有価証券報告書-第19期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開している国内のインターネット広告市場につきましては、スマートフォン広告、動画広告の継続的拡大に加え、アドテクノロジーの進化を背景にした運用型広告がインターネット広告市場全体を牽引、2018年のインターネット広告費は前年比116.5%の1兆7,589億円(株式会社電通「2018年日本の広告費」)と5年連続で二桁増と引き続き高い成長を示すとともに、総広告費に占める媒体構成比も前年から3.3ポイント増の26.9%となり、広告市場のインターネットシフトのトレンドが続いております。
一方、当社グループのもう一つの対面市場であるEC市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及・進化に伴い、企業のECビジネス展開が加速しており、2018年国内BtoC EC(消費者向け電子商取引)市場は前年比109.0%の18.0兆円まで拡大しております。また、全ての商取引に対する電子商取引の割合であるEC化率は、BtoC ECで前年比0.4ポイント増の6.2%と引き続き増加傾向にあり(いずれも経済産業省「平成30年我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」)、国内のEC市場規模拡大は継続しており、伸びしろが大いにある分野であります。
このような良好な事業環境の下、当社グループは、企業と顧客とのコミュニケーションを自動化・効率化する「マーケティングプラットフォーム事業」を主な事業領域と定め、引き続きその拡大に向け、営業、開発及びカスタマーサクセス部門拡充のための人員強化を積極的に進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,204,381千円(前年同期比22.1%増)、営業利益84,936千円(前年同期は98,460千円の営業損失)、経常利益79,022千円(前年同期は115,042千円の経常損失)となりましたが、訴訟関連損失等の特別損失を90,924千円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失34,994千円(前年同期は88,849千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、2019年8月1日に、当社は商号を「株式会社ロックオン」から「株式会社イルグルム(英文表記:YRGLM Inc.)」に変更いたしました。来年には創業20周年の節目を迎えますが、第2の創業期とも言える大きな節目に先立ち、自社の提供価値と目指すゴールを再確認し、更なる飛躍を目指すべく、その決意を新社名に込めました。今後も、企業理念である「Impact On The World」の実現に向け、データとテクノロジーによって世界中の企業によるマーケティング活動を支援し、売り手と買い手の幸せをつくる企業を目指して邁進してまいります。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりとなりました。
(マーケティングプラットフォーム事業)
当事業は、マーケティング効果測定プラットフォーム「AD EBiS」を中心として、デジタルマーケティング領域においてマーケティング効果測定や分析レポート自動作成等のサービスを提供する事業であります。「AD EBiS」は広告効果測定システムを基盤としたマーケティング統合環境を提供するサブスクリプション型のサービスであり、広告効果測定市場において4年連続シェアNo.1(株式会社アイ・ティ・アール「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2018-2019」広告効果測定市場:ベンダー別売上金額シェア(2015~2018年度予測))を獲得しております。
当連結会計年度においては、運用型広告のデータ集約とレポート作成を自動化する「アドレポ」事業を当社事業としてサービス提供を開始しております。また「AD EBiS」については、データ連携の自動化と直感的なビジュアルで意思決定をサポートするメジャーアップデート「AD EBiS UPDATE 2019 Spring」のリリースや、昨今のプライバシー保護のニーズにも配慮しながら精度の高い広告効果測定が可能な新しい計測方法「CNAMEトラッキング」の発表を行いました。プライバシーに関わるデータの取扱いの厳格化と正確な効果測定の両立はこれからの企業のマーケティング活動には必須であり、「AD EBiS」利用促進に寄与することを期待しています。
この結果、売上高は1,951,112千円(前年同期比27.5%増)、セグメント利益は46,051千円(前年同期は120,894千円のセグメント損失)となりました。
(商流プラットフォーム事業)
当事業は、EC構築のためのオープンプラットフォーム「EC-CUBE」を提供する事業であります。「EC-CUBE」はフリーミアムモデルのオープンソース・パッケージとして提供しており、EC事業者のインフラ整備や売上向上に貢献する一方、「EC-CUBE」と連携する各種サービス(決済代行等)の提供事業者からマージン収入を得るというエコシステムを構築しております。
当連結会計年度においては、機能やパフォーマンス、セキュリティ等を大きく向上させた最新バージョン「EC-CUBE 4」を正式リリースするとともに、「EC-CUBE」の機能を拡充する各種プラグインのリリースにも取り組んでまいりました。
また、2017年5月9日に公表したお知らせのとおり、EC受託開発事業(SOLUTION事業)については関連会社であった株式会社ラジカルオプティ等へ事業移管を行っておりますが、前連結会計年度においては、未だSOLUTION事業に係る売上高が20,075千円計上されています。
この結果、事業移管したSOLUTION事業分の減収により売上高は253,269千円(前年同期比7.7%減)となりましたが、セグメント利益は38,885千円(前年同期比73.3%増)となりました。
また、財政状態については次のとおりとなりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,141,945千円となり、前連結会計年度末に比べ413,564千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が420,130千円減少したことによるものであります。固定資産は922,398千円となり、前連結会計年度末に比べ318,442千円増加いたしました。これは主に無形固定資産が265,084千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は2,064,344千円となり、前連結会計年度末に比べ95,121千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は822,079千円となり、前連結会計年度末に比べ217,265千円増加いたしました。これは主に短期借入金が200,000千円増加したことによるものであります。固定負債は181,119千円となり、前連結会計年度末に比べ198,689千円減少いたしました。これは主に長期借入金が199,852千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,003,199千円となり、前連結会計年度末に比べ18,575千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,061,144千円となり、前連結会計年度末に比べ113,696千円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失34,994千円の計上及び自己株式の取得99,971千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は51.4%(前連結会計年度は54.4%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ420,130千円減少し、773,642千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は207,602千円(同1,263.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失を11,902千円計上した一方で、減価償却費146,879千円及びのれん償却額15,605千円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は526,234千円(同147.4%増)となりました。これは主に、自社開発ソフトウェアの計上等の無形固定資産の取得による支出284,702千円、「アドレポ」事業の譲受による支出200,000千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は100,175千円(前年同期は710,367千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増額が200,000千円あった一方で、長期借入金の返済による支出199,852千円、自己株式の取得による支出100,271千円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループの事業内容は受注生産形態をとらない事業が多く、セグメント別に生産の規模を金額あるいは数量で示すことがなじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループの事業内容は受注生産形態をとらない事業が多く、セグメント別に受注の規模を金額あるいは数量で示すことがなじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態の分析
(資産の分析)
当連結会計年度末における資産の合計は2,064,344千円となり、前連結会計年度末に比べ95,121千円減少いたしました。
流動資産は1,141,945千円となり、前連結会計年度末に比べ413,564千円減少いたしました。これは主に、アドレポ事業の譲受、自己株式の取得、訴訟に係る解決金の支払等により現金及び預金が420,130千円減少したことによるものであります。また、固定資産は922,398千円となり、前連結会計年度末に比べ318,442千円増加いたしました。これは主に、自社開発ソフトウェアへの積極投資やアドレポ事業の譲受等で無形固定資産が265,084千円増加したことによるものであります。
なお、セグメント毎の内訳については、マーケティングプラットフォーム事業が1,942,191千円、商流プラットフォーム事業が122,152千円であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の合計は1,003,199千円となり、前連結会計年度末に比べ18,575千円増加いたしました。
流動負債は822,079千円となり、前連結会計年度末に比べ217,265千円増加いたしました。主な要因は、運転資金や今後の事業拡大のための資金調達により短期借入金が200,000千円増加したことによるものであります。また、固定負債は181,119千円となり、前連結会計年度末に比べ198,689千円減少いたしました。これは主に約定返済に伴い長期借入金が199,852千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は1,061,144千円となり、前連結会計年度末に比べ113,696千円減少いたしました。これは主に、自己株式の取得99,971千円及び親会社株主に帰属する当期純損失34,994千円の計上等によるものであります。この結果、自己資本比率は51.4%(前連結会計年度末は54.4%)となりました。
2)経営成績の分析
(売上高、営業利益)
当連結会計年度の売上高は2,204,381千円(前年同期比22.1%増)、営業利益は84,936千円(前年同期は98,460千円の営業損失)となりました。
売上の9割近くをマーケティングプラットフォーム事業が占めており、同事業については、主力の「AD EBiS」サービスについて、従量課金から固定料金へ料金体系の切替を行ったことや、サービス機能追加による契約単価向上に取り組んだことにより、ストックであるサブスクリプション売上に占める固定料金部分の比率は増加しており、売上増を達成いたしました。また、当連結会計年度の期首に譲り受けた「アドレポ」事業の増収効果もあったことから、同事業の売上高は1,951,112千円(前年同期比27.5%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は6,813千円(前年同期比889.1%増)となり、営業外費用は12,728千円(前年同期比26.3%減)となりました。この結果、経常利益は79,022千円(前年同期は115,042千円の経常損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度は、一部ソフトウェアに係る減損損失19,431千円や訴訟関連損失60,000円等の特別損失を合計で90,924千円計上したことから、税金等調整前当期純損失は11,902千円(前年同期は115,042千円の税金等調整前当期純損失)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は34,994千円(前年同期は88,849千円の親会社株主に帰属する当期損失)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びシステム開発等にかかる設備投資によるものであります。また、当社グループの資金の源泉は主に、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達によっております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、今後も日本国内のインターネット広告市場、中でも運用型広告の市場はますます拡大すると見込んでおり、広告効果測定とともに、運用型広告の効果最大化及び運用効率化のニーズ、さらには広告効果測定から運用型広告への一連の動きを自動化させるマーケティングロボット分野のニーズも、同様に高まってくると考えております。
既に販売を開始しているマーケティング効果測定プラットフォーム「AD EBiS」を機軸として、外部連携企業のデータ取り込み、人工知能によるデータ解析、これらデータを活用した当社独自のマーケティング支援サービスの提供により、収益機会の向上を図って参ります。
また、ECの世界においては、インターネット内で完結する取引に留まらず、IoT、オムニチャネルなどインターネットとリアルが融合しながら発展していくと見込んでおります。「EC-CUBE」はECオープンプラットフォームとしてこれらのコンセプトとのつなぎ込みを容易にしており、全てがECにつながる世界を実現させることで、更なる普及を図ります。
また、当社グループの売上の大半はマーケティングプラットフォーム事業が占めておりますが、同事業はサブスクリプション(継続課金)を主な契約形態とするビジネスモデルであります。このため、当社グループでは売上高を重要な経営指標として位置付けております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開している国内のインターネット広告市場につきましては、スマートフォン広告、動画広告の継続的拡大に加え、アドテクノロジーの進化を背景にした運用型広告がインターネット広告市場全体を牽引、2018年のインターネット広告費は前年比116.5%の1兆7,589億円(株式会社電通「2018年日本の広告費」)と5年連続で二桁増と引き続き高い成長を示すとともに、総広告費に占める媒体構成比も前年から3.3ポイント増の26.9%となり、広告市場のインターネットシフトのトレンドが続いております。
一方、当社グループのもう一つの対面市場であるEC市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及・進化に伴い、企業のECビジネス展開が加速しており、2018年国内BtoC EC(消費者向け電子商取引)市場は前年比109.0%の18.0兆円まで拡大しております。また、全ての商取引に対する電子商取引の割合であるEC化率は、BtoC ECで前年比0.4ポイント増の6.2%と引き続き増加傾向にあり(いずれも経済産業省「平成30年我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」)、国内のEC市場規模拡大は継続しており、伸びしろが大いにある分野であります。
このような良好な事業環境の下、当社グループは、企業と顧客とのコミュニケーションを自動化・効率化する「マーケティングプラットフォーム事業」を主な事業領域と定め、引き続きその拡大に向け、営業、開発及びカスタマーサクセス部門拡充のための人員強化を積極的に進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,204,381千円(前年同期比22.1%増)、営業利益84,936千円(前年同期は98,460千円の営業損失)、経常利益79,022千円(前年同期は115,042千円の経常損失)となりましたが、訴訟関連損失等の特別損失を90,924千円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失34,994千円(前年同期は88,849千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、2019年8月1日に、当社は商号を「株式会社ロックオン」から「株式会社イルグルム(英文表記:YRGLM Inc.)」に変更いたしました。来年には創業20周年の節目を迎えますが、第2の創業期とも言える大きな節目に先立ち、自社の提供価値と目指すゴールを再確認し、更なる飛躍を目指すべく、その決意を新社名に込めました。今後も、企業理念である「Impact On The World」の実現に向け、データとテクノロジーによって世界中の企業によるマーケティング活動を支援し、売り手と買い手の幸せをつくる企業を目指して邁進してまいります。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりとなりました。
(マーケティングプラットフォーム事業)
当事業は、マーケティング効果測定プラットフォーム「AD EBiS」を中心として、デジタルマーケティング領域においてマーケティング効果測定や分析レポート自動作成等のサービスを提供する事業であります。「AD EBiS」は広告効果測定システムを基盤としたマーケティング統合環境を提供するサブスクリプション型のサービスであり、広告効果測定市場において4年連続シェアNo.1(株式会社アイ・ティ・アール「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2018-2019」広告効果測定市場:ベンダー別売上金額シェア(2015~2018年度予測))を獲得しております。
当連結会計年度においては、運用型広告のデータ集約とレポート作成を自動化する「アドレポ」事業を当社事業としてサービス提供を開始しております。また「AD EBiS」については、データ連携の自動化と直感的なビジュアルで意思決定をサポートするメジャーアップデート「AD EBiS UPDATE 2019 Spring」のリリースや、昨今のプライバシー保護のニーズにも配慮しながら精度の高い広告効果測定が可能な新しい計測方法「CNAMEトラッキング」の発表を行いました。プライバシーに関わるデータの取扱いの厳格化と正確な効果測定の両立はこれからの企業のマーケティング活動には必須であり、「AD EBiS」利用促進に寄与することを期待しています。
この結果、売上高は1,951,112千円(前年同期比27.5%増)、セグメント利益は46,051千円(前年同期は120,894千円のセグメント損失)となりました。
(商流プラットフォーム事業)
当事業は、EC構築のためのオープンプラットフォーム「EC-CUBE」を提供する事業であります。「EC-CUBE」はフリーミアムモデルのオープンソース・パッケージとして提供しており、EC事業者のインフラ整備や売上向上に貢献する一方、「EC-CUBE」と連携する各種サービス(決済代行等)の提供事業者からマージン収入を得るというエコシステムを構築しております。
当連結会計年度においては、機能やパフォーマンス、セキュリティ等を大きく向上させた最新バージョン「EC-CUBE 4」を正式リリースするとともに、「EC-CUBE」の機能を拡充する各種プラグインのリリースにも取り組んでまいりました。
また、2017年5月9日に公表したお知らせのとおり、EC受託開発事業(SOLUTION事業)については関連会社であった株式会社ラジカルオプティ等へ事業移管を行っておりますが、前連結会計年度においては、未だSOLUTION事業に係る売上高が20,075千円計上されています。
この結果、事業移管したSOLUTION事業分の減収により売上高は253,269千円(前年同期比7.7%減)となりましたが、セグメント利益は38,885千円(前年同期比73.3%増)となりました。
また、財政状態については次のとおりとなりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,141,945千円となり、前連結会計年度末に比べ413,564千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が420,130千円減少したことによるものであります。固定資産は922,398千円となり、前連結会計年度末に比べ318,442千円増加いたしました。これは主に無形固定資産が265,084千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は2,064,344千円となり、前連結会計年度末に比べ95,121千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は822,079千円となり、前連結会計年度末に比べ217,265千円増加いたしました。これは主に短期借入金が200,000千円増加したことによるものであります。固定負債は181,119千円となり、前連結会計年度末に比べ198,689千円減少いたしました。これは主に長期借入金が199,852千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,003,199千円となり、前連結会計年度末に比べ18,575千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,061,144千円となり、前連結会計年度末に比べ113,696千円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失34,994千円の計上及び自己株式の取得99,971千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は51.4%(前連結会計年度は54.4%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ420,130千円減少し、773,642千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は207,602千円(同1,263.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失を11,902千円計上した一方で、減価償却費146,879千円及びのれん償却額15,605千円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は526,234千円(同147.4%増)となりました。これは主に、自社開発ソフトウェアの計上等の無形固定資産の取得による支出284,702千円、「アドレポ」事業の譲受による支出200,000千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は100,175千円(前年同期は710,367千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増額が200,000千円あった一方で、長期借入金の返済による支出199,852千円、自己株式の取得による支出100,271千円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループの事業内容は受注生産形態をとらない事業が多く、セグメント別に生産の規模を金額あるいは数量で示すことがなじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループの事業内容は受注生産形態をとらない事業が多く、セグメント別に受注の規模を金額あるいは数量で示すことがなじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) | ||
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | ||
| マーケティングプラットフォーム事業 | 1,951,112 | 127.5 | |
| 商流プラットフォーム事業 | 253,269 | 92.3 | |
| 合計 | 2,204,381 | 122.1 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態の分析
(資産の分析)
当連結会計年度末における資産の合計は2,064,344千円となり、前連結会計年度末に比べ95,121千円減少いたしました。
流動資産は1,141,945千円となり、前連結会計年度末に比べ413,564千円減少いたしました。これは主に、アドレポ事業の譲受、自己株式の取得、訴訟に係る解決金の支払等により現金及び預金が420,130千円減少したことによるものであります。また、固定資産は922,398千円となり、前連結会計年度末に比べ318,442千円増加いたしました。これは主に、自社開発ソフトウェアへの積極投資やアドレポ事業の譲受等で無形固定資産が265,084千円増加したことによるものであります。
なお、セグメント毎の内訳については、マーケティングプラットフォーム事業が1,942,191千円、商流プラットフォーム事業が122,152千円であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の合計は1,003,199千円となり、前連結会計年度末に比べ18,575千円増加いたしました。
流動負債は822,079千円となり、前連結会計年度末に比べ217,265千円増加いたしました。主な要因は、運転資金や今後の事業拡大のための資金調達により短期借入金が200,000千円増加したことによるものであります。また、固定負債は181,119千円となり、前連結会計年度末に比べ198,689千円減少いたしました。これは主に約定返済に伴い長期借入金が199,852千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は1,061,144千円となり、前連結会計年度末に比べ113,696千円減少いたしました。これは主に、自己株式の取得99,971千円及び親会社株主に帰属する当期純損失34,994千円の計上等によるものであります。この結果、自己資本比率は51.4%(前連結会計年度末は54.4%)となりました。
2)経営成績の分析
(売上高、営業利益)
当連結会計年度の売上高は2,204,381千円(前年同期比22.1%増)、営業利益は84,936千円(前年同期は98,460千円の営業損失)となりました。
売上の9割近くをマーケティングプラットフォーム事業が占めており、同事業については、主力の「AD EBiS」サービスについて、従量課金から固定料金へ料金体系の切替を行ったことや、サービス機能追加による契約単価向上に取り組んだことにより、ストックであるサブスクリプション売上に占める固定料金部分の比率は増加しており、売上増を達成いたしました。また、当連結会計年度の期首に譲り受けた「アドレポ」事業の増収効果もあったことから、同事業の売上高は1,951,112千円(前年同期比27.5%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は6,813千円(前年同期比889.1%増)となり、営業外費用は12,728千円(前年同期比26.3%減)となりました。この結果、経常利益は79,022千円(前年同期は115,042千円の経常損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度は、一部ソフトウェアに係る減損損失19,431千円や訴訟関連損失60,000円等の特別損失を合計で90,924千円計上したことから、税金等調整前当期純損失は11,902千円(前年同期は115,042千円の税金等調整前当期純損失)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は34,994千円(前年同期は88,849千円の親会社株主に帰属する当期損失)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びシステム開発等にかかる設備投資によるものであります。また、当社グループの資金の源泉は主に、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達によっております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、今後も日本国内のインターネット広告市場、中でも運用型広告の市場はますます拡大すると見込んでおり、広告効果測定とともに、運用型広告の効果最大化及び運用効率化のニーズ、さらには広告効果測定から運用型広告への一連の動きを自動化させるマーケティングロボット分野のニーズも、同様に高まってくると考えております。
既に販売を開始しているマーケティング効果測定プラットフォーム「AD EBiS」を機軸として、外部連携企業のデータ取り込み、人工知能によるデータ解析、これらデータを活用した当社独自のマーケティング支援サービスの提供により、収益機会の向上を図って参ります。
また、ECの世界においては、インターネット内で完結する取引に留まらず、IoT、オムニチャネルなどインターネットとリアルが融合しながら発展していくと見込んでおります。「EC-CUBE」はECオープンプラットフォームとしてこれらのコンセプトとのつなぎ込みを容易にしており、全てがECにつながる世界を実現させることで、更なる普及を図ります。
また、当社グループの売上の大半はマーケティングプラットフォーム事業が占めておりますが、同事業はサブスクリプション(継続課金)を主な契約形態とするビジネスモデルであります。このため、当社グループでは売上高を重要な経営指標として位置付けております。