有価証券報告書-第50期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 15:04
【資料】
PDFをみる
【項目】
173項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
総資産は前連結会計年度末に比べ1,431百万円減少し6,478百万円となりました。これは、現金及び預金が1,418百万円増加したものの、受取手形及び売掛金の減少677百万円、原材料及び貯蔵品の減少140百万円、有形固定資産の減少1,367百万円、投資有価証券の減少199百万円等によるものであります。
負債は前連結会計年度末に比べ3,284百万円減少し5,955百万円となりました。これは、前受金が308百万円増加したものの、支払手形及び買掛金の減少68百万円、短期借入金の減少1,837百万円、リース債務の減少1,237百万円、資産除去債務の減少45百万円、退職給付に係る負債の減少86百万円等によるものであります。
純資産は前連結会計年度末に比べ1,852百万円増加し523百万円のとなりました。これは、資本金の増加1,225百万円、資本剰余金の増加1,225百万円、利益剰余金の減少600百万円等によるものであります。
この結果、前連結会計年度末における債務超過状態を解消し、当連結会計年度末の自己資本比率は7.8%(前連結会計年度末は△17.2%)となりました。
上記のとおり、太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退に伴う主力工場等の資産売却を進めたことにより、総資産が大幅に減少しました。また、工場売却に係る担保設定額の借入金返済やリース債務の返済により有利子負債残高も大きく減少しております。一方では、新株予約権の行使による資本増強を進めた結果、純資産は523百万円となり、債務超過の解消に至りました。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
① 電子材料スライス周辺事業
電子材料スライス周辺事業におけるセグメント資産は92百万円となり、前連結会計年度末から2,191百万円減少しております。これは、太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退を受け、旧和泉工場を売却したことによる固定資産の減少が主な要因となります。
② 特殊精密機器事業
特殊精密機器事業におけるセグメント資産は676百万円となり、前連結会計年度末から57百万円減少しております。これは、債権回収による売上債権の減少及び建物の減価償却が主な要因となります。
③ 化学繊維用紡糸ノズル事業
化学繊維用紡糸ノズル事業におけるセグメント資産は2,166百万円となり、前連結会計年度末から199百万円減少しております。これは、債権回収による売上債権の減少及び新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い中断案件の再開見通しが不透明になったことによるたな卸資産の評価減が主な要因となります。
(2) 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、人手不足を背景とした雇用情勢の改善や生産性向上に向けた設備投資ニーズの継続等により、内需は底堅く推移していたものの、米中間の貿易問題や英国のEU離脱問題等により、外需環境は厳しい状況が継続しました。さらに、2020年に入り、新型コロナウイルス感染拡大の影響が全世界に急速な広がりを見せており、今後の経済に対する不透明感が一層深まっております。
このような状況下、当社グループは、電子材料スライス周辺事業において、大幅に販売単価が下落した太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退を2019年9月に決議し、同事業における希望退職を募るとともに、合わせて同事業の主力工場であった和泉工場を2020年3月に売却いたしました。これら事業構造改革実施の影響等により、売上高は前連結会計年度を大きく下回る結果となりました。また、損益面については、ダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退に伴う減収による影響に加え、中国の江蘇三超社に対する設備売却に係る費用や事業撤退、工場閉鎖・移転等に伴う構造改革費用の計上、また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う検収手続き遅延による影響により、同設備売却等に係る対価の計上額が当初想定を下回ったこと等により、固定資産の減損処理等を行った2019年3月期から損失額は減少しているものの、引き続き損失を計上する結果となりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は2,797百万円(前年同期比41.8%減)、営業損失は578百万円(前年同期は4,193百万円の営業損失)、経常損失は716百万円(前年同期は4,263百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は600百万円(前年同期は9,721百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 電子材料スライス周辺事業
前述のとおり電子材料スライス周辺事業においては、太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退、人員縮小ならびに主力工場売却等により、事業規模を大幅に縮小いたしました。
これらの結果、売上高は697百万円(前年同期比68.2%減)、セグメント損失は624百万円(前年同期は4,327百万円のセグメント損失)となりました。
② 特殊精密機器事業
特殊精密機器事業においては、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響を受け市場環境は厳しくなっており、特に年度後半にかけて工作機械向け耐摩工具の売上に落ち込みが見られましたが、産業機械向け実装機用ノズルについては「5G」関連分野における需要の盛り上がりもあり、前連結会計年度から売上を伸ばしております。
これらの結果、売上高は845百万円(前年同期比5.8%減)となり、ダイヤモンドワイヤ事業縮小に伴う本社経費負担増により、セグメント利益は31百万円(前年同期比73.9%減)となりました。
③ 化学繊維用紡糸ノズル事業
化学繊維用紡糸ノズル事業においては、前年同期における大型装置の販売の影響に加え、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響による案件中断や出荷遅延等が生じたことから、売上高、利益ともに前連結会計年度を下回りました。
これらの結果、売上高は1,242百万円(前年同期比27.4%減)、セグメント利益は149百万円(前年同期比61.9%減)となりました。
④ その他
当社は、ナノサイズゼオライトの開発を中心とした新規事業開発に取り組んでおり、関連数値をその他セグメントとして集計しております。当連結会計年度においては、研究開発行為が中心となり90百万円の研究開発費を計上し、売上はサンプル提供等に係る少額に留まっております。なお、研究開発費には、2019年10月に撤退した受託合成事業に係る費用28百万円が含まれております。
これらの結果、売上高は12百万円(前年同期比72.2%増)、セグメント損失は157百万円(前年同期は403百万円のセグメント損失)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ1,518百万円増加し、3,795百万円となりました。
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によって得られた資金は、228百万円(前年同期は2,206百万円の減少)となりました。
これは、売上債権の減少673百万円及びたな卸資産の減少368百万円、未収消費税等の減少270百万円等の増加要因が、税金等調整前当期純損失571百万円、固定資産売却益388百万円、長期預り金の減少162百万円等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によって得られた資金は、1,994百万円(前年同期は692百万円の減少)となりました。
これは、有形固定資産の売却による収入1,878百万円、投資有価証券の売却による収入200百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によって支出された資金は、699百万円(前年同期は1,270百万円の増加)となりました。
これは、リース債務の返済による支出1,253百万円及び短期借入金の純減額1,837百万円等による支出が、株式の発行による収入2,433百万円及び長期借入れによる収入160百万円等の収入を上回ったことによるものであります。
当連結会計年度においては、前年同期末に債務超過となったこと受け、主力事業であった太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退、早期退職による人員削減等の事業構造改革を進めるとともに、取引金融機関から借入金の元本返済猶予を取り付ける等の資金流出抑制に努めました。また一方で、資金確保の施策として、撤退事業に係る動産及び不動産の売却、新株予約権の発行による資金調達等を実施し、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末から1,518百万円増加する結果となっております。
資本の財源及び資金の流動性については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により一部設備等の引渡し時期が持ち越された、中国の江蘇三超社に対するダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡を完了するとともに、一定の生産条件達成時の対価と合わせた契約代金残額約12億円の回収を進めることを最優先とし、さらに事業基盤が確立されている特殊精密機器事業ならびに化学繊維用紡糸ノズル事業での目標数値を達成することで、営業キャッシュ・フローの最大化を図ってまいります。
また、取引金融機関からは2020年3月まで借入金の元本返済猶予について同意を取り付けておりましたが、2020年3月の工場売却に伴い担保設定額約16億円を返済し、2020年4月末にも江蘇三超社からの設備対価等の入金や新株予約権の行使による入金等を原資として約13億円を内入れ返済することと合わせ、毎月の約定返済も開始しております。
当社グループは、引き続き取引金融機関からの協力のもと、必要運転資金を確保しつつ、一定の返済を進めていくことで有利子負債の削減を図ってまいる予定ですが、現在取り組んでいる新規事業において、収益事業としての蓋然性が高まり事業拡大に伴う投資資金が必要となった際は、直接金融、間接金融または事業パートナーの探索等幅広い選択肢を持って資金確保に努めてまいります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
電子材料スライス周辺事業763,37614.7
特殊精密機器事業511,50292.8
化学繊維用紡糸ノズル事業859,44495.1
その他34,164158.3
合計2,168,48732.6

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記の生産高合計額は各セグメントの第50期連結会計年度における当期製品製造原価の合計額であり、製品たな卸高の増減が反映されておりませんので、連結損益計算書の売上原価とは一致しておりません。
4 電子材料スライス周辺事業における太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退や工場閉鎖により、前年同期に比べ生産高が大幅に減少しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
電子材料スライス周辺事業1,342,71570.8650,00013,266.6
特殊精密機器事業843,05992.3110,43598.0
化学繊維用紡糸ノズル事業1,668,411103.91,144,283159.4
その他8,38574.11403.4
合計3,862,57187.21,904,859226.9

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 電子材料スライス周辺事業における主力事業であった太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退や工場閉鎖により、前年に比べ受注高が減少しておりますが、江蘇三超社に対するダイヤモンドワイヤ生産設備の技術供与の契約締結により、受注残高が大幅に増加しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
電子材料スライス周辺事業697,61531.8
特殊精密機器事業845,28394.2
化学繊維用紡糸ノズル事業1,242,04372.6
その他12,370172.2
合計2,797,31358.2

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先第49期連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第50期連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
天津縦偉商貿有限公司413,0038.6332,80511.9
GCLグループ741,95615.428,7071.0

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 GCLグループはFuning GCL Photovoltaic Technology Co., Ltd. (中国)が主な販売先であります。
5 電子材料スライス周辺事業における主力事業であった太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業からの撤退や工場閉鎖により、前年同期に比べ販売高が大幅に減少しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(たな卸資産の評価、受注損失引当金、貸倒引当金)
当社グループは、前連結会計年度にダイヤモンドワイヤ販売事業における収益性の低下により、1,174百万円のたな卸資産評価損(全額売上原価)を計上し、当連結会計年度においても208百万円(売上原価91百万円、特別損失117百万円)を計上しております。当連結会計年度中に、太陽光発電向けダイヤモンドワイヤ生産事業から撤退しており、見込み生産による大量の在庫を保有する状況にはありませんが、化学繊維用紡糸ノズル事業においては、海外向けを中心に大型装置及び部品関係の受注が増加傾向にあり、電子材料スライス周辺事業においても、極細線ダイヤモンドワイヤ製造技術を活かした装置の開発、販売を志向しております。
当連結会計年度に特別損失として計上したたな卸資産評価損117百万円は、中国向け案件であり、顧客事由による予期せぬ案件中断の後、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け案件再開の見通しが立たないと判断したことにより計上したものであります。
今後、案件の大型化及び長期化に伴い、個々の案件に係る将来発生費用の見積り(受注損失引当金計上の検討)の重要性が増しており、また、海外案件増加により代金回収トラブル発生時の回収可能性の見積り(貸倒引当金計上の検討)の重要性も増しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。