訂正有価証券報告書-第18期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開している国内のインターネット広告市場につきましては、スマートフォン広告、動画広告の継続的拡大に加え、アドテクノロジーの進化を背景にした運用型広告がインターネット広告市場全体を牽引、2017年のインターネット広告費は前年比115.2%の1兆5,094億円(㈱電通「2017年日本の広告費」)と4年連続で二桁増と引き続き高い成長を示すなど、広告市場のインターネットシフトのトレンドが続いております。
一方、当社グループのもう一つの対面市場であるEC市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及・進化に伴い、企業のECビジネス展開が加速しており、2017年国内BtoC EC市場は、前年比109.1%の16.5兆円まで拡大しております。また、全ての商取引に対する電子商取引の割合であるEC化率は、BtoC ECで5.8%(経済産業省「平成29年我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」)であり、伸びしろが大いにある分野であります。
このような良好な事業環境の下、当社グループは、企業と顧客とのコミュニケーションを自動化・効率化する「マーケティングロボット事業」を自社事業領域と定め、引き続きその拡大に向け、人員強化を積極的に進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,804,886千円(前年同期比5.0%増)、営業損失は98,460千円(前年同期は92,827千円の営業利益)、経常損失は115,042千円(前年同期は106,303千円の経常利益)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は88,849千円(前年同期は72,976千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。
(マーケティングプラットフォーム事業)
当事業は、マーケティングプラットフォーム「AD EBiS」を提供する事業であります。「AD EBiS」は広告効果測定システムを基盤としたマーケティング統合環境を提供するサブスクリプション型のサービスであり、2004年にリリースして以来9,000件以上の導入件数を誇っています。当事業では、データの蓄積を行う「センサー系」機能、AIの技術を用いて分析を行う「知能制御系」機能、分析結果を自動的に活用する「駆動系」機能、これら3階層の機能を備えるサービスを「マーケティングロボット」と定義し、人口減少・少子高齢化時代における企業のマーケティング活動に不可欠なサービスの開発を目指しております。
当連結会計年度においては、AI(人工知能)を活用することにより、国内の広告効果測定ツールとしては初めてデバイス・アプリ・ブラウザ間を横断してユーザー行動を可視化する「クロスデバイス機能」をリリースいたしました。当該クロスデバイス技術関連発明については特許出願済みであります。加えて、蓄積したデータの活用促進のため、31社の他社ツールとの機能連携を実現し、インターネットマーケティングのプラットフォームとしての立ち位置を確立することで売上拡大に取り組んでまいりました。
また、ウェブ上での行動履歴にユーザー属性をつなげて分析を可能にするという「AD EBiS」のカスタマージャーニー機能について、2018年2月9日に特許を取得しております。
なお、前連結会計年度まで商流プラットフォーム事業に集計しておりましたDMP事業については、マーケティングロボットの先駆ビジネスモデルとしての性質が強くなったため、当連結会計年度からマーケティングプラットフォーム事業に含めて集計しております。当連結会計年度におけるDMP事業の売上高は84,747千円であり、前連結会計年度に商流プラットフォーム事業に集計していた同事業の売上高は104,413千円であります。
その結果、売上高は1,530,402千円(前年同期比22.0%増)と増収になりましたが、サブスクリプション型ビジネスの基盤拡大のために開発や営業部門の人員採用を積極的に進めたことや、新規顧客獲得のための広告販促活動に積極的に取り組んだことにより、営業損失は120,894千円(前年同期は152,847千円の営業利益)となりました。
※DMP(Data Management Platform)事業とは、「AD EBiS」のデータに、企業が持つ固有の顧客情報等を統合したデータ環境を構築・提供するサービス。
(商流プラットフォーム事業)
当事業は、EC構築のためのオープンプラットフォーム「EC-CUBE」を提供する事業であります。「EC-CUBE」はフリーミアムモデルのオープンソース・パッケージとして提供しており、EC事業者のインフラ整備や売上向上に貢献する一方、「EC-CUBE」と連携する各種サービス(決済代行等)の提供事業者からマージン収入を得るというエコシステムを構築しております。
当連結会計年度においては、メジャーバージョンアップとなる「EC-CUBE 4」の開発に取り組み、機能やパフォーマンス、セキュリティといった「EC-CUBE本体の品質」が大きく向上しただけではなく、ドキュメントや開発コミュニティといった「開発環境」の充実、決済機能を含む各種プラグインや動作するサーバ環境といったプラットフォーム全体の機能充実を実現いたしました。
なお、前連結会計年度に商流プラットフォーム事業に含まれていたEC受託開発事業(SOLUTION事業)については、2017年5月9日に公表したお知らせのとおり、関連会社である株式会社ラジカルオプティ等に事業移管を行っております。前連結会計年度に商流プラットフォーム事業に集計していた同事業の売上高は152,525千円であります。
その結果、事業移管したSOLUTION事業分の減収により売上高は274,483千円(前年同期比41.0%減)となりましたが、収益構造が改善したことにより営業利益は22,433千円(前年同期は60,019千円の営業損失)となりました。
また、財政状態については次のとおりとなりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,555,510千円となり、前連結会計年度末に比べ556,306千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が512,931千円増加し、売掛金が9,007千円減少したことによるものであります。また、固定資産は603,955千円となり、前連結会計年度末に比べ163,970千円増加いたしました。これは主に自社開発ソフトウェアへの積極投資等で無形固定資産が116,996千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べ720,276千円増加し、2,159,465千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は604,814千円となり、前連結会計年度末に比べ437,606千円増加いたしました。主な要因は、今後の事業拡大のための資金調達により短期借入金が200,000千円増加、一年以内返済予定長期借入金が199,852千円増加したことによるものであります。また、固定負債は379,809千円となり、前連結会計年度末に比べ342,409千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が341,853千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べ780,016千円増加し、984,623千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,174,841千円となり、前連結会計年度末に比べ59,739千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失88,849千円の計上等によるものであります。この結果、自己資本比率は54.4%(前連結会計年度末は85.8%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ512,931千円増加し1,193,773千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、15,220千円の収入(前年同期は143,435千円の収入)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失115,042千円(前年同期は106,303千円の利益)の計上があったものの、減価償却費104,096千円(前年同期は82,251千円)が資金留保に働いたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、212,687千円の支出(前年同期は193,493千円の支出)となりました。これは、主にサーバー増強等に伴う有形固定資産の取得による支出33,867千円(前年同期は49,920千円の支出)、自社開発ソフトウェアの開発等の無形固定資産の取得による168,014千円の支出(前年同期は122,016千円の支出)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、710,367千円の収入(前年同期は31,116千円の支出)となりました。これは主に短期借入金の純増額200,000千円、長期借入による収入600,000千円、配当金の支払額31,445千円(前年同期は31,402千円の支出)によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループの事業内容は受注生産形態をとらない事業が多く、セグメント別に生産の規模を金額あるいは数量で示すことがなじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループの事業内容は受注生産形態をとらない事業が多く、セグメント別に受注の規模を金額あるいは数量で示すことがなじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.マーケティングプラットフォーム事業のDMP事業は、前連結会計年度まで商流プラットフォーム事業に含めて集計しておりましたが、マーケティングロボットの先駆ビジネスモデルとしての性質が強くなったため当連結会計年度からマーケティングプラットフォーム事業に含めて集計しております。DMP事業の前年同期比は、前連結会計年度において商流プラットフォーム事業に集計されていたDMP事業の売上に対する比率を記載しております。
2.当連結会計年度においてSOLUTION事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、関連会社である株式会社ラジカルオプティ等に同事業を移管したことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は1,555,510千円となり、前連結会計年度末に比べ556,306千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が512,931千円増加し、売掛金が9,007千円減少したことによるものであります。また、固定資産は603,955千円となり、前連結会計年度末に比べ163,970千円増加いたしました。これは主に自社開発ソフトウェアへの積極投資等で無形固定資産が116,996千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べ720,276千円増加し、2,159,465千円となりました。
なお、セグメント毎の内訳については、マーケティングプラットフォーム事業が626,946千円、商流プラットフォーム事業が25,719千円及びいずれにも属さない全社資産が1,506,799千円であります。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は604,814千円となり、前連結会計年度末に比べ437,606千円増加いたしました。主な要因は、今後の事業拡大のための資金調達により短期借入金が200,000千円増加、一年以内返済予定長期借入金が199,852千円増加したことによるものであります。また、固定負債は379,809千円となり、前連結会計年度末に比べ342,409千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が341,853千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べ780,016千円増加し、984,623千円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は1,174,841千円となり、前連結会計年度末に比べ59,739千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失88,849千円の計上等によるものであります。この結果、自己資本比率は54.4%(前連結会計年度末は85.8%)となりました。
2) 経営成績の分析
(売上高、営業利益)
当連結会計年度の売上高は1,804,886千円(前年同期比5.0%増)、営業損失は98,460千円(前年同期は92,827千円の営業利益)となりました。
マーケティングプラットフォーム事業においては、「AD EBiS」で蓄積した膨大なアクセスデータと外部データを連携してデモグラフィック情報(年代・性別・地域)を提供、ウェブ上での行動履歴にユーザー属性をつなげて分析を可能にしたカスタマージャーニー機能の利用拡大を進める一方、外部システムとの連携を可能にする「AD EBiS シングルソースAPI」をリリース、他社システムへのデータ連携を進め、蓄積したデータの活用強化に努めてまいりました。また、マーケティングイベントでのセミナー開催等広告宣伝を積極的に行った結果、売上高は1,530,402千円(前年同期比22.0%増)となり、営業損失は120,894千円(前年同期は152,847千円の営業利益)となりました。
商流プラットフォーム事業においては、「EC-CUBE」において、国内企業初となるFacebookページのショップセクション連携プラグインリリースなど機能向上に努める一方、人工知能(AI)など最新技術を駆使したオンライン接客サービスとの連携強化、セキュリティ対策支援の強化など、EC事業者のインフラ整備・売上向上に向けた取り組みを進めてまいりました。一方、「SOLUTION」については、2017年5月9日に公表したお知らせのとおり、事業の一部であるEC受託開発事業を関連会社である株式会社ラジカルオプティ及び有限会社彩に業務移管することを決定、経営資源の再配分を進めてまいりました。その結果、売上高は274,483千円(前年同期比41.0%減)となり、研究開発案件のコスト増加により営業利益は22,433千円(前年同期は60,019千円の営業損失)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は688千円(前年同期比96.5%減)となり、営業外費用は17,270千円(前年同期比177.0%増)となりました。この結果、経常損失は115,042千円(前年同期は106,303千円の経常利益)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は前年同期と同じく特別利益及び特別損失の計上がなかったことから、税金等調整前当期純損失は115,042千円(前年同期は106,303千円の税金等調整前当期純利益)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は88,849千円(前年同期は72,976千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となっております。
3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びシステム開発等にかかる設備投資によるものであります。また、当社グループの資金の源泉は主に、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達によっております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、今後も日本国内のインターネット広告市場、中でも運用型広告の市場はますます拡大すると見込んでおり、広告効果測定とともに、運用型広告の効果最大化及び運用効率化のニーズ、さらには広告効果測定から運用型広告への一連の動きを自動化させるマーケティングロボット分野のニーズも、同様に高まってくると考えております。
既に販売を開始しているマーケティングプラットフォーム「AD EBiS」をマーケティング ロボット基盤として、外部連携企業のデータ取り込み、人工知能によるデータ解析、これらデータを活用した当社独自のマーケティング支援サービスの提供により、収益機会の向上を図って参ります。
また、ECの世界においては、インターネット内で完結する取引に留まらず、IoT、オムニチャネルなどインターネットとリアルが融合しながら発展していくと見込んでおります。「EC-CUBE」はECオープンプラットフォームとしてこれらのコンセプトとのつなぎ込みを容易にしており、全てがECにつながる世界を実現させることで、更なる普及を図ります。
また、当社グループの売上の大半はマーケティングプラットフォーム事業が占めておりますが、同事業はサブスクリプション(継続課金)を主な契約形態とするビジネスモデルであります。このため、当社グループでは売上高を重要な経営指標として位置付けております。当連結会計年度における売上高は、マーケティングプラットフォーム事業が1,530,402千円(前年同期比22.0%増)、商流プラットフォーム事業が274,483千円(前年同期比41.0%減)となりましたが、マーケティングプラットフォーム事業のうちサブスクリプション型となるEBiS事業の売上については1,445,654千円(前年同期比15.2%増)と増収となっております。引き続き、契約数の拡大及び単価増の施策を行い、売上拡大に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開している国内のインターネット広告市場につきましては、スマートフォン広告、動画広告の継続的拡大に加え、アドテクノロジーの進化を背景にした運用型広告がインターネット広告市場全体を牽引、2017年のインターネット広告費は前年比115.2%の1兆5,094億円(㈱電通「2017年日本の広告費」)と4年連続で二桁増と引き続き高い成長を示すなど、広告市場のインターネットシフトのトレンドが続いております。
一方、当社グループのもう一つの対面市場であるEC市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及・進化に伴い、企業のECビジネス展開が加速しており、2017年国内BtoC EC市場は、前年比109.1%の16.5兆円まで拡大しております。また、全ての商取引に対する電子商取引の割合であるEC化率は、BtoC ECで5.8%(経済産業省「平成29年我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」)であり、伸びしろが大いにある分野であります。
このような良好な事業環境の下、当社グループは、企業と顧客とのコミュニケーションを自動化・効率化する「マーケティングロボット事業」を自社事業領域と定め、引き続きその拡大に向け、人員強化を積極的に進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,804,886千円(前年同期比5.0%増)、営業損失は98,460千円(前年同期は92,827千円の営業利益)、経常損失は115,042千円(前年同期は106,303千円の経常利益)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は88,849千円(前年同期は72,976千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。
(マーケティングプラットフォーム事業)
当事業は、マーケティングプラットフォーム「AD EBiS」を提供する事業であります。「AD EBiS」は広告効果測定システムを基盤としたマーケティング統合環境を提供するサブスクリプション型のサービスであり、2004年にリリースして以来9,000件以上の導入件数を誇っています。当事業では、データの蓄積を行う「センサー系」機能、AIの技術を用いて分析を行う「知能制御系」機能、分析結果を自動的に活用する「駆動系」機能、これら3階層の機能を備えるサービスを「マーケティングロボット」と定義し、人口減少・少子高齢化時代における企業のマーケティング活動に不可欠なサービスの開発を目指しております。
当連結会計年度においては、AI(人工知能)を活用することにより、国内の広告効果測定ツールとしては初めてデバイス・アプリ・ブラウザ間を横断してユーザー行動を可視化する「クロスデバイス機能」をリリースいたしました。当該クロスデバイス技術関連発明については特許出願済みであります。加えて、蓄積したデータの活用促進のため、31社の他社ツールとの機能連携を実現し、インターネットマーケティングのプラットフォームとしての立ち位置を確立することで売上拡大に取り組んでまいりました。
また、ウェブ上での行動履歴にユーザー属性をつなげて分析を可能にするという「AD EBiS」のカスタマージャーニー機能について、2018年2月9日に特許を取得しております。
なお、前連結会計年度まで商流プラットフォーム事業に集計しておりましたDMP事業については、マーケティングロボットの先駆ビジネスモデルとしての性質が強くなったため、当連結会計年度からマーケティングプラットフォーム事業に含めて集計しております。当連結会計年度におけるDMP事業の売上高は84,747千円であり、前連結会計年度に商流プラットフォーム事業に集計していた同事業の売上高は104,413千円であります。
その結果、売上高は1,530,402千円(前年同期比22.0%増)と増収になりましたが、サブスクリプション型ビジネスの基盤拡大のために開発や営業部門の人員採用を積極的に進めたことや、新規顧客獲得のための広告販促活動に積極的に取り組んだことにより、営業損失は120,894千円(前年同期は152,847千円の営業利益)となりました。
※DMP(Data Management Platform)事業とは、「AD EBiS」のデータに、企業が持つ固有の顧客情報等を統合したデータ環境を構築・提供するサービス。
(商流プラットフォーム事業)
当事業は、EC構築のためのオープンプラットフォーム「EC-CUBE」を提供する事業であります。「EC-CUBE」はフリーミアムモデルのオープンソース・パッケージとして提供しており、EC事業者のインフラ整備や売上向上に貢献する一方、「EC-CUBE」と連携する各種サービス(決済代行等)の提供事業者からマージン収入を得るというエコシステムを構築しております。
当連結会計年度においては、メジャーバージョンアップとなる「EC-CUBE 4」の開発に取り組み、機能やパフォーマンス、セキュリティといった「EC-CUBE本体の品質」が大きく向上しただけではなく、ドキュメントや開発コミュニティといった「開発環境」の充実、決済機能を含む各種プラグインや動作するサーバ環境といったプラットフォーム全体の機能充実を実現いたしました。
なお、前連結会計年度に商流プラットフォーム事業に含まれていたEC受託開発事業(SOLUTION事業)については、2017年5月9日に公表したお知らせのとおり、関連会社である株式会社ラジカルオプティ等に事業移管を行っております。前連結会計年度に商流プラットフォーム事業に集計していた同事業の売上高は152,525千円であります。
その結果、事業移管したSOLUTION事業分の減収により売上高は274,483千円(前年同期比41.0%減)となりましたが、収益構造が改善したことにより営業利益は22,433千円(前年同期は60,019千円の営業損失)となりました。
また、財政状態については次のとおりとなりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,555,510千円となり、前連結会計年度末に比べ556,306千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が512,931千円増加し、売掛金が9,007千円減少したことによるものであります。また、固定資産は603,955千円となり、前連結会計年度末に比べ163,970千円増加いたしました。これは主に自社開発ソフトウェアへの積極投資等で無形固定資産が116,996千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べ720,276千円増加し、2,159,465千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は604,814千円となり、前連結会計年度末に比べ437,606千円増加いたしました。主な要因は、今後の事業拡大のための資金調達により短期借入金が200,000千円増加、一年以内返済予定長期借入金が199,852千円増加したことによるものであります。また、固定負債は379,809千円となり、前連結会計年度末に比べ342,409千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が341,853千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べ780,016千円増加し、984,623千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,174,841千円となり、前連結会計年度末に比べ59,739千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失88,849千円の計上等によるものであります。この結果、自己資本比率は54.4%(前連結会計年度末は85.8%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ512,931千円増加し1,193,773千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、15,220千円の収入(前年同期は143,435千円の収入)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失115,042千円(前年同期は106,303千円の利益)の計上があったものの、減価償却費104,096千円(前年同期は82,251千円)が資金留保に働いたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、212,687千円の支出(前年同期は193,493千円の支出)となりました。これは、主にサーバー増強等に伴う有形固定資産の取得による支出33,867千円(前年同期は49,920千円の支出)、自社開発ソフトウェアの開発等の無形固定資産の取得による168,014千円の支出(前年同期は122,016千円の支出)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、710,367千円の収入(前年同期は31,116千円の支出)となりました。これは主に短期借入金の純増額200,000千円、長期借入による収入600,000千円、配当金の支払額31,445千円(前年同期は31,402千円の支出)によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループの事業内容は受注生産形態をとらない事業が多く、セグメント別に生産の規模を金額あるいは数量で示すことがなじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループの事業内容は受注生産形態をとらない事業が多く、セグメント別に受注の規模を金額あるいは数量で示すことがなじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年10月1日 至 2018年9月30日) | ||
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | ||
| マーケティングプラットフォーム事業 | 1,530,402 | 122.0 | |
| AD EBiS事業 | 1,445,654 | 115.2 | |
| DMP事業 | 84,747 | 81.2 | |
| 商流プラットフォーム事業 | 274,483 | 59.0 | |
| EC-CUBE事業 | 254,407 | 122.4 | |
| SOLUTION事業 | 20,075 | 13.2 | |
| 合計 | 1,804,886 | 105.0 | |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.マーケティングプラットフォーム事業のDMP事業は、前連結会計年度まで商流プラットフォーム事業に含めて集計しておりましたが、マーケティングロボットの先駆ビジネスモデルとしての性質が強くなったため当連結会計年度からマーケティングプラットフォーム事業に含めて集計しております。DMP事業の前年同期比は、前連結会計年度において商流プラットフォーム事業に集計されていたDMP事業の売上に対する比率を記載しております。
2.当連結会計年度においてSOLUTION事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、関連会社である株式会社ラジカルオプティ等に同事業を移管したことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は1,555,510千円となり、前連結会計年度末に比べ556,306千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が512,931千円増加し、売掛金が9,007千円減少したことによるものであります。また、固定資産は603,955千円となり、前連結会計年度末に比べ163,970千円増加いたしました。これは主に自社開発ソフトウェアへの積極投資等で無形固定資産が116,996千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べ720,276千円増加し、2,159,465千円となりました。
なお、セグメント毎の内訳については、マーケティングプラットフォーム事業が626,946千円、商流プラットフォーム事業が25,719千円及びいずれにも属さない全社資産が1,506,799千円であります。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は604,814千円となり、前連結会計年度末に比べ437,606千円増加いたしました。主な要因は、今後の事業拡大のための資金調達により短期借入金が200,000千円増加、一年以内返済予定長期借入金が199,852千円増加したことによるものであります。また、固定負債は379,809千円となり、前連結会計年度末に比べ342,409千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が341,853千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べ780,016千円増加し、984,623千円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は1,174,841千円となり、前連結会計年度末に比べ59,739千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失88,849千円の計上等によるものであります。この結果、自己資本比率は54.4%(前連結会計年度末は85.8%)となりました。
2) 経営成績の分析
(売上高、営業利益)
当連結会計年度の売上高は1,804,886千円(前年同期比5.0%増)、営業損失は98,460千円(前年同期は92,827千円の営業利益)となりました。
マーケティングプラットフォーム事業においては、「AD EBiS」で蓄積した膨大なアクセスデータと外部データを連携してデモグラフィック情報(年代・性別・地域)を提供、ウェブ上での行動履歴にユーザー属性をつなげて分析を可能にしたカスタマージャーニー機能の利用拡大を進める一方、外部システムとの連携を可能にする「AD EBiS シングルソースAPI」をリリース、他社システムへのデータ連携を進め、蓄積したデータの活用強化に努めてまいりました。また、マーケティングイベントでのセミナー開催等広告宣伝を積極的に行った結果、売上高は1,530,402千円(前年同期比22.0%増)となり、営業損失は120,894千円(前年同期は152,847千円の営業利益)となりました。
商流プラットフォーム事業においては、「EC-CUBE」において、国内企業初となるFacebookページのショップセクション連携プラグインリリースなど機能向上に努める一方、人工知能(AI)など最新技術を駆使したオンライン接客サービスとの連携強化、セキュリティ対策支援の強化など、EC事業者のインフラ整備・売上向上に向けた取り組みを進めてまいりました。一方、「SOLUTION」については、2017年5月9日に公表したお知らせのとおり、事業の一部であるEC受託開発事業を関連会社である株式会社ラジカルオプティ及び有限会社彩に業務移管することを決定、経営資源の再配分を進めてまいりました。その結果、売上高は274,483千円(前年同期比41.0%減)となり、研究開発案件のコスト増加により営業利益は22,433千円(前年同期は60,019千円の営業損失)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は688千円(前年同期比96.5%減)となり、営業外費用は17,270千円(前年同期比177.0%増)となりました。この結果、経常損失は115,042千円(前年同期は106,303千円の経常利益)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は前年同期と同じく特別利益及び特別損失の計上がなかったことから、税金等調整前当期純損失は115,042千円(前年同期は106,303千円の税金等調整前当期純利益)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は88,849千円(前年同期は72,976千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となっております。
3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びシステム開発等にかかる設備投資によるものであります。また、当社グループの資金の源泉は主に、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達によっております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、今後も日本国内のインターネット広告市場、中でも運用型広告の市場はますます拡大すると見込んでおり、広告効果測定とともに、運用型広告の効果最大化及び運用効率化のニーズ、さらには広告効果測定から運用型広告への一連の動きを自動化させるマーケティングロボット分野のニーズも、同様に高まってくると考えております。
既に販売を開始しているマーケティングプラットフォーム「AD EBiS」をマーケティング ロボット基盤として、外部連携企業のデータ取り込み、人工知能によるデータ解析、これらデータを活用した当社独自のマーケティング支援サービスの提供により、収益機会の向上を図って参ります。
また、ECの世界においては、インターネット内で完結する取引に留まらず、IoT、オムニチャネルなどインターネットとリアルが融合しながら発展していくと見込んでおります。「EC-CUBE」はECオープンプラットフォームとしてこれらのコンセプトとのつなぎ込みを容易にしており、全てがECにつながる世界を実現させることで、更なる普及を図ります。
また、当社グループの売上の大半はマーケティングプラットフォーム事業が占めておりますが、同事業はサブスクリプション(継続課金)を主な契約形態とするビジネスモデルであります。このため、当社グループでは売上高を重要な経営指標として位置付けております。当連結会計年度における売上高は、マーケティングプラットフォーム事業が1,530,402千円(前年同期比22.0%増)、商流プラットフォーム事業が274,483千円(前年同期比41.0%減)となりましたが、マーケティングプラットフォーム事業のうちサブスクリプション型となるEBiS事業の売上については1,445,654千円(前年同期比15.2%増)と増収となっております。引き続き、契約数の拡大及び単価増の施策を行い、売上拡大に取り組んでまいります。