有価証券報告書-第13期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

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2020/05/29 10:36
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117項目
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成していますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、それが資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。
これらの見積りについては、継続評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
当社の財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」をご参照ください。
(2) 経営成績の分析
当事業年度におけるわが国経済は、上期は雇用や所得環境の改善を背景に景気は緩やかに拡大を続けてまいりました。一方で、下期は消費増税による個人消費の変動や外国政府間の通商政策の動向が輸出や生産に影響を及ぼしたことに加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が世界経済と金融市場に大きな影響を与えており、景気の先行きは一層不透明な状況になりました。
金融業界においては、超低金利環境が貸し出しによる収益を押し下げる中、地域金融機関は顧客サービスの見直しや業務のIT化等によるコスト削減を図る一方で、地域経済を支えるサービスの強化や業態を超えた連携等を通じて収益源の多様化に取り組んでいます。小売業界においては、人件費の高騰や人手不足が社会問題として顕在化する中、無人店舗や省人化に関する技術に期待が高まり、これらの開発競争がグローバルに激化しています。
このような環境の中、当社はお客様の経営課題・業務課題を解決するために、ITを活用したコンサルティングサービスとソリューションサービスを提供してまいりました。また、他社に先駆けて実用的な無人AIレジを完成させて、導入を検討する企業に対してスピーディーに提供することが社会問題の解決と当社の中長期的な成長に資するとの考えの下、無人AIレジの研究開発を担うイノベーション事業の体制強化と研究開発活動の加速に積極的に経営資源を投じてまいりました。
コンサルティング事業では、前事業年度に大型プロジェクトが完了したことにより、期初は、売上高は低調に推移しましたが、その後、来期以降にシステム更改や統合を控える得意先に対してプロジェクトの推進強化策等の提案を続けた結果、下期以降は、売上高は堅調に推移しました。ソリューション事業では、バッチ処理高速化ソリューション「ユニケージ」等のソリューションサービスを提供しました。
イノベーション事業では、レジ無しスルー型精算システム「スーパーワンダーレジ」と設置型AI搭載レジ「ワンダーレジ」の二つの無人AIレジの開発を推進し、事業拡大に取り組んでまいりました。その成果として、ワンダーレジを株式会社ジェーシービーとトッパン・フォームズ株式会社の社内売店に設置しました。また、スーパーワンダーレジの技術を使った無人店舗の実用化を目的に、JR東日本スタートアップ株式会社と合弁で株式会社TOUCH TO GOを設立し、同社が開発した無人AI決済店舗の1号店「TOUCH TO GO」が2020年3月23日に高輪ゲートウェイ駅にオープンしました。開発活動においては、ワンダーレジの製造コスト削減や軽量化、リサイクル性の向上を目的に、特殊な強化ダンボールを使用したワンダーレジを新たに開発しました。また、株式会社ポプラ「生活彩家 貿易センタービル店」やスポーツスタジアムの特設ショップにワンダーレジを設置し、利用者の行動や実践的なオペレーションの分析と利用用途拡大の検証等に取り組みました。開発体制においては、ワンダーレジの運用に関するシステム等の開発推進を強化するために、システムインテグレーターの株式会社NSDと資本業務提携することで合意し、順次、協業領域を拡大しています。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高は2,122百万円(前事業年度比21.0%減)となりました。利益面では、減収影響に加えて、研究開発費が大幅に増加したこと等により、営業損失は176百万円(前事業年度は営業利益272百万円)、東京証券取引所市場第一部への市場変更に関する諸費用を営業外費用に計上したことにより経常損失は207百万円(前事業年度は経常利益269百万円)、繰延税金資産を取り崩したこと等により当期純損失は260百万円(前事業年度は当期純利益203百万円)となりました。
① 売上高
コンサルティング事業の受注は、上期は前期に比べて低調に推移し、下期はやや持ち直しました。また、ソリューション事業は、第1四半期会計期間において、既存得意先向けのユニケージの開発が完了し検収を受けたものの、前期から営業活動の体制を縮小していることから、それ以降の売上は低調に推移しました。これらを要因に売上高は前期比21.0%減の2,122百万円となりました。
② 売上原価及び売上総利益
コンサルティング事業では、得意先からの増員要請が非常に強く全コンサルタントが稼働していました。当社の要員不足をパートナー企業の増加で補おうとしたものの、パートナー企業においても人手不足の状況が続き、増員が進まなかったことにより前期に比べて外注費が減少し、売上原価は前期比16.0%減の1,569百万円となりました。売上原価は減少したものの、減収により売上総利益は前期比32.3%減の553百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費及び営業損失
ワンダーレジの開発に積極的に取り組んだことにより研究開発費が140百万円増加したことを主因に、販売費及び一般管理費は前期比33.9%増の729百万円となりました。
この結果、研究開発費の増加と減収等を要因に営業損失は176百万円となりました。売上高営業利益率はマイナス8.3%となりました。
④ 営業外損益及び経常損失
市場変更に伴う諸経費を計上したことを主因に営業外費用が前期に比べて増加しました。この結果、経常損失は207百万円となりました。
⑤ 特別利益
キャリア形成促進助成金制度の受取額を補助金収入に計上したことにより、特別利益は5百万円となりました。
⑥ 当期純損失
税引前当期純損失により法人税、住民税及び事業税が減少しましたが、繰延税金資産を取り崩したことにより法人税等合計は58百万円となったことにより当期純損失は260百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、セグメント利益又は損失はセグメント毎の営業利益又は営業損失であり、また損益計算書の営業損失と調整を行っております。
(コンサルティング事業)
上期は既存得意先からの受注の増加や新規得意先からの受注がありましたが、前事業年度において複数の大型のシステム更改プロジェクトが完了していることを受け、売上高は前年同期に比べて低調に推移しました。下期以降はプロジェクトの進展やパートナー企業の増加により、売上高はやや持ち直しました。また、通期にわたり引き合いは強かったものの、全要員が稼働しており、中途採用者やパートナー企業の増加も主に既存プロジェクトに充当したため、新規受注による売上高の増加は若干に留まりました。一方で、クレジットカード会社及び投資運用会社のシステム部支援業務、地方公共団体等の公共機関へのコンサルティング業務は堅調に推移しました。この結果、売上高は1,946百万円(前事業年度比17.1%減)、セグメント利益は400百万円(前事業年度比26.9%減)となりました。
(ソリューション事業)
金融機関向けバッチ処理高速化ソリューション「ユニケージ」は、既存得意先向けの開発が前事業年度から継続していたことにより、開発が完了した部分を納品し売上高を計上しました。その他、事業性評価サービス等の月次サービス売上等を計上しました。一方で、ソリューション事業の要員をイノベーション事業に配置転換したことで、新規の営業活動を縮小している結果、売上高175百万円(前事業年度比45.3%減)、セグメント損失6百万円(前事業年度はセグメント利益89百万円)となりました。
(イノベーション事業)
前事業年度はSCSK株式会社との共同開発契約の締結に伴う権利許諾に関する一時金を受領し、その一部を売上高に計上しました。なお、当該共同開発契約は前事業年度に契約期間が満了したことにより終了しています。
当事業年度においては、ワンダーレジの使用料を売上高に計上しました。また無人AIレジの開発を積極的に推進した結果、売上高は0百万円(前事業年度比96.3%減)、セグメント損失395百万円(前事業年度はセグメント損失194百万円)となりました。
(3) 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
コンサルティング事業2,041,306△10.3300,69846.0
ソリューション事業133,503△61.368,239△37.9
イノベーション事業1,43843.81,82082.0
合計2,176,248△17.0370,75717.0

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
コンサルティング事業1,946,534△17.1
ソリューション事業175,119△45.3
イノベーション事業618△96.3
合計2,122,272△21.0

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
当事業年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
アセットマネジメントOne株式会社453,02416.9418,32319.7
株式会社ジェーシービー318,96511.9363,70017.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 財政状態の分析
(資産)
資産合計は2,079百万円となり、前事業年度末と比べて127百万円増加いたしました。
流動資産は1,418百万円となり、前事業年度末と比べて288百万円減少となりました。これは主に現金及び預金が304百万円減少したことによるものであります。
固定資産は661百万円となり、前事業年度末と比べて416百万円増加いたしました。これは主に株式会社TOUCH TO GOへの出資によって関係会社株式が300百万円増加した他、無人AIレジに関するソフトウエアが194百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債合計は1,056百万円となり、前事業年度末と比べて408百万円増加いたしました。
流動負債は672百万円となり、前事業年度末と比べて207百万円増加いたしました。これは主に前受金が165百万円、未払金が49百万円増加したことによるものであります。
固定負債は384百万円となり、前事業年度末と比べて201百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が107百万円及び社債が70百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産合計は1,023百万円となり、前事業年度末と比べて281百万円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上及び配当金の支払いによる利益剰余金の減少によるものであります。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という)は1,018百万円(前事業年度末に比べて304百万円減少)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、79百万円の収入(前事業年度は114百万円の支出)となりました。これは主に税引前当期純損失201百万円を計上した一方で、前受金が165百万円増加したことや未払金が59百万円増加したこと等により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、510百万円の支出(前事業年度は108百万円の支出)となりました。これは主に関係会社株式の取得による支出300百万円や無形固定資産の取得による支出198百万円によって、資金を支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、126百万円の収入(前事業年度は156百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払26百万円があった一方で、長期借入れによる収入200百万円や社債の発行による収入98百万円によって資金が増加したことによるものであります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
資本の財源については、当事業年度末においては借入金の増加及び社債の発行により有利子負債が増加し、また当期純損失の計上により自己資本が減少しました。
当社の運転資金、研究開発活動及び設備投資等の資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入、社債の発行を実施することを基本方針としております。この方針に従い、当事業年度における運転資金、研究開発費、設備投資は自己資金、借入金及び社債により充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金、研究開発活動、設備投資やM&A等の戦略的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
なお、当事業年度末の資金の流動性については、流動比率211%を確保しており、事業の円滑な運営に十分な流動性を確保しております。
(7) 次期の経営方針
2021年2月期は、「①金融機関向けのコンサルティング及びソリューション事業を安定的に成長、②当社と株式会社TOUCH TO GOによる無人AIレジの拡販及びAI応用製品の開発・販売、③事業領域や会社規模の拡大に伴う経営管理態勢の高度化」を柱に事業運営にあたってまいります。
コンサルティング事業及びソリューション事業では、両事業を一体的に運営する体制により、金融機関を中心に業務改善ニーズに対して、コンサルティングサービスとソリューションサービスを一体的に、かつスピーディーに提供する取り組みを強化することを通じて、顧客拡大を目指します。またコンサルティングサービスは、プロジェクトマネジメント等の引き合いが強いものの、人員が限られている中において、当社が得意とする領域を中心に取り組んでまいります。ソリューションサービスは、バッチ処理高速化ソリューション「ユニケージ」の新規受注や当社のノウハウを活かした新サービスを展開してまいります。
イノベーション事業では、経営資源の確保と成長投資のバランスをコントロールしながら、無人AIレジの拡販を推進するとともに、当社独自のAI技術の応用や他社との業務提携等を通じて、お客様の業務改善に資する製品・サービスの開発・販売に取り組んでまいります。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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