有価証券報告書-第41期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、厳しい状況で推移したものの、感染拡大の防止策を講じつつ、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、経済活動は持ち直しの動きがみられますが、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
当社グループを取り巻く経営環境といたしましては、重要顧客である国内メーカーにおいて、前述のとおり持ち直しの動きが見られる中で受注環境が改善傾向となっております。自動車関連については2021年2月に発生した福島県沖地震の影響により一時的に稼働停止などの影響があったものの、生産は底堅く推移いたしました。電子デバイス関連については、5Gや働き方の変化によるITの需要増加を背景として、電子部品・デバイスの生産は回復傾向となりました。また、雇用情勢においては、雇用者数などの動きに底堅さが見られ、当社顧客における外部人材活用ニーズも高まりつつあります。
このような環境の中、当社グループは「人を育て 人を活かす」という創業理念に基づき、働く人が働き甲斐を持ち成長していける職場を作り上げていくとともに、企業としての成長に貢献できるサービスの提供を目指し、当社グループの企業価値向上を実現するために、以下の取り組みを継続しております。
当連結会計年度において、グループ中核事業である総合人材サービス事業の製造系人材サービスでは、重要顧客と位置付けるアカウント企業へ無期雇用社員である「技能社員」を重点的に配属していく戦略のもと、自社教育施設を活用した人材育成を積極的に行い、製造スタッフの技能向上と定着率の向上を図ってまいりました。
その他の事業においては、横浜市内6か所にある介護施設「すいとぴー」における提供サービスの質を高め、施設入居者の増加を図り、業務の効率化を推進するなど経営体質の改善に取り組んでまいりました。
なお、営業外収益で、助成金収入399百万円が発生しております。これは、主に新型コロナウイルス感染拡大に伴う、雇用調整助成金などによるものです。
また、特別損失で449百万円を計上しております。これは、投資有価証券評価損や固定資産除却損などによるものです。
この結果、当連結会計年度期間の業績は、次のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は21,631百万円となり、前連結会計年度末に比べ862百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は8,868百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,730百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は12,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ867百万円増加いたしました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高68,213百万円(前期比9.0%減)、営業利益2,599百万円(前期比15.1%減)、経常利益2,949百万円(前期比6.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,592百万円(前期比21.7%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(総合人材サービス事業)
当連結会計年度における連結売上高の91.8%を占める主力事業である製造系人材サービスにおいては、自社教育施設のみならずWebなどの活用を含めた付加価値を高める教育を実践することにより、製造スタッフの就業意欲を高め、定着率の向上を図っております。自動車関連の売上高は、海外経済の回復のもと増産傾向で推移しており、受注量の回復に努めた結果、売上高は改善いたしましたが、第1四半期連結会計期間(2020年4月1日から2020年6月30日)における需要の低下を吸収しきれず、前期比では14.4%の減収となりました。一方、ITインフラ投資などを背景とした半導体関連の生産が堅調に推移しており、電子デバイス関連の売上高は増加し、前期比では3.2%の増収となりました。
また、当連結会計年度の製造系人材サービスにおいて、重要顧客と位置付けるアカウント企業グループの売上高は減少(前期比372百万円減)したものの、連結売上高に占める割合は43.6%(前期40.9%)となりました。また、技能及び定着率の高い技能社員のニーズは堅調に推移し、前連結会計年度末と比較して186名増加いたしました。
しかしながら、当連結会計年度においては、採用募集費などの経費抑制に取り組んだものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響による在籍者の減少、売上高の減少を吸収するまでには至らず、減収減益となりました。
この結果、売上高65,250百万円(前期比9.6%減)、営業利益2,578百万円(前期比17.3%減)となりました。
(その他の事業)
当連結会計年度における当事業の主力事業である施設介護事業においては、新型コロナウイルス感染拡大の防止を前提にWeb内覧会などを推進した結果、介護施設「すいとぴー東戸塚」の入居率は9割を超えており、人件費や運営費の効率化などの取り組みにより売上原価を抑え、収益性の向上に努めることで、増収増益となりました。
この結果、売上高2,972百万円(前期比6.3%増)、営業利益23百万円(前期は54百万円の損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1,672百万円の収入となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは496百万円の支出となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,668百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高に比べ491百万円減少し、5,873百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,500百万円等の収入で、法人税等の支払額1,247百万円等の支出を吸収して、1,672百万円の収入(前連結会計年度は1,922百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出310百万円、有形固定資産の取得による支出93百万円、無形固定資産の取得による支出97百万円等の支出で、496百万円の支出(前連結会計年度は289百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額845百万円、長期借入金の返済による支出750百万円等の支出により、1,668百万円の支出(前連結会計年度は901百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、総合人材サービス事業、その他の事業(介護・福祉事業)を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
上記「a.生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.調整額は、セグメント間の内部売上高または振替高の消去額であります。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績に対する割合が10%を超える販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は14,813百万円となり、前連結会計年度末に比べ808百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が491百万円、受取手形及び売掛金が339百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は6,817百万円となり、前連結会計年度末に比べ54百万円減少いたしました。これは主に、退職給付に係る資産が76百万円増加した一方、リース資産が66百万円、建物及び構築物が52百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は21,631百万円となり、前連結会計年度末に比べ862百万円減少いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は8,178百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,100百万円減少いたしました。これは主に、未払消費税等が741百万円、未払法人税等が317百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は689百万円となり、前連結会計年度末に比べ629百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が623百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は8,868百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,730百万円減少いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は12,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ867百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益1,592百万円の計上と剰余金の配当845百万円の支払により、747百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は59.0%(前連結会計年度末は52.9%)となりました。
b.経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ6,752百万円減の68,213百万円となりました。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ5,424百万円減の56,426百万円となりました。
これは主として、総合人材サービス事業における製造スタッフ等の減少に伴い、人件費が減少したことによります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ866百万円減の9,188百万円となりました。
これは主として、採用募集費が前連結会計年度より減少したことによります。
(営業利益)
営業利益は前連結会計年度に比べ461百万円減の2,599百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ326百万円増の487百万円となりました。
これは主として、雇用調整助成金を399百万円計上したことによります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ64百万円増の136百万円となりました。
これは主として、賃貸借契約解約損27百万円を計上したことによります。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ200百万円減の2,949百万円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損失は、投資有価証券評価損296百万円、役員退職慰労金50百万円、固定資産売却損18百万円、固定資産除去損32百万円、減損損失51百万円の計上となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ614百万円減の2,500百万円となりました。
(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、前連結会計年度に比べ174百万円減の907百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ440百万円減の1,592百万円となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(総合人材サービス事業)
総合人材サービス事業の売上高は前連結会計年度に比べ9.6%減の65,250百万円となりました。
当事業の主力事業である製造系人材サービスにおいて、売上高の43.3%を占める自動車関連では、当第1四半期連結会計期間(2020年4月1日から6月30日)において、新型コロナウイルスの感染拡大によるグローバルな消費の減退により生産が大きく減少しました。その後、2020年5月の緊急事態宣言解除やグローバルな経済活動再開の動きに伴い、輸出や国内向け生産が回復基調となることで稼働が増加し、受注量の回復に努め、同年9月より増員に転じたものの、在籍者の減少を取り戻すまでには至らず、14.4%減の27,104百万円となりました。
同じく、売上高の29.4%を占める電子デバイス関連は、テレワークの普及、サーバ向け需要等に伴い、生産が底堅く推移した結果、3.2%増の18,406百万円となりました。
また、売上高の12.7%を占める精密・電気機械関連は、オフィス向け需要の減退により、12.5%減の7,924百万円となりました。
当事業の営業利益は、採用募集費などの経費抑制に取り組んだものの、在籍者の減少、売上高の減少を吸収するまでには至らず、前連結会計年度に比べ17.3%減の2,578百万円となりました。
(その他の事業)
その他の事業の売上高は前連結会計年度に比べ6.3%増の2,972百万円となりました。
介護・福祉事業において、今後も日本国内の高齢化はさらに進むことが予想されることに伴い、介護サービスへの需要も増加することが見込まれます。当社グループでは、就業者への教育強化等により提供するサービスの質を高め、有料老人ホーム(すいとぴー)の入居者や介護サービス利用者の増加を図ってまいりました。また、横浜市内に6か所ある介護施設においては、既存施設(1~5号館)の当連結会計年度末における施設入居率は95.5%と高水準を維持し、2018年3月に開設したすいとぴー東戸塚(6号館)の当連結会計年度末における施設入居率も92.6%と高水準となり、増収となりました。
当事業の営業利益は前連結会計年度営業損失54百万円に対し、23百万円となりました。
引き続き、当事業の主力事業である施設介護事業における人件費や運営費の効率化に努めてまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重要な経営指標としている「営業利益率」は、前連結会計年度より売上総利益率が0.2ポイント減少し17.3%、販売費及び一般管理費率が0.1ポイント増加し13.5%となったことで、3.8%となりました。引き続き売上総利益率の向上及び販管効率の向上を図り、営業利益率の改善に取り組んでまいります。
d.経営環境等の認識及び分析・検討内容と今後の見通し
当連結会計年度は、2020年4月に発令された緊急事態宣言に伴う行動自粛による生産活動の減少があったものの、同年5月の緊急事態宣言の解除やグローバルな生産活動の回復に伴い、緩やかに回復した1年となりました。
今後の経営環境につきまして、日本国内においては、新型コロナウイルスの感染収束が見えない中、地域的な措置ではあるものの、再度の緊急事態宣言が発令されるなど当社グループの事業活動に影響を及ぼしうる状況は継続しており、経済活動の影響を注視する必要はあります。また、当社グループの主力事業である製造系人材サービスにおいては、半導体の不足から自動車関連の生産の一時的な遅れが懸念されております。さらに、DXなどの技術革新、少子高齢化に伴う労働人口の減少、労働者需要の変化や働き方の多様化など、当社のおかれた事業環境は変化のスピードが早く、且つ複雑になっており、経営判断の迅速化が求められております。
なお、当社グループでは、顧客及び従業員の安全を第一に、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた対策を強化し、事業活動を進めてまいります。国内におけるワクチン接種には遅れがあるものの、顧客における受注状況も回復傾向が見えており、当社グループの業績は底堅く推移するものと考えております。一方、顧客や職場、介護施設における罹患者が発生するなどの場合には、影響を及ぼす可能性があります。
このような環境の中、当社グループでは、持続的な成長を実現すべく、経営判断の迅速化が出来る体制を構築し、2021年5月12日に発信した中期経営計画の達成と「高い成長力のある企業グループに変革する」というビジョンの実現に向けた事業運営を進めてまいります。
ビジョンの達成に向けたマテリアリティ(重要課題)を、「働きやすい職場づくり」、「社会変化や産業変化への対応」、「ガバナンスの強化」と定義しました。「働きやすい職場づくり」の実現に向けて、事業の特性に合わせ、働きがいのある職場とは何かを明確にし、その改善を行ってまいります。「社会変化や産業変化への対応」の実現に向けて、景気変動に強い事業構造への変化を目指し、ダイバーシティやDXなどの激変する経営環境への投資を加速してまいります。また、「ガバナンスの強化」の実現に向けて、コーポレート・ガバナンスを強化し、コンプライアンス経営を推進し、リスク管理体制を整備してまいります。
なお、当社グループの中期経営計画の経営目標値の詳細は、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営に影響を与える特に重要なリスクとしては、経済要因、法的規制等があります。
そのほか、経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要は、主として給与等の人件費及び人材確保のための社員募集費であります。また、設備資金需要としては、研修施設に加え、社内基幹システム、製造スタッフ管理システム及び採用サイト等の無形固定資産投資等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、当連結会計年度においては、営業キャッシュ・フローにて教育施設投資及びシステム投資に対する資金を確保すると同時に、長期借入金を期限前弁済することで、有利子負債の削減を図っております。
この結果、当連結会計年度末の有利子負債は829百万円減少し、68百万円(前連結会計年度末は897百万円)となりました。
また、金融機関からの借入による資金調達の実施にあたっては、調達時期、金利動向、借入条件について最も有利な手段を選択すべく慎重に検討することで資金調達コストを低減しております。
なお、2020年8月に今後の事業展開における機動的、安定的な資金運用及び新型コロナウイルスの影響による市場環境の変化に備え、財務基盤の安定化を図るべく手元資金を厚く保持することを目的に、貸出コミットメント契約の総額を7,400百万円増額しております。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も含めて、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び(追加情報)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、厳しい状況で推移したものの、感染拡大の防止策を講じつつ、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、経済活動は持ち直しの動きがみられますが、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
当社グループを取り巻く経営環境といたしましては、重要顧客である国内メーカーにおいて、前述のとおり持ち直しの動きが見られる中で受注環境が改善傾向となっております。自動車関連については2021年2月に発生した福島県沖地震の影響により一時的に稼働停止などの影響があったものの、生産は底堅く推移いたしました。電子デバイス関連については、5Gや働き方の変化によるITの需要増加を背景として、電子部品・デバイスの生産は回復傾向となりました。また、雇用情勢においては、雇用者数などの動きに底堅さが見られ、当社顧客における外部人材活用ニーズも高まりつつあります。
このような環境の中、当社グループは「人を育て 人を活かす」という創業理念に基づき、働く人が働き甲斐を持ち成長していける職場を作り上げていくとともに、企業としての成長に貢献できるサービスの提供を目指し、当社グループの企業価値向上を実現するために、以下の取り組みを継続しております。
当連結会計年度において、グループ中核事業である総合人材サービス事業の製造系人材サービスでは、重要顧客と位置付けるアカウント企業へ無期雇用社員である「技能社員」を重点的に配属していく戦略のもと、自社教育施設を活用した人材育成を積極的に行い、製造スタッフの技能向上と定着率の向上を図ってまいりました。
その他の事業においては、横浜市内6か所にある介護施設「すいとぴー」における提供サービスの質を高め、施設入居者の増加を図り、業務の効率化を推進するなど経営体質の改善に取り組んでまいりました。
なお、営業外収益で、助成金収入399百万円が発生しております。これは、主に新型コロナウイルス感染拡大に伴う、雇用調整助成金などによるものです。
また、特別損失で449百万円を計上しております。これは、投資有価証券評価損や固定資産除却損などによるものです。
この結果、当連結会計年度期間の業績は、次のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は21,631百万円となり、前連結会計年度末に比べ862百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は8,868百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,730百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は12,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ867百万円増加いたしました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高68,213百万円(前期比9.0%減)、営業利益2,599百万円(前期比15.1%減)、経常利益2,949百万円(前期比6.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,592百万円(前期比21.7%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(総合人材サービス事業)
当連結会計年度における連結売上高の91.8%を占める主力事業である製造系人材サービスにおいては、自社教育施設のみならずWebなどの活用を含めた付加価値を高める教育を実践することにより、製造スタッフの就業意欲を高め、定着率の向上を図っております。自動車関連の売上高は、海外経済の回復のもと増産傾向で推移しており、受注量の回復に努めた結果、売上高は改善いたしましたが、第1四半期連結会計期間(2020年4月1日から2020年6月30日)における需要の低下を吸収しきれず、前期比では14.4%の減収となりました。一方、ITインフラ投資などを背景とした半導体関連の生産が堅調に推移しており、電子デバイス関連の売上高は増加し、前期比では3.2%の増収となりました。
また、当連結会計年度の製造系人材サービスにおいて、重要顧客と位置付けるアカウント企業グループの売上高は減少(前期比372百万円減)したものの、連結売上高に占める割合は43.6%(前期40.9%)となりました。また、技能及び定着率の高い技能社員のニーズは堅調に推移し、前連結会計年度末と比較して186名増加いたしました。
しかしながら、当連結会計年度においては、採用募集費などの経費抑制に取り組んだものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響による在籍者の減少、売上高の減少を吸収するまでには至らず、減収減益となりました。
この結果、売上高65,250百万円(前期比9.6%減)、営業利益2,578百万円(前期比17.3%減)となりました。
(その他の事業)
当連結会計年度における当事業の主力事業である施設介護事業においては、新型コロナウイルス感染拡大の防止を前提にWeb内覧会などを推進した結果、介護施設「すいとぴー東戸塚」の入居率は9割を超えており、人件費や運営費の効率化などの取り組みにより売上原価を抑え、収益性の向上に努めることで、増収増益となりました。
この結果、売上高2,972百万円(前期比6.3%増)、営業利益23百万円(前期は54百万円の損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1,672百万円の収入となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは496百万円の支出となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,668百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高に比べ491百万円減少し、5,873百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,500百万円等の収入で、法人税等の支払額1,247百万円等の支出を吸収して、1,672百万円の収入(前連結会計年度は1,922百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出310百万円、有形固定資産の取得による支出93百万円、無形固定資産の取得による支出97百万円等の支出で、496百万円の支出(前連結会計年度は289百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額845百万円、長期借入金の返済による支出750百万円等の支出により、1,668百万円の支出(前連結会計年度は901百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、総合人材サービス事業、その他の事業(介護・福祉事業)を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
上記「a.生産実績」と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
| 総合人材サービス事業(百万円) | 65,250 | △9.6 |
| その他の事業(百万円) | 2,972 | 6.3 |
| 調整額(百万円) | △10 | - |
| 合計(百万円) | 68,213 | △9.0 |
(注)1.調整額は、セグメント間の内部売上高または振替高の消去額であります。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績に対する割合が10%を超える販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は14,813百万円となり、前連結会計年度末に比べ808百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が491百万円、受取手形及び売掛金が339百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は6,817百万円となり、前連結会計年度末に比べ54百万円減少いたしました。これは主に、退職給付に係る資産が76百万円増加した一方、リース資産が66百万円、建物及び構築物が52百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は21,631百万円となり、前連結会計年度末に比べ862百万円減少いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は8,178百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,100百万円減少いたしました。これは主に、未払消費税等が741百万円、未払法人税等が317百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は689百万円となり、前連結会計年度末に比べ629百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が623百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は8,868百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,730百万円減少いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は12,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ867百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益1,592百万円の計上と剰余金の配当845百万円の支払により、747百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は59.0%(前連結会計年度末は52.9%)となりました。
b.経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ6,752百万円減の68,213百万円となりました。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ5,424百万円減の56,426百万円となりました。
これは主として、総合人材サービス事業における製造スタッフ等の減少に伴い、人件費が減少したことによります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ866百万円減の9,188百万円となりました。
これは主として、採用募集費が前連結会計年度より減少したことによります。
(営業利益)
営業利益は前連結会計年度に比べ461百万円減の2,599百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ326百万円増の487百万円となりました。
これは主として、雇用調整助成金を399百万円計上したことによります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ64百万円増の136百万円となりました。
これは主として、賃貸借契約解約損27百万円を計上したことによります。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ200百万円減の2,949百万円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損失は、投資有価証券評価損296百万円、役員退職慰労金50百万円、固定資産売却損18百万円、固定資産除去損32百万円、減損損失51百万円の計上となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ614百万円減の2,500百万円となりました。
(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、前連結会計年度に比べ174百万円減の907百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ440百万円減の1,592百万円となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(総合人材サービス事業)
総合人材サービス事業の売上高は前連結会計年度に比べ9.6%減の65,250百万円となりました。
当事業の主力事業である製造系人材サービスにおいて、売上高の43.3%を占める自動車関連では、当第1四半期連結会計期間(2020年4月1日から6月30日)において、新型コロナウイルスの感染拡大によるグローバルな消費の減退により生産が大きく減少しました。その後、2020年5月の緊急事態宣言解除やグローバルな経済活動再開の動きに伴い、輸出や国内向け生産が回復基調となることで稼働が増加し、受注量の回復に努め、同年9月より増員に転じたものの、在籍者の減少を取り戻すまでには至らず、14.4%減の27,104百万円となりました。
同じく、売上高の29.4%を占める電子デバイス関連は、テレワークの普及、サーバ向け需要等に伴い、生産が底堅く推移した結果、3.2%増の18,406百万円となりました。
また、売上高の12.7%を占める精密・電気機械関連は、オフィス向け需要の減退により、12.5%減の7,924百万円となりました。
当事業の営業利益は、採用募集費などの経費抑制に取り組んだものの、在籍者の減少、売上高の減少を吸収するまでには至らず、前連結会計年度に比べ17.3%減の2,578百万円となりました。
(その他の事業)
その他の事業の売上高は前連結会計年度に比べ6.3%増の2,972百万円となりました。
介護・福祉事業において、今後も日本国内の高齢化はさらに進むことが予想されることに伴い、介護サービスへの需要も増加することが見込まれます。当社グループでは、就業者への教育強化等により提供するサービスの質を高め、有料老人ホーム(すいとぴー)の入居者や介護サービス利用者の増加を図ってまいりました。また、横浜市内に6か所ある介護施設においては、既存施設(1~5号館)の当連結会計年度末における施設入居率は95.5%と高水準を維持し、2018年3月に開設したすいとぴー東戸塚(6号館)の当連結会計年度末における施設入居率も92.6%と高水準となり、増収となりました。
当事業の営業利益は前連結会計年度営業損失54百万円に対し、23百万円となりました。
引き続き、当事業の主力事業である施設介護事業における人件費や運営費の効率化に努めてまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重要な経営指標としている「営業利益率」は、前連結会計年度より売上総利益率が0.2ポイント減少し17.3%、販売費及び一般管理費率が0.1ポイント増加し13.5%となったことで、3.8%となりました。引き続き売上総利益率の向上及び販管効率の向上を図り、営業利益率の改善に取り組んでまいります。
d.経営環境等の認識及び分析・検討内容と今後の見通し
当連結会計年度は、2020年4月に発令された緊急事態宣言に伴う行動自粛による生産活動の減少があったものの、同年5月の緊急事態宣言の解除やグローバルな生産活動の回復に伴い、緩やかに回復した1年となりました。
今後の経営環境につきまして、日本国内においては、新型コロナウイルスの感染収束が見えない中、地域的な措置ではあるものの、再度の緊急事態宣言が発令されるなど当社グループの事業活動に影響を及ぼしうる状況は継続しており、経済活動の影響を注視する必要はあります。また、当社グループの主力事業である製造系人材サービスにおいては、半導体の不足から自動車関連の生産の一時的な遅れが懸念されております。さらに、DXなどの技術革新、少子高齢化に伴う労働人口の減少、労働者需要の変化や働き方の多様化など、当社のおかれた事業環境は変化のスピードが早く、且つ複雑になっており、経営判断の迅速化が求められております。
なお、当社グループでは、顧客及び従業員の安全を第一に、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた対策を強化し、事業活動を進めてまいります。国内におけるワクチン接種には遅れがあるものの、顧客における受注状況も回復傾向が見えており、当社グループの業績は底堅く推移するものと考えております。一方、顧客や職場、介護施設における罹患者が発生するなどの場合には、影響を及ぼす可能性があります。
このような環境の中、当社グループでは、持続的な成長を実現すべく、経営判断の迅速化が出来る体制を構築し、2021年5月12日に発信した中期経営計画の達成と「高い成長力のある企業グループに変革する」というビジョンの実現に向けた事業運営を進めてまいります。
ビジョンの達成に向けたマテリアリティ(重要課題)を、「働きやすい職場づくり」、「社会変化や産業変化への対応」、「ガバナンスの強化」と定義しました。「働きやすい職場づくり」の実現に向けて、事業の特性に合わせ、働きがいのある職場とは何かを明確にし、その改善を行ってまいります。「社会変化や産業変化への対応」の実現に向けて、景気変動に強い事業構造への変化を目指し、ダイバーシティやDXなどの激変する経営環境への投資を加速してまいります。また、「ガバナンスの強化」の実現に向けて、コーポレート・ガバナンスを強化し、コンプライアンス経営を推進し、リスク管理体制を整備してまいります。
なお、当社グループの中期経営計画の経営目標値の詳細は、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営に影響を与える特に重要なリスクとしては、経済要因、法的規制等があります。
そのほか、経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要は、主として給与等の人件費及び人材確保のための社員募集費であります。また、設備資金需要としては、研修施設に加え、社内基幹システム、製造スタッフ管理システム及び採用サイト等の無形固定資産投資等であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、当連結会計年度においては、営業キャッシュ・フローにて教育施設投資及びシステム投資に対する資金を確保すると同時に、長期借入金を期限前弁済することで、有利子負債の削減を図っております。
この結果、当連結会計年度末の有利子負債は829百万円減少し、68百万円(前連結会計年度末は897百万円)となりました。
また、金融機関からの借入による資金調達の実施にあたっては、調達時期、金利動向、借入条件について最も有利な手段を選択すべく慎重に検討することで資金調達コストを低減しております。
なお、2020年8月に今後の事業展開における機動的、安定的な資金運用及び新型コロナウイルスの影響による市場環境の変化に備え、財務基盤の安定化を図るべく手元資金を厚く保持することを目的に、貸出コミットメント契約の総額を7,400百万円増額しております。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も含めて、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び(追加情報)」に記載のとおりであります。