有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/24 17:11
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,128,761千円となり、前連結会計年度末に比べ596,402千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が338,910千円、受取手形及び売掛金が113,488千円、仕掛品が21,004千円、未収入金が116,834千円増加したこと等によるものであります。固定資産は668,788千円となり、前連結会計年度末に比べ107,583千円増加いたしました。これは、有形固定資産が6,786千円減少したものの、無形固定資産が53,288千円、投資その他の資産が61,082千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,370,878千円となり、前連結会計年度末に比べ160,123千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が14,939千円、流動負債のその他に含まれる未払金が58,837千円減少したものの、買掛金が38,609千円、リース債務が67,110千円、前受金が56,561千円、受注損失引当金が51,975千円増加したこと等によるものであります。固定負債は208,744千円となり、前連結会計年度末に比べ16,303千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が15,061千円、退職給付に係る負債が14,360千円減少したものの、リース債務が18,595千円、繰延税金負債が27,050千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,217,926千円となり、前連結会計年度末に比べ527,559千円増加いたしました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ17,591千円増加したこと、および配当金の支払57,416千円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益533,345千円の計上により利益剰余金が475,928千円増加したこと等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用情勢の改善等を背景に国内の景気は緩やかな回復基調が続いておりましたが、新興国を中心とした景気の減速懸念、米国・欧州の政治動向等に加え、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)問題が世界的な広がりを見せており、先行きが不透明な状況にあります。
このような環境のもと、当社の属する情報サービス産業におきましては、ビッグデータ、IoT、人工知能(AI)等のIT技術革新が加速度的に発展し、市場の拡大が引き続き見込まれる一方で、国内でこれらの開発を担う人材の不足が懸念されております。
このような状況の中、グローバル事業においては、主にフィリピンでのオフショア拠点を活用したITソリューション開発事業を展開しており、「ソフトウエアテストあるいは製造ラインの検査工程の自動化(Automation)」「ビッグデータと分析(Analytics)」「人工知能(AI)」等のコア技術を活かし、金融/公共、自動車、医療、製造業および小売・サービス業等に向けコアソリューションを提案しております。さらに、既存の主要顧客や高度な新ソリューションに係る受注拡大を背景に、積極的な新規採用、即戦力としての中途採用に加え、プロジェクトマネジメントを担う人材を中心とした高度人材投資を本格化、将来の更なる事業拡大に向けた取組みに邁進しております。
メディカル事業においては、医療機関向けレセプト点検ソフトウエア『Mighty』シリーズのシェア拡大に向けた取り組みを継続しております。2018年10月に発売を開始した、「レセプト点検×AI」を実現した次世代型レセプトチェックシステム「MightyChecker®EX」の引き合いおよび販売も大手医療機関を中心に好調に推移し、レセプト点検ソフト「MightyChecker®」シリーズ、オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®」に代表されるストック型ビジネスを、盤石な収益基盤として確立しております。さらには収益性の低い受託案件の更なる絞り込みを行う一方、クラウドコンピューティングを活用したレセプト点検の推進や、学会や健保組合等へのデータ分析事業の取り組みを実施するなど、『Mighty』シリーズに併せて事業ポートフォリオの構成を変革したことにより、当初計画より前倒しにて高収益モデルを確立しております。
また、当社の事業戦略のスローガンの1つである「協業企業様との投資を介したWin-Winインベストメントモデル」の実現に向けた投資活動も引き続き積極的に展開しており、米国の新ITトレンドへのアクセスと先進技術に係るリサーチ機能の発現および当社ソリューションの米国におけるマーケティング推進などの取り組みを目的とし、米国IT先端企業を投資対象とするファンド「GoAhead Ventures」への出資を実施いたしました。今後も現在進行・交渉している国内外における複数の協業案件の早期実現および新たな事業ピラーの構築を目指し、継続的な成長戦略を推進してまいります。
一方、当社が保有する投資有価証券について、取得価額に比べて実質価額が著しく下落したため、投資有価証券評価損(113,498千円)を特別損失として計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,038,254千円(前期比13.6%増)、営業利益707,908千円(前期比25.4%増)、経常利益715,543千円(前期比21.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は533,345千円(前期比44.7%増)となり、通期におけるすべての利益が過去最高益を更新いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.グローバル事業
・グローバル部門
グローバル部門においては、ソフトウエアテストあるいは製造ラインの検査工程の自動化や組み込み開発、アプリケーション開発分野において、フィリピンおよび日本における既存のピラー顧客からの受注が大きく伸長いたしました。更には、大手PCメーカーやコンピューターゲーム開発・製造会社、大手商社に加え、自動車産業や小売サービス業における、業界を代表する大手顧客を中心に、顧客のピラー化・サブピラー化に向けた積極的な取り組みを強化しております。また、ソフトウエアテストあるいは製造ラインの検査工程の自動化やAI・分析、モバイル&クラウド等の当社コア技術を搭載した独自エンジンをアセット化しており、引き続きこれらソリューションの横串的展開も継続しております。中国においては、既存顧客との関係強化による受注は好調に推移しており、引き続きコア技術を活かしたソリューション提案を含めた案件を獲得し、収益力の向上を図ってまいります。米国においては、この度の「GoAhead Ventures」への出資、同社のネットワークを活用することにより、先進技術に係るリサーチ機能の強化を図ってまいります。
・エンタープライズソリューション部門
エンタープライズソリューション部門においては、金融セクターや公共インフラセクターを中心とした既存案件が堅調に拡大しており、更にはこれまでの中途を含めた積極的な人材投資効果が奏功し、売上・利益ともに前年同期比を大幅に上回って推移、当社グループの成長戦略に沿った取り組みを継続しております。
引き続きグローバル事業の両部門において、盤石な既存事業のキャッシュを、新規ソリューションの開発、さらには高度優秀な人材の積極的な採用・投資に振り向けることにより、今後更なる成長を見据えた戦略の実現を目指してまいります。
以上の状況による既存の主要顧客の売上高の伸長に加え、効率的なアサインによる稼働率の向上と機会損失の回避、 収益性の高い高度な新ソリューションに係る受注拡大が、増大する開発需要に対応するための人員強化および高度人材投資等の戦略的投資に関する支出の増加を吸収いたしました。
この結果、グローバル事業の売上高は2,736,908千円(前期比20.4%増)、セグメント利益は477,906千円(前期比4.4%増)となりました。
b.メディカル事業
メディカル事業においては、子会社である株式会社エーアイエスの主力製品であるレセプト点検ソフト 「MightyChecker®」およびオーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®」の導入医療機関数が引き続き順調に拡大しております。戦略的商品である、次世代レセプトチェックシステム「MightyChecker®EX」については、売上トップクラスの大手グループ内病院を含む多数の引き合いをいただいており、医療グループ内病院をはじめ導入数は堅調に推移いたしました。これら大手医療グループ内における横展開に加え、「直接販売の推進」および「マーケティング強化」を目的とした複数の金融機関との連携を開始しております。
また、医療クラウド新サービスSonaM(そなえむ)や、生損保向け新ソリューションの開発、その他データ分析(健保組合・学会等)など、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に立ち上げ、 Mightyシリーズに次ぐ将来の「新たなサブスク型の収益源」の確保に向け、積極的な投資を実施し、更なる収益率向上の実現に向けた施策に取り組んでまいります。
このように、医療の効率化や病院の経営改善ニーズの高まりを背景に、レセプト点検ソフトウエア市場におけるリーディングカンパニーとして、サブスクリプションモデルによる盤石な収益基盤が構築されたことに伴う利益の増加が、開発や人員強化、さらには新ソリューションなどの戦略的投資に伴う支出の増加をこなし、セグメント利益は計画を上回る水準で推移しております。
利益面につきましては、前倒しにて実現した高収益構造の確立と、プロジェクト毎の徹底した収益管理及び継続的なコスト削減、 戦略的案件以外の、利益率の低い受託案件の絞り込み等による外注費の削減等が奏功し、売上高セグメント利益率が 45.4%と、収益性が大幅に改善いたしました。
この結果、メディカル事業の売上高は1,301,345千円(前期比1.5%増)、セグメント利益は590,804千円(前期比32.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ338,910千円増加し、1,941,155千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は498,598千円(前期比12.2%減)となりました。これは主に、法人税等の支払や、売掛債権の減少、未収入金の減少等があったものの、税金等調整前当期純利益及び現金支出を伴わない減価償却費、投資有価証券評価損を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は69,486千円(前期比66.4%減)となりました。これは主に、投資有価証券の取得および有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は96,428千円(前期は58,616千円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入があったものの、リース債務の返済による支出及び配当金の支払い等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
グローバル事業1,852,77828.0
メディカル事業465,033△15.7
合計2,317,81215.9

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、製造原価(売上原価)によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
グローバル事業2,565,51320.1476,62316.0
メディカル事業1,340,825△4.7856,1044.8
合計3,906,33810.31,332,7288.6

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
グローバル事業2,736,90820.4
メディカル事業1,301,3451.5
合計4,038,25413.6

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
レノボ・ジャパン合同会社--407,05810.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.前連結会計年度については、当該割合が100分の10未満については、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し、資産・負債及び収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(退職給付引当金)
当社グループには、従業員の退職給付に備えるため、確定給付年金制度を採用し当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上している会社が存在します。確定給付年金制度の計算に用いる数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。そのため、経営環境の著しい変化等により、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は4,038,254千円となり、前連結会計年度に比べ483,240千円増加いたしました。これは主に、グローバル事業において、大手新規顧客の増加および自動化や分析等の当社のコア技術を活用したソリューション案件が伸長したこと、また、メディカル事業において、主力製品であるMightyシリーズの導入医療機関の順調な増加により、サブスクリプションモデルによる盤石な収益基盤が構築されたことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,038,254千円(前年同期比13.6%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の売上原価は2,317,812千円となり、前連結会計年度に比べ318,383千円増加いたしました。また、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,012,533千円となり、前連結会計年度に比べ21,407千円増加いたしました。
これらの増加は主に、グループ全体で、開発需要に対応するため戦略的に人員強化を実施したことによる、人件費の増加等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は707,908千円(前年同期比25.4%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は30,582千円となり、前連結会計年度に比べ10,125千円減少いたしました。これは主に、保険解約返戻金が減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は22,947千円となり、前連結会計年度に比べ9,211千円増加いたしました。これは主に、為替差損が減少したものの、リース支払利息および投資事業組合運用損を計上したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は715,543千円(前年同期比21.0%増)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は113,498千円となり、前連結会計年度に比べ112,248千円増加しました。これは主に、投資有価証券評価損を計上したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は602,044千円(前年同期比2.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計)は68,699千円となり、前連結会計年度に比べ152,915千円減少しました。これは主に、当社において回収可能性のある繰延税金資産を計上したことから税金費用が減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は533,345千円(前年同期比44.7%増)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、事業成長と将来の成長を見据えた戦略的投資と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債残高は200,767千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,941,155千円となっております。
内部留保については、安定した配当を継続しつつ、将来の成長のための事業展開と経営体質の強化に優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、今後の事業展開の過程において、出資、アライアンス、M&A等の投融資の可能性も積極的に追求してまいります。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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