有価証券報告書-第13期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 15:26
【資料】
PDFをみる
【項目】
144項目
(業績等の概要)
(1) 業 績
当連結会計年度における我が国経済は、国内の人手不足を背景に、雇用環境の改善が続いていることなどで、緩やかな回復が続いております。
このような環境の中、当社が属する情報通信業界は、IoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)、ビッグデータ、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、通信速度向上、通信規格の高度化といった、今後の社会一般を変貌させる力を秘めた技術革新が、今までにないスピードで進んでおります。当社は、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で、より良い方向に変化させるデジタルトランスフォーメーションの実現に、IoTが重要な技術であるとの認識に立ち、引き続き、事業を展開してまいります。
当社の事業は、技術の特徴で大きく分けると、無線接続技術や著作権認証技術を活かしたワイヤレスコネクティビティ事業と脆弱性診断やデータバックアップといった技術を活かしたセキュリティ&プライバシー事業に分けられます。
(ワイヤレスコネクティビティ事業)・・・当社が主体
Blu-rayTM再生ソフトウェアや高解像度(4K/8K)画像処理技術を基盤とした事業になります。当事業は、ロイヤリティ収入を主体としているため、Blu-rayなどを再生するデジタル家電機器(TV、Blu-rayTMレコーダー、PCなど)の出荷台数に影響を受けます。国内のデジタル家電機器の出荷台数は底を打った感が出てきましたが、依然、低調であることには変わりなく、厳しい事業環境が続いております。
当事業においては、画像解析AIエンジンを軸とした製品群(sMedio AI Technologies)も取り扱っており、建設業や流通業等での商用化を見据えた実証実験を複数実施しております。
(セキュリティ&プライバシー事業)・・・タオソフトウエア㈱および㈱情報スペースが主体
Androidのセキュリティ脆弱性診断やBLE(BluetoothⓇ Low Energy)を使った位置情報ソリューション、データ移行・バックアップアプリ(JSバックアップ)に関する開発収入を中心とした事業であります。開発収入からロイヤリティ収入への転換および月額課金サービス収入の育成を図っております。
① 売上高の分析
このような状況において、グループ全体としては、当社のソフトウェアが搭載されているPCなどのデバイス出荷台数が低調であった影響等で、ロイヤリティ収入が落ち込み、売上高は862百万円(前期比12.5%減)となりました。
売上形態別の売上高は、下表のとおりであります。
(単位:百万円未満切捨て)
形態別売上高前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)
ロイヤリティ収入684590△94△13.8
受託開発収入227218△8△3.7
保守・サポート収入7353△20△27.3
合計985862△123△12.5

② 販売費及び一般管理費、営業利益の分析
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は456百万円(前期比16.1%減)、営業損失は61百万円(前期より損失額が45百万円縮小)となりました。
販売費及び一般管理費は、販売促進費や人件費、旅費交通費、研究開発費といった項目での減少が大きく、大幅な減少となりました。しかしながら、売上高の落ち込みが大きく、売上総利益が394百万円と前期に比べ、42百万円減少したことが響き、営業損失61百万円となりました。
③ 営業外損益、経常利益の分析
当連結会計年度における営業外損益は、営業外収益は4百万円(前期比72.9%増)となり、営業外費用は0百万円(同82.7%減)となり、結果、経常損失は57百万円(前期より損失額が49百万円縮小)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純損益の分析
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は84百万円(前期より損失額が25百万円縮小)となりました。
(単位:百万円未満切捨て)
前連結会計年度当連結会計年度増減
売上高985862△123
営業損失(△)△107△6145
経常損失(△)△107△5749
親会社株主に帰属する当期純損失(△)△110△8425

中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、当社グループが重要と考える営業収益は、3期連続赤字となる営業損失61百万円となりました。営業赤字が継続すると、中長期的な事業拡大と企業価値向上が覚束なくなると考えており、早期の営業収益の黒字化に向け、取り組んでまいります。
また、当社グループが重要と考える、顧客別、製品別の売上および出荷台数は、主に国内PC出荷台数全体が低調であった影響を受け、落ち込みました。ロイヤリティ収入の回復に向け、高解像度(4K/8K)画像処理に関連する製品の拡充に取り組んでまいります。
第3四半期連結会計期間から、高解像度(4K/8K)のブラウザに関して、当社のソフトウェア搭載の製品が増えたことで、ロイヤリティ収入の落ち込みを抑え、当第3四半期連結会計期間および当第4四半期連結会計期間では、それぞれ営業黒字を計上できております。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失84百万円を計上したことなどで、前連結会計年度末に比べ、79百万円減少し、1,095百万円になりました。
当社グループは、現預金を631百万円保有しており、流動負債118百万円を差し引いても、513百万円相当の手許流動性があります。
また、当社グループの売上高は、ここ数年、販売先上位3社合計で6割程度を占めておりますが、いずれも販売代金回収に懸念するべき点はなく、その点においても、手元流動性には大きな懸念はないと考えております。
当社グループの投資は、主として、人材に対するものとなり、有形固定資産の取得に多額の支出をする予定はありませんが、企業価値向上に資すると考えるM&Aなどへの投資は必要に応じ適宜実施する意向であります。また、その際に必要となる財源には、保有する現預金を活用し、機動的に対応することを基本としますが、場合によっては、金融機関からの借入を実施することも検討いたします。
当連結会計年度末におけるのれん残高は42百万円となっております。のれんは、将来において一時に費用計上される可能性を含んでいる資産になりますが、一部ののれんについては、当連結会計年度末までに減損損失を計上しており、また、定期償却が進んでいるため、のれん残高が当社グループの財政状態の健全性に与える影響は小さいと考えております。
(単位:百万円未満切捨て)
前連結会計年度末当連結会計年度末増減増減率(%)
総資産1,4501,222△227△15.7
負債274126△147△53.9
純資産1,1751,095△79△6.8

(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが307百万円のマイナス(支出)となり、投資活動によるキャッシュ・フローの22百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの120百万円と合わせて、前連結会計年度末に比べ452百万円減少し、当連結会計年度末には631百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度のプラスから、307百万円のマイナス(支出)となりました。主な要因は、支払いロイヤリティを前払いしたこと等によるたな卸資産の増加276百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ多くなり、22百万円の支出となりました。主な要因は、4K/8Kブラウザ開発のための機器購入が増えたこと等で、有形固定資産の取得による支出(11百万円)があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と同程度の120百万円のマイナス(支出)となりました。主な支出要因は、長期借入金の返済による支出(124百万円)であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の受託開発に係る生産実績は、次のとおりであります。
事業の種類当連結会計年度
(自 平成31年1月1日
至 令和元年12月31日)
前年同期比(%)
ソフトウエア事業(千円)144,178△34.9

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受託開発に係る受注状況は、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ソフトウエア事業204,197△12.843,232△25.3%

(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を販売形態別に示すと、次のとおりであります。
販売形態販売高(千円)前年同期比(%)
ライセンス・ロイヤリティ590△13.8
保守サービス・サポート53△27.3
受託開発218△3.7
862△12.5

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相 手 先前連結会計年度
(自 平成30年1月1日
至 平成30年12月31日)
当連結会計年度
(自 平成31年1月1日
至 令和元年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Microsoft Corp.387,88639.4308,66935.8
株式会社 NTTドコモ163,41416.6115,31813.4
シャープ株式会社41,0614.286,24610.0

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は1,101百万円であり、前連結会計年度末と比べ165百万円減少しました。これは、主に支払いロイヤリティを前払いしたことで、原材料が282百万円増加した半面、その支払いや銀行借入金の約定返済により、現預金が452百万円減少したことによるものです。
なお、貸倒引当金が増加したのは、回収遅延が発生している取引先の売掛金に対して、新たに貸倒引当金を計上したことによるものであり、当該取引先に対する売掛金残高(貸倒引当金控除前)は、流動資産の0.1%程度であり、当社の流動性に与える影響は軽微であります。
② 固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、120百万円であり、前連結会計年度末と比べ62百万円減少しました。主な要因は、のれんの減少(償却32百万円、減損10百万円)、償却費が新規取得額(11百万円)を上回ったことによるソフトウェアの減少(10百万円)および繰延税金資産の減少(9百万円)になります。一方、有形固定資産は、4K/8Kブラウザ開発に必要な機材の購入等による新規取得額(11百万円)があり、簿価ベースではほとんど変動はありませんでした。
③ 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、118百万円であり、前連結会計年度末と比べ147百万円減少しました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金124百万円を全額約定返済したことによります。
④ 固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、8百万円であり、前連結会計年度末からほぼ増減はありません。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、1,095百万円であり、前連結会計年度末と比べ79百万円減少しました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純損失84百万円を計上したことなどによります。
(3) 経営成績の分析
① 売上高の分析
「(業績等の概要)(1)業績」をご参照下さい。
② 販売費及び一般管理費、営業利益の分析
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、456百万円(前期比16.1%減)となり、営業損失を61百万円(前期は107百万円の営業損失)計上しました。
③ 営業外損益、経常利益の分析
当連結会計年度における営業外収益は4百万円(前期比72.9%増)、営業外費用は0百万円(前期比82.7%減)となり、結果、経常損失を57百万円(前期は107百万円の経常損失)計上しました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失を84百万円(前期の110百万円の損失から縮小)計上しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、主にマルチメディアとワイヤレスコネクティビティの要素技術を駆使した分野でスマートデバイス向けのソフトウエア製品を提供することにより事業規模を拡大させてまいりました。従いまして、中期的な成長を実現させるためには、当該市場における技術的な優位性の確保と市場ニーズに迅速に適応した付加価値の高い製品をタイムリーに市場に投入する必要があります。また、事業領域の拡大により他分野においても当社技術及び製品の普及拡大を実現させる事が必要となります。
昨今ハードウエアデバイスの低価格化と陳腐化がより一層早まっており、当社は従来の受託開発収入、ライセンス収入また保守サポート収入以外に、サブスクリプションモデルやサービスモデルを伸ばしていく必要性があると考えております。
当社では、これらの市場環境の変化に迅速に対応し技術的な優位性を維持しつつ、且つ市場ニーズに適応した付加価値の高い競争力のある製品の投入と合わせて、新しい市場の開拓も必要となるであろう事を認識しており、これらの市場の変化、事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できなければ経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
その他の経営成績に重要な影響をあたえるリスクに関しては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
(5) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題意識と今後の方針
当社グループは、4期連続の最終赤字を計上し、その額は、当該期間累計で340百万円に達し、非常に厳しい業績となっております。当連結会計年度末の自己資本比率は89.6%と健全な水準にあると考えており、翌連結会計年度の最終利益の予想は10百万円の黒字であり、業績は好転すると考えております。
数年来、目指してきました赤字体質からの脱却が見えてきており、今後も、現在の保有技術、事業環境および入手可能な各種情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。
詳しくは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。