半期報告書-第21期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2024/08/09 15:09
【資料】
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【項目】
31項目
文中における将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
(経営成績)
当中間会計期間(2024年1月1日から2024年6月30日まで)におけるわが国経済は、このところ足踏みがみられるものの、雇用・所得環境が改善する下で各種政策の効果もあり、緩やかに回復が続いております。一方で、欧米における高金利水準の継続の影響や海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクや、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動などが懸念されています。
当社が属する建築・住宅業界においては、2022年6月に「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が公布され、さらに、2024年4月から住宅・建築物を販売・賃貸する事業者に省エネ性能ラベルの表示が努力義務となりました。住まいやオフィスなどの購入者や借り手の間で省エネ性能や断熱性能への関心が高まり、結果として、省エネ性能や断熱性能が高い住宅・建築物の供給が促進されることが期待されています。
一方で、新設住宅着工戸数は弱含みの推移が続いており、住宅業界を取り巻く環境は厳しい状況にあります。しかしながら、企業の設備投資においては、半導体や自動車関連で大型の投資が進んでいるほか、投資計画も高い水準となっており、全国各地で大規模な製造設備や商業施設や高層マンション等の建設が活発に行われています。
このような環境下、当社は、高い断熱性能と高気密性を実現する「アクアフォームシリーズ」の商品力と全国施工ネットワークを有する強みを活用しつつ、市場伸長が著しい建築物部門への経営資源の配分を増やしながら、各部門において積極的な受注活動を展開してまいりました。
戸建部門においては、各自治体の高気密性能を規定した独自の住宅省エネ施策の広がりを好機と捉え、断熱施工に気密測定サービスを付加することで差別化を図り、施工棟数の増加を軸に市場シェアの向上に取り組みました。一方、断熱等性能等級6などの上位等級施工は当社の予想よりも緩やかに広がりましたが、施工棟数、施工単価ともにほぼ予想どおりとなり、同部門の売上高は予想の6,255百万円に対し、6,261百万円となりました。
建築物部門においては、半導体工場やデータセンターに代表される製造設備に加え、商業施設や高層マンション等の新設需要の獲得が順調に進んでおります。しかし、建設資材の不足や時間外労働の上限規制を含む「建設業の2024年問題」の影響を受け工事が遅延し、売上計上が下期にずれ込みました。この結果、同部門の売上高は予想の4,376百万円に対し、3,993百万円となりました。また、防水部門の売上高は261百万円、原料販売は921百万円、その他部門である、副資材・機械・その他の売上高は1,674百万円となりました。なお、2023年12月期末より、今後の伸長を重視している原料販売をその他部門から独立させたため、下表は組み替えて記載しております。
(単位:百万円、%)
第20期
中間会計期間
(組替後)
第21期
中間会計期間
増減額増減比
戸建部門6,5086,261△246△3.8
建築物部門3,8483,993+144+3.8
防水部門248261+12+5.1
原料販売766921+155+20.3
その他部門1,7861,674△111△6.3
合計13,15813,112△45△0.3

この結果、当中間会計期間の売上高は13,112百万円となり、前年同期比で0.3%の減収となりました。売上総利益は2,906百万円、売上総利益率は22.2%で、前年同期比で1.5ポイント低下しました。その主な要因は次のとおりです。2023年度から強固な施工体制の構築を目的とした工務社員の積極採用を進めたため、全社の労務費が上昇しています。戸建部門では、施工価格を抑えつつ市場シェア拡大を推進したため、同部門の売上総利益率が前年同期比で2.7ポイント低下しました。建築物部門では、価格改定効果が寄与した一方で、工事の売上計上時期のずれが利益の低下に影響を及ぼし、売上総利益率は1.4ポイントの増加にとどまっています。
営業利益は849百万円と前年同期比で38.5%の減益、営業利益率は6.5%と前年同期比で4.0ポイント低下しました。これは、売上総利益率が1.5ポイント低下したことに加え、販売費及び一般管理費が2,057百万円と前年同期比で314百万円増、販管費比率が15.7%と前年同期比で2.4ポイント上昇したことに起因しています。その主な内訳は、人件費の増加が221百万円、実習生関連費の増加が47百万円であり、2023年12月期に実施した施工体制の拡充を始めとする今後の成長に必要不可欠な人的資本投資と捉えております。また、経常利益は868百万円と前年同期比で38.0%の減益、中間純利益は579百万円と前年同期比で38.8%の減益となりました。
(2)財政状態の分析
(総資産)
当中間会計期間末における総資産は19,407百万円(前事業年度末比4.8%減)となり、前事業年度末に比べ985百万円の減少となりました。
(流動資産)
当中間会計期間末における流動資産は14,462百万円(前事業年度末比6.5%減)となり、前事業年度末に比べ1,010百万円の減少となりました。これは主として未収入金430百万円、受取手形、売掛金及び契約資産397百万円、電子記録債権68百万円が回収により減少、棚卸資産が110百万円減少したことなどによるものであります。
(固定資産)
当中間会計期間末における固定資産は4,944百万円(前事業年度末比0.5%増)となり、前事業年度末に比べ、25百万円の増加となりました。これは主として宮崎営業所完成により建物が163百万円増加、ソフトウェア取得により17百万円増加、投資その他の資産のその他に含まれる保険積立金が94百万円増加したことに対し、減価償却による資産の減少が122百万円、宮崎営業所完成により有形固定資産のその他に含まれる建設仮勘定が55百万円、投資その他の資産のその他に含まれる繰延税金資産が74百万円減少したことなどによるものであります。
(負債合計)
当中間会計期間末における負債合計は10,527百万円(前事業年度末比5.1%減)となり、前事業年度末に比べ560百万円の減少となりました。
(流動負債)
当中間会計期間末における流動負債は10,411百万円(前事業年度末比4.7%減)となり、前事業年度末に比べ516百万円の減少となりました。これは主として買掛金が1,301百万円減少、未払法人税等が283百万円減少、その他に含まれる未払金及び未払費用が339百万円、未払消費税等が424百万円減少したことに対して、短期借入金が1,800百万円増加したことなどによるものであります。
(固定負債)
当中間会計期間末における固定負債は115百万円(前事業年度末比27.5%減)となり、前事業年度末に比べ43百万円の減少となりました。これは主としてその他に含まれる長期未払金が37百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産は8,879百万円(前事業年度末比4.6%減)となり、前事業年度末に比べ425百万円の減少となりました。これは主として中間純利益が579百万円となったことに対し、配当の支払いにより利益剰余金が1,005百万円減少したことなどによるものであります。
(自己資本比率)
当中間会計期間末における自己資本比率は、45.8%(前事業年度末比0.2%増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、43百万円減少し、1,989百万円(前中間会計期間2,112百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における営業活動による資金の減少は574百万円(前中間会計期間は2,177百万円の増加)となりました。これは主に税引前中間純利益864百万円に加え、減価償却費122百万円、売上債権の減少383百万円、未収入金の減少391百万円、棚卸資産の減少137百万円による資金の増加の一方、仕入債務の減少1,230百万円、未払金の減少325百万円、消費税の支払424百万円、法人税等の支払483百万円による資金の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における投資活動による資金の減少は237百万円(前中間会計期間は197百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得128百万円、無形固定資産の取得14百万円、保険積立金の積立94百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における財務活動による資金の増加は767百万円(前中間会計期間は2,544百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,800百万円、配当金の支払いによる支出1,005百万円等によるものであります。
(4)研究開発活動
当中間会計期間における当社が支出した研究開発費の総額は、10百万円であります。なお当中間会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。