有価証券報告書-第7期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 13:33
【資料】
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【項目】
141項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
(ⅰ)経営成績
当連結会計年度における我が国経済の動向として特筆すべきことは、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、Unipos事業においては働き方改革関連市場の広がり、また広告事業においてはインターネット広告市場の成長であります。
市場の成長を追い風に、当社においては広告事業、Unipos事業ともに成長しました。広告事業においては、当社グループにおいて広告事業に次ぐ収益の柱となりつつあるUnipos事業への人員異動がありながらも、生産性の向上により成長を維持しました。広告事業における広告代理・メディアグロース両事業の成長の結果、売上高は前期比105.4%及び広告事業における重要指標の一つである限界利益(広告販売の売上から媒体費を控除したもの)は前期比105.3%と、成長を維持しております。また、Unipos事業においてはマーケティング投資を前期比10倍、事業職人員数を2倍としたことにより、売上高は前期比656%となりました。
事業進捗の観点では、Unipos事業における各種指標は引き続き良好であり、社数は前期比3倍、社員アカウント数は前期比4倍と著しい伸びを示しつつも、毎月の継続率は99.5%という高い水準を維持しております。受注済みでありかつ利用開始が来期となるアカウント数(受注残)は3,870人と大きく、開始済み顧客による高い継続率と受注残により、引き続き成長が見込まれます。
費用面においては、Unipos事業におけるマーケティング投資の増加と全社の移転影響により販管費が増加し、1,578,954千円(前期比128.9%)となりました。移転影響は、本社移転の意思決定に伴う減価償却費の増加166,419千円及び新本社の工事期間にかかる共益費が含まれます。その結果営業利益は213,979千円(前期比63.8%)となりました。なお、移転に伴う減価償却費増加は2019年3月で終了しております。また、特別利益には、本社移転に伴う支度金として190,000千円を計上しております。
なお、当社グループはインターネット関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(ⅱ)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,079,435千円増加し、3,749,541千円となりました。
流動資産は390,018千円増加し、2,324,782千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金が423,043千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は681,278千円増加し、1,424,759千円となりました。その主な内訳は、建物が189,233千円、ソフトウエアが146,777千円、工具、器具及び備品が23,106千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は810,888千円増加し、2,270,407千円となりました。
流動負債は94,633千円増加し、1,494,180千円となりました。その主な内訳は、1年以内返済予定の長期借入金が223,753、短期借入金が80,000千円増加した一方、未払法人税等が60,830千円、買掛金が47,913千円、その他が100,375千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は716,255千円増加し、776,227千円となりました。その内訳は、長期借入金の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は268,546千円増加し、1,479,134千円となりました。
その主な内訳は、利益剰余金が259,779千円、新株予約権が7,764千円増加したこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、944,790千円となり、前連結会計年度末に比べ423,043千円増加致しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、533,639千円の収入(前年同期は194,384千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が369,608千円、売上債権の減少199,356千円、減価償却費316,893千円等があったものの、仕入債務の減少58,163千円、法人税等の支払額167,077千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,131,607千円の支出(前年同期は227,563千円の支出)となりました。
これは主として、無形固定資産の取得による支出308,462千円、有形固定資産の取得による支出344,744千円、敷金及び保証金の差入による支出377,264千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、1,021,011千円の収入(前年同期は279,806千円の収入)となりました。
これは主として、長期借入による収入1,000,000千円等があったことによるものであります。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算した、フリー・キャッシュ・フローは、597,968千円の支出(前年同期は33,179千円の支出)となりました。
当連結会計年度において当社グループは、Unipos等の事業成長に向けたマーケティング投資、新たなサービスを創造するための研究開発投資、ソフトウエアの開発に努めてまいりました。また、継続的な組織拡大に向け本社移転を行ったことにより、有形固定資産の取得・敷金及び保証金の差入といった支出が発生しました。移転に関する支度金による収入がありつつも、積極的な成長投資を行った結果、フリー・キャッシュ・フローは上記のとおり前年を上回る支出となっております。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(ⅱ)受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
広告代理サービス5,790,8495.1
メディアグロースサービス767,21114.4
ソリューションサービス107,393△17.5
ウェブサービス163,433398.7
合計6,828,8887.7

(注)1.当社グループはインターネット関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.ソリューションサービスに含まれる販売実績のうち、ソリューションサービスに付随するサービスにつきましては、当連結会計年度よりウェブサービスに含め、記載しております。
なお、ウェブサービスには「その他」サービスも含まれております。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
エン・ジャパン株式会社2,842,08944.83,224,89447.2

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成における見積もりに大きな影響を及ぼすと考えております。
無形固定資産(ソフトウエア)の減価償却の方法
当社グループは、自社利用ソフトウエアの耐用年数として社内における利用可能期間(5年)で減価償却を行っております。自社利用ソフトウエアについて、資産の収益性の低下により投資額の回収が困難であると判断された場合には、減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)経営成績
Unipos事業の進捗を表す指標として、当社グループは「社数」、「社あたり社員アカウント数」、「利用料金(単価)」、「継続率」、及び「受注残」を重視しています。当連結会計年度において、社数は前期の約3倍、社員アカウント数は前期の約4倍に急成長をしつつも、継続率は99.5%と高い水準を維持しており、また、大企業からの受注に伴う受注残も増加しております。
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Unipos事業における急成長の要因として、当連結会計年度の積極投資が挙げられます。マーケティング費用を前期の10倍まで引き上げ顧客獲得に注力した結果、社員アカウント数及び売上は大幅に増加しております。また、当連結会計年度を通して社員アカウント数は前期の401%、社数は同294%となりました。大企業への導入を加速したことにより、累計導入企業数の伸びを社員アカウント数の伸びが上回る形となりました。
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広告事業においては、広告販売にかかる売上から媒体費を控除した限界利益により各事業の伸びを比較することが可能になります。広告事業には事業モデルの異なる複数の事業が含まれており、広告媒体の仕入れを伴う広告代理サービスと、仕入れを伴わないメディアグロースサービス及びソリューションサービスが存在します。これらの利益貢献を比較するために、売上から媒体費を控除した限界利益を用いております。当連結会計年度における限界利益の増加をサービス別に示すと、以下のとおりであります。
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広告事業からUnipos事業への人員の異動がありつつも、生産性を高めることに努めた結果、広告事業全体としては限界利益を増加させることができました。広告代理サービス、メディアグロースサービスの双方において、限界利益を増加させております。一方、ソリューションサービスは人的リソースをかけていないこともあり限界利益が減少しております。
費用面においては、Unipos事業におけるマーケティング投資の増加と全社の移転影響により販管費が増加し、1,578,954千円(前期比128.9%)となりました。これに伴い営業利益は213,979千円(前期比63.8%)となりました。当社グループでは、旧オフィスの建物附属設備等の減価償却や、新オフィスの共益費等からなる移転影響は約1.9億円と見積もっており、移転による費用増加の影響を足し戻した営業利益は前期を上回る水準となります。移転影響による費用増があり、また当連結会計年度には投資有価証券の売却損も発生いたしましたが、特別利益として本社移転に伴う支度金として190,000千円を計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は259,779千円(前期比115.7%)と増加いたしました。
(ⅱ)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因として、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した経営環境、また、「事業等のリスク」に記載したリスクが挙げられます。
経営環境につきましては、Unipos事業については働き方改革関連市場の広がり、広告事業についてはインターネット広告市場の成長と、インターネット広告産業自体の変化、具体的にはプライバシー保護やブランドを毀損しない広告枠への社会的要請の高まりが主要な要因となります。これらの要因の詳細につきましては「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
その他の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(ⅲ)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業環境の変化に耐えうる流動性を確保しつつ、事業の成長に向けた投資を行うために必要な資金を確保することを財務活動の目標ととらえております。
流動性の確保にあたっては、主として広告事業の営業活動より得られたキャッシュ・フローを財源としつつも、環境変化があっても流動性を確保し、事業への成長投資を行うべく、金融機関からの借入れやコミットメントラインにより流動性を高めるよう努めております。「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業のモデルや成長のフェーズが異なる複数の領域で事業を展開する当社グループは、広告事業を安定的に伸ばし、そのキャッシュ・フロー創出力により得られた信用力をもって資金調達を行い、HR領域を成長させていく方針です。
当社における資金需要としましては、広告事業においては事業成長に伴う運転資金の増加が、またUnipos事業においては顧客獲得に向けたマーケティング投資が中心であります。そのため当社グループでは、広告事業によるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入による資金調達をはかっております。借入が可能となる枠として、当連結会計年度及びこの有価証券報告書提出日までの期間においては、りそな銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の全3行より総額28億円分を、コミットメントライン及び長期借入金にて設定し、当面の資金需要を賄ってまいります。複数年にわたり、上記の枠の範囲内で調達、投資を行います。必要な金額のみを、枠の範囲内で調達することにより、金利負担を抑えると共に、借入の実行による資金調達であることから1株当たり利益の希薄化も生じない財源を確保しております。借入の結果、来期末のデット/エクイティレシオは1.5倍程度を見込みますが、2022年3月期までに1倍以内に引き下げることを目指しております。
(ⅳ)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「経営成績」で述べたとおり、Unipos事業の目標達成を判断するための重要指標は、当社グループにおいては「社数」、「社あたり社員アカウント数」、「利用料金(単価)」、「継続率」、及び「受注残」であります。特にこのうち「社数」、「社あたり社員アカウント数」によって決まる「社員アカウント数」、及び「継続率(100%から解約率を差し引いた指標)」につき、当社グループは3年後の目標を掲げております。さらに、増額したマーケティング投資を通じ劇的な成長を目指すうえでの目標として、Unipos単独の営業利益4~6.5億円を3年後の目標としております。
これらの指標が重要であると考える理由は、Uniposの解約率が現状低く、獲得した顧客から将来にわたり獲得する収益によってマーケティング投資を回収できる事業モデルを有しているためです。当連結会計年度において当社グループは、広告宣伝を含め合計約5,800万円の投資を行い、社員アカウント数の増加に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度末時点の社員アカウント数は約26,000人となりました。これに利用期間と利用料金単価を乗じれば、将来の期待収益の合計額が計算できます。現状の低い解約率、1%未満を堅持することができれば、その逆数としての平均利用期間は100か月、8年以上となります。また、利用料金としては現状Basicプラン(1アカウントあたり700円/月額)及びEnterpriseプラン(1アカウントあたり1,000円/月額)となります。8年間の利用期間にわたり当社グループが受け取る利用料金の総額は、26,000アカウント×8年×700円=約17億円となり、投資金額に対する期待収益としては十分に大きな水準であると考えております。なお、Unipos事業は広告事業と異なり媒体仕入れが発生しないため、売上は限界利益と一致します。
当社グループの3年後の目標において、社員アカウント数20万以上、解約率1%以下を掲げております。これらを前述の式にあてはめますと、134億円の期待収益となります。解約率が仮に3%まで上昇したとしても、利用期間にわたっての収益は50億円となります。これらを図示すると以下のようになります。
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こうした分析に基づき、当社グループはUnipos事業に対し積極的に顧客獲得のための投資を行い、社員アカウント数増加に努めることが妥当と判断しております。なお当社グループは2020年3月期にマーケティング投資として5~7億円を投ずる計画であり、2021年3月期以降も投資を継続する可能性があります。2020年3月期の投資により認知拡大につなげ、中期的には1社員アカウントの獲得あたりのコストを引き下げていく方針であります。また、顧客企業において一部部署での導入から全社に広がるなど、追加投資によらず顧客企業内で社員アカウント数が増加することも想定しております。
広告事業については、広告代理サービス、メディアグロースサービス、ソリューションが事業として一体化する方向にあることから、「広告事業」全体の売上が重要であると考えております。「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、通常は役割分担されている代理店、メディアレップ、アドテクベンダーの機能のすべてを保有し、ユニークかつ高収益な広告事業の創出につなげてまいりました。こうした背景から広告事業全体の売上を重要指標と位置づけ、3年後の目標を設定しております。なお、広告事業の売上の推移は次のとおりであり、2013年3月期から2018年3月期にかけ広告事業は年平均成長率44%で成長しております。
0102010_005.png「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した経営方針のもと、当社グループは各事業ごとに設定した3年後(2022年3月連結会計年度)の目標を上記指標に基づき設定し、達成に向け取り組んでまいります。
① Unipos事業
・社員アカウント数20万以上
・解約率1%以下
・3年後のUnipos単独の営業利益4~6.5億円
② 広告事業
・3年間の年平均売上成長率2桁

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