有価証券報告書-第16期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 14:26
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114項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、引き続き雇用環境や所得水準の改善などの傾向が見られたものの、米中貿易摩擦の激化に加え、第4四半期会計期間には新型コロナウイルス感染症の流行による経済活動の停滞などから、先行きが極めて不透明な状況となっております。また、米国を中心に回復傾向にあった世界経済についても、感染症の流行拡大の影響により、景気の下押し圧力が急速に強まってまいりました。
当社の事業に関わる高齢社会に関連する市場は、高齢者の増加と共に年々拡大する傾向にあり、ヘルスケアサービスの需要はますます高まりつつあります。また、いわゆる「2025年問題」と呼ばれる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることによる介護や医療などの社会保障費の急増が喫緊の課題であることから、健康寿命の延伸に向けて、高齢者の健康維持・向上に重点をおいた短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)の需要は今後も高まることが予想されます。一方で、介護業界では人材不足が深刻化してきており、人財の確保が重要な経営課題として認識されております。2019年10月にはその一つの対応策として、介護職員特定処遇改善加算が制定されるとともに、同時期に実施されました消費税増税に伴う基本報酬の増額改定が行われております。
このような状況の中、当社は「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」をミッションと位置づけ、短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)「レコードブック」店舗ネットワークの拡大及びケアマネジャー会員ネットワーク「ケアマネジメント・オンライン」を活用したサービスの拡大に注力いたしました。また、レコードブック事業の全国展開及び将来の事業拡大等を着実に加速させていくため、フランチャイズ本部機能を継続的に強化してまいりました。さらに、政府の介護離職ゼロに向けた取り組みを受けて、Webソリューション事業における仕事と介護の両立支援事業を引き続き積極展開するとともに、シルバーマーケティング支援については、メディカルソリューションの分野での本格展開を目指し、新サービスの開発を進めてまいりました。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績の状況は次のとおりとなりました。
a. 財政状態
当事業年度末における資産合計は2,458,944千円となり、前事業年度末に比べ552,316千円増加いたしました。当事業年度末における負債合計は1,606,277千円となり、前事業年度末に比べ515,930千円増加いたしました。当事業年度末における純資産は852,666千円となり、前事業年度末に比べ36,385千円増加いたしました。
b. 経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高が3,575,830千円(前期比6.3%増)となりました。また、営業利益は216,579千円(前期比134.0%増)、経常利益は216,417千円(前期比108.6%増)、当期純利益は122,350千円(前期比89.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(ヘルスケアソリューション事業)
レコードブック事業におきましては、当事業年度において短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)「レコードブック」のフランチャイズが27ヵ所増加しております。また、フランチャイズ加盟店1ヵ所を譲受けた結果、直営店が28ヵ所、フランチャイズが143ヵ所となりました。
そのほか、名古屋鉄道株式会社との合弁会社である株式会社名鉄ライフサポートが愛知県を中心に展開する「名鉄レコードブック」は、当事業年度末において19ヵ所となっております。
これにより、「レコードブック・ブランド」の店舗が合計で190店舗(前事業年度末は157店舗)となりました。
これらの店舗増加に伴う収入の増加に加え、2018年4月からの介護報酬改定の影響を受けて下落していた顧客単価につきましても、前事業年度より進めてきた新たな加算の取得に加え、2019年10月からは介護職員特定処遇改善加算の取得及び消費税増税に伴う基本報酬の増額改定の影響も加わり、前事業年度と比べ上昇しております。この結果、売上高、営業利益ともにレコードブック事業全体として大きく増加いたしました。
また、Webソリューション事業におきましては、当事業年度において本格展開に向け新サービスの開発を進めているメディカルソリューション分野での案件獲得が始まりました。一方、既存のシルバーマーケティング支援及び仕事と介護の両立支援では前期の売上高を下回った結果、Webソリューション事業全体の売上高、営業利益はやや減少しております。
以上の結果、売上高は2,357,492千円(前期比12.1%増)、営業利益は399,298千円(前期比56.1%増)となりました。
(在宅サービス事業)
介護業界では人材不足により採用難が深刻化しております。当社においても有資格者の減員などによるサービス提供量減少により売上高がやや減少いたしましたが、効率的な運営等による工夫を行うことにより営業利益の減少幅は最小限に留めることができました。
この結果、売上高は1,218,337千円(前期比3.4%減)、営業利益は335,930千円(前期比4.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ500,231千円増加し、930,176千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は395,446千円(前事業年度は153,675千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益190,835千円、減価償却費122,304千円、預り金の増加額96,637千円などによる資金の増加が、法人税等の支払額16,177千円、未払費用の減少額22,312千円などによる資金の減少を上回ったことによるものであります。
減価償却費及び預り金の増加額は、いずれも主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗の増加によるものであります。未払費用の減少額は、主に前事業年度末が休日であったことから社会保険料の引落時期が異なっていたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は170,433千円(前事業年度は167,930千円の使用)となりました。これは主に、事業譲渡による収入9,820千円などによる資金の増加が、有形固定資産の取得による支出158,001千円、差入保証金の差入による支出12,708千円などによる資金の減少を下回ったことによるものであります。
事業譲渡による収入は、過年度のレコードブック店舗の譲渡によるものであります。有形固定資産の取得は、主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗の増加に伴う内装工事等の増加によるものであります。差入保証金の差入による支出は、主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗の増加に伴う敷金の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は275,218千円(前事業年度は38,941千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入による収入200,000千円、短期借入金の純増加額360,000千円などによる資金の増加が、長期借入金の返済による支出178,289千円、自己株式の取得による支出99,960千円などによる資金の減少を上回ったことによるものであります。
長期借入による収入及び短期借入金の純増加額は、主に新型コロナウイルス感染拡大に備え、経営の安定化を図るべく、手元資金を厚くすることを目的に借入を行ったことによるものであります。自己株式の取得による支出は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元を図る目的で2019年5月から6月にかけて実施した自己株式取得によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
ヘルスケアソリューション事業(千円)2,357,492112.1
在宅サービス事業(千円)1,218,33796.6
合計(千円)3,575,830106.3

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先については、当社は一般個人を対象とした介護サービス事業が中心であり、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析及び検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なることがあります。
なお、当社が財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計方針」及び「同 追加情報」に記載されたとおりでありますが、財務状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針及び見積りは、以下のとおりと考えております。
a. 固定資産
当社ではレコードブック事業及び在宅サービス事業等において多数の事業所を出店しております。固定資産の減損については、原則として、事業所単位を基準としてグルーピングし、減損の兆候の有無の判定を行なっており、減損の兆候があった場合、将来キャッシュ・フロー等を見積り、減損の要否を判定いたします。判定の結果、減損が必要と判断された資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減損処理いたします。当社としては、各事業所の収益管理を徹底し採算性の悪い事業所に対しては積極的に対策を講じておりますが、将来、事業環境の変化や競争の激化等により、不採算事業所の増加や閉鎖が増加した場合には、多額の減損損失が発生する可能性があります。
当事業年度においては、総額25,581千円の減損損失を計上しております。
b. 繰延税金資産
当社では、繰延税金資産の回収可能性について毎期検討を行い、回収可能性に問題がないと判断した金額を計上することとしております。繰延税金資産の回収可能額は、将来の課税所得の見積りに依存しておりますが、課税所得の見積りは将来の事業環境や事業活動の推移、その他の要因により変化いたします。当社としては、将来の課税所得見積りは、機関決定された利益計画等を基礎にその実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しておりますが、将来の事業環境や経営成績が著しく変化し、将来の課税所得の見積りに大きな変化が生じた場合や、税制改正により税率の変更が生じた場合等には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上が発生する可能性があります。
c. 資産除去債務
当社では、店舗及び事務所等の建物の賃貸借契約に基づき、退去時の原状回復費用等の支出に備えるため、将来に発生すると見込まれる原状回復費用の支出見込み額を過去の実績を基礎として算定し、これを現在価値に割り引いた金額を資産除去債務として負債計上しております。将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、実際の原状回復費用等が異なる場合には、退去時に追加の費用負担が必要となる可能性があります。また、原状回復費用の支出見込み額に重要な見積りの変更が生じた場合には、有形固定資産の帳簿価額が増減し、将来の減価償却費に影響を与えることになります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は1,628,294千円となり、前事業年度末に比べ515,980千円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金が500,231千円、前払費用が12,339千円、貯蔵品が10,156千円増加したことによるものであります。前払費用の増加は主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗の増加に伴う地代家賃等の増加によるものであります。貯蔵品の増加は、主にレコードブック事業におけるユニフォームの在庫の増加によるものであります。
(固定資産)
固定資産は830,650千円となり、前事業年度末に比べ36,335千円増加いたしました。その主な要因は、レコードブック事業におけるフランチャイズ店舗の増加に伴い、建物(純額)が10,031千円、差入保証金が8,391千円、繰延税金資産が26,076千円増加した一方、工具、器具及び備品(純額)が7,248千円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は1,310,413千円となり、前事業年度末に比べ467,876千円増加いたしました。その主な要因は、短期借入金が360,000千円、未払法人税等が82,496千円、預り金が87,436千円増加した一方、1年内返済長期借入金が24,330千円、未払費用が22,312千円減少したことによるものであります。短期借入金の増加は、主に新型コロナウイルス感染拡大に備え、経営の安定化を図るべく、手元資金を厚くすることを目的に借入を行ったことによるものであります。預り金の増加は主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗増加に伴う介護報酬の預り金の増加によるものです。未払費用の減少は主に前事業年度末が休日であったことから社会保険料の引落時期が異なっていたことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は295,864千円となり、前事業年度末に比べ48,054千円増加いたしました。その主な要因は、長期借入金が46,041千円増加したことによるものであります。長期借入金の増加は、主に新型コロナウイルス感染拡大に備え、経営の安定化を図るべく、手元資金を厚くすることを目的に借入を行ったことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は852,666千円となり、前事業年度末に比べ36,385千円増加いたしました。その主な要因は、当期純利益の計上による増加122,350千円及び、譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分による増加12,282千円、自己株式取得による減少99,960千円によるものであります。自己株式取得は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元を図る目的で2019年5月から6月にかけて実施したものであります。譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分は、当社の取締役及び執行役員を対象として、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与するとともに、株主の皆さまと一層の価値共有を進めることを目的に2019年7月及び2020年1月に実施したものであります。
なお、セグメントごとの財政状態については、セグメントごとの資産及び負債の情報を経営資源の配分の決定及び業績を評価するための対象とはしていないため、記載しておりません。
b. 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は3,575,830千円となり、前事業年度に比べ212,672千円増加いたしました。
これは、ヘルスケアソリューション事業における売上高が2,357,492千円(前期比12.1%増)であった一方で、在宅サービス事業の売上高が1,218,337千円(前期比3.4%減)であったことによるものであります。
ヘルスケアソリューション事業において売上高が増加した主な要因は、レコードブック事業において、当事業年度において直営店とフランチャイズ店合計で27ヵ所増加したことに伴う収入の増加に加え、前事業年度より進めてきた新たな加算の取得や、2019年10月から取得している介護職員特定処遇改善加算及び消費税増税に伴う基本報酬の増額改定の影響による顧客単価の上昇によるものであります。
在宅サービス事業において売上高が減少した主な要因は、有資格者の減員などによりサービス提供量が減少したことによるものであります。
(売上総利益)
当事業年度の売上原価は2,361,470千円となり、前事業年度に比べ72,632千円増加いたしました。
その主な要因は、ヘルスケアソリューション事業においてレコードブックのフランチャイズ店新規出店に伴い地代家賃及び内装工事費用の減価償却費が増加したことによるものであります。
この結果、売上総利益は1,214,359千円(前期比13.0%増)となりました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は997,780千円となり、前事業年度に比べ16,013千円増加いたしました。
その主な要因は、ヘルスケアソリューション事業においてレコードブックのフランチャイズ店新規出店に伴い広告宣伝費が増加したことの影響が、ヘルスケアソリューション事業及び在宅サービス事業において中途採用のための紹介料などの採用教育費が減少したことの影響を上回ったことによるものであります。
この結果、営業利益は216,579千円(前期比134.0%増)となりました。
なお、セグメント別の利益につきましては、ヘルスケアソリューション事業が399,298千円(前期比56.1%増)となった一方で、在宅サービス事業は335,930千円(前期比4.0%減)、各報告セグメントに配分していない全社費用は518,648千円(前期比1.1%増)となりました。また、セグメント別の利益率につきましては、ヘルスケアソリューション事業が16.9%(前期比4.7ポイント増)、在宅サービス事業は27.6%(前期比0.1ポイント減)となりました。
(経常利益)
当事業年度の営業外収益は12,032千円となり、前事業年度に比べ9,295千円減少いたしました。
その主な要因は、レコードブックの店舗譲渡に伴う事業譲渡益が減少したことや前事業年度に計上していた保険解約返戻金がなくなった影響が、当事業年度新たに固定資産売却益を計上したことによる影響を上回ったことによるものであります。
当事業年度の営業外費用は12,194千円となり、前事業年度に比べ2,043千円増加いたしました。
その主な要因は、フランチャイズ店舗増加や借入金の増加に伴う支払利息の増加によるものであります。
この結果、経常利益は216,417千円(前期比108.6%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度及び前事業年度において、特別利益に計上すべきものはありませんでした。
当事業年度の特別損失は25,581千円となり、前事業年度に比べ15,121千円増加いたしました。
その主な要因は、想定していた収益を見込めなくなった一部店舗の固定資産について計上した減損損失が増加したことによるものであります。
この結果、税引前当期純利益は190,835千円(前期比104.6%増)となりました。
また、法人税等合計は68,485千円(前期比138.5%増)となりました。
税効果会計適用後の法人税等の負担率については35.9%(前期と比べ5.1ポイント増)となり、前事業年度と比べ増加いたしました。その主な要因は、所得拡大促進税制による税額控除の影響額が減少したことによるものであります。
この結果、当期純利益は122,350千円(前期比89.5%増)となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社が今後更なる成長と発展を遂げ、より良いサービスを提供していくために、経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。
それらの課題に対応するために経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
また、必要な人材を適時に採用すると同時に、教育研修に注力することで営業力の強化と企業規模の拡大に対応した内部管理体制の強化を図り、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。
c. キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、レコードブック等の店舗運営にかかる費用、販売費及び一般管理費等の営業費用、納税資金であります。店舗運営にかかる費用の内訳は、労務費、地代家賃、ソフト利用料及びリース料等であります。営業費用の内訳は、人件費、広告宣伝費及び地代家賃等であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、レコードブック等の店舗開発にかかる費用であります。この内訳は、内装工事費、運動機器等の工具、器具及び備品、差入保証金等であります。
資金調達につきましては、事業計画に基づき、主に内部資金及び金融機関からの借入等により調達しております。また機動的な資金確保のため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。なお、将来大規模な投資資金などの資金需要が発生した場合には、エクイティファイナンス等による調達手段を検討してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響が拡大し今後長期化するリスクに備え、経営の安定化を図るべく、手元資金を厚くすることを目的として、国内金融機関より2020年3月から5月にかけて新たに借入を実施しております。
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社は、「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」をミッションと位置づけ、当社のヘルスケアプラットフォームを活用することで、高齢者の生活環境の整備や介護現場の情報整備をするとともに、高齢者の健康寿命の延伸に貢献したいと考えております。当該ミッションを果たすために、現状は、当社のコアコンピタンスである「レコードブック店舗ネットワーク」と「ケアマネジャーネットワーク」の2つのプラットフォームを活用したヘルスケアソリューションの開発に力を入れております。
「レコードブック店舗ネットワーク」においては、首都圏及び関西圏のみならず全国にレコードブック店舗ネットワークを拡大させたいと考えております。当事業年度末における店舗数は、直営店が28ヵ所、フランチャイズが143ヵ所、名古屋鉄道株式会社との合弁会社である株式会社名鉄ライフサポートが展開する「名鉄レコードブック」が19ヵ所、合計で190ヵ所となりました。「ケアマネジャーネットワーク」においては、介護が必要な高齢者と社会をつなぐインフラとしての役割をより一層拡大させることを目指しております。ケアマネジャー向けに運営している専門Webサイト「ケアマネジメント・オンライン」の当事業年度末における会員数は、約9万4千人となりました。
具体的な経営指標としては、ROE(自己資本利益率)や売上高営業利益率を高めていくことを目標としております。当事業年度のROEは14.7%(前期比6.0ポイント増)となりました。今後は、必要な成長投資を強化しつつ収益力を底上げすることによりROEを高めてまいりたいと考えております。当事業年度の売上高営業利益率は6.1%(前期比3.3ポイント増)となりました。今後は、高付加価値のサービス提供による効率的な利益の獲得により、売上高営業利益率の向上を目指してまいります。
将来的には、既存事業の更なる成長施策に加え、新規事業の立ち上げや、資本・業務提携を通じて、ヘルスケアソリューションを提供する会社として、企業価値の更なる拡大を図ってまいります。