有価証券報告書-第14期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

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2021/05/31 16:08
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当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績・財政状態に関する概況
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により2020年4月から急速に停滞しました。その後、持ち直しの動きがあったものの、感染終息の兆しは見えず、景気の先行きは不透明な状況が続きました。
当社がコンサルティングサービスやソリューションを提供する金融業界においては、銀行各行は政府による積極的な支援策の下、コロナ禍にある企業の資金繰りを支える一方で、政府から地域銀行の競争力を強化する方針が示され、今後の動向に注目が集まっています。また、イノベーション事業の製品・サービスの主な供給先である小売業界においては、景況感の悪化により個人消費が低迷し、厳しい経営環境が続いています。
このような環境の中、コンサルティング事業では、既存得意先の増員要請に応えるとともに、ソリューション事業と一体となった営業活動を行い、サービスの幅を広げて取引の拡大に取り組んでまいりました。また、ソリューション事業においては、業務改善ソリューションの開発や次世代DXソリューションの企画を推進してまいりました。イノベーション事業では、設置型AI搭載レジ「ワンダーレジ」の開発・拡販に取り組むとともに、保有技術を活用した新製品・新サービスの開発に着手しました。
関連会社の株式会社TOUCH TO GO(以下、「TTG」という。)では、無人決済システム「TTG-SENSE」の開発を推進し、これを利用する無人決済店舗「TOUCH TO GO」を高輪ゲートウェイ駅にオープンしました。その後、株式会社紀ノ國屋の無人決済小型スーパーマーケット「KINOKUNIYA Sutto 目白店」に採用され、2020年10月16日にオープンしました。また、株式会社ファミリーマートと資本業務提携するとともに、TTG-SENSEを導入した「ファミマ!! サピアタワー/S店」が2021年3月31日にオープンしました。
以上の結果、当事業年度における経営成績は、売上高は2,037百万円(前事業年度比4.0%減)となりました。利益面では、人材採用に関する費用や研究開発費の増加により営業損失596百万円(前事業年度は営業損失176百万円)、新株予約権の発行に関する諸費用を計上したことにより経常損失611百万円(前事業年度は経常損失207百万円)、固定資産の減損損失及びソフトウエア評価損を特別損失に計上したこと等により当期純損失786百万円(前事業年度は当期純損失260百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、セグメント利益又は損失はセグメント毎の営業利益又は営業損失であり、また損益計算書の営業損失と調整を行っております。
(コンサルティング事業)
当社がプロジェクトマネジメントを支援する4行において、勘定系システムの更改・統合が実施され、これに関する支援業務が堅調に推移しましたが、これらのプロジェクトの大半が年末年始に完了したことにより、第4四半期会計期間の売上高は前年同四半期に比べて低調に推移しました。一方で、システム部の支援業務においては引き合いが強く、既存得意先への増員や新規得意先の増加がありました。コンサルティング事業では、これらの需要に対して、主に中途採用や新卒採用の配属により増加した要員で充足し、高品質なコンサルティングサービスを提供してまいりました。これらの結果、通期では、協力会社と合わせて前事業年度並の要員が稼働し、売上高は1,921百万円(前事業年度比1.3%減)、セグメント利益は388百万円(同3.0%減)となりました。
(ソリューション事業)
主にITシステムの構築や投資に関するアドバイザリー業務並びにソフトウエアの保守サービスを提供しました。これらのほか、事業性評価サービス等の月次サービスを提供しました。一方で、翌期の受注獲得に向けた営業活動を積極的に推進したことにより販売費及び一般管理費が増加しました。これらの結果、売上高は112百万円(前事業年度比35.9%減)、セグメント損失は118百万円(前事業年度はセグメント損失6百万円)となりました。
(イノベーション事業)
当事業年度においては、ワンダーレジが、北海道新冠町(にいかっぷちょう)の野菜直売所「ナンモダ百貨新冠本店」、J1クラブチームの大分トリニータのホームスタジアム内の飲食売店「トリズキッチン西」、横浜髙島屋「hama-pla」で稼働を開始するとともに、横浜髙島屋地下食料品フロアの「ベーカリースクエア」への導入が決まり、2021年3月の稼働開始に向けて準備を進めてまいりました。また、第3四半期会計期間よりTTGからロイヤリティを受領しました。研究開発活動については、ワンダーレジの運用に関するシステムの開発及び改良、商品認識機能の強化、決済手段の拡充等に積極的に取り組みました。これらの結果、売上高は3百万円(前事業年度比475.0%増)、セグメント損失は598百万円(前事業年度はセグメント損失395百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
資産合計は2,149百万円となり、前事業年度末に比べて69百万円増加しました。
流動資産は1,432百万円となり、前事業年度末に比べて14百万円増加しました。これは主に、TTGへの出資及び研究開発活動による支出等の現預金の減少要因があった一方で、新株予約権の行使によって1,088百万円の資金を調達したこと等によるものであります。
固定資産は716百万円となり、前事業年度末に比べて55百万円増加しました。これは主に、固定資産の減損及びソフトウエアの評価損等によって、有形固定資産が61百万円、無形固定資産が158百万円減少した一方で、TTGへの出資により関係会社株式が300百万円増加したことによるものであります
(負債)
負債合計は840百万円となり、前事業年度末に比べて216百万円減少しました。
流動負債は494百万円となり、前事業年度末に比べて177百万円減少しました。これは主に、賞与引当金が20百万円増加した一方で、前受金が161百万円、買掛金が35百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は346百万円となり、前事業年度末に比べて38百万円減少しました。これは主に、社債が20百万円、長期借入金が7百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産合計は1,309百万円となり、前事業年度末に比べて286百万円増加しました。これは主に、当期純損失786百万円の計上により繰越利益剰余金が減少した一方で、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ548百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は1,099百万円(前事業年度末に比べて81百万円増加)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、601百万円の支出(前事業年度は79百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純損失813百万円を計上するとともに、前受金が161百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、360百万円の支出(前事業年度は510百万円の支出)となりました。これは主に、関係会社株式の取得による支出として300百万円及び投資有価証券の取得による支出として20百万円の資金を支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,043百万円の収入(前事業年度は126百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出97百万円及び配当金の支払い27百万円があった一方で、新株予約権の権利行使による株式の発行による収入1,088百万円により資金が増加したことによるものであります。
(2) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
② 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
コンサルティング事業1,824,964△10.6204,120△32.1
ソリューション事業270,885102.9226,827232.4
イノベーション事業12,016735.510,281464.9
合計2,107,866△3.1441,22919.0

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
コンサルティング事業1,921,541△1.3
ソリューション事業112,297△35.9
イノベーション事業3,555475.0
合計2,037,394△4.0

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
当事業年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社ジェーシービー363,70017.1374,76018.4
アセットマネジメントOne株式会社418,32319.7337,17216.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成していますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、それが資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。
これらの見積りについては、継続評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大が会計上の見積りに与える影響については、当事業年度末時点において事業活動に重要な影響を与えていないことから、当社に与える影響は軽微であり、重要な影響はないものとして見積りを行っております。
当社の財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下であります。
(固定資産の減損)
当社は保有する固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額された金額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の判定及び回収可能価額の前提となる将来キャッシュ・フローについては、一定の仮定をおいて算出しています。そのため、今後の経営環境の変化等により将来キャッシュ・フローへの重要なマイナスの影響がある場合には、翌事業年度以降の財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
(継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無の判断)
当社は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無の判断にあたり、貸借対照表日の翌日から1年間のキャッシュ・フローを見積っております。経営環境の変化等により将来のキャッシュ・フローが大幅に変動した場合、当該不確実性の判断に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績の分析
a.売上高
イノベーション事業では、ワンダーレジの設置台数が増加したことにより、売上高が増加しました。一方で、コンサルティング事業では、受注が、上期は前期に比べて堅調に推移しましたが、1月初旬に勘定系システムの更改・統合プロジェクトの完了が集中したため、第4四半期会計期間の売上高は前期に比べて減少しました。また、ソリューション事業において、前事業年度にバッチ処理高速化ソリューション「ユニケージ」の開発が完了して以降、小規模なプロジェクトの受注に留まっております。これらを要因に売上高は、前期比4.0%減の2,037百万円となりました。
b.売上原価及び売上総利益
コンサルティング事業及びソリューション事業では、主に従業員が増加したことにより、パートナー企業への外注費が減少したことで売上原価が減少しました。一方で、イノベーション事業では、ワンダーレジのソフトウエアの減価償却費が増加しました。これらを要因に、売上原価は前期比2.1%減の1,535百万円、売上原価は減少したものの、減収により売上総利益は前期比9.4%減の501百万円となりました。
c.販売費及び一般管理費及び営業損失
研究開発費が前期に比べて101百万円増加しました。また、採用活動を積極的に進めたことにより、採用活動や研修に関する費用が増加しました。これらの結果、販売費及び一般管理費は前期に比べて50.5%増の1,098百万円となり、営業損失596百万円となりました。
d.営業外損益及び経常損失
第8回新株予約権の発行に関する諸費用を営業外費用に計上しました。この結果、経常損失は611百万円となりました。
e. 特別損失
ソリューション事業及びイノベーション事業の収益性の低下等により、両事業の固定資産に対して減損損失52百万円を計上しました。またイノベーション事業で開発した市場販売目的のソフトウエアについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額をソフトウエア評価損として122百万円計上しました。これらの結果、特別損失は202百万円となりました。
f. 当期純損失
主に、法人税等還付を受けたこと等により、当期純損失は786百万円となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の営業活動に関する資金需要のうち主なものは、コンサルティング業務やソリューション開発に従事する役職員の人件費、パートナー企業への委託料、販売及び営業活動によるものであります。また、当社の投資活動に関する資金需要のうち主なものは、研究開発活動、関係会社への投融資及び資本業務提携に伴う株式投資等であります。これらの資金は、主に営業活動で得られた資金及び手元資金により充当することを基本方針としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入や社債の発行、資本市場からの調達をすることがあります。
当事業年度においては、当期純損失786百万円、営業活動によるキャッシュ・フロー601百万円のマイナスを計上しましたが、金融機関から借入、新株予約権の発行及びその権利行使による資金調達を行いました。これらの結果、当事業年度末時点の現金及び現金同等物の残高は1,099百万円、自己資本比率60.8%、流動比率289.9%となり、事業の円滑な運営に必要な流動性を十分に確保しております。また、複数の金融機関との間で借入枠を有しており、緊急時の流動性を確保しております。これらにより、当社の事業運営や成長に向けた投資資金は適切に調達することが可能であります。
なお、当事業年度末以降、第8回新株予約権の権利行使が行われ、506百万円の資金を調達しております。
⑤ 次期の経営方針
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、引き続き日本経済の先行きに影響を及ぼすと同時に、生活様式の変化や急速なDX化等をもたらしており、当社を取り巻く環境は大きく変化し続けると思われます。当社においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が事業に与える影響は限定的であるものの、引き続き感染対策を徹底するとともに、環境の変化で生まれた新しいニーズを素早く取り込みながら事業運営にあたっていく方針です。
このような環境の下、コンサルティング事業は、システム部の支援業務が引き続き堅調に推移する見込みです。また、銀行、クレジットカード及び投資運用業界等に加えて、新たに保険業界に対するコンサルティングサービスの提供体制を拡充するとともに、人材の育成を促進し、次の成長に向けた準備に取り組んでまいります。
ソリューション事業は、コンサルティング事業で育んだ信頼と顧客基盤を活かすとともに、コンサルティング事業と一体となった営業活動を通じて、課題解決のためのソリューションを提供してまいります。この一環として、次世代DXソリューションの受注獲得を目指してまいります。
イノベーション事業は、ワンダーレジの拡販を通じて、小売店の非接触・非対面に関するニーズに応えてまいります。また、独自開発の人工知能「SPAI」をはじめ、蓄積してきた技術やノウハウを活かして、企業の生産性向上や課題を解決する製品・サービスの開発に取り組んでまいります。
これらの結果、2022年2月期の業績見通しは、売上高は2,170百万円(前事業年度比6.5%増)、利益面では、支出の見直しやコスト削減に努める一方で、イノベーション事業において研究開発費等の販売費及び一般管理費300百万円を計画することから、営業損失235百万円(前事業年度は営業損失596百万円)、経常損失238百万円(前事業年度は経常損失611百万円)、当期純損失は258百万円(前事業年度は当期純損失786百万円)を計画しています。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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