有価証券報告書-第14期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,532,358千円となり、前連結会計年度末に比べ483,451千円増加いたしました。これは主に、未収入金が17,410千円減少したものの、現金及び預金が426,766千円、受取手形及び売掛金が49,513千円増加したこと等によるものであります。固定資産は561,204千円となり、前連結会計年度末に比べ122,894千円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が6,978千円、無形固定資産が43,374千円減少したものの、投資その他の資産が173,247千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,210,754千円となり、前連結会計年度末に比べ179,674千円増加いたしました。これは主に、賞与引当金が106,188千円、1年内返済予定の長期借入金が48,218千円減少したものの、前受金が149,529千円、短期借入金が100,000千円増加したこと等によるものであります。固定負債は192,441千円となり、前連結会計年度末に比べ30,026千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が20,848千円減少したものの、退職給付に係る負債が27,689千円、繰延税金負債が23,106千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,690,366千円となり、前連結会計年度末に比べ396,645千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が368,566千円、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が28,200千円増加したこと等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国や欧州各国における政治情勢の変動や金融政策動向、米中における貿易摩擦問題等による地政学的リスクが懸念され、先行き不透明な状況は依然として続いているものの、企業の生産活動の持ち直しによる企業収益や雇用・所得環境の改善、設備投資の増加等を背景として、引き続き緩やかな景気回復基調で推移しております。
当社の属する情報サービス産業におきましては、ビッグデータ、IoT、人工知能(AI)等の市場の拡大が引き続き見込まれる一方で、国内でこれらの開発を担う人材の不足が懸念されております。
このような状況の中、グローバル事業においては、主にフィリピンでのオフショア拠点を活用したITソリューション開発事業を展開しており、「ソフトウエアテストあるいは製造ラインの検査工程の自動化(Automation)」「ビッグデータと分析(Analytics)」「人工知能(AI)」等のコア技術を活かし、自動車、金融、医療、製造業および小売・サービス業等に向けコアソリューションを提案しております。さらに、積極的な新規採用、即戦力として中途採用等により、新規顧客の開拓を中心とした収益性の高い案件を受注する等、更なる事業拡大に向けた取組みに邁進しております。
メディカル事業においては、医療機関向けレセプト点検ソフトウエア『Mighty』シリーズのシェア拡大に向けた取組みを継続しております。2018年10月には「レセプト点検×AI」を実現した次世代型レセプトチェックシステムとして、レセプト点検ソフト「MightyChecker®」シリーズの新製品である「MightyChecker®EX」の発売を開始、医療期間のニーズに応えた機能を搭載・提供しております。また、オーダリングチェックソフト「MightyQUBE®」は、ストック型ビジネスとして安定した収益源を確保しており、さらに、クラウドコンピューティングを活用したレセプト点検およびデータ分析エンジンを構築することにより、事業ポートフォリオの構成を変革したことによる高収益モデルの確立を、当初計画より前倒しにて実施しております。
また、2018年6月にユニロボット株式会社、2018年9月に株式会社Liquidと資本提携を実施する等、当社の事業戦略のスローガンの1つである「協業企業様との投資を介したWin-Winモデル」の実現に向けた投資活動を積極的に展開、すでに株式会社Liquidとのラボ型開発に向けた協業をスタートしており、今後も現在、検討・交渉している複数の協業案件の早期実現および新たな事業ピラーの構築を目指し、継続的な成長戦略を推進してまいります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,555,013千円(前期比10.8%増)、営業利益564,459千円(前期比75.1%増)、経常利益591,431千円(前期比66.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益368,566千円(前期比73.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.グローバル事業
・グローバル部門
グローバル部門においては、フィリピンおよび日本における既存顧客からの継続・安定した堅調な受注と、大手新規顧客の増加が積み上がっていることに加え、ソフトウエアテストあるいは製造ラインの検査工程の自動化や分析等の当社コア技術を搭載した独自エンジンをアセット化し、それらソリューションの横串的展開を図ってまいりました。更には、自動車産業や小売サービス業等において、業界を代表する大手クライアントを中心に新規顧客を獲得、自動化やモバイル&クラウド等のコア技術を活用した、収益性の高い案件受注が大きく伸長しております。中国においては、既存顧客との関係強化による受注は拡大しており、コア技術を活かしたソリューション提案を含めた新規案件獲得のための営業活動を積極的に進めております。米国においては、今後の売上拡大を目指した積極的な営業活動を継続し、安定した収益の確保を図るとともに、中長期的な連結業績および企業価値向上に取り組んでおります。
・エンタープライズソリューション部門
エンタープライズソリューション部門においては、金融セクターを中心とした既存案件の堅調さに加え、公共インフラセクター等新規案件も順調に拡大しており、当社グループの成長戦略に沿った取り組みを積極的に実施しております。
また、いずれの部門においても、案件の増加および新規ソリューション開発に対応すべく、優秀な人材の積極的な採用活動を引き続き重点的に行っております。
以上の状況による売上高の伸長に加え、人材リソースのプラットフォーム化による効率的な運用による、稼働率向上による機会損失の回避、およびフィリピン・ペソの為替レートが引き続き円高基調で推移しコスト面で有利に働いたことが、増大する開発需要に対応するための人員強化に関する支出の増加をこなし、セグメント利益は計画を上回る水準で推移しております。
この結果、グローバル事業の売上高は2,307,524千円(前期比12.2%増)、セグメント利益は457,556千円(前期比68.8%増)となりました。
b.メディカル事業
メディカル事業においては、子会社である株式会社エーアイエスの主力製品であるレセプト点検ソフト「MightyChecker®」やオーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®」の導入医療機関が順調に増加しております。また、さらなる成長を目指し、2018年10月に次世代レセプトチェックシステム「MightyChecker®EX」の市場投入を実施し、大手病院グループをはじめ引き合いが多数きております。このように、医療の効率化や病院経営の改善ニーズ等を背景に、レセプト点検ソフトウエア市場におけるリーディングカンパニーとして、サブスクリプションモデルによる盤石な収益基盤が構築されたことに伴う売上の増加が、開発や人員強化などの戦略的投資に伴う支出の増加をこなし、セグメント利益は計画を上回る水準で推移しております。
この結果、メディカル事業の売上高は1,283,482千円(前期比8.9%増)、セグメント利益は446.946千円(前期比20.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ426,766千円増加し、1,602,245千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は567,998千円(前期比92.6%増)となりました。これは主に、賞与引当金の減少や法人税等の支払等があったものの、前受金の増加、税金等調整前当期純利益を計上したこと及び現金支出を伴わない減価償却費を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は206,696千円(前期比155.7%増)となりました。これは主に、投資有価証券の取得、有形固定資産の及び無形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は58,616千円(前期は51,022千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出があったものの、短期借入れによる収入及び新株予約権の行使による株式の発行による収入によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| グローバル事業 | 1,447,614 | 0.6 |
| メディカル事業 | 551,815 | 14.9 |
| 合計 | 1,999,429 | 4.2 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、製造原価(売上原価)によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| グローバル事業 | 2,178,780 | 13.1 | 410,923 | 37.4 |
| メディカル事業 | 1,402,514 | 17.7 | 728,560 | 19.8 |
| 合計 | 3,581,294 | 14.9 | 1,139,483 | 25.6 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| グローバル事業 | 2,272,692 | 11.5 |
| メディカル事業 | 1,282,321 | 9.6 |
| 合計 | 3,555,013 | 10.8 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し、資産・負債及び収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は3,555,013千円となり、前連結会計年度に比べ346,670千円増加いたしました。これは主に、グローバル事業において、大手新規顧客の増加および自動化や分析等の当社のコア技術を活用したソリューション案件が伸長したこと、また、メディカル事業において、主力製品であるMightyシリーズの導入医療機関の順調な増加により、サブスクリプションモデルによる盤石な収益基盤が構築されたことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の売上原価は1,999,429千円となり、前連結会計年度に比べ80,328千円増加いたしました。また、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は991,125千円となり、前連結会計年度に比べ24,248千円増加いたしました。
これらの増加は主に、グループ全体で、開発需要に対応するため戦略的に人員強化を実施したことによる、人件費の増加等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は564,459千円(前年同期比75.1%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は40,708千円となり、前連結会計年度に比べ22,302千円減少いたしました。これは主に、為替差益が減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は13,735千円となり、前連結会計年度に比べ16,146千円減少いたしました。これは主に、市場変更費用が減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は591,431千円(前年同期比66.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は368,566千円(前年同期比73.2%増)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債残高は135,909千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,602,245千円となっております。
内部留保については、安定した配当を継続しつつ、将来の成長のための事業展開と経営体質の強化に優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、今後の事業展開の過程において、出資、アライアンス、M&A等の投融資の可能性も積極的に追求してまいります。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。