有価証券報告書-第17期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/29 14:00
【資料】
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【項目】
130項目
(経営成績等の状況の概要)
(1) 業 績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が小さくなってきているものの、原材料価格の高止まりや、世界的な金融引き締めに伴う景気下振れリスクが高まり、先行きが不透明な状況になっております。一方で、生産性向上や社会のデジタル化への対応など、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進がますます重要視されており、当社は、引き続き、DXを推進する事業を展開してまいります。
当社グループのソフトウェア関連事業の概要は、下表のとおりであります。
関連事業パソコン・デジタル家電組込ソフトウェア建設DXサービスセキュリティ&プライバシーソフトウェアIoTソリューション
事業内容映像(4K/8K)・音響再生・ブラウザ表示ソフトウェアを顧客製品に組込む。映像の解析・分析をAIで行うサービスを顧客に提供する。受託開発およびデータ移行・バックアップアプリを制作し、顧客に提供する。センサーとゲートウェイ機器を組み合わせて、クラウドでデータ管理等のサービスを提供する。
顧客業界デジタル家電メーカー、パソコンメーカー建設業界通信業界流通・小売業界、建設業界
主力製品・サービスVAlution BD
Tourbillon
切羽AI評価サービス
掘削サイクルAI解析サービス
覆工コンクリートAI評価サービス
濁水処理AI解析サービス
sMedio Cloud Backup
RiskFinder
JS記録保管
JS直接転送
温度管理ソリューション
CO2濃度モニタリングソリューション
主力アプリsMedio Smart Camera
sMedio Data Transfer
sMedio TV Suite
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パソコン・デジタル家電組込ソフトウェア事業領域では、4月よりロジテック(株)に「sMedio TrueBD SE for Logitec」のライセンス提供を開始し、11月より富士通クライアントコンピューティング(株)に「FMVコントローラー」のライセンス提供を開始しました。
建設DXサービス事業領域で、当社が重要視している採用企業数(累計)と採用トンネル数(累計)の進捗は下記の通りになります。
前期末(実績)当期末(実績)来期末(目標)
採用企業数(社)81215社超

前期末(実績)当期末(実績)来期末(目標)
採用トンネル数(本)324970

当連結会計年度において、「切羽AI評価サービス」が(株)森本組、清水建設(株)、青木あすなろ建設(株)のトンネル工事現場で採用されたこと、「覆工コンクリートAI評価サービス」が(株)安藤・間のトンネル工事現場で採用されたことで、当社建設DXサービスの採用企業数(累積社数)は12社となり、採用トンネル数(累積本数)は49本に達しました。
セキュリティ&プライバシーソフトウェア事業領域では、「sMedio Cloud Backup」が2023年10月末時点の累計サブスクリプション(定期購読)契約者数が17,000名に到達しました。
① 売上の分析
当社グループの売上高は、ロイヤリティ収入と受託開発収入が中心となっております。
(ロイヤリティ収入)
当連結会計年度のロイヤリティ収入は、当社ソフトウェアが搭載されている顧客の製品種類が増えた一方で、一部の顧客製品の出荷数が計画値を下回ったこと等により、前年同期比24百万円の減収となりました。
(受託開発収入)
当連結会計年度の受託開発収入は、セキュリティ&プライバシー事業での受託開発案件が寄与し、前年同期比8百万円の増収となりました。
(保守・サポート収入)
当連結会計年度の保守・サポート収入は、後半にかけて受託開発案件での保守・サポートが増加したことで、前年同期比3百万円の増収となりました。
この結果、当社グループ全体としては、売上高は813百万円(前期比1.6%減)となりました。
売上形態別の売上高は、下表のとおりであります。
(単位:百万円未満切捨て)
形態別売上高前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)
ロイヤリティ収入576551△24△4.3
受託開発収入19019984.3
保守・サポート収入606335.1
合計827813△13△1.6

② 売上原価の分析
当連結会計年度における売上原価は、450百万円(前期比25.3%減)となりました。
当社は、パソコン・デジタル家電組込ソフトウェア事業において、Valution BD(以下、製品)を大手メーカーに納品しており、その製品の中に第三者からライセンス提供を受けたソフトウェアライブラリ(以下、「原材料」)を組み込んで販売しております。そして、その原材料の将来の使用見込みを計算し、数年先の使用分まで前払いをして購入しています。
当該原材料については、令和4年12月期において、その時点の将来の使用見込に基づいて評価損を計上しましたが、当年度において消費者ニーズの変化や製品コモディティ化の影響が当初の想定よりも進んだことによって、将来使用見込みを再精査した結果、令和5年12月期において評価減70百万円を追加計上することとしました。
なお、原材料の評価減の影響を除くと、売上原価は380百万円(前期は原材料の評価減を除くと375百万円)となり、原価率はほぼ同じになっています。
③ 販売費及び一般管理費、営業損益の分析
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は404百万円(前期比3.7%減)となりました。減少額15百万円は、主に、研究開発費の減少15百万円によるものであります。その結果、営業損失は41百万円(前期は196百万円の損失)となりました。
④ 営業外損益、経常利益の分析
当連結会計年度における営業外収益は、為替差益7百万円の計上及び、債務勘定整理益36百万円を計上したこと等により、44百万円(前期比178.9%増)となりました。その結果、経常利益は3百万円(前期は182百万円の損失)となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純損益の分析
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は、和解金の支払146百万円の影響により163百万円(前期は185百万円の損失)となりました。
なお、原材料の評価減及び和解金の支払による影響を除くと、営業利益は28百万円、経常利益は73百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は53百万円の利益になっております。
(単位:百万円未満切捨て)
前連結会計年度当連結会計年度増減
売上高827813△13
営業損失(△)△196△41154
経常利益又は経常損失(△)△1823185
親会社株主に帰属する当期純損失(△)△185△16321

(2) 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失163百万円を計上したことなどで、前連結会計年度末に比べ、156百万円減少し、1,064百万円になりました。
当社グループは、現預金を781百万円保有しており、流動負債114百万円を差し引いても、666百万円相当の手元流動性があります。
現預金が、前連結会計年度末に比べ108百万円減少した主な要因は、和解金の支払いが146百万円あったことによるものであります。原材料の評価減及び和解金の支払による影響を除くと、各段階利益は黒字となっていたことから、当期の損失は、当社グループの構造的な赤字体質に起因するものではなく、翌連結会計年度のキャッシュ・フローにマイナスの影響が出てくるものではないため、その点でも、当社グループの手元流動性には支障はないと考えております。
また、当社グループの売上高は、ここ数年、販売先上位3社合計で6割弱程度を占めておりますが、いずれも販売代金回収に懸念するべき点はなく、その点においても、手元流動性には大きな懸念はないと考えております。
当社グループの投資は、主として、人材に対するものとなり、有形固定資産の取得に多額の支出をする予定はありませんが、企業価値向上に資すると考えるM&Aなどへの投資は必要に応じ適宜実施する意向であります。また、その際に必要となる資金には、保有する現預金を活用し、機動的に対応することを基本としますが、場合によっては、金融機関からの借入や新株発行を実施することも検討いたします。
(単位:百万円未満切捨て)
前連結会計年度末当連結会計年度末増減増減率(%)
総資産1,3941,189△204△14.7
負債173125△47△27.6
純資産1,2211,064△156△12.8

① 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は1,144百万円であり、前連結会計年度末と比べ201百万円減少しました。これは、主に和解金の支払等により現預金が108百万円減少し、評価減の計上等により原材料が119百万円減少したことによるものです。
② 固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、44百万円であり、前連結会計年度末と比べ3百万円減少しました。主な要因は、固定資産の償却が進んだことによるものです。
③ 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、114百万円であり、前連結会計年度末と比べ45百万円減少しました。これは、主に取引先に対する残高を整理したことで、その他流動負債が減少したことによるものです。
④ 固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、10百万円であり、前連結会計年度末と比べ2百万円減少しました。これは、繰延税金負債が2百万円減少したことによるものです。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、1,064百万円であり、前連結会計年度末と比べ156百万円減少しました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純損失163百万円を計上したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが108百万円のマイナス(支出超過)、投資活動によるキャッシュ・フローの5百万円のマイナス(支出超過)等によって、前連結会計年度末に比べ108百万円減少し、当連結会計年度末には781百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、108百万円のマイナス(支出超過)となりました。これは、主に、税金等調整前当期純損益を143百万円計上したことに加え、売上債権34百万円の増加、棚卸資産121百万円の減少、法人税等の支払22千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、5百万円のマイナス(支出超過)となりました。これは、有形固定資産の取得及び無形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローはありませんでした。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の受託開発に係る生産実績は、次のとおりであります。
事業の種類当連結会計年度
(自 令和5年1月1日
至 令和5年12月31日)
前年同期比(%)
ソフトウェア事業(千円)113,131△32.1

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受託開発に係る受注状況は、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ソフトウェア事業149,933△15.115,068△76.6

(注) 1.金額は、販売価格によっております。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を販売形態別に示すと、次のとおりであります。
販売形態販売高(千円)前年同期比(%)
ロイヤリティ収入551,539△4.3
受託開発199,1374.3
保守サービス・サポート63,0935.1
813,770△1.6

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相 手 先前連結会計年度
(自 令和4年1月1日
至 令和4年12月31日)
当連結会計年度
(自 令和5年1月1日
至 令和5年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Microsoft Corp.200,53224.2190,31023.4
株式会社 NTTドコモ157,07519.0182,49622.4
シャープ株式会社135,61616.4111,28113.7
富士通クライアントコンピューティング株式会社63,0957.686,34710.6

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (2)資産、負債及び純資産の状況」をご参照下さい。
(3) 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (1)業績」をご参照下さい。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主にマルチメディアとワイヤレスコネクティビティの要素技術を駆使した分野でスマートデバイス向けのソフトウェア製品を提供することにより、事業規模を拡大させてまいりました。当該市場は買い替え需要が下支えするものの漸減していくと見込んでいるため、新たな事業領域に、付加価値の高い製品・サービスをタイムリーに投入する必要があります。
また、経済のデジタル化が進み、モノからコトへと経済価値の源泉が移りつつあると言われておりますので、当社グループも、従来の受託開発収入、ライセンス収入また保守サポート収入以外に、サブスクリプションモデルやサービスモデルの収入を伸ばしていく必要性があると考えております。
当社グループでは、これらの市場環境の変化に迅速に対応し技術的な優位性を維持しつつ、かつ市場ニーズに適応した付加価値の高い競争力のある製品を投入することおよび変化した市場ニーズに応じた収益モデルの構築が重要であることを認識し、事業運営を行っておりますが、これらの市場の変化、事業環境の変化に当社グループが迅速かつ柔軟に対応できなければ、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
その他の経営成績に重要な影響をあたえるリスクに関しては、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
(5) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題意識と今後の方針
当連結会計年度は原材料の評価減70百万円、和解金の支払146百万円の計上にともない赤字となりました。しかしながら、自己資本比率は引き続き89.4%と健全な水準を保っており、翌連結会計年度(令和6年12月期)の親会社株主に帰属する当期純利益は34百万円の黒字への転換を見込んでおります。
当社グループが重要な指標と考えている営業損益は、当連結会計年度では41百万円の損失を計上しました。一時的な要因によって、損失額が大きくなったとはいえ、この水準の営業損失が続けば、財政状態の健全性は毀損することは避けられないと考えております。また、予期していない事態やリスクが顕在化した場合に、その影響を吸収するには、営業利益の水準を上げる必要があると考えております。翌連結会計年度(令和6年12月期)の営業利益は、46百万円を予想しております。
少数の顧客に対する売上高の、売上高全体に占める割合が依然高いため、全体の売上増加を目指しつつ、少数の顧客に対する依存度は低下させる必要があると考えております。
なお当連結会計年度においては、原材料の評価減、和解金の支払いなどの一時的な影響を除くと、営業利益で28百万円を計上していたことを考慮すると、ロイヤリティ収入の底上げ、原価低減や経費節減の効果が現れてきていると考えておりますが、新製品・新サービスを通じて、新規顧客の開拓を推進することに加え、既存製品の横展開による少数の顧客以外への販売の底上げを図り、少数の顧客への売上高の集中度合を減らすと同時に営業利益水準の向上を目指してまいります。
今後も、現在の保有技術、事業環境および入手可能な各種情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。
詳しくは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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