有価証券報告書-第35期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/12 15:37
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、Open Doorという企業理念のもと、いまだ誰も突破できていない障壁のある生活に密着した分野で、誰よりも先んじて事業機会を創造し、事業を展開し、産業構造を変え、あるべき社会を実現すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。特に、新しいIT技術を活用した通信環境の提供によりフィリピンの社会課題を解決し、SDGsに貢献しつつ、事業の拡大を図っております。
当連結会計年度においては、米国による関税政策の不確実性や中東情勢等の地政学的リスクから、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続きました。わが国においては、雇用・所得環境の改善を背景とする個人消費の持ち直しなどにより緩やかに景気が回復しているものの、中東情勢の影響は注視が必要な情勢であり、円安の進行やエネルギー価格の上昇による物価高の影響が継続しました。
当社グループの主要市場の一つであるフィリピンにおいては、公共工事の執行遅延による内需の鈍化を主因として、2025年の実質GDP成長率は前年比4.4%と、2024年の5.7%を下回り、景気に減速感がみられました。一方、AIやデータセンターなど社会のデジタル化に向けた情報通信関連の投資は引き続き活発で、データ流通の基盤となる通信回線の整備・拡充に対する需要は底堅く推移しております。
当社グループは、フィリピンとシンガポール・香港を結ぶ海底ケーブル(City-to-City Cable System、以下「C2C回線」)の使用権の一部及び各国の陸上回線から成る国際通信ネットワークを取得して、キャリアズキャリア(通信事業者のための卸売業者)としてのポジションを確立し、拡大する通信需要に応えるとともに、2023年12月に完成したフィリピン国内海底ケーブルネットワーク(Philippine Domestic Submarine Cable Network、以下「PDSCN」)を中心とする国内基幹網の拡充を通じ、フィリピン全土に通信回線やサービスを展開することにより、さらなる事業の拡大を図りました。加えて、新たな国際海底ケーブル「Candle」への参画決定や、フィリピン東海岸バレル地区における陸揚局(CLS)の建設を進めるなど、国際通信インフラ基盤の強化にも取り組んでおります。
日本においては、通信トラフィックの需要があるコールセンター事業者向けを中心に、ソフトウェア、通信回線及びコンサルテーションを顧客ごとに最適化したソリューションサービスの提供を継続してまいります。
メディカル&ヘルスケア事業は、フィリピンにおいて、Shinagawa Lasik & Aesthetics Center Corporation(以下「SLACC」)によるレーシックの安定的な提供を行うとともに、Shinagawa Healthcare Solutions Corporation(以下「SHSC」)で2023年4月に開院した日本基準の健診センター・人間ドックである、Shinagawa Diagnostic & Preventive Care Center(以下「SDPCC」)を通じ、フィリピン国内での予防医療の普及啓発に努めました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は16,999百万円(前期比11.4%増)、営業利益は5,370百万円(同21.7%増)となりました。また、円安等の進行に伴い為替差益を516百万円計上(前期は為替差損を276百万円計上)したことにより、経常利益は5,787百万円(同42.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,196百万円(同64.9%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(国際通信事業)
当社グループが使用権を保有するC2C回線において大口契約を獲得したほか、PDSCNを中心とするフィリピン国内基幹網とC2C回線を組み合わせたネットワークを活用し、マニラ首都圏から地方へ向けた回線・サービス提供を引き続き拡大しました。また、地方通信事業者向けの通信機器販売を含むネットワーク構築サービスや、小口容量の提供も堅調に推移しました。InfiniVAN, Inc.による法人向けインターネット接続サービスは、2025年12月末の課金顧客数が2024年12月末より510件増加して2,103件となり、事業全体では増収増益となりました。
その結果、売上高は12,943百万円(前期比15.4%増)、セグメント利益は4,901百万円(同8.9%増)となりました。
(国内通信事業)
当社グループが日本国内の販売代理権を持つコールセンターシステム「AmeyoJ」と、大手電気通信事業者から仕入れた電話回線をコールセンター事業者向けに秒単位の課金体系で販売する秒課金を組み合わせたソリューションサービスにおいて、顧客ニーズに応じたライセンス販売等を継続しました。着信側が課金される「0120」等を自社提供する新サービスの開始に向けた対応を進めました。
電気通信事業者間の音声通信回線の相互接続については、電話網のIP化等を踏まえ接続料(アクセスチャージ)を保守的に見直した水準で推移しましたが、事業全体では減収となり利益は黒字化しました。
この結果、売上高は2,405百万円(前期比3.4%減)、セグメント利益は397百万円(前期は11百万円のセグメント損失)となりました。
(メディカル&ヘルスケア事業)
SLACCがマニラ首都圏で展開するレーシックは、マーケティング手法の見直しや柔軟な価格・サービス体系の提供により、競争環境の激化等の影響を受ける中でも引き続き手術件数の安定化を図りました。
SHSCは健診センター・人間ドックSDPCCにおいては、日本基準の高品質な定期健診サービスを法人・個人向けに継続的に提供した結果、利用者の来院数が安定的に増加し、2025年下期に目標の単月黒字化を達成しました。事業全体では増収となり、黒字化しました。
この結果、売上高は1,650百万円(前期比6.1%増)、セグメント利益は80百万円(前期は84百万円のセグメント損失)となりました。
また、財政状態は次のとおりであります。
(資産の状況)
当連結会計年度末の流動資産は25,963百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,326百万円増加いたしました。これは主に、売掛金が4,933百万円増加した一方、リース投資資産が1,240百万円、現金及び預金が335百万円それぞれ減少したことによるものです。
また、有形固定資産は18,900百万円となり前連結会計年度末に比べ6,017百万円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が5,873百万円増加したことによるものです。無形固定資産は4,712百万円となり、前連結会計年度末に比べ705百万円増加いたしました。これは主に、通信回線使用権が620百万円増加したことによるものです。この結果、資産合計は50,979百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,948百万円増加いたしました。
(負債の状況)
当連結会計年度末の流動負債は18,887百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,139百万円増加いたしました。これは主に、前受金が1,592百万円、短期借入金が380百万円、一年内返済予定の長期借入金が110百万円それぞれ増加したことによるものです。
また、固定負債は6,455百万円となり前連結会計年度末に比べ2,154百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が2,075百万円増加したことによるものです。
この結果、負債合計は25,343百万円となり、前連結会計年度に比べ4,294百万円増加いたしました。
(純資産の状況)
当連結会計年度末の純資産は25,636百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,653百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益4,196百万円の計上、非支配株主持分1,060百万円が増加、為替換算調整勘定269百万円が減少、配当金の支払額519百万円の減少によるものであります。
この結果、自己資本比率は37.0%(前連結会計年度末は36.3%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ384百万円減少し、当連結会計年度における残高は3,534百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動において獲得した資金は4,585百万円(前年同期は704百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,803百万円、減価償却費939百万円、売上債権の増加△4,836百万円、前受金の増加1,594百万円、リース投資資産の減少1,175百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用した資金は7,086百万円(前年同期は2,542百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,371百万円、無形固定資産の取得による支出706百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において獲得した資金は2,035百万円(前年同期は1,380百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,839百万円、非支配株主からの払込みによる収入が163百万円あった一方、長期借入金の返済による支出1,944百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
国際通信事業3,666123.8
国内通信事業1,53777.6
メディカル&ヘルスケア事業1,07197.2
合計6,275103.8

(注)1.セグメント間取引は相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当社グループは受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
国際通信事業12,943115.4
国内通信事業2,40596.6
メディカル&ヘルスケア事業1,650106.1
合計16,999111.4

(注)1.セグメント間取引は相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、各販売先への当該割合が100分の10未満
のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
1)財政状態及び経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループは、国際海底ケーブルを利用する通信トラフィックをフィリピン各地で獲得するために、フィリピン国内の通信回線網の強化のための投資が必要となり、2023年12月に共同建設していたフィリピン国内海底ケーブルネットワーク(PDSCN)が完成しました。当社グループによる回線構築にあたっては、他の事業者と共用できるように事前に他の事業者と調整する等、当社グループの負担額を抑えることに努めておりますが、PDSCNが完成したものの、引き続き通信回線網の強化のための投資が必要となります。また、国際海底ケーブル「Candle」の共同建設に関する投資資金も必要となります。投資に振り向ける資金の調達は、営業キャッシュ・フロー、銀行からの長期借入金を充てることを想定しております。手許資金については、今後少なくなることが見込まれますが、銀行からの当座貸越枠の設定・拡大等を通じて対応していく計画です。
日本及びフィリピンの通信回線網への投資が落ち着き、収益が安定したときは、手許資金を積極的に株主に還元していくことを予定しております。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、過去の実績や取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産、負債の帳簿価額及び収益、費用の全般に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。なお、本項に記載した予想、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性があるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
③ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
(3)資金調達と資金の流動性についての分析
当社グループの資金調達は、金融機関からの借入による間接調達及び資本市場からの調達による直接調達で構成されております。
長期運転資金及び設備投資資金につきましては、営業活動により得られたキャッシュ・フロー、金融機関からの長期借入やリースによる間接調達及び株式発行による直接調達を基本としております。
短期資金需要につきましては、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び当座貸越契約の融資枠の利用を含めた金融機関からの短期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は12,637百万円、現金及び現金同等物の残高は3,534百万円となりました。

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