有価証券報告書-第49期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 15:00
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この作成においては、経営者による会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを合理的に行わなければなりません。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況、真実性、継続性等を勘案し、合理的な基準に基づいた判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、将来生じる実際の結果が見積りと大きく異なる可能性があります。
(2) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、人手不足を背景とした雇用及び所得情勢の改善や、省力化を目的とした設備投資が増加基調で推移したこと等により緩やかな成長の動きが見られました。一方では、米中貿易摩擦の激化及び中国経済の成長鈍化により世界経済の減速懸念が強まる中、国内外の景気先行きに対する不透明感は高まっております。
このような状況下、当社グループは、主力事業である電子材料スライス周辺事業において、中国政府による太陽光発電に関する補助金の打ち切りの影響により太陽光市場全体が一時的に縮小し、ダイヤモンドワイヤの出荷量が大きく減少したことに加え、市況の悪化に伴い、当連結会計年度においてダイヤモンドワイヤの販売価格が約7割下落した影響等により、売上高が前連結会計年度を大きく下回る結果となりました。
また、損益面においても、減収による影響に加え、ダイヤモンドワイヤの製品在庫及び原材料等の評価減の実施ならびに固定資産に係る減損損失の計上により、多額の損失を計上することとなりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は4,809百万円(前年同期比60.4%減)、営業損失は4,193百万円(前年同期は1,570百万円の営業利益)、経常損失は4,263百万円(前年同期は1,365百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は9,721百万円(前年同期は1,381百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 電子材料スライス周辺事業
前述のとおり電子材料スライス周辺事業においては、ダイヤモンドワイヤの販売価格の大幅な下落の影響を受け、非常に厳しい事業環境となっております。
これらの結果、売上高は2,193百万円(前年同期比78.0%減)、セグメント損失は4,327百万円(前年同期は1,439百万円のセグメント利益)となりました。
② 特殊精密機器事業
特殊精密機器事業においては、産業機械向け実装機用ノズル、工作機械向け耐摩工具とも好調に推移し、また、新規顧客開拓にも努めてまいりました。
これらの結果、売上高は897百万円(前年同期比6.6%増)と増収になりましたが、配賦基準を売上高基準としていることによる本社経費負担増により、セグメント利益は122百万円(前年同期比39.2%減)となりました。
③ 化学繊維用紡糸ノズル事業
化学繊維用紡糸ノズル事業においては、化学繊維用紡糸ノズルに加え、不織布用紡糸ノズルの受注も堅調に推移し、第1四半期連結会計期間において大型装置案件の納品が完了したこと等により、売上高、利益ともに前年同期を大きく上回りました。
これらの結果、売上高は1,711百万円(前年同期比29.2%増)、セグメント利益は393百万円(前年同期比98.1%増)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
電子材料スライス周辺事業5,176,14081.8
特殊精密機器事業551,386108.7
化学繊維用紡糸ノズル事業903,73594.5
合計6,631,26285.1

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 上記の生産高合計額は各セグメントの第49期連結会計年度における当期製品製造原価の合計額であり、製品たな卸高の増減が反映されておりませんので、連結損益計算書の売上原価とは一致しておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
電子材料スライス周辺事業1,897,52518.74,8991.6
特殊精密機器事業912,917107.7112,659115.8
化学繊維用紡糸ノズル事業1,606,11399.5717,91687.2
合計4,416,55635.0835,47668.4

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 電子材料スライス周辺事業の主力製品であるダイヤモンドワイヤが、中国における太陽光発電に関する補助金の打ち切り施策等による市場価格下落等の影響を受け、前年に比べ受注高及び受注残高が大幅に減少しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
電子材料スライス周辺事業2,193,60522.0
特殊精密機器事業897,538106.6
化学繊維用紡糸ノズル事業1,711,096129.2
合計4,802,24039.6

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先第48期連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
第49期連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
GCLグループ5,574,38345.9741,95615.4

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 GCLグループはFuning GCL Photovoltaic Technology Co., Ltd. (中国)が主な販売先であります。
5 電子材料スライス周辺事業の主力製品であるダイヤモンドワイヤが、中国における太陽光発電に関する補助金の打ち切り施策等による市場価格下落等の影響を受け、前年に比べ販売高が大幅に減少しております。
(3) 財政状態
総資産は前連結会計年度末に比べ9,547百万円減少し7,910百万円となりました。これは、現金及び預金の減少1,636百万円、受取手形及び売掛金の減少706百万円、原材料及び貯蔵品の減少836百万円、減損損失の計上による有形固定資産の減少5,054百万円等によるものです。
負債は前連結会計年度末に比べ335百万円減少し9,240百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金の減少588百万円、短期借入金の増加1,299百万円、リース債務の減少470百万円、未払法人税等の減少81百万円等によるものです。
純資産は前連結会計年度末に比べ9,212百万円減少し1,329百万円の債務超過となりました。これは、資本金の増加252百万円、資本剰余金の増加252百万円、利益剰余金の減少9,721百万円等によるものです。
この結果、自己資本比率は△17.2%(前連結会計年度末は45.1%)となりました。
上記のとおり、当社グループの主力製品であるダイヤモンドワイヤの大幅な販売価格の下落に伴い、固定資産の減損及びたな卸資産の評価減等の手続を実施した結果、当連結会計年度末において1,329百万円の債務超過となりました。
当社は、今後速やかに債務超過の状態を解消すべく、中国ダイヤモンドワイヤメーカーとの協業等の検討に入っており、減損済み設備の売却等による資本回復を目指してまいります。また、2019年1月に発行した第6回新株予約権についても、2019年5月末現在で4割強の権利行使がなされており、今後も行使が進めば財務状況の改善に寄与するものと考えております。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
① 電子材料スライス周辺事業
電子材料スライス周辺事業におけるセグメント資産は2,283百万円となり、前連結会計年度末から6,867百万円減少しております。
これは、ダイヤモンドワイヤの販売の不振に起因した、たな卸資産の評価減の実施と固定資産に係る減損損失計上が主な要因となります。
② 特殊精密機器事業
特殊精密機器事業におけるセグメント資産は734百万円となり、前連結会計年度末から135百万円減少しております。
これは、当社の主力事業である電子材料スライス周辺事業における経営環境の著しい悪化に伴う固定資産に係る減損損失計上によるものです。
③ 化学繊維用紡糸ノズル事業
化学繊維用紡糸ノズル事業におけるセグメント資産は2,365百万円となり、前連結会計年度末から33百万円減少しております。
これは、第1四半期連結会計期間における大型装置販売に伴うたな卸資産の減少によるものです。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ1,650百万円減少し、2,277百万円となりました。
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によって支出された資金は、2,206百万円(前年同期は2,598百万円の増加)となりました。
これは、税金等調整前当期純損失9,437百万円、仕入債務の減少額550百万円及び前受金の減少額316百万円等の減少要因が、増加要因である減損損失5,176百万円、減価償却費748百万円、売上債権の減少額634百万円及びたな卸資産の減少額1,528百万円等を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によって支出された資金は、692百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出781百万円、投資有価証券の取得による支出200百万円等による減少要因が、投資有価証券の売却による収入304百万円等の増加要因を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によって得られた資金は、1,270百万円(前年同期比36.8%減)となりました。
これは、短期借入金の純増額1,299百万円、株式発行による収入503百万円等の増加要因が、リース債務の返済による支出506百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末において多額の債務超過状態にあることから、工場閉鎖等による固定費ならびに仕入額削減を進めるとともに、取引金融機関から2020年3月までの約定返済猶予に係る同意を取り付ける等の資金流出抑制を図っております。
また合わせて、新株予約権の発行による資本回復、新規投資の大幅削減及び既存設備の売却を進めることで運転資本の確保を図ってまいります。
(5) 継続企業の前提に関する重要事象等についての分析、検討内容及び当該重要事象等を解消、改善するための対応策
当社グループは、太陽光向けシリコンウエハ製造に使用されるダイヤモンドワイヤを販売する電子材料スライス周辺事業において、中国における太陽光発電に関する補助金の打ち切り施策等の影響による市場の混乱や、ダイヤモンドワイヤの市場価格が約7割下落するなど、太陽光関連の市場環境が大きく変化した影響を受け、第2四半期累計期間において債務超過となりました。当連結会計年度においても、営業損失4,193百万円、経常損失4,263百万円、親会社株主に帰属する当期純損失9,721百万円を計上しており、1,329百万円の債務超過となっております。さらに、当社グループの有利子負債は7,707百万円と手元流動性に比し高水準にあることに加え、シンジケートローン契約において財務維持要件に抵触しております。なお、財務維持要件の内容は「注記事項 連結貸借対照表関係 5 財務維持要件」に記載しております。
これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。
当社は、以下の施策を遂行することで、将来の成長に向けて当該状況を早期に解消し、業績及び財務状況の改善に努めてまいります。
1.電子材料スライス周辺事業について
電子材料スライス周辺事業においては、直近のダイヤモンドワイヤの価格下落を受け、生産体制縮小による固定費削減、資金流出抑制を図ることを目的に、2019年5月15日開催の取締役会において、ダイヤモンドワイヤの生産工場であった沖縄工場と和泉第2工場を閉鎖することを決議いたしました。
当社は、技術優位性を有するφ55μm以下の極細線ダイヤモンドワイヤの販売に注力し、経営資源を主力工場である和泉工場(D-Next)に集約させることで生産体制の最適化を図るとともに、経費管理を徹底することで固定費の削減にも努めてまいります。
このように、ダイヤモンドワイヤ販売に係る事業環境は厳しい状況下にありますが、当社の極細線ダイヤモンドワイヤ生産技術は、競合先の中国メーカーに対し優位性が認められることから、工場閉鎖に伴うダイヤモンドワイヤ生産設備の売却を検討しておりましたが、2019年6月21日付で中国ダイヤモンドワイヤメーカーと同生産設備の売却に関する基本合意書を締結いたしました。
今後は、当社の極細線ダイヤモンドワイヤ生産技術を活かした新たな収益構築スキームを確立できるよう、正式な契約締結に向け協議を行ってまいります。
2.財務基盤の安定化
債務超過の解消ならびに継続的な事業運営と安定した収益基盤の整備に必要な資金を調達するため、当社は2018年12月27日の取締役会において、2019年1月15日を割当日とする第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権の発行を決議し、現在、新株予約権の行使による資金調達が開始されております。
また、当社は、取引金融機関に対し、借入金の元本返済の猶予に関する申し入れを行い、本有価証券報告書提出日現在において、各金融機関の同意を取り付けております。この同意に基づき、個別相対の借入契約については条件変更契約を締結済みであり、シンジケートローン契約についても同様に条件変更契約を締結済みであります。当社としては、メインバンクを中心に各金融機関と緊密な関係を維持できていることから、継続的な支援が得られるものと考えております。
当社は引き続き、財務基盤の強化・安定を図るための諸施策を検討してまいります。
しかしながら、上記対応策については進捗の途上にあり、今後の事業の進捗状況などによっては、今後の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があり、また、新株予約権の行使についても現時点で確約されているものではないことから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、当社の財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。

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