有価証券報告書-第15期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/27 16:18
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」という2つのPurpose(企業の存在意義)を実現するために、当社グループの長期的な高成長を目指しています。
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善や企業収益の堅調、インバウンド需要の回復等を背景に、緩やかな回復基調が継続しております。しかしながら、物価上昇が消費者マインドや個人消費に及ぼす影響、海外経済の下振れリスク、金融資本市場の変動等、依然として注視すべき課題も残されております。
一方、世界経済においては、欧米における高金利の継続や中国経済の減速、ウクライナ情勢の長期化、原材料・エネルギー価格の高止まり等、複数の要因により先行き不透明な状況が続いております。さらに、米国の通商政策や各国中央銀行の金融政策、為替相場の変動等も重なり、今後の動向に対する警戒感が一層強まっております。
当社グループを取り巻く事業環境については、「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(※1)によれば、2024年の日本の総広告費は、企業収益や消費意欲の高まり、インバウンド需要の拡大、世界的イベントの影響等を背景に、前年比4.9%増の7兆6,730億円となり、3年連続で過去最高を更新いたしました。中でも、社会のデジタル化を受けてインターネット広告市場が著しく成長しており、動画広告需要の拡大を主因として、インターネット広告費は前年比9.6%増の3兆6,517億円と過去最高を記録しております。
また、当社グループが事業領域を拡大しているSaaS市場は、企業の働き方や業務プロセスなどのDX(※2)推進により、その活動領域を拡大しており、2027年度には2兆990億円(※3)に拡大すると見込まれています。近年、OpenAI社が開発・公開した大規模言語モデルを用いた高度な対話型AI「ChatGPT」の急速な普及を契機として、AI技術への関心が一層高まっております。実際に、AIを業務改善やビジネスプロセスの最適化に活用する企業が増加しており、今後もこの潮流は一層加速していくものと見込まれます。
このような事業環境のもと、当社グループはマーケティング領域のDXを推進するテクノロジー・AI企業として、祖業である広告プラットフォーム事業で培った高度な技術開発力および経営ノウハウを活用し、マーケティングSaaS事業、AI事業、さらに新設したデジタルPR事業への積極的な投資・開発を推進しております。これにより、マーケティング業界だけでなく、様々な業界や産業にサービスを提供し、お客様のさらなる事業拡大に貢献していきます。
今後も日本発のテクノロジー企業として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて取り組んでまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
・広告プラットフォーム事業
広告プラットフォーム事業では、Webサイトやスマートフォンアプリ上において、各閲覧者に最適な広告を瞬時に選択し表示する技術(アドテクノロジー)を活用し、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化するプラットフォームを提供しています。広告プラットフォーム事業は、下期に収益が拡大する傾向があります。祖業であるサプライサイドビジネスはエンタープライズ顧客の開拓により、業績を拡大し、デマンドサイドビジネス、特にデジタルOOH(※4)を含むブランディング領域においても大型案件を受注し、業績拡大に寄与しております。
この結果、同事業の売上収益は、4,776百万円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益は2,223百万円(前年同期比0.9%減)となりました。
・デジタルPR事業
デジタルPR事業は、中間連結会計期間に新設されたセグメントであり、2024年7月に連結子会社となったソーシャルワイヤー株式会社が運営するニュースワイヤー、インフルエンサーPR、クリッピング、リスクチェックの各事業を包括しております。ニュースワイヤー事業では、企業の情報発信を支援するプレスリリース配信代行サービス「@Press」や「NEWSCAST」を展開しており、インフルエンサーPR事業においては、広告代理店やクライアントからの依頼を受け、Instagramを中心としたSNSインフルエンサーによる商品PRサービス「Find Model」を提供しております。クリッピング事業では、メディアから必要な記事を精査・選別し報告する「@クリッピング」を、リスクチェック事業では、WEBニュースや新聞記事を活用し、取引先の反社会的勢力との関係性や不祥事情報を確認する「RISK EYES」を展開しております。
これらのプロダクトは、当社グループのマーケティングバリューチェーンを強化し、総合的なワンプラットフォーム構造の確立を加速させております。特にインフルエンサーPR事業が業績拡大に大きく寄与いたしました。
この結果、同事業の売上収益は、2,150百万円(前年同期比-%)となり、セグメント利益は428百万円(前年同期比-%)となりました。
・マーケティングSaaS事業
マーケティングSaaS事業では、「GENIEE Marketing Cloud」のプロダクトとして、CRM(顧客管理) /SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット接客ツール「GENIEE CHAT」、サイト内検索「GENIEE SEARCH」、広告効果測定「GENIEE ANALYTICS」などのサービスを展開しています。また、当社には多くのエンジニアが所属しているため、高い開発力を有しており、グループ会社であるJAPAN AI株式会社と連携しながら新機能を随時リリースしています。各プロダクトのMRR(※5)が堅調に推移していることに加え、「GENIEE SFA/CRM」、「GENIEE CHAT」、「GENIEE ANALYTICS」を中心に業績をけん引しております。
この結果、同事業の売上収益は、3,770百万円(前年同期比39.4%増)、セグメント利益は668百万円(前年同期比210.0%増)となりました。
・海外事業
海外事業では、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」、広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」及びインターネットメディアのディスプレイ広告収益の向上サービスを提供する完全子会社のZelto,Inc.(以下、 Zelto)を展開しています。2024年9月より、国内サプライサイドビジネスと海外サプライサイドビジネス(Zeltoを含む)の組織体制およびオペレーションを統合したことでグループ間でのクロスセルが進み、業績を拡大しています。
この結果、同事業の売上収益は、1,389百万円(前年同期比11.2%増)、セグメント利益は403百万円(前年同期比100.4%増)となりました。
この結果、当期の業績は、売上収益11,321百万円(前年同期比41.3%増)、営業利益2,520百万円(前年同期比63.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,954百万円(前年同期比89.4%増)となりました。
※1.株式会社 CARTA COMMUNICATIONS(CCI)/株式会社電通 /株式会社電通デジタル /株式会社セプテーニ調べ
※2.デジタルトランスフォーメーションの略称。
※3.出典元:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」
※4.OOHとは、Out Of Homeの略で、交通広告や屋外広告など自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称。
※5.Monthly Recurring Revenueの略称。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より366百万円増加し、2,861百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,231百万円の収入(前連結会計年度は1,139百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前利益2,267百万円、減価償却費及び償却費の計上1,211百万円、その他の収益の計上1,108百万円、営業債権及びその他の債権の増加826百万円、営業債務及びその他債務の増加969百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,146百万円の支出(前連結会計年度は831百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出297百万円、無形資産の取得による支出1,031百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入271百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、777百万円の支出(前連結会計年度は836百万円の支出)となりました。主な要因は、株式の発行による収入3,919百万円、長期借入れによる収入2,583百万円、長期借入金の返済による支出1,668百万円、自己株式の取得による支出4,945百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(b) 受注実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
広告プラットフォーム事業4,587,7736.6
デジタルPR事業2,147,876-
マーケティングSaaS事業3,744,28639.7
海外事業841,987△18.2
合計11,321,92341.3

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度より、事業セグメントの区分方法を見直し、従来の「広告プラットフォーム事業」「マーケティングSaaS事業」「海外事業」の3区分から、「広告プラットフォーム事業」「デジタルPR事業」「マーケティングSaaS事業」「海外事業」の4区分に変更しております。そのため「デジタルPR事業」の前年同期比は記載しておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Google Inc.818,99310.21,160,14110.2
LINEヤフー株式会社641,8518.01,230,94010.9

3.上記のGoogle Inc.に対する売上収益には、Google Asia Pacific Pte.Ltd.等の各社に対する売上収益が含まれております。
4.上記相手先の販売実績金額は、売上原価を売上収益から控除する方法(純額表示)にて記載を行っております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,887百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,943百万円増加いたしました。主な要因は、営業債権及びその他の債権が1,320百万円増加し、現金及び現金同等物が366百万円増加です。
非流動資産は15,996百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,743百万円増加しました。主な要因は、のれんが566百万円増加、使用権資産の増加1,035百万円、無形資産が478百万円増加です。
この結果、資産合計は23,883百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,686百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は7,367百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,491百万円増加いたしました。主な要因は、営業債務及びその他の債務が858百万円増加、その他の流動負債が587百万円増加、借入金が512百万円増加、リース負債が494百万円増加です。
非流動負債は7,813百万円となり、前連結会計年度末に比べ782百万円増加いたしました。主な要因は、借入金が556百万円増加、リース負債の増加587百万円、その他の金融負債が412百万円減少です。
この結果、負債合計は15,181百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,274百万円増加いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は8,702百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,412百万円増加いたしました。主な要因は、増資による資本金及び資本剰余金の増加4,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が1,847百万円増加、自己株式の取得4,950百万円です。
また、親会社所有者帰属持分比率は33.0%(前連結会計年度末は37.8%)となりました。
③ 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
④ キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資及びM&A等の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は10,218百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,861百万円となっております。

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