有価証券報告書-第63期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/17 15:05
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、米国の通商政策等の影響が一部にみられたほか、物価高騰の影響等により個人消費の持ち直しに鈍さがみられたものの、雇用・所得環境の改善等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、資源価格や原材料価格が高水準で推移しているほか、円安基調の継続や金利上昇への警戒感、米国の関税等の政策動向の影響に加えて、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格への影響懸念等もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは、原材料価格やエネルギーコストの高止まり、EV市場の成長鈍化、米国通商政策の不透明感等、厳しい事業環境の中、生産効率の向上、低収益製商品の戦略見直し、高付加価値製品の開発や新規事業の開拓等に積極的に取り組んでまいりました。また、マテリアルソリューション事業では有限会社ミネのグループ化、アドバンストテクノロジー事業でのインド現地法人Wavelock Advanced Technology India Pvt Ltd.の営業開始等、収益基盤の強化を図ってまいりました。
この結果、当社グループ全体の売上高は251億37百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は4億45百万円(前年同期比9.9%増)、経常利益は6億65百万円(前年同期比4.6%減)、公開買付関連費用等の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は3億2百万円(前年同期比42.0%減)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの経営成績は以下のとおりであります。
なお、各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
(マテリアルソリューション事業)
マテリアルソリューション事業については、ビルディングソリューション分野において、仮設資材用ターポリン、雑貨用フィルムおよび衣料用途については低調に推移したものの、仮設資材用メッシュシートおよび間仕切用シート等の販売が好調に推移しました。アグリソリューション分野においては、猛暑の影響に加え、お茶事業の好調などを背景に、遮光網等の需要が高水準で推移しました。リビングソリューション分野においては、防虫網の販売がホームセンターおよびサッシメーカー向けにおいて、前年度同様低調に推移しました。パッケージングソリューション分野においては、物価高を背景にコンビニ向け食品容器の需要が低下し、販売数量が減少しました。この結果、事業全体の売上高は198億54百万円(前年同期比1.7%増)となりました。また、原材料価格やユーティリティコストの高騰を受けて、販売価格への転嫁に注力したことや、生産効率の向上による原価低減や継続的なコスト削減に努め、セグメント利益は10億1百万円(前年同期比10.0%増)となりました。
(アドバンストテクノロジー事業)
アドバンストテクノロジー事業については、拡大するインド市場に注力することを目的として現地に営業拠点を設立し、2025年4月より活動を開始いたしました。デコレーション&ディスプレー分野において、金属調加飾フィルムおよび高透明多層フィルムともに既存製品の量産供給を継続する一方、新規案件については車載エンブレム用途を中心に量産供給を開始しました。金属調加飾フィルムは、欧州市場における車両外装大型パーツの量産移行や、インド市場での新規車載エンブレム用途の需要増加等により一部地域においては好調に推移したものの、中国市場では採用車種の生産調整の影響によりエンブレム用途の販売が大幅に減少しました。また北米市場においては追加関税措置やEV車優遇政策の打ち切り等の影響により、車載向け金属調加飾フィルムおよび成形加工品の販売が減少しました。高透明多層フィルムについては、車両内装ディスプレー、加飾パーツ、HUD(ヘッドアップディスプレー)カバーおよびEV充電スタンドカバー等に採用され量産化が進みましたが、採用車種の一部における減産等の影響を受け、販売は低調に推移しました。この結果、事業全体の売上高は53億23百万円(前年同期比12.7%減)となりました。また、品質の安定化と生産効率の向上やコスト削減に努めたものの、セグメント利益は60百万円(前年同期比50.2%減)となりました。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億48百万円増加し、300億35百万円となりました。
流動資産は3億7百万円増加し、180億76百万円となりました。これは主に受取手形が1億48百万円、電子記録債権が1億73百万円、製品が4億97百万円減少したものの、現金及び預金が8億93百万円、原材料が1億62百万円、仕掛品が1億52百万円増加したことによるものであります。
固定資産は5億41百万円増加し、119億59百万円となりました。これは主に有形固定資産が3億66百万円、無形固定資産が67百万円、投資有価証券が86百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ8億18百万円増加し、133億2百万円となりました。
流動負債は15億88百万円増加し、82億89百万円となりました。これは主に短期借入金が17億円増加したことによるものであります。
固定負債は7億70百万円減少し、50億12百万円となりました。これは主に長期借入金が8億4百万円減少した
ことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ30百万円増加し、167億33百万円となりました。これは主に退職給付に係る調整累計額が1億91百万円減少したものの、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により1億74百万円、為替換算調整勘定が22百万円、その他有価証券評価差額金が9百万円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して8億90百万円増加し41億12百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は12億23百万円(前年同期は22億28百万円の収入)となりました。これは、持分法による投資損益2億61百万円、仕入債務の減少額3億36百万円、法人税等の支払額1億94百万円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益5億6百万円、減価償却費8億94百万円、売上債権の減少額5億37百万円の資金の増加要因があったことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は11億91百万円(前年同期は13億66百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出11億36百万円の資金の減少要因があったことによるものであります。
財務活動の結果得られた資金は8億72百万円(前年同期は1億72百万円の支出)となりました。これは、短期借入金の返済による支出85億円、長期借入金の返済による支出13億78百万円等の資金の減少要因があったものの、短期借入れによる収入102億円、長期借入れによる収入7億円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
マテリアルソリューション11,382,12699.2
アドバンストテクノロジー3,085,58394.9
合計14,467,70998.2

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、実際原価によっております。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
マテリアルソリューション3,677,079106.4
アドバンストテクノロジー1,226,09869.6
合計4,903,17893.9

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
マテリアルソリューション9,774,481111.61,434,995126.0
アドバンストテクノロジー4,251,35285.781,75569.4
合計14,025,834102.21,516,751120.7

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は標準原価によっております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
マテリアルソリューション19,814,060101.8
アドバンストテクノロジー5,323,01287.3
合計25,137,07398.3

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度においては、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
(株)エフピコ2,610,85510.2--

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、マテリアルソリューション事業においては、生産性の向上、資材調達の見直し、生産設備の改造、生産工程計画の見直し等を通じてコスト削減を進め、競争力を強化しつつ、市場ニーズに合った新製品を上市することで、市場でのプレゼンスの向上や収益改善に努めてまいりました。さらに、一定の利益率を維持するため、原材料価格の上昇に伴う製品価格への適切な価格転嫁を引き続き進めてまいりました。また、アドバンストテクノロジー事業においては、自動車、家電等の注力する業界の世界的なニーズに臨機応変に対応し、販売面においては自ら積極的に市場開拓するとともに、製造面においては製品品質の安定化を図り、収益の拡大を目指してまいりました。
この結果、当社グループ全体の売上高は251億37百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は4億45百万円(前年同期比9.9%増)、経常利益は6億65百万円(前年同期比4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億2百万円(前年同期比42.0%減)となりました。
売上高については、農業向け遮熱・遮光網等が堅調に推移したものの、自動車向け製品において、中国市場での生産調整および北米市場での追加関税措置やEV車優遇政策の打ち切り等の影響を受け販売が減少したことにより、減収となりました。営業利益については、自動車向け製品の販売数量減少の影響を受けましたが、生産効率向上やコスト削減、原材料価格等の上昇分の価格転嫁に注力し、グループ全体としては営業増益となりました。
なお、セグメントごとの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
(マテリアルソリューション事業)
マテリアルソリューション事業については、ホームセンターやサッシメーカー向け防虫網の販売は低調に推移したものの、園芸用品については堅調に推移しました。また、全国的な猛暑の影響により農業向け遮熱・遮光網等が堅調に推移したことに加えて、抹茶人気を背景とした茶葉生産用遮光網の需要も好調に推移しました。一方、食品容器については、コンビニ向け弁当容器の需要が物価高を背景に低調に推移しました。このような事業環境の中、生産効率向上やコスト削減等による原価低減に努め、原材料価格およびユーティリティコスト上昇分の価格転嫁に注力した結果、増収増益となりました。
また、新たな成長分野として地中熱事業に取り組んでおり、当連結会計年度においては、大口施工案件の受注獲得に向けた体制強化および実績の積み上げを進めました。次年度以降は営業活動をさらに強化することで、更なる成長を見込んでおります。
(アドバンストテクノロジー事業)
アドバンストテクノロジー事業については、高透明多層フィルムは、採用車種の一部における減産等の影響を受け販売が低調に推移しました、金属調加飾フィルムについては、インド市場での新規車載エンブレム用途における需要増加等があったものの、中国市場では、採用車種の生産調整の影響等によりエンブレム用途での販売が大幅に減少しました。また、北米市場においては、追加関税措置やEV車優遇政策の打ち切り等の影響により、車載向け金属調加飾フィルムおよび成形加工品の販売が大幅に減少しました。
こうした販売数量の減少による影響に対し、生産工程の見直し等による生産効率の改善、収率の向上やコスト削減に努めてまいりましたが、前事業年度比で減収減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料および商品の購入費用、製品製造のための費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または金融機関からの借入によって調達することとしております。
このうち、金融機関からの借入による資金調達に関しましては、基本的に固定金利によって調達しております。長期借入金以外の資金調達については、金融機関の借入枠の実行によるものがあります。
当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ8億90百万円増加し、41億12百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが12億23百万円の収入(前年同期は22億28百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローが11億91百万円の支出(前年同期は13億66百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローが8億72百万円の収入(前年同期は1億72百万円の支出)であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2024年3月期2025年3月期2026年3月期
自己資本比率(%)56.456.955.4
時価ベースの自己資本比率(%)20.817.029.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)38.22.95.3
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)3.844.218.5

自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産、退職給付等に関する見積りおよび判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価および収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
a.貸倒引当金
当社グループは、一般債権については貸倒実績率等による計算の結果、合理的に引当金額を算定しております。また、貸倒懸念債権等特定の債権に関しては個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を算定しております。
b.棚卸資産
当社グループの保有する棚卸資産について、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)に基づき、処理を実施しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、製品、商品について正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合は、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
c.固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
d.投資有価証券、関係会社株式の減損
当社グループは、長期的かつ戦略的な取引関係維持を目的に特定の取引先の株式を所有しております。これら株式には上場株式と非上場株式が存在します。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、減損処理を行っております。上場株式については、時価が取得原価の50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。非上場株式および関係会社株式については、実質価額が取得原価の50%以上下落した場合に、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得および税務計画につき検討し、繰延税金資産の全部または一部について、回収可能性がないものと判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の取り崩しを行います。
f.退職給付費用
当社グループは、従業員退職給付費用および退職給付に係る債務を数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これら前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率等が含まれます。割引率は日本の国債の市場利回りを参考に決定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。当社グループの当連結会計年度末における退職給付に係る負債は17億27百万円であり、当連結会計年度の退職給付費用は△1億22百万円です。当連結会計年度末に発生した数理計算上の差異は23百万円であり、翌連結会計年度に一括収益処理いたします。現在、当社グループの割引率は1.54%を適用しております。

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