を行ってきました。また、OEMによるサービス提供等、パートナーとの協業体制強化を積極的に進めてまいりました。
また、日本において、政府の推進する働き方改革の本格始動により「V-CUBE」各サービスの導入が拡大し、ビジュアルコミュニケーションサービス市場の開拓が進んでいます。
以上の結果、「クラウド」型サービスの売上高は4,955,909千円(前期比7.8%増)となりました。
(「オンプレミス」型サービス)
基本的には「クラウド」型サービスの販売に注力していますが、代理店販売網も活用しながら、教育機関・官公庁・金融機関を中心に、セキュリティーポリシー上、「クラウド」型サービスを導入することが難しい企業等への営業活動を進めてきました。
以上の結果、「オンプレミス」型サービスの売上高は692,658千円(同47.4%増)となりました。
(アプライアンス)
代理店販売網も活用しながら、教育機関を中心に電子黒板システム、官公庁や企業を中心にディスカッションテーブル、企業を中心にテレビ会議システム「V-CUBE Box」及び「テレキューブ」の販売を行いました。
以上の結果、アプライアンスの売上高は1,856,999千円(同84.0%増)となりました。
(その他)
主にビジュアルコミュニケーションに関わるハードウエア(ウェブカメラ、ヘッドセット、エコーキャンセラー付きマイク、大型液晶ディスプレイ等)等の販売を行いました。
以上の結果、その他の売上高は455,112千円(同19.1%減)となりました。
(注)1.出所:総務省「平成24年通信利用動向調査」2013年6月14日発表
2.出所:総務省「平成29年通信利用動向調査」2018年6月22日発表
3.出所:株式会社シード・プランニング「2018 ビデオ会議/Web会議の最新市場とクラウドビデオコミュニケーションの現状」2018年3月26日発刊
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態は、総資産10,585,157千円、純資産4,530,111千円、現金及び現金同等物期末残高2,719,868千円となりました。
流動資産合計は5,088,218千円となり、前連結会計年度末と比べて124,046千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金651,898千円の減少のほか、受取手形及び売掛金139,300千円、前渡金161,882千円の増加によるものであります。
また、固定資産合計は5,496,938千円となり、前連結会計年度末と比べて381,848千円の減少となりました。これは主に、のれん152,005千円、ソフトウエア仮勘定554,729千円の減少のほか、ソフトウェア275,197千円、敷金及び保証金177,399千円の増加によるものであります。
当連結会計年度末における流動負債合計は4,021,398千円となり、前連結会計年度末と比べて268,308千円の減少となりました。これは主に、短期借入金328,469千円、1年内返済予定の長期借入金190,193千円の減少のほか、買掛金が341,515千円増加したことによるものであります。
また、当連結会計年度末における固定負債合計は2,033,647千円となり、前連結会計年度末と比べて554,316千円の減少となりました。これは主に、長期借入金が550,068千円減少したことによるものであります。
純資産合計は4,530,111千円となり、前連結会計年度末と比べて316,730千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が456,121千円の増加のほか、為替換算調整勘定が135,304千円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,719,868千円となり、前連結会計年度末と比較して658,398千円の減少となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は963,741千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が585,708千円、減価償却費873,229千円、事業譲渡益453,403千円が発生したこと、また、売上債権が419,038千円、仕入債務が353,401千円増加したことによるものであります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は558,206千円となりました。これは主に、事業譲渡による収入674,818千円のほか、無形固定資産の取得による支出798,300千円、投資有価証券の取得による支出151,392千円、敷金及び保証金の差入による支出181,459千円によるものであります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は1,035,274千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出990,262千円、短期借入金の純減による支出328,469千円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年12月期2017年12月2018年12月
自己資本比率(%)34.430.135.0
時価ベースの
自己資本比率(%)
119.9118.783.6
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
3.95.64.0
インタレスト・
カバレッジ・レシオ(倍)
50.525.933.6

(注)1.各指標の計算方法は以下のとおりであります。
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ビジュアルコミュニケーションサービス事業の単一セグメントであるため、収益区分別に記載しております。
① 生産実績及び受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
② 販売実績
当連結会計年度の販売実績を収益区分別に示すと次のとおりであります。
当連結会計年度
(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
クラウド4,955,909107.8
オンプレミス692,658147.4
アプライアンス1,856,999184.0
その他455,11280.9
合計7,960,678119.9

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、収益区分「アプライアンス」に著しい変動がありました。これは大型案件の受注等によるものであります。
(3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において、判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 財政状態の分析
経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、ソフトウェア開発費等の設備投資資金及びサービス提供のためインフラ費用、外注費加工費、経費並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当し、投資が必要な場合には状況に応じて金融機関からの借入や各種資本政策等による資金調達で対応していくこととしております。

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