有価証券報告書-第14期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(経営成績等の状況の概要)
(1) 業 績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に左右される1年となりました。春に導入された厳しい移動自粛要請は、夏になる頃には緩和されましたが、気温が低くなる秋・冬になると、再び、移動制限が厳しくなりました。この間、各国政府による経済刺激策の効果により、経済活動の停滞は春を最悪期とすると、軽減されてきたと考えておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大が収まっていない状況が続いており、我が国経済の先行きには、不透明な部分が残っている状態であると判断しております。
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(新型コロナウイルス感染症の影響について)
日本国内で緊急事態宣言が解除された5月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、増減を繰り返しながらも、収束するのではなく、現状維持の状況が続いています。現在、新型コロナウイルスとの付き合い方は、いわゆるWITHコロナの時代の言葉に象徴されるように、新型コロナウイルスとともに社会活動が行われる前提へと進んでおり、社会活動の変化に伴い、経済活動にも変化が現れ始めていると言えます。新型コロナウイルス感染症の収束時期を見込むことは困難であり、今後、どのように経済活動が変化し、また、その変化がどのような速度で進展するのかははっきりしていません。
当社グループの業績への影響では、第1四半期連結会計期間(1~3月)は、感染拡大が始まる前の売上が順調であったことで、直接的な影響はほとんどなかったと考えております。
続く、第2四半期連結会計期間(4~6月)では、日本で緊急事態宣言が出される等、経済活動への影響が著しく大きくなる中で、当社グループは、在宅勤務等の対応で開発を継続しておりましたが、得意先も在宅勤務を導入していることなどで、案件の時期や規模の見直し、商談の決定スピードが遅れる等の影響が一部に見られました。
第3四半期連結会計期間(7~9月)は、第2四半期連結会計期間(4~6月)に見られた、案件の時期や規模の見直し、商談の決定スピードの遅れ等の影響は小さくなりましたが、顧客との対面での接触機会は、依然、制限を受ける場合があり、商談の質・量とも新型コロナウイルス感染症拡大以前の状態と比べ完全に回復しているとは言えない状況でありました。
第4四半期連結会計期間(10~12月)は、WITHコロナを意識し、顧客との商談にはビデオ会議等を活用することで、対面での接触機会の制限を乗り越え、当社グループの経済活動への影響はない状態となりました。
とはいえ、新型コロナウイルス感染症が収束し、社会経済活動全般が正常化し、当社グループが平時の経済活動が行えることが好ましく、その時期は令和3年後半になると見込んでおります。
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このような環境の中、国内で5G(第5世代移動通信システム)サービスが開始され、IoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)、ビッグデータ、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)の利用場面の拡大が見込まれております。
当社がミッションとしている、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で、より良い方向に変化させるデジタル・トランスフォーメーションが実現される環境が、より一層整ってきた中で、当社は、引き続き、IoTが重要な技術であるとの認識に立ち、事業を展開してまいります。
当社グループの事業は、技術の特徴で大きく分けると、デジタル家電組込みソフトウェア事業、映像AI解析・IoTソフトウェア事業、セキュリティ&プライバシー事業の3つに分けられます。
(デジタル家電組込みソフトウェア事業)・・・当社が主体
Blu-ray™再生ソフトウェアや高解像度(4K/8K)画像処理技術を基盤とした事業になります。当事業は、ロイヤリティ収入を主体としているため、Blu-ray™などを再生するデジタル家電機器(TV、Blu-ray™レコーダー、PCなど)の出荷台数に影響を受けます。
新型コロナウイルスの感染拡大防止対応として、在宅勤務やテレワークの導入が進んだことで、国内のデジタル家電機器の出荷台数に回復傾向が見られ、また、前連結会計年度に取り組んで実現した当社ソフトウェアを搭載する製品種類の拡大による効果で、当社のロイヤリティ収入は回復してきつつあります。
(映像AI解析・IoTソフトウェア事業)・・・当社が主体
映像解析・分析AIエンジンとIoT技術を組み合わせたエンドツーエンドのBtoB向けのソリューションを提供している事業になります。
当社は、建設現場における課題を解決するソリューション提供に特化して、事業を推進しております。
(セキュリティ&プライバシー事業)・・・タオソフトウエア㈱および㈱情報スペースが主体
AndroidTMのセキュリティ脆弱性診断やBLE(Bluetooth® Low Energy)を使った位置情報ソリューションに関する開発収入、データ移行・バックアップアプリ(JSバックアップ)に関するロイヤリティ収入(月額課金サービス収入を含む)を中心とした事業であります。開発収入からロイヤリティ収入への転換および月額課金サービス収入の育成は、一定程度、進捗しており、今後も、引き続き、推進してまいります。
当社グループの売上高は、ロイヤリティ収入と受託開発収入が中心となっております。
(ロイヤリティ収入)
前連結会計年度から取り組んできました当社ソフトウェアを搭載する製品種類の拡大による底上げが、通年で寄与し、為替相場の円高傾向によるマイナスの影響を受けつつも、前連結会計年度比15百万円の増収となりました。
当社のロイヤリティ収入は、当連結会計年度を通じて、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は軽微なものとなっております。
(受託開発収入)
第2四半期連結会計期間(4~6月)以降、新型コロナウイルスによる影響(案件の時期や規模の見直し、商談の決定スピードの遅れ等)が顕在化した部分がありましたが、受託開発収入は前連結会計年度比53百万円の増収となりました。
この結果、当社グループ全体としては、売上高は913百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。
売上形態別の売上高は、下表のとおりであります。
(単位:百万円未満切捨て)
② 販売費及び一般管理費、営業利益の分析
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は434百万円(前期比4.8%減)、営業利益は32百万円(前連結会計年度は61百万円の営業損失)となりました。
③ 営業外損益、経常利益の分析
当連結会計年度における営業外収益は、助成金収入3百万円を計上しましたが、為替差益がなくなったことで、3百万円(前連結会計年度比26.4%減)となりました。他方、営業外費用は、為替差損5百万円を計上したことで、5百万円(同1,147.1%増)となりました。結果、経常利益は30百万円(前連結会計年度は57百万円の経常損失)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純損益の分析
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は10百万円(前連結会計年度は84百万円の純損失)となりました。
(単位:百万円未満切捨て)
中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、当社グループが重要と考える営業利益は、32百万円となりました。前期までの3期連続で営業損失を計上しておりましたが、ロイヤリティ収入の底上げ施策の効果が現れた結果であると考えております。
また、当社グループが重要と考える、顧客別、製品別の売上および出荷台数は、ロイヤリティ収入の回復に向けて取り組んできた、高解像度(4K/8K)画像処理に関連する製品の拡充により、回復してきております。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益10百万円を計上したことなどで、前連結会計年度末に比べ、15百万円増加し、1,111百万円になりました。
当社グループは、現預金を806百万円保有しており、流動負債141百万円を差し引いても、666百万円相当の手許流動性があります。
また、当社グループの売上高は、ここ数年、販売先上位3社合計で6割程度を占めておりますが、いずれも販売代金回収に懸念するべき点はなく、その点においても、手元流動性には大きな懸念はないと考えております。
当社グループの投資は、主として、人材に対するものとなり、有形固定資産の取得に多額の支出をする予定はありませんが、企業価値向上に資すると考えるM&Aなどへの投資は必要に応じ適宜実施する意向であります。また、その際に必要となる資金には、保有する現預金を活用し、機動的に対応することを基本としますが、場合によっては、金融機関からの借入や新株発行を実施することも検討いたします。
当連結会計年度末におけるのれん残高は17百万円となっております。のれんは、将来において一時に費用計上される可能性を含んでいる資産になりますが、一部ののれんについては、当連結会計年度末までに減損損失を計上しており、また、定期償却が進んでいるため、のれん残高が当社グループの財政状態の健全性に与える影響は小さいと考えております。
(単位:百万円未満切捨て)
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが189百万円のプラス(収入超過)となり、投資活動によるキャッシュ・フローの12百万円のマイナス(支出超過)、財務活動によるキャッシュ・フローの1百万円のプラス(収入超過)と合わせて、前連結会計年度末に比べ175百万円増加し、当連結会計年度末には806百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度のマイナス(支出超過)から、189百万円のプラス(収入超過)となりました。主な要因は、利益を計上したことに加え、のれん償却費、減価償却費といった資金支出を伴わない費用に加え、前連結会計年度で前払いしたロイヤリティの払い出しが反映されるたな卸資産の減少の大部分で資金支出を伴わなかった影響であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ減少し、12百万円のマイナス(支出超過)となりました。4K/8Kブラウザ開発のための機器購入が前連結会計年度では多かったことの反動減になります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度のマイナス(支出超過)から、1百万円のプラス(収入超過)となりました。前連結会計年度は、長期借入金の返済による支出(124百万円)がありましたが、前連結会計年度中に、完済しており、当連結会計年度では、借入金の返済による支出がなかったことによります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の受託開発に係る生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受託開発に係る受注状況は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を販売形態別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.前連結会計年度の東芝映像ソリューション株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症は、令和3年7-9月期には落ち着き、経済活動も正常化すると仮定しておりますが、当社グループに与える影響は軽微であると考えております。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は1,172百万円であり、前連結会計年度末と比べ71百万円増加しました。これは、利益計上に伴い現預金が175百万円増加したことによるものです。
なお、現預金残高806百万円の水準は、当社グループの運転資金としては十分な水準であり、当社グループの資産の流動性は十分な水準にあると考えております。
② 固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、88百万円であり、前連結会計年度末と比べ32百万円減少しました。主な要因は、定期償却によりのれんが25百万円減少したことによります。
③ 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、141百万円であり、前連結会計年度末と比べ23百万円増加しました。これは、主に未払消費税等が16百万円増加したことによります。
④ 固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、8百万円であり、前連結会計年度末からほぼ増減はありません。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、1,111百万円であり、前連結会計年度末と比べ15百万円増加しました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益10百万円を計上したことなどによります。
(3) 経営成績の分析
① 売上高の分析
「(業績等の概要)(1)業績」をご参照下さい。
② 販売費及び一般管理費、営業利益の分析
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、434百万円(前期比4.8%減)となり、営業利益を32百万円(前期は61百万円の営業損失)計上しました。
③ 営業外損益、経常利益の分析
当連結会計年度における営業外収益は3百万円(前期比26.4%減)、営業外費用は5百万円(前期比1,147.1%増)となり、結果、経常利益を30百万円(前期は57百万円の経常損失)計上しました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益を10百万円(前期は84百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)計上しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主にマルチメディアとワイヤレスコネクティビティの要素技術を駆使した分野でスマートデバイス向けのソフトウエア製品を提供することにより、事業規模を拡大させてまいりました。従いまして、中期的な成長を実現させるためには、当該市場における技術的な優位性の確保と市場ニーズに迅速に適応した付加価値の高い製品をタイムリーに市場に投入する必要があることに加え、新たな事業領域への進出が必要になります。
経済のデジタル化が進み、モノからコトへと経済価値の源泉が移りつつあると言われておりますので、当社グループも、従来の受託開発収入、ライセンス収入また保守サポート収入以外に、サブスクリプションモデルやサービスモデルの収入を伸ばしていく必要性があると考えております。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅勤務でのPC需要といった形で、デジタルデバイスの存在・価値が改めて認識されている状況下にあります。
当社グループでは、これらの市場環境の変化に迅速に対応し技術的な優位性を維持しつつ、かつ市場ニーズに適応した付加価値の高い競争力のある製品を投入することおよび変化した市場ニーズに応じた収益モデルの構築が重要であることを認識し、事業運営を行っておりますが、これらの市場の変化、事業環境の変化に当社グループが迅速かつ柔軟に対応できなければ、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
その他の経営成績に重要な影響をあたえるリスクに関しては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
(5) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題意識と今後の方針
当社グループは、当連結会計年度で10百万円の最終黒字を計上しましたが、前連結会計年度までの4期連続で最終赤字を計上し、その合計額は、当該期間累計で340百万円に達しておりました。当連結会計年度末の自己資本比率は88.1%と健全な水準を保っており、翌連結会計年度(令和3年12月期)の親会社株主に帰属する当期純純利益は36百万円を予想しており、黒字を継続していけると考えております。
当社グループが重要な指標と考えている営業利益は、当連結会計年度では32百万円を計上しました。この営業利益の水準では、予期していない事態やリスクが顕在化した場合に、その影響を吸収するには心許ないと考えており、営業利益の水準を上げる必要があると考えております。翌連結会計年度(令和3年12月期)の営業利益は、53百万円を予想しております。
少数の顧客に対する売上高が、売上高全体に占める割合が高いと考えており、依存度を下げていく必要があると考えております。
ロイヤリティ収入の底上げ、原価低減や経費節減の効果が現れ、数年来の赤字体質からの脱却が見えてきている状況で、新製品・新サービスを通じて、新規顧客の開拓を推進することに加え、既存製品の横展開による少数の顧客以外への販売の底上げを図り、少数の顧客への売上高の集中度合を減らすと同時に営業利益水準の向上を目指してまいります。
今後も、現在の保有技術、事業環境および入手可能な各種情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。
詳しくは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(1) 業 績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に左右される1年となりました。春に導入された厳しい移動自粛要請は、夏になる頃には緩和されましたが、気温が低くなる秋・冬になると、再び、移動制限が厳しくなりました。この間、各国政府による経済刺激策の効果により、経済活動の停滞は春を最悪期とすると、軽減されてきたと考えておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大が収まっていない状況が続いており、我が国経済の先行きには、不透明な部分が残っている状態であると判断しております。
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(新型コロナウイルス感染症の影響について)
日本国内で緊急事態宣言が解除された5月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、増減を繰り返しながらも、収束するのではなく、現状維持の状況が続いています。現在、新型コロナウイルスとの付き合い方は、いわゆるWITHコロナの時代の言葉に象徴されるように、新型コロナウイルスとともに社会活動が行われる前提へと進んでおり、社会活動の変化に伴い、経済活動にも変化が現れ始めていると言えます。新型コロナウイルス感染症の収束時期を見込むことは困難であり、今後、どのように経済活動が変化し、また、その変化がどのような速度で進展するのかははっきりしていません。
当社グループの業績への影響では、第1四半期連結会計期間(1~3月)は、感染拡大が始まる前の売上が順調であったことで、直接的な影響はほとんどなかったと考えております。
続く、第2四半期連結会計期間(4~6月)では、日本で緊急事態宣言が出される等、経済活動への影響が著しく大きくなる中で、当社グループは、在宅勤務等の対応で開発を継続しておりましたが、得意先も在宅勤務を導入していることなどで、案件の時期や規模の見直し、商談の決定スピードが遅れる等の影響が一部に見られました。
第3四半期連結会計期間(7~9月)は、第2四半期連結会計期間(4~6月)に見られた、案件の時期や規模の見直し、商談の決定スピードの遅れ等の影響は小さくなりましたが、顧客との対面での接触機会は、依然、制限を受ける場合があり、商談の質・量とも新型コロナウイルス感染症拡大以前の状態と比べ完全に回復しているとは言えない状況でありました。
第4四半期連結会計期間(10~12月)は、WITHコロナを意識し、顧客との商談にはビデオ会議等を活用することで、対面での接触機会の制限を乗り越え、当社グループの経済活動への影響はない状態となりました。
とはいえ、新型コロナウイルス感染症が収束し、社会経済活動全般が正常化し、当社グループが平時の経済活動が行えることが好ましく、その時期は令和3年後半になると見込んでおります。
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このような環境の中、国内で5G(第5世代移動通信システム)サービスが開始され、IoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)、ビッグデータ、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)の利用場面の拡大が見込まれております。
当社がミッションとしている、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で、より良い方向に変化させるデジタル・トランスフォーメーションが実現される環境が、より一層整ってきた中で、当社は、引き続き、IoTが重要な技術であるとの認識に立ち、事業を展開してまいります。
当社グループの事業は、技術の特徴で大きく分けると、デジタル家電組込みソフトウェア事業、映像AI解析・IoTソフトウェア事業、セキュリティ&プライバシー事業の3つに分けられます。
(デジタル家電組込みソフトウェア事業)・・・当社が主体
Blu-ray™再生ソフトウェアや高解像度(4K/8K)画像処理技術を基盤とした事業になります。当事業は、ロイヤリティ収入を主体としているため、Blu-ray™などを再生するデジタル家電機器(TV、Blu-ray™レコーダー、PCなど)の出荷台数に影響を受けます。
新型コロナウイルスの感染拡大防止対応として、在宅勤務やテレワークの導入が進んだことで、国内のデジタル家電機器の出荷台数に回復傾向が見られ、また、前連結会計年度に取り組んで実現した当社ソフトウェアを搭載する製品種類の拡大による効果で、当社のロイヤリティ収入は回復してきつつあります。
(映像AI解析・IoTソフトウェア事業)・・・当社が主体
映像解析・分析AIエンジンとIoT技術を組み合わせたエンドツーエンドのBtoB向けのソリューションを提供している事業になります。
当社は、建設現場における課題を解決するソリューション提供に特化して、事業を推進しております。
(セキュリティ&プライバシー事業)・・・タオソフトウエア㈱および㈱情報スペースが主体
AndroidTMのセキュリティ脆弱性診断やBLE(Bluetooth® Low Energy)を使った位置情報ソリューションに関する開発収入、データ移行・バックアップアプリ(JSバックアップ)に関するロイヤリティ収入(月額課金サービス収入を含む)を中心とした事業であります。開発収入からロイヤリティ収入への転換および月額課金サービス収入の育成は、一定程度、進捗しており、今後も、引き続き、推進してまいります。
当社グループの売上高は、ロイヤリティ収入と受託開発収入が中心となっております。
(ロイヤリティ収入)
前連結会計年度から取り組んできました当社ソフトウェアを搭載する製品種類の拡大による底上げが、通年で寄与し、為替相場の円高傾向によるマイナスの影響を受けつつも、前連結会計年度比15百万円の増収となりました。
当社のロイヤリティ収入は、当連結会計年度を通じて、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は軽微なものとなっております。
(受託開発収入)
第2四半期連結会計期間(4~6月)以降、新型コロナウイルスによる影響(案件の時期や規模の見直し、商談の決定スピードの遅れ等)が顕在化した部分がありましたが、受託開発収入は前連結会計年度比53百万円の増収となりました。
この結果、当社グループ全体としては、売上高は913百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。
売上形態別の売上高は、下表のとおりであります。
(単位:百万円未満切捨て)
| 形態別売上高 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率(%) |
| ロイヤリティ収入 | 590 | 605 | 15 | 2.6 |
| 受託開発収入 | 218 | 272 | 53 | 24.5 |
| 保守・サポート収入 | 53 | 35 | △17 | △32.7 |
| 合計 | 862 | 913 | 51 | 6.0 |
② 販売費及び一般管理費、営業利益の分析
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は434百万円(前期比4.8%減)、営業利益は32百万円(前連結会計年度は61百万円の営業損失)となりました。
③ 営業外損益、経常利益の分析
当連結会計年度における営業外収益は、助成金収入3百万円を計上しましたが、為替差益がなくなったことで、3百万円(前連結会計年度比26.4%減)となりました。他方、営業外費用は、為替差損5百万円を計上したことで、5百万円(同1,147.1%増)となりました。結果、経常利益は30百万円(前連結会計年度は57百万円の経常損失)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純損益の分析
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は10百万円(前連結会計年度は84百万円の純損失)となりました。
(単位:百万円未満切捨て)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 売上高 | 862 | 913 | 51 |
| 営業利益又は営業損失(△) | △61 | 32 | 94 |
| 経常利益又は経常損失(△) | △57 | 30 | 87 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | △84 | 10 | 95 |
中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、当社グループが重要と考える営業利益は、32百万円となりました。前期までの3期連続で営業損失を計上しておりましたが、ロイヤリティ収入の底上げ施策の効果が現れた結果であると考えております。
また、当社グループが重要と考える、顧客別、製品別の売上および出荷台数は、ロイヤリティ収入の回復に向けて取り組んできた、高解像度(4K/8K)画像処理に関連する製品の拡充により、回復してきております。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益10百万円を計上したことなどで、前連結会計年度末に比べ、15百万円増加し、1,111百万円になりました。
当社グループは、現預金を806百万円保有しており、流動負債141百万円を差し引いても、666百万円相当の手許流動性があります。
また、当社グループの売上高は、ここ数年、販売先上位3社合計で6割程度を占めておりますが、いずれも販売代金回収に懸念するべき点はなく、その点においても、手元流動性には大きな懸念はないと考えております。
当社グループの投資は、主として、人材に対するものとなり、有形固定資産の取得に多額の支出をする予定はありませんが、企業価値向上に資すると考えるM&Aなどへの投資は必要に応じ適宜実施する意向であります。また、その際に必要となる資金には、保有する現預金を活用し、機動的に対応することを基本としますが、場合によっては、金融機関からの借入や新株発行を実施することも検討いたします。
当連結会計年度末におけるのれん残高は17百万円となっております。のれんは、将来において一時に費用計上される可能性を含んでいる資産になりますが、一部ののれんについては、当連結会計年度末までに減損損失を計上しており、また、定期償却が進んでいるため、のれん残高が当社グループの財政状態の健全性に与える影響は小さいと考えております。
(単位:百万円未満切捨て)
| 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増減 | 増減率(%) | |
| 総資産 | 1,222 | 1,261 | 39 | 3.2 |
| 負債 | 126 | 150 | 23 | 18.8 |
| 純資産 | 1,095 | 1,111 | 15 | 1.4 |
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが189百万円のプラス(収入超過)となり、投資活動によるキャッシュ・フローの12百万円のマイナス(支出超過)、財務活動によるキャッシュ・フローの1百万円のプラス(収入超過)と合わせて、前連結会計年度末に比べ175百万円増加し、当連結会計年度末には806百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度のマイナス(支出超過)から、189百万円のプラス(収入超過)となりました。主な要因は、利益を計上したことに加え、のれん償却費、減価償却費といった資金支出を伴わない費用に加え、前連結会計年度で前払いしたロイヤリティの払い出しが反映されるたな卸資産の減少の大部分で資金支出を伴わなかった影響であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ減少し、12百万円のマイナス(支出超過)となりました。4K/8Kブラウザ開発のための機器購入が前連結会計年度では多かったことの反動減になります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度のマイナス(支出超過)から、1百万円のプラス(収入超過)となりました。前連結会計年度は、長期借入金の返済による支出(124百万円)がありましたが、前連結会計年度中に、完済しており、当連結会計年度では、借入金の返済による支出がなかったことによります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の受託開発に係る生産実績は、次のとおりであります。
| 事業の種類 | 当連結会計年度 (自 令和2年1月1日 至 令和2年12月31日) | 前年同期比(%) | |
| ソフトウエア事業 | (千円) | 123,655 | △14.2 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受託開発に係る受注状況は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | ||
| ソフトウエア事業 | 320,338 | 56.9 | 91,042 | 110.6 | ||
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を販売形態別に示すと、次のとおりであります。
| 販売形態 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| ロイヤリティ収入 | 605,501 | 2.6 |
| 受託開発 | 272,528 | 24.5 |
| 保守サービス・サポート | 35,904 | △32.7 |
| 計 | 913,934 | 6.0 |
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相 手 先 | 前連結会計年度 (自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日) | 当連結会計年度 (自 令和2年1月1日 至 令和2年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| Microsoft Corp. | 308,669 | 35.8 | 246,240 | 26.9 |
| 株式会社 NTTドコモ | 115,318 | 13.4 | 128,989 | 14.1 |
| シャープ株式会社 | 86,246 | 10.0 | 127,472 | 13.9 |
| 東芝映像ソリューション株式会社 | - | - | 121,000 | 13.2 |
2.前連結会計年度の東芝映像ソリューション株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症は、令和3年7-9月期には落ち着き、経済活動も正常化すると仮定しておりますが、当社グループに与える影響は軽微であると考えております。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は1,172百万円であり、前連結会計年度末と比べ71百万円増加しました。これは、利益計上に伴い現預金が175百万円増加したことによるものです。
なお、現預金残高806百万円の水準は、当社グループの運転資金としては十分な水準であり、当社グループの資産の流動性は十分な水準にあると考えております。
② 固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、88百万円であり、前連結会計年度末と比べ32百万円減少しました。主な要因は、定期償却によりのれんが25百万円減少したことによります。
③ 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、141百万円であり、前連結会計年度末と比べ23百万円増加しました。これは、主に未払消費税等が16百万円増加したことによります。
④ 固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、8百万円であり、前連結会計年度末からほぼ増減はありません。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、1,111百万円であり、前連結会計年度末と比べ15百万円増加しました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益10百万円を計上したことなどによります。
(3) 経営成績の分析
① 売上高の分析
「(業績等の概要)(1)業績」をご参照下さい。
② 販売費及び一般管理費、営業利益の分析
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、434百万円(前期比4.8%減)となり、営業利益を32百万円(前期は61百万円の営業損失)計上しました。
③ 営業外損益、経常利益の分析
当連結会計年度における営業外収益は3百万円(前期比26.4%減)、営業外費用は5百万円(前期比1,147.1%増)となり、結果、経常利益を30百万円(前期は57百万円の経常損失)計上しました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益を10百万円(前期は84百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)計上しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主にマルチメディアとワイヤレスコネクティビティの要素技術を駆使した分野でスマートデバイス向けのソフトウエア製品を提供することにより、事業規模を拡大させてまいりました。従いまして、中期的な成長を実現させるためには、当該市場における技術的な優位性の確保と市場ニーズに迅速に適応した付加価値の高い製品をタイムリーに市場に投入する必要があることに加え、新たな事業領域への進出が必要になります。
経済のデジタル化が進み、モノからコトへと経済価値の源泉が移りつつあると言われておりますので、当社グループも、従来の受託開発収入、ライセンス収入また保守サポート収入以外に、サブスクリプションモデルやサービスモデルの収入を伸ばしていく必要性があると考えております。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅勤務でのPC需要といった形で、デジタルデバイスの存在・価値が改めて認識されている状況下にあります。
当社グループでは、これらの市場環境の変化に迅速に対応し技術的な優位性を維持しつつ、かつ市場ニーズに適応した付加価値の高い競争力のある製品を投入することおよび変化した市場ニーズに応じた収益モデルの構築が重要であることを認識し、事業運営を行っておりますが、これらの市場の変化、事業環境の変化に当社グループが迅速かつ柔軟に対応できなければ、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
その他の経営成績に重要な影響をあたえるリスクに関しては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
(5) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題意識と今後の方針
当社グループは、当連結会計年度で10百万円の最終黒字を計上しましたが、前連結会計年度までの4期連続で最終赤字を計上し、その合計額は、当該期間累計で340百万円に達しておりました。当連結会計年度末の自己資本比率は88.1%と健全な水準を保っており、翌連結会計年度(令和3年12月期)の親会社株主に帰属する当期純純利益は36百万円を予想しており、黒字を継続していけると考えております。
当社グループが重要な指標と考えている営業利益は、当連結会計年度では32百万円を計上しました。この営業利益の水準では、予期していない事態やリスクが顕在化した場合に、その影響を吸収するには心許ないと考えており、営業利益の水準を上げる必要があると考えております。翌連結会計年度(令和3年12月期)の営業利益は、53百万円を予想しております。
少数の顧客に対する売上高が、売上高全体に占める割合が高いと考えており、依存度を下げていく必要があると考えております。
ロイヤリティ収入の底上げ、原価低減や経費節減の効果が現れ、数年来の赤字体質からの脱却が見えてきている状況で、新製品・新サービスを通じて、新規顧客の開拓を推進することに加え、既存製品の横展開による少数の顧客以外への販売の底上げを図り、少数の顧客への売上高の集中度合を減らすと同時に営業利益水準の向上を目指してまいります。
今後も、現在の保有技術、事業環境および入手可能な各種情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。
詳しくは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。