有価証券報告書-第73期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、当連結会計年度より、当社の国内連結子会社の退職給付債務の計算方法を簡便法から原則法に変更しており、遡及処理の内容を反映させた数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度における世界経済は、全体としては緩やかに回復しているものの、そのテンポは鈍化しております。前期から続く通商問題を巡る動向、中国経済の先行きや、英国のEU離脱、金融資本市場の変動については未だ高い不確実性が存在しております。一方で日本経済は、輸出が弱含み製造業中心に業況判断に慎重さが増しているものの、雇用・所得環境の改善が続く中で緩やかな回復基調にあります。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、日本食をはじめとしたアジア食品・食材を北米中心に欧州、中国・東南アジア、豪州等で販売を行う「アジア食グローバル事業」、及び青果物・水産物等の国内販売、輸出・三国間貿易を行う「農水産商社事業」を主たる事業として業績の向上に努めてまいりました。
アジア食グローバル事業は、日本食をはじめとしたアジア食品・食材を北米中心に海外のレストラン、食品スーパー等を主たる販路とし、商品の企画・開発、仕入、輸入通関、保管・配送までの一貫したオペレーションを自社にて手掛けております。また、世界的な日本食ブームを背景とした市場拡大に歩調を合わせ、当社グループにおきましては、北米では24拠点、北米以外の地域においては14拠点の販売網を構築しております。当連結会計年度におきましては、北米地域の安定成長及び構造改革の取組みに加え、北米以外の地域における事業基盤の拡充を当社グループの成長戦略の一つとして積極的に市場開拓を進めてまいりました。
農水産商社事業は、青果物・水産物等の国内の卸売市場、量販店、外食・中食産業、食品メーカー等への輸入卸販売を行っております。また、国産青果物の輸出・三国間貿易等も行っております。当連結会計年度におきましては、国内輸入市場が横ばいとなる中、従来からの主力販路であった国内卸売市場に加え、それ以外の販路(量販店、外食・中食産業等)並びに海外販路(国産青果物の輸出、青果物の三国間貿易、中国国内における卸売事業)の拡大に取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における業績は、売上高1,826億3百万円(前期比0.2%増)、営業利益43億43百万円(前期比35.2%減)、経常利益45億43百万円(前期比30.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益24億93百万円(前期比46.1%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
a.アジア食グローバル事業
アジア食グローバル事業の当連結会計年度における業績は、売上高1,288億20百万円(前期比3.0%増)、営業利益41億8百万円(前期比24.0%減)となりました。
北米地域におきましては、売上高は堅調に伸長する中、中国からの輸入品に対する追加関税の引き上げや、ナショナルブランド商品の値上げ等による原価上昇に対して適切な価格転嫁を実施することで対処してまいりました。しかしながら、前期より継続している人件費及び物流部門経費の高止まり、さらに政策経費の計上により、減益となりました。同地域におきましては、従前より進めている構造改革(利益率の改善と物流経費の抑制)への取り組みをより一層強化し、収益性の向上に努めてまいります。
北米以外の地域におきましては、特に英国子会社のWismettac Harro Foods Limitedにおいて、為替変動に伴い仕入原価が上昇し利益を圧迫しました。さらに事業基盤拡充のためのマネジメント・仕入・調達人員強化等により、減益となりました。
b.農水産商社事業
農水産商社事業の当連結会計年度における業績は、売上高498億5百万円(前期比5.8%減)、営業利益7億65百万円(前期比25.9%減)となりました。
売上高につきましては、国内における柑橘類・トロピカル商材の販売苦戦、販売単価の下落、及び中国における北米産商材の販売苦戦の影響がありました。利益面におきましては、国内及び中国における青果全般の減収、及び原価上昇等が影響いたしました。
c.その他事業
その他事業の当連結会計年度における業績は、売上高39億77百万円(前期比5.8%減)、営業利益1億73百万円(前期比33.2%減)となりました。
国内向けキャラクター商品、イベント商品の失速、物流経費の大幅増により、減収減益となりました。
(財政状態)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ128億68百万円増加し、965億87百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。
当連結会計年度末における流動資産合計は、879億60百万円(前連結会計年度末比130億20百万円増加)となりました。流動資産の増加は、受取手形及び売掛金の減少1億40百万円があったものの、現金及び預金の増加106億10百万円、たな卸資産の増加12億47百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産合計は、86億27百万円(前連結会計年度末比1億52百万円減少) となりました。固定資産の減少は、建物及び構築物(純額)の増加7億51百万円、リース資産(純額)の増加2億82百万円があったものの、のれんの減少6億71百万円、顧客関連資産の減少4億84百万円があったことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ120億52百万円増加し、442億50百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。
当連結会計年度末における流動負債合計は、190億58百万円(前連結会計年度末比11億17百万円減少)となりました。流動負債の減少は、未払費用を含む流動負債のその他の増加4億85百万円があったものの、支払手形及び買掛金の減少15億47百万円があったことによるものであります
当連結会計年度末における固定負債合計は、251億91百万円(前連結会計年度末比131億70百万円増加)となりました。固定負債の増加は、長期借入金の増加128億64百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億15百万円増加し、523億37百万円となりました。純資産の増加は、主に為替換算調整勘定の減少3億28百万円があったものの、利益剰余金の増加11億29百万円があったことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較・分析を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、388億44百万円となり、前連結会計年度末から103億27百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、8億43百万円の資金の獲得となりました。主な要因は、法人税等の支払額26億68百万円、たな卸資産の増加14億71百万円があったものの、税金等調整前当期純利益37億53百万円、非資金性費用である減価償却費及びその他の償却費12億81百万円があったことによるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が47億44百万円減少(前期比84.9%収入減)しておりますが、主に、たな卸資産の増減額が12億44百万円の支出減、売上債権の増減額が10億36百万円の支出減となったものの、仕入債務の増減額が32億68百万円の支出増、税金等調整前当期純利益の減少26億71百万円、法人税等の支払額が13億80百万円の支出増があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、18億32百万円の資金の支出となりました。主な要因は、差入保証金の回収による収入2億61百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出14億55百万円、定期預金の純増減額による支出2億68百万円によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の支出が6億17百万円増加(前期比50.8%支出増)しておりますが、主に、差入保証金の差入による支出が6億55百万円の支出減となったものの、有形固定資産の取得による支出の増加13億27百万円、定期預金の純増減額の支出増2億85百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、114億72百万円の資金の獲得となりました。主な要因は、配当金の支払額13億63百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出2億8百万円があったものの、長期借入れによる収入130億円があったことによるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が183億15百万円増加(前連結会計年度は68億43百万円の資金の支出)しておりますが、主に、ファイナンス・リース債務の返済による支出が1億49百万円支出増となったものの、長期借入れによる収入の増加130億円、長期借入金の返済による支出の減少32億23百万円、短期借入金の純増減額の増加による収入の増加20億27百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高 (百万円) | 前期比(%) |
| アジア食グローバル事業 | 110,730 | 101.9 |
| 農水産商社事業 | 38,017 | 93.2 |
| その他事業 | 2,995 | 95.7 |
| 合計 | 151,743 | 99.4 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高 (百万円) | 前期比(%) |
| アジア食グローバル事業 | 128,820 | 103.0 |
| 農水産商社事業 | 49,805 | 94.2 |
| その他事業 | 3,977 | 94.2 |
| 合計 | 182,603 | 100.2 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ3億83百万円増加し、1,826億3百万円(前期比0.2%増)となりました。この増加の主な要因は、アジア食グローバル事業において新規顧客の開拓と既存顧客への拡販が進んだことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ1億33百万円増加し、1,504億95百万円(前期比0.1%増)となりました。この増加の主な要因は、アジア食グローバル事業における増収による増加、及び為替変動の影響に伴う仕入価格の上昇によるものです。
以上の結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ2億49百万円増加し、321億8百万円(前期比0.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ26億9百万円増加し、277億64百万円(前期比10.4%増)となりました。この増加の主な要因は、アジア食グローバル事業の北米地域における人件費及び物流部門等経費の高止まり、また事業基盤拡充のための人材投資等政策経費の計上があったことによるものです。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ23億60百万円減少し、43億43百万円(前期比35.2%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ33百万円減少し、3億39百万円(前期比9.0%減)となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ3億66百万円減少し、1億39百万円(前期比72.4%減)となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ20億26百万円減少し、45億43百万円(前期比30.9%減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ0百万円増加し、1百万円(前期比20.0%増)となりました。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ6億44百万円増加し、7億91百万円(前期比438.8%増)となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ26億71百万円減少し、37億53百万円(前期比41.6%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ21億30百万円減少し、24億93百万円(前期比46.1%減)となりました。
③ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (8)目標とすべき経営指標」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主力事業であるアジア食グローバル事業及び農水産商社事業は、今後より一層成長が見込まれる有望な市場であると確信しております。しかしながら、「2 事業等のリスク」に記載いたしましたリスク要素が顕在化した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは成長するマーケットの拡大に先んじて、事業基盤の拡充に取り組んでいく計画です。また、食文化の多様化、食の安心安全意識の向上、法的規制強化等の環境変化に対応するため、「食」のサプライチェーンの各階層においてこれまで以上に提供する機能を強化していく必要があります。このような環境下において当社グループが業容を拡大しつつ、より良い商品及びサービスを継続的に提供していくためには、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしました様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。そのために、経営者として常に外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を把握し、それに対する課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資金需要の主なものは、商材等の仕入・調達費用、販売費及び一般管理費等の運転資金及び物流・システム等を整備・強化するための人材や設備への投資資金であります。
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉とした自己資金調達を中心に、多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針であります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。