有価証券報告書-第39期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、政府・日銀の各種政策の効果もあって、緩やかな回復が継続いたしました。一方、世界経済においては、米中の貿易摩擦が世界経済に与える影響等、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動に留意する必要があり、景気の先行きは不透明な状況となっております。
当社グループを取り巻く経営環境としましては、当社の重要顧客である国内メーカーの生産が安定的に推移する中で、人手不足が継続していることもあり、外部人材活用のニーズは引き続き堅調な状況でした。
このような環境の中、当社グループでは、「人を育て 人を活かす」の創業理念のもと、2019年3月期から2021年3月期までの中期経営計画に沿って、営業、採用、教育活動の強化を進め、顧客評価と従業員評価の向上を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度期間の業績は、次のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は21,019百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,149百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は10,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ78百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は10,544百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,227百万円増加いたしました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高69,161百万円(前期比16.8%増)、営業利益2,869百万円(前期比59.4%増)、経常利益2,895百万円(前期比62.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,053百万円(前期比102.4%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(総合人材サービス事業)
総合人材サービス事業では、製造系人材サービスとして製造派遣・製造請負を、事務系人材サービスとして、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing:企業運営上の業務やビジネスプロセスを、専門企業に外部委託すること)を行っております。
当連結会計年度における当事業では、売上高の91.9%を占める製造系人材サービスにおいて、重要顧客であるアカウント企業へ「技能社員」を重点的に配属していく戦略のもと、人材育成への投資を積極的に行い、製造スタッフの技能向上と定着率の向上を図ってまいりました。2018年5月1日に開設した「日総テクニカルセンター中日本(長野県岡谷市)」などの研修施設を活用し、自動車や電子部品、精密機器などの分野で活躍できる人材を育成し、顧客に付加価値の高いサービスを提供することに取り組みました。これにより、顧客環境においては、輸送機器メーカー及び電子部品メーカーを中心に受注が拡大いたしました。また、自社採用サイトの活用により低コストでの採用を実現するとともに、処遇の改善や教育機会の充実によって製造スタッフの就業意欲を高め、定着率の向上を図り、在籍者数が順調に増加(前連結会計年度末比1,598名増)いたしました。さらに、無期雇用であり定着率の高い「技能社員」を配置する提案が重要顧客において好条件で進んだ結果、前連結会計年度と比較し、当連結会計年度における月間平均一人当たり売上高は24千円増加いたしました。
この結果、総合人材サービス事業の売上高は、前連結会計年度(56,947百万円)と比較して17.1%増加し、66,684百万円となりました。
また、利益面では、増収による効果及び販売費及び一般管理費率の低減に向けた取り組みが、製造スタッフの処遇改善や教育への投資などによる費用の上昇を吸収した結果、営業利益は、前連結会計年度(1,905百万円)と比較して63.7%増加し、3,120百万円となりました。
(その他の事業)
その他の事業では、介護・福祉事業を行っております。
当連結会計年度における当事業では、2018年3月1日に開設した介護施設「すいとぴー東戸塚(横浜市戸塚区)」への入居者数が増加いたしました。
この結果、その他の事業の売上高は、前連結会計年度(2,273百万円)と比較して9.3%増加し、2,485百万円となりました。
また、利益面では、「すいとぴー東戸塚」の入居数は増加しておりますが、人件費や運営費など売上原価の増加を吸収しきれず、営業損失は、前連結会計年度(101百万円の営業損失)と比較して146百万円拡大し、247百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,565百万円の収入となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは0百万円の収入となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは2,215百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高に比べ349百万円増加し、5,633百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,903百万円、未払費用の増加420百万円、未払消費税等の増加333百万円等の収入で、売上債権の増加965百万円等の支出を吸収して、2,565百万円の収入(前連結会計年度は2,751百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入173百万円等の収入で、有形固定資産の取得による支出120百万円等の支出を吸収して、0百万円の収入(前連結会計年度は102百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,651百万円、自己株式の取得による支出342百万円、配当金の支払額348百万円等の支出により、2,215百万円の支出(前連結会計年度は735百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、総合人材サービス事業、その他の事業(介護・福祉事業)を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
上記「a.生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.調整額は、セグメント間の内部売上高または振替高の消去額であります。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績に対する割合が10%を超える販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は14,174百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,421百万円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が965百万円、現金及び預金が349百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は6,844百万円となり、前連結会計年度末に比べ272百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券が212百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は21,019百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,149百万円増加いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は9,161百万円となり、前連結会計年度末に比べ954百万円増加いたしました。これは主に、未払費用が420百万円、未払消費税等が333百万円、賞与引当金が210百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は1,312百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,033百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が1,132百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は10,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ78百万円減少いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は10,544百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,227百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益2,053百万円の計上と剰余金の配当348百万円の支払により、1,705百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は50.2%(前連結会計年度末は46.9%)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ16.8%増の69,161百万円となりました。
「総合人材サービス事業」では、主たる顧客である輸送機器メーカーが、国内販売及び輸出が好調に推移したことにより、増産傾向が続き、人材の需要が拡大いたしました。また、同じく主要取引先である電子部品メーカーにおいては、米中貿易摩擦の影響もあり景気の先行きは不透明さはあるものの、生産及び人材需要共に概ね堅調に推移いたしました。当社では顧客への提供サービスの質の強化に努め、自動車関連、電子デバイス関連、及び精密・電気機械関連企業の国内主要メーカーを中心に既存顧客のシェアアップと新規顧客の獲得を推進してまいりました。この結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ17.1%増の66,684百万円となりました。
「その他の事業」の介護・福祉事業において、今後も日本国内の高齢化はさらに進むことが予想されることに伴い、介護サービスへの需要も増加することが見込まれます。当社グループでは、就業者への教育強化等により提供するサービスの質を高め、有料老人ホーム(すいとぴー)の入居者や介護サービス利用者の増加を図ってまいりました。この結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ9.3%増の2,485百万円となりました。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ16.6%増の56,922百万円となりました。
これは主として、「総合人材サービス事業」における製造スタッフ等の増加に伴う人件費や法定福利費が増加したことによります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ9.3%増の9,370百万円となりました。
これは主として、組織機能強化に伴う間接部門の増員及び処遇改善などにより人件費が前連結会計年度より増加したことによります。
総合人材サービス事業においては、増収による効果、販売費及び一般管理費率の低減に向けた取り組みが製造スタッフの処遇改善や教育などによる費用の上昇を吸収した結果、営業利益は前連結会計年度に比べ63.7%増の3,120百万円となりました。
一方、その他の事業においては、有料老人ホーム(すいとぴー)の入居者は増加しておりますが、人件費や運営費など売上原価の増加を吸収しきれず、営業損失は、前連結会計年度に比べ146百万円拡大し、247百万円となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ59.4%増の2,869百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ9百万円減の147百万円となりました。
これは主として、前連結会計年度に比べ受取家賃が15百万円減少したことによります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ54百万円減の121百万円となりました。
これは主として、前連結会計年度に比べ支払利息が52百万円減少したことによります。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ62.5%増の2,895百万円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損益は、投資有価証券売却益74百万円、減損損失65百万円の計上となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、特別損益の発生がなかった前連結会計年度に比べ63.0%増の2,903百万円となりました。
(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、前連結会計年度に比べ82百万円増の849百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ102.4%増の2,053百万円となりました。
3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、顧客動向、人材確保、法改正等があります。
顧客動向については、国内外の政策動向、通商問題、金融資本市場の変動、地政学リスク等の影響により、依存度の高い業界の業況が不振となったり、取引規模の大きい企業において大規模且つ急激な生産変動や当社との取引に対する姿勢の変更が生じたりした場合には、当社グループの業績に大きな影響があり、景気変動リスクを最小限に抑える必要があります。当社グループでは、迅速な経営判断を行うための情報収集体制を整えるとともに、付加価値の高い人材「技能社員」を投入し、主要取引先との関係強化を進めて、景気変動や生産変動時にも一定数の需要を確保できる体制整備の構築に努めております。
人材確保については、国内において少子高齢化による労働力人口の減少が進む中、あらゆる業界で就業者不足となっており、今後も人材不足が継続すると予測されております。人材サービス事業においては、人材の確保が充分に行えない場合、売上機会の損失や顧客からの信用低下などで、業績に大きな影響を及ぼすと認識しております。当社グループでは、この人材確保という課題に対し、自社採用サイト「工場求人ナビ」の活用、全国の採用オフィス面接や各地での面接会の実施、スカウトサービスの活用など、就業者の確保に向けた様々な取り組みを展開しております。
法改正については、「総合人材サービス事業」及び「その他の事業」において、多岐にわたる法律に基づいて事業を運営しております。関係諸法令の改正が行われた場合、その内容によっては、事業運営への制限の発生や対応する体制構築に時間を要することなどが懸念されます。当社グループでは、法改正を新たな事業機会と捉えて、新しいサービスの提案や顧客ニーズの発掘などにより、事業の成長を図ってまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要は、主として給与等の人件費及び人材確保のための社員募集費であります。また、設備資金需要としては、教育施設や介護施設投資に加え、社内基幹システム、製造スタッフ管理システム及び採用サイト等の無形固定資産投資等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、当連結会計年度においては、前連結会計年度における新株の発行による資金調達及び営業キャッシュ・フローにて、教育施設投資及びシステム投資に対する資金を確保すると同時に、長期借入金を期限前弁済することで、有利子負債の削減を図っております。
この結果、当連結会計年度末の有利子負債は1,522百万円減少し、1,191百万円(前連結会計年度末は2,713百万円)となりました。
また、金融機関からの借入による資金調達の実施にあたっては、調達時期、金利動向、借入条件について最も有利な手段を選択すべく慎重に検討することで資金調達コストを低減する一方、長期借入金については過度に金利変動リスクに晒されないよう、一部金利スワップを活用しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重要な経営指標としている営業利益率は、前連結会計年度より売上総利益率が0.2ポイント増加し17.7%、販売費及び一般管理費率が1.0ポイント減少し13.5%となったことで、1.1ポイント増加し4.1%となりました。引き続き売上総利益率及び販売費及び一般管理費率の両方を改善することで、営業利益率の改善に取り組んでまいります。
当社グループでは、2020年3月期から2022年3月期までの3か年を対象とする新中期経営計画を策定しており、目標は以下のとおりです。
(単位:億円)
③ 今後の見通し、事業別の認識及び分析・検討内容
今後の見通しにつきましては、国内経済においては、雇用・所得環境の改善が続くなか、現政権の政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待される一方、世界経済においては、米中貿易摩擦や英国のEU離脱等の影響もあり先行きは不透明な状況となっております。国内製造業の一部には輸出や生産の弱さも見られますが、当社グループの主要顧客である国内大手メーカーにおいては、引き続き安定した生産水準が維持されると考えております。
このような状況のもと、当社グループは、創業理念である「人を育て 人を活かす」と「メイド・イン・ジャパンを支える最高のプロ集団になる」というビジョンの実現に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
(総合人材サービス事業)
グループ中核事業の製造系人材サービスにおいて、重要顧客と位置付けるアカウント企業へ無期雇用社員である「技能社員」を重点的に配属していく戦略のもと、「日総テクニカルセンター」を中心に全国9か所にある自社教育施設を活用した人材育成を積極的に行い、製造スタッフの技能向上と定着率の向上を図ってまいります。
(その他の事業)
その他の事業において、横浜市内6か所にある介護施設「すいとぴー」における提供サービスの質を高め、施設入居者の増加を図ってまいります。また、業務の効率化を推進するなど経営体質の改善に取り組み、収益性を高めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、政府・日銀の各種政策の効果もあって、緩やかな回復が継続いたしました。一方、世界経済においては、米中の貿易摩擦が世界経済に与える影響等、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動に留意する必要があり、景気の先行きは不透明な状況となっております。
当社グループを取り巻く経営環境としましては、当社の重要顧客である国内メーカーの生産が安定的に推移する中で、人手不足が継続していることもあり、外部人材活用のニーズは引き続き堅調な状況でした。
このような環境の中、当社グループでは、「人を育て 人を活かす」の創業理念のもと、2019年3月期から2021年3月期までの中期経営計画に沿って、営業、採用、教育活動の強化を進め、顧客評価と従業員評価の向上を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度期間の業績は、次のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は21,019百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,149百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は10,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ78百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は10,544百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,227百万円増加いたしました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高69,161百万円(前期比16.8%増)、営業利益2,869百万円(前期比59.4%増)、経常利益2,895百万円(前期比62.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,053百万円(前期比102.4%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(総合人材サービス事業)
総合人材サービス事業では、製造系人材サービスとして製造派遣・製造請負を、事務系人材サービスとして、一般事務派遣、BPO(Business Process Outsourcing:企業運営上の業務やビジネスプロセスを、専門企業に外部委託すること)を行っております。
当連結会計年度における当事業では、売上高の91.9%を占める製造系人材サービスにおいて、重要顧客であるアカウント企業へ「技能社員」を重点的に配属していく戦略のもと、人材育成への投資を積極的に行い、製造スタッフの技能向上と定着率の向上を図ってまいりました。2018年5月1日に開設した「日総テクニカルセンター中日本(長野県岡谷市)」などの研修施設を活用し、自動車や電子部品、精密機器などの分野で活躍できる人材を育成し、顧客に付加価値の高いサービスを提供することに取り組みました。これにより、顧客環境においては、輸送機器メーカー及び電子部品メーカーを中心に受注が拡大いたしました。また、自社採用サイトの活用により低コストでの採用を実現するとともに、処遇の改善や教育機会の充実によって製造スタッフの就業意欲を高め、定着率の向上を図り、在籍者数が順調に増加(前連結会計年度末比1,598名増)いたしました。さらに、無期雇用であり定着率の高い「技能社員」を配置する提案が重要顧客において好条件で進んだ結果、前連結会計年度と比較し、当連結会計年度における月間平均一人当たり売上高は24千円増加いたしました。
この結果、総合人材サービス事業の売上高は、前連結会計年度(56,947百万円)と比較して17.1%増加し、66,684百万円となりました。
また、利益面では、増収による効果及び販売費及び一般管理費率の低減に向けた取り組みが、製造スタッフの処遇改善や教育への投資などによる費用の上昇を吸収した結果、営業利益は、前連結会計年度(1,905百万円)と比較して63.7%増加し、3,120百万円となりました。
(その他の事業)
その他の事業では、介護・福祉事業を行っております。
当連結会計年度における当事業では、2018年3月1日に開設した介護施設「すいとぴー東戸塚(横浜市戸塚区)」への入居者数が増加いたしました。
この結果、その他の事業の売上高は、前連結会計年度(2,273百万円)と比較して9.3%増加し、2,485百万円となりました。
また、利益面では、「すいとぴー東戸塚」の入居数は増加しておりますが、人件費や運営費など売上原価の増加を吸収しきれず、営業損失は、前連結会計年度(101百万円の営業損失)と比較して146百万円拡大し、247百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,565百万円の収入となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは0百万円の収入となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは2,215百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高に比べ349百万円増加し、5,633百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,903百万円、未払費用の増加420百万円、未払消費税等の増加333百万円等の収入で、売上債権の増加965百万円等の支出を吸収して、2,565百万円の収入(前連結会計年度は2,751百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入173百万円等の収入で、有形固定資産の取得による支出120百万円等の支出を吸収して、0百万円の収入(前連結会計年度は102百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,651百万円、自己株式の取得による支出342百万円、配当金の支払額348百万円等の支出により、2,215百万円の支出(前連結会計年度は735百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、総合人材サービス事業、その他の事業(介護・福祉事業)を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
上記「a.生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 総合人材サービス事業(百万円) | 66,684 | 117.1 |
| その他の事業(百万円) | 2,485 | 109.3 |
| 調整額(百万円) | △8 | - |
| 合計(百万円) | 69,161 | 116.8 |
(注)1.調整額は、セグメント間の内部売上高または振替高の消去額であります。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績に対する割合が10%を超える販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は14,174百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,421百万円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が965百万円、現金及び預金が349百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は6,844百万円となり、前連結会計年度末に比べ272百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券が212百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は21,019百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,149百万円増加いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は9,161百万円となり、前連結会計年度末に比べ954百万円増加いたしました。これは主に、未払費用が420百万円、未払消費税等が333百万円、賞与引当金が210百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は1,312百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,033百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が1,132百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は10,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ78百万円減少いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は10,544百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,227百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益2,053百万円の計上と剰余金の配当348百万円の支払により、1,705百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は50.2%(前連結会計年度末は46.9%)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ16.8%増の69,161百万円となりました。
「総合人材サービス事業」では、主たる顧客である輸送機器メーカーが、国内販売及び輸出が好調に推移したことにより、増産傾向が続き、人材の需要が拡大いたしました。また、同じく主要取引先である電子部品メーカーにおいては、米中貿易摩擦の影響もあり景気の先行きは不透明さはあるものの、生産及び人材需要共に概ね堅調に推移いたしました。当社では顧客への提供サービスの質の強化に努め、自動車関連、電子デバイス関連、及び精密・電気機械関連企業の国内主要メーカーを中心に既存顧客のシェアアップと新規顧客の獲得を推進してまいりました。この結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ17.1%増の66,684百万円となりました。
「その他の事業」の介護・福祉事業において、今後も日本国内の高齢化はさらに進むことが予想されることに伴い、介護サービスへの需要も増加することが見込まれます。当社グループでは、就業者への教育強化等により提供するサービスの質を高め、有料老人ホーム(すいとぴー)の入居者や介護サービス利用者の増加を図ってまいりました。この結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ9.3%増の2,485百万円となりました。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ16.6%増の56,922百万円となりました。
これは主として、「総合人材サービス事業」における製造スタッフ等の増加に伴う人件費や法定福利費が増加したことによります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ9.3%増の9,370百万円となりました。
これは主として、組織機能強化に伴う間接部門の増員及び処遇改善などにより人件費が前連結会計年度より増加したことによります。
総合人材サービス事業においては、増収による効果、販売費及び一般管理費率の低減に向けた取り組みが製造スタッフの処遇改善や教育などによる費用の上昇を吸収した結果、営業利益は前連結会計年度に比べ63.7%増の3,120百万円となりました。
一方、その他の事業においては、有料老人ホーム(すいとぴー)の入居者は増加しておりますが、人件費や運営費など売上原価の増加を吸収しきれず、営業損失は、前連結会計年度に比べ146百万円拡大し、247百万円となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ59.4%増の2,869百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ9百万円減の147百万円となりました。
これは主として、前連結会計年度に比べ受取家賃が15百万円減少したことによります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ54百万円減の121百万円となりました。
これは主として、前連結会計年度に比べ支払利息が52百万円減少したことによります。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ62.5%増の2,895百万円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損益は、投資有価証券売却益74百万円、減損損失65百万円の計上となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、特別損益の発生がなかった前連結会計年度に比べ63.0%増の2,903百万円となりました。
(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、前連結会計年度に比べ82百万円増の849百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ102.4%増の2,053百万円となりました。
3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、顧客動向、人材確保、法改正等があります。
顧客動向については、国内外の政策動向、通商問題、金融資本市場の変動、地政学リスク等の影響により、依存度の高い業界の業況が不振となったり、取引規模の大きい企業において大規模且つ急激な生産変動や当社との取引に対する姿勢の変更が生じたりした場合には、当社グループの業績に大きな影響があり、景気変動リスクを最小限に抑える必要があります。当社グループでは、迅速な経営判断を行うための情報収集体制を整えるとともに、付加価値の高い人材「技能社員」を投入し、主要取引先との関係強化を進めて、景気変動や生産変動時にも一定数の需要を確保できる体制整備の構築に努めております。
人材確保については、国内において少子高齢化による労働力人口の減少が進む中、あらゆる業界で就業者不足となっており、今後も人材不足が継続すると予測されております。人材サービス事業においては、人材の確保が充分に行えない場合、売上機会の損失や顧客からの信用低下などで、業績に大きな影響を及ぼすと認識しております。当社グループでは、この人材確保という課題に対し、自社採用サイト「工場求人ナビ」の活用、全国の採用オフィス面接や各地での面接会の実施、スカウトサービスの活用など、就業者の確保に向けた様々な取り組みを展開しております。
法改正については、「総合人材サービス事業」及び「その他の事業」において、多岐にわたる法律に基づいて事業を運営しております。関係諸法令の改正が行われた場合、その内容によっては、事業運営への制限の発生や対応する体制構築に時間を要することなどが懸念されます。当社グループでは、法改正を新たな事業機会と捉えて、新しいサービスの提案や顧客ニーズの発掘などにより、事業の成長を図ってまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要は、主として給与等の人件費及び人材確保のための社員募集費であります。また、設備資金需要としては、教育施設や介護施設投資に加え、社内基幹システム、製造スタッフ管理システム及び採用サイト等の無形固定資産投資等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、当連結会計年度においては、前連結会計年度における新株の発行による資金調達及び営業キャッシュ・フローにて、教育施設投資及びシステム投資に対する資金を確保すると同時に、長期借入金を期限前弁済することで、有利子負債の削減を図っております。
この結果、当連結会計年度末の有利子負債は1,522百万円減少し、1,191百万円(前連結会計年度末は2,713百万円)となりました。
また、金融機関からの借入による資金調達の実施にあたっては、調達時期、金利動向、借入条件について最も有利な手段を選択すべく慎重に検討することで資金調達コストを低減する一方、長期借入金については過度に金利変動リスクに晒されないよう、一部金利スワップを活用しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重要な経営指標としている営業利益率は、前連結会計年度より売上総利益率が0.2ポイント増加し17.7%、販売費及び一般管理費率が1.0ポイント減少し13.5%となったことで、1.1ポイント増加し4.1%となりました。引き続き売上総利益率及び販売費及び一般管理費率の両方を改善することで、営業利益率の改善に取り組んでまいります。
当社グループでは、2020年3月期から2022年3月期までの3か年を対象とする新中期経営計画を策定しており、目標は以下のとおりです。
(単位:億円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | |
| 売上高 | 800 | 926 | 1,012 |
| 営業利益 | 39.0 | 56.0 | 73.0 |
| (営業利益率) | 4.9% | 6.0% | 7.2% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 27.6 | 38.5 | 50.0 |
③ 今後の見通し、事業別の認識及び分析・検討内容
今後の見通しにつきましては、国内経済においては、雇用・所得環境の改善が続くなか、現政権の政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待される一方、世界経済においては、米中貿易摩擦や英国のEU離脱等の影響もあり先行きは不透明な状況となっております。国内製造業の一部には輸出や生産の弱さも見られますが、当社グループの主要顧客である国内大手メーカーにおいては、引き続き安定した生産水準が維持されると考えております。
このような状況のもと、当社グループは、創業理念である「人を育て 人を活かす」と「メイド・イン・ジャパンを支える最高のプロ集団になる」というビジョンの実現に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
(総合人材サービス事業)
グループ中核事業の製造系人材サービスにおいて、重要顧客と位置付けるアカウント企業へ無期雇用社員である「技能社員」を重点的に配属していく戦略のもと、「日総テクニカルセンター」を中心に全国9か所にある自社教育施設を活用した人材育成を積極的に行い、製造スタッフの技能向上と定着率の向上を図ってまいります。
(その他の事業)
その他の事業において、横浜市内6か所にある介護施設「すいとぴー」における提供サービスの質を高め、施設入居者の増加を図ってまいります。また、業務の効率化を推進するなど経営体質の改善に取り組み、収益性を高めてまいります。