有価証券報告書-第6期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/29 15:06
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【項目】
82項目
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当事業年度における日本経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に、緩やかな回復基調が続いておりますが、その一方で、米国の保護主義的な通商政策や金融市場の変動等、海外の不安定な政治動向や地政学リスクが与える影響の懸念などもあり、景気の先行きは依然不透明な状況が続きました。
コミックを中心とする電子書籍市場は、スマートフォン・タブレットユーザーの増加を背景に、テレビやインターネットによる広告宣伝やマンガアプリ・サービスの普及による電子書籍ユーザーの拡大及び電子書籍ストアや出版社によるキャンペーンの拡大や電子書籍ストアのマーケティングノウハウ蓄積によるユーザー平均購入量の増加が続いております。そのほか、無料施策をフックに課金や広告でマネタイズするマンガアプリも拡大しており、出版社の自社アプリも増加しております。
今後もスマートフォン・タブレット等のデバイスの進化や保有者の増加をベースに、認知度の拡大や利便性の向上による利用率の上昇、紙媒体の書籍との同時発売の増加、電子書籍ストアのマーケティングノウハウの高度化、電子オリジナルのコンテンツや付加価値のついた電子書籍の販売、セルフパブリッシングの拡大等により、電子書籍及び電子コミック市場の拡大が続くことが予想されております。2017年度の電子書籍市場規模は2,241億円(内、電子コミックは1,845億円であり、全体の82%を占める)と推計され、2016年度の1,976億円から265億円(前年度比13.4%)増加しました。2022年度には2017年度の約1.4倍の3,150億円に拡大すると予測されております。また、有料電子書籍の利用率は17.7%にとどまっておりますが、有料電子書籍利用者数は2015年度から2018年度には1.38倍に増加しております。(出典:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2018」)
しかしながら、電子書籍のビジネスモデルの多様化や成熟によって電子書籍市場が徐々に飽和していくことも想定されます。また、海賊版サイト等電子書籍市場の健全な成長を阻害する動きも懸念されておりますが、海賊版サイトに誘導するリーチサイトや静止画のダウンロード禁止を目的とした「著作権法改正」や広告出稿の抑制の働きかけ等、政府による海賊版サイトへの総合対策の動きもありました。
このような市場環境の中で、当社はオリジナルコンテンツの創出や先行配信タイトル等による他社サービスとの徹底的な差別化を進めております。また、AI活用による作品レコメンド機能の改善や決済手段の拡充、新刊自動購入機能の導入など、よりお客様にご利用いただきやすいサービスへの改善を継続的に進めてまいりました。
加えて、当社は2018年11月には小説投稿サービス「ノベルバ」を運営する株式会社ノベルバを買収し、同年12月には無料マンガアプリ「コミックevery」をリリースする等、電子書籍ビジネスの領域拡大に踏み出しました。
なお、当社は2018年4月、他の電子書店4社と連携して発起人となり、健全な市場の発展を目的とした「日本電子書店連合」を設立しました。インターネットを通じて読者へコンテンツを届けている電子書店として読者に対する正規版購入への理解促進と啓発活動を率先して行ってまいります。また、当社は著作権者からコンテンツの使用許諾を得た正規版サービスであることを示す「ABJマーク」の使用許可を得ております。
以下、当事業年度における当社コンテンツプラットフォーム事業の主な活動状況であります。
電子書籍ビジネスの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」においては、累計38作品となるオリジナルコンテンツの配信や販促キャンペーンの実施、約50ページ以上が無料で読める「じっくり試し読み」の充実等により、お客様の利用を促進する施策を展開いたしました。また、Apple PayやAmazon Pay等、決済手段の拡充により、お客様によりお手軽にご利用いただけるような改善を行いました。オリジナルコンテンツの創出では、出版社や作家とのコンテンツ創出だけでなく、小説投稿サービス「ノベルバ」(同サービスを運営する株式会社ノベルバを2018年11月に買収しております。)と共同でコミカライズコンテストを実施する等、新しい手法でのコンテンツ創出にも取り組んでおります。この結果、2018年9月には会員登録数150万人、2019年1月には会員登録数200万人を突破いたしました。また、2018年12月には、年齢・性別問わず、すべての漫画好きな皆さまの生活に密着した無料マンガアプリ「コミックevery」をリリースしております。
ゲームビジネスにおいては、株式会社ジー・モードからリリースされていた累計150万ダウンロード以上の人気ゲーム「スカイガレオン」シリーズの最新作「蒼天のスカイガレオン」の配信決定を発表し、リリースに向けた開発に取り組んでおります。また、株式会社オルトプラスと両者の強みを活かしたスマートフォン向けアプリゲーム制作プロジェクトも推進しております。
その他ビジネスにおいては、「FUNDIY STORE」の取扱い商品の拡充を継続的に進めたほか、IPの掘りおこしやイベントの開催等、様々なコンテンツのプロデュースに取り組みました。女性向けメディアミックスプロジェクト「遊星高校 天文部」では第1弾としてオリジナルコミックの配信を開始し、現在第8巻まで配信しております(2019年1月時点)。
この結果、当事業年度の売上高は9,190,387千円(前年同期比2.4%増)、営業利益は517,229千円(前年同期比54.1%減)、経常利益は495,878千円(前年同期比54.4%減)、当期純利益は260,898千円(前年同期比61.6%減)となりました。
なお、当社はコンテンツプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(2) 財政状態
① 資産の部
当事業年度末における資産は7,104,602千円となり、前事業年度末に比べ583,743千円減少しました。
流動資産については2,667,435千円となり、前事業年度末に比べ811,221千円減少しました。これは主に、未収消費税等が125,161千円増加した一方で、現金及び預金が940,071千円減少したことによるものです。
固定資産は4,437,167千円となり、前事業年度末に比べ227,477千円増加しました。これは主に、投資その他の資産が211,600千円増加したことによるものです。
② 負債の部
当事業年度末における負債は2,221,646千円となり、前事業年度末に比べ492,634千円減少しました。
流動負債は1,621,646千円となり、前事業年度末に比べ252,634千円減少しました。これは主に、買掛金が160,889千円増加した一方で、未払金が67,754千円、未払法人税等が293,803千円減少したことによるものです。
固定負債は600,000千円となり、前事業年度末に比べ240,000千円減少しました。これは、長期借入金が240,000千円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
当事業年度末における純資産は4,882,956千円となり、前事業年度末に比べ91,109千円減少しました。これは主に、利益剰余金が260,898千円増加したこと及び自己株式が373,148千円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、68.7%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ940,071千円減少し874,075千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における営業活動においては、主な資金増加要因として、税引前当期純利益504,374千円、減価償却費123,057千円、のれん償却費243,897千円、仕入債務の増加額160,889千円等がありました。これに対して主な資金減少要因として、未払金の減少額63,128千円、未払又は未収消費税等の増減額165,284千円、法人税等の支払額480,740千円等がありました。
この結果、獲得した資金は310,802千円(前年同期は1,335,705千円の獲得)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における投資活動においては、資金増加要因として、子会社の清算による収入14,368千円がありました。これに対して主な資金減少要因として、無形固定資産の取得による支出382,388千円、貸付けによる支出50,000千円、関係会社株式の取得による支出205,388千円等がありました。
この結果、使用した資金は636,095千円(前年同期は80,052千円の使用)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度における財務活動においては、資金増加要因として、株式の発行による収入21,226千円がありました。これに対して主な資金減少要因として、長期借入金の返済による支出240,000千円、自己株式の取得による支出376,305千円等がありました。
この結果、使用した資金は614,778千円(前年同期は80,409千円の使用)となりました。

(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
(2) 受注実績
当社は、「FUNDIY STORE」での取扱い商品の一部において受注販売も行いましたが、受注から販売までの期間が短期であるため、当該記載を省略しております。
(3) 販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はコンテンツプラットフォーム事業のみの単一セグメントであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
コンテンツプラットフォーム事業9,190,387102.4
合計9,190,387102.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度
(自 2017年1月1日
至 2017年12月31日)
当事業年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
販売高
(千円)
割合(%)販売高
(千円)
割合(%)
株式会社NTTドコモ3,117,56634.72,887,23731.42
GMOペイメントゲートウェイ株式会社1,289,16414.42,067,09622.49
KDDI株式会社2,225,72024.82,066,50822.49
ソフトバンク株式会社1,581,05317.61,421,09215.46

3.上記取引先は決済代行事業者であり、ユーザーからの代金回収を代行しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績
(概況)
当社の経営成績は、当事業年度において売上高は9,190,387千円(前年同期比2.4%増)となり、営業利益は517,229千円(前年同期比54.1%減)、経常利益は495,878千円(前年同期比54.4%減)、当期純利益は260,898千円(前年同期比61.6%減)となりました。
なお、当社は、株主資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけております。当事業年度末の株主資本当期純利益率(ROE)は5.3%(前年同期16.3%)となり前事業年度末と比較して11.0%減少いたしましたが、その向上に努めてまいります。
① 売上高
スマートフォンやタブレット向けを中心に、電子書籍市場は拡大していると推計されておりますが、その一方で、競合他社の新規参入が増加しており、競争が激化しております。
このような環境の中、当社は、オリジナルコンテンツの配信や販促キャンペーンの実施、約50ページ以上が無料で読める「じっくり試し読み」の充実等により、お客様の利用を促進する施策を展開いたしました。
② 売上原価
売上高に応じて、売上原価が5,048,195千円(前年同期比10.8%増)発生いたしました。
③ 販売費及び一般管理費
中長期的な会員獲得を目的として、広告宣伝及び販売促進を強化しております。
テレビコマーシャルを含む戦略的広告宣伝の強化により、広告宣伝費が2,668,731千円発生いたしました。広告宣伝は、継続的に効果検証を実施し効率化を図っております。
この結果、販売費及び一般管理費合計は3,624,962千円(前年同期比10.1%増)となりました。
④ 営業外費用
銀行からの借入により、支払利息が7,286千円及び融資手数料が2,891千円、当社株式の東京証券取引所市場第一部への市場変更により、上場関連費用が13,759千円、自己株式の取得により、自己株式取得費用が3,157千円発生いたしました。
この結果、営業外費用は27,436千円(前年同期比32.5%減)となりました。
⑤ 特別利益
当社の連結子会社であった南京波波魔火信息技木`有限公司の清算結了により、子会社清算益が16,768千円発生し、特別利益は16,768千円(前年同期比11.8%増)となりました。
⑥ 当期純利益
法人税、住民税及び事業税を218,579千円、法人税等調整額を24,896千円を計上した結果、当期純利益は260,898千円(前年同期比61.6%減)となりました。
なお、グループ再編の実施に伴い発生したのれん償却費を販売費及び一般管理費に243,897千円計上しており、これを控除した、のれん償却前経常利益は739,775千円(前年同期比44.4%減)、のれん償却前当期純利益は504,796千円(前年同期比45.3%減)になります。
(3) キャッシュ・フロー
「(経営成績等の状況の概要)(3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業活動に必要な資金について、流動性の高い現金及び現金同等物として保持しております。
当社の主な資金需要は、ロイヤリティ等の原価、広告宣伝費をはじめとする販売費及び一般管理費等の営業費用のほか、ゲーム/その他ビジネスへの参入、立上げを目的とする投資資金であります。これらの資金需要につきましては自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの短期借入により調達する方針であり、取引銀行4行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
なお、本報告書提出日現在において、特記すべき重要な資本的支出の予定はありません。
(5) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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