有価証券報告書-第11期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績の状況
(当連結会計年度の経営成績の概況)
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、設備投資の増加や個人消費にも持ち直しの動きがみられるなど緩やかな回復基調で推移しました。一方海外では、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速懸念、中東や朝鮮半島における地政学的リスクの高まりなど世界経済の不確実性の影響もあり、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループの属する住宅・不動産業界におきましては、政府による各種住宅取得支援策の継続や住宅ローン金利の低水準などを背景に新築住宅着工件数は概ね堅調に推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、「すまいと暮らしの“未来(コレカラ)”を創る」という企業理念に基づき、「保証サービス」、「検査補修サービス」及び「電子マネー発行サービス」を有機的に組み合わせた「おうちのトータルメンテナンス事業」を主力事業として、独自性と付加価値の高い商品ラインナップの拡充を図っております。顧客ニーズを適切に把握し、迅速に対応できる商品開発体制の強化や提案型営業の推進による新規開拓、既存取引先への拡販に向けた営業体制の強化を図るなど積極的に営業活動を展開するとともに、事業を通じて社会的課題への取組みと人々の快適な暮らしのために出来ることを追求し、お客様に、便利で安心、高品質なアフターサービスを提供することに努めてまいりました。
当連結会計年度は引き続き市場開拓の余地が大きい「新築住宅市場」や政府による既存住宅流通市場の活性化策によって今後拡大が見込まれる「中古住宅市場」において、収益性の高い長期保証契約の獲得による収益基盤の強化を重点施策として位置づけ事業を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,647,725千円(前年同期比28.0%増)、営業利益180,957千円(同11.4%増)、経常利益213,092千円(同34.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は143,015千円(同38.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(セグメント別売上高)
(セグメント損益)
イ.おうちのトータルメンテナンス事業
「保証サービス」においては、「住設あんしんサポート」及び「住設あんしんサポート」に「電子マネー」を組み合わせた「住設あんしんサポートプレミアム」を主力商品として事業を展開し、契約件数が堅調に推移しております。当連結会計年度の新規獲得件数は34.9千件(機器数325.6千件)、保有契約件数は176.3千件(機器数1,214.9千件)となりました。
「検査補修サービス」においては、政府による既存住宅流通の活性化策によって、中古住宅の資産価値を高める取組みや既存住宅流通市場の環境整備が進められるなか、中古住宅売買におけるインスペクション・保証の重要性はますます高まりを見せております。このような環境のもと、消費者への品質保証やアフターサービスという視点で当社グループの「検査補修サービス」に対する需要が拡大しており、受注件数も堅調に推移しております。当連結会計年度の検査件数は12.9千件となりました。
「電子マネー発行サービス」では、100%子会社であるリビングポイント株式会社が発行する「おうちポイント」の発行契約数が順調に推移したことにより、当連結会計年度の発行ポイント数は376,114千ポイント、未使用残高は1,131,681千ポイントとなっております。
なお、住宅設備の延長保証の収益計上は、一括収受した保証料について保証期間にわたって均等に期間配分を行い、当連結会計年度に対応する金額を計上していることから、当連結会計年度では業容拡大を目的とする営業体制強化により増加した人件費等の先行投資的費用を吸収するには至らず、販管費のコスト負担が先行いたしました。
この結果、売上高は1,206,630千円(前年同期比25.0%増)、セグメント損失は17,534千円(前年同期はセグメント損失23,548千円)となりました。
(※)「おうちポイント」は、住生活に関連する物品・サービスを購入することができる電子マネーです。
(KPI推移)
(注)四半期会計期間の数値を使用しております。
ロ.BPO事業
コールセンター受付、保証料の集金、保証書の発行、検査の手配並びに損害保険料及び保険金の精算業務等の受託を行っており、受注は堅調に推移しました。当連結会計年度においては、大手マンションデベロッパー、大手不動産仲介会社及び大手地場工務店より、修理専用のコールセンター業務を受注し、業績の伸長に寄与しました。また、大手家電メーカーの家電延長保証に掛かる大口案件を受注するなど、新規分野への事業展開も推進しております。この結果、当連結会計年度は、売上高は441,095千円(前年同期比37.1%増)、セグメント利益は198,491千円(同6.8%増)となりました。
b. 財政状態の分析
(当連結会計年度末の財政状態の概況)
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,549,146千円増加し6,691,892千円となりました。これは主に、BPO事業において保険料の立替払いを行ったことにより立替金が270,675千円、関東財務局へ電子マネー供託金差入を行ったことにより差入保証金が284,000千円、住宅設備保証に伴い発生する修理コスト等を担保するための損害保険会社に対する支払保険料等により長期前払費用が253,841千円、当連結会計年度において購入した投資不動産(3物件)が673,139千円それぞれ増加した一方、現金及び預金が502,235千円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,396,153千円増加し6,216,810千円となりました。これは主におうちポイント(電子マネー)を発行している住宅メンテナンス向けポイント制度の運営に伴う発行ポイント残高等の長期預り金が377,470千円、住宅設備の延長保証事業を行うため一括で受領した保証料のうち1年以内に収益化される予定の前受収益が175,304千円、1年超の期間に対応する長期前受収益が697,023千円それぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ152,993千円増加し475,082千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が143,015千円計上されたことのよるものです。
②キャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より381,876千円減少し、2,082,061千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は889,666千円(前年同期比16.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益211,797千円の計上、長期前受収益の増加697,023千円、長期預り金の増加377,470千円等による資金の増加があった一方で、長期前払費用の増加253,841千円、立替金の増加270,675千円等による資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,275,111千円(前年同期は128,080千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出261,438千円、投資不動産の取得による支出673,139千円、差入保証金の差入による支出284,000千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、株式の発行による収入により5,540千円(前年同期比98.1%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)当連結会計年度の野村不動産アーバンネット株式会社及び田淵電機株式会社については、総販売高の100
分の10未満のため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経営成績の分析)
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ360,676千円増加し、1,647,725千円となりました。
売上高の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ181,053千円増加し、648,369千円となりました。主な要因は、「おうちのトータルメンテナンス事業」の「保証サービス」において契約件数が堅調に推移したこと等により、住宅設備保証に伴い発生する修理コスト等を担保するための損害保険会社に対する支払保険料の増加、取扱店・代理店に支払う販売手数料や業務委託報酬が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ179,622千円増加し、999,355千円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ161,038千円増加し、818,398千円となりました。主な要因は、業容拡大を目的とする営業体制強化により人件費等の先行投資費用が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ18,584千円増加し、180,957千円となりました。
d. 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ43,790千円増加し、52,244千円となりました。主な要因は、投資不動産賃貸料によるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、投資不動産賃貸費用17,437千円等によるものです。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ54,603千円増加し、213,092千円となりました。
e. 特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別損失は、固定資産除却損1,294千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ55,281千円増加し、211,797千円となりました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額は68,781千円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ39,964千円増加し、143,015千円となりました。
(キャッシュ・フローの状況の分析)
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、組織体制、法令遵守、市場動向、人材の確保等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化を図りながら、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開することにより、リスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
当社グループの属する住宅・不動産業界におきましては、政府による各種住宅取得支援策の継続や住宅ローン金利の低水準などを背景に新築住宅着工件数は概ね堅調に推移いたしました。既存住宅流通市場においては、宅地建物取引業法の一部を改正する法律が2018年4月1日より施行され、建物状況調査(インスペクション)の実施が増加傾向にあります。
このような状況のもと、当社グループは、「すまいと暮らしの“未来(コレカラ)”を創る」という企業理念に基づき、「保証サービス」、「検査補修サービス」及び「電子マネー発行サービス」を有機的に組み合わせた「おうちのトータルメンテナンス事業」を主力事業として、独自性と付加価値の高い商品ラインナップの拡充を図っております。顧客ニーズを適切に把握し、迅速に対応できる商品開発体制の強化や提案型営業の推進による新規開拓、既存取引先への拡販に向けた営業体制の強化を図るなど積極的に営業活動を展開するとともに、事業を通じて社会的課題への取組みと人々の快適な暮らしのために出来ることを追求し、お客様に、便利で安心、高品質なアフターサービスを提供することに努めてまいります。
住宅・不動産業界においては、2016年5月に成立した宅地建物取引業法の一部を改正する法律が2018年4月1日より施行され、建物状況調査(インスペクション)の実施が増加傾向にあり、当社グループにおける「おうちのトータルメンテナンス事業」のマーケットは、今後しばらくは拡大傾向にあるものと判断しております。
一方で、競争が激化することも予想されるため、当社グループとしましては、「おうちのトータルメンテナンス事業」及び「BPO事業」において培ったノウハウを新サービスの開発・販売に活用し、住宅事業者に対するきめ細やかな営業体制や住宅オーナーに対する満足度の高い受付体制を構築することで、さらなる事業基盤の拡充を図る方針です。
経営者の問題認識につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、長期保証サービスのリスク移転先への損害保険料、短期保証サービスの検査補修費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、投資有価証券の購入、収益不動産の購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の事業の性質上役務提供前にその対価を収受するものとなりますので、基本方針に沿って財源を確保しております。よって、運転資金は自己資金としております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績の状況
(当連結会計年度の経営成績の概況)
2018年6月期 (自 2017年7月1日 至 2018年6月30日) | 2019年6月期 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高(千円) | 1,287,048 | 1,647,725 | 360,676 | 28.0 |
営業利益(千円) | 162,373 | 180,957 | 18,584 | 11.4 |
経常利益(千円) | 158,489 | 213,092 | 54,603 | 34.5 |
親会社株主に帰属する 当期純利益(千円) | 103,051 | 143,015 | 39,964 | 38.8 |
1株当たり当期純利益(円) | 23.73 | 29.01 | - | - |
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、設備投資の増加や個人消費にも持ち直しの動きがみられるなど緩やかな回復基調で推移しました。一方海外では、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速懸念、中東や朝鮮半島における地政学的リスクの高まりなど世界経済の不確実性の影響もあり、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループの属する住宅・不動産業界におきましては、政府による各種住宅取得支援策の継続や住宅ローン金利の低水準などを背景に新築住宅着工件数は概ね堅調に推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、「すまいと暮らしの“未来(コレカラ)”を創る」という企業理念に基づき、「保証サービス」、「検査補修サービス」及び「電子マネー発行サービス」を有機的に組み合わせた「おうちのトータルメンテナンス事業」を主力事業として、独自性と付加価値の高い商品ラインナップの拡充を図っております。顧客ニーズを適切に把握し、迅速に対応できる商品開発体制の強化や提案型営業の推進による新規開拓、既存取引先への拡販に向けた営業体制の強化を図るなど積極的に営業活動を展開するとともに、事業を通じて社会的課題への取組みと人々の快適な暮らしのために出来ることを追求し、お客様に、便利で安心、高品質なアフターサービスを提供することに努めてまいりました。
当連結会計年度は引き続き市場開拓の余地が大きい「新築住宅市場」や政府による既存住宅流通市場の活性化策によって今後拡大が見込まれる「中古住宅市場」において、収益性の高い長期保証契約の獲得による収益基盤の強化を重点施策として位置づけ事業を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,647,725千円(前年同期比28.0%増)、営業利益180,957千円(同11.4%増)、経常利益213,092千円(同34.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は143,015千円(同38.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(セグメント別売上高)
2018年6月期 (自 2017年7月1日 至 2018年6月30日) | 2019年6月期 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | 前期比 | ||||
金額(千円) | 構成比 (%) | 金額(千円) | 構成比 (%) | 増減額(千円) | 増減率 (%) | |
おうちのトータルメンテナンス事業 | 965,381 | 75.0 | 1,206,630 | 73.2 | 241,248 | 25.0 |
BPO事業 | 321,667 | 25.0 | 441,095 | 26.8 | 119,427 | 37.1 |
合計 | 1,287,048 | 100.0 | 1,647,725 | 100.0 | 360,676 | 28.0 |
(セグメント損益)
2018年6月期 (自 2017年7月1日 至 2018年6月30日) | 2019年6月期 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | 前期比 | ||||
金額(千円) | 構成比 (%) | 金額(千円) | 構成比 (%) | 増減額(千円) | 増減率 (%) | |
おうちのトータルメンテナンス事業 | △23,548 | △14.5 | △17,534 | △9.7 | 6,014 | - |
BPO事業 | 185,921 | 114.5 | 198,491 | 109.7 | 12,569 | 6.8 |
合計 | 162,373 | 100.0 | 180,957 | 100.0 | 18,584 | 11.4 |
イ.おうちのトータルメンテナンス事業
「保証サービス」においては、「住設あんしんサポート」及び「住設あんしんサポート」に「電子マネー」を組み合わせた「住設あんしんサポートプレミアム」を主力商品として事業を展開し、契約件数が堅調に推移しております。当連結会計年度の新規獲得件数は34.9千件(機器数325.6千件)、保有契約件数は176.3千件(機器数1,214.9千件)となりました。
「検査補修サービス」においては、政府による既存住宅流通の活性化策によって、中古住宅の資産価値を高める取組みや既存住宅流通市場の環境整備が進められるなか、中古住宅売買におけるインスペクション・保証の重要性はますます高まりを見せております。このような環境のもと、消費者への品質保証やアフターサービスという視点で当社グループの「検査補修サービス」に対する需要が拡大しており、受注件数も堅調に推移しております。当連結会計年度の検査件数は12.9千件となりました。
「電子マネー発行サービス」では、100%子会社であるリビングポイント株式会社が発行する「おうちポイント」の発行契約数が順調に推移したことにより、当連結会計年度の発行ポイント数は376,114千ポイント、未使用残高は1,131,681千ポイントとなっております。
なお、住宅設備の延長保証の収益計上は、一括収受した保証料について保証期間にわたって均等に期間配分を行い、当連結会計年度に対応する金額を計上していることから、当連結会計年度では業容拡大を目的とする営業体制強化により増加した人件費等の先行投資的費用を吸収するには至らず、販管費のコスト負担が先行いたしました。
この結果、売上高は1,206,630千円(前年同期比25.0%増)、セグメント損失は17,534千円(前年同期はセグメント損失23,548千円)となりました。
(※)「おうちポイント」は、住生活に関連する物品・サービスを購入することができる電子マネーです。
(KPI推移)
(単位:千円、千件) |
2018年6月期 | |||||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年度計 | |||
実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | |||
保証サービス | 新規獲得 | 保証契約金額 | 304,185 | 331,146 | 419,533 | 424,908 | 1,479,772 |
契約件数 | 14.7 | 14.2 | 9.1 | 9.0 | 46.9 | ||
契約単価 | 20.8 | 23.3 | 46.0 | 47.3 | 31.5 | ||
契約機器数 | 80.5 | 69.9 | 93.0 | 92.4 | 335.8 | ||
期末保有 | 保証契約残高 | 2,883,689 | 3,058,662 | 3,324,439 | 3,566,952 | 3,566,952 | |
契約件数 | 132.0 | 141.2 | 147.0 | 150.0 | 150.0 | ||
契約単価 | 21.9 | 21.7 | 22.6 | 23.8 | 23.8 | ||
契約機器数 | 889.4 | 931.1 | 983.7 | 1,016.8 | 1,016.8 | ||
検査補修サービス | 売上高 | 67,369 | 71,735 | 66,792 | 82,090 | 287,986 | |
受注件数 | 3.1 | 3.0 | 3.4 | 3.2 | 12.8 | ||
受注単価 | 21.7 | 23.8 | 19.7 | 25.3 | 22.6 | ||
おうちポイント | 発行ポイント数(千P) | 66,172 | 65,068 | 84,345 | 111,782 | 327,367 | |
未使用残高(千P) | 661,451 | 713,770 | 776,884 | 860,262 | 860,262 |
2019年6月期 | ||||||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年度計 | ||||
実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 前年比 | |||
保証サービス | 新規獲得 | 保証契約金額 | 324,158 | 397,050 | 438,436 | 501,466 | 1,661,110 | 112.3% |
契約件数 | 6.8 | 9.0 | 8.8 | 10.3 | 34.9 | 74.3% | ||
契約単価 | 47.5 | 44.2 | 50.0 | 48.6 | 47.6 | 151.1% | ||
契約機器数 | 69.5 | 79.2 | 86.4 | 90.5 | 325.6 | 97.0% | ||
期末保有 | 保証契約残高 | 3,724,919 | 3,924,689 | 4,170,455 | 4,439,281 | 4,439,281 | 124.5% | |
契約件数 | 155.0 | 161.7 | 168.3 | 176.3 | 176.3 | 117.5% | ||
契約単価 | 24.0 | 24.3 | 24.8 | 25.2 | 25.2 | 105.9% | ||
契約機器数 | 1,055.0 | 1,104.4 | 1,156.2 | 1,214.9 | 1,214.9 | 119.5% | ||
検査補修サービス | 売上高 | 71,101 | 67,227 | 69,929 | 75,594 | 283,851 | 98.6% | |
受注件数 | 2.9 | 3.1 | 3.5 | 3.3 | 12.9 | 100.9% | ||
受注単価 | 24.5 | 21.5 | 20.0 | 22.7 | 22.1 | 97.6% | ||
おうちポイント | 発行ポイント数(千P) | 78,459 | 91,719 | 101,155 | 104,781 | 376,114 | 114.9% | |
未使用残高(千P) | 918,968 | 985,358 | 1,060,717 | 1,131,681 | 1,131,681 | 131.6% |
(注)四半期会計期間の数値を使用しております。
ロ.BPO事業
コールセンター受付、保証料の集金、保証書の発行、検査の手配並びに損害保険料及び保険金の精算業務等の受託を行っており、受注は堅調に推移しました。当連結会計年度においては、大手マンションデベロッパー、大手不動産仲介会社及び大手地場工務店より、修理専用のコールセンター業務を受注し、業績の伸長に寄与しました。また、大手家電メーカーの家電延長保証に掛かる大口案件を受注するなど、新規分野への事業展開も推進しております。この結果、当連結会計年度は、売上高は441,095千円(前年同期比37.1%増)、セグメント利益は198,491千円(同6.8%増)となりました。
b. 財政状態の分析
(当連結会計年度末の財政状態の概況)
2018年6月期 | 2019年6月期 | 増減額 | |
総資産(千円) | 5,142,745 | 6,691,892 | 1,549,146 |
純資産(千円) | 322,088 | 475,082 | 152,993 |
自己資本比率(%) | 6.3 | 7.1 | - |
1株当たり純資産(円) | 67.67 | 95.30 | - |
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,549,146千円増加し6,691,892千円となりました。これは主に、BPO事業において保険料の立替払いを行ったことにより立替金が270,675千円、関東財務局へ電子マネー供託金差入を行ったことにより差入保証金が284,000千円、住宅設備保証に伴い発生する修理コスト等を担保するための損害保険会社に対する支払保険料等により長期前払費用が253,841千円、当連結会計年度において購入した投資不動産(3物件)が673,139千円それぞれ増加した一方、現金及び預金が502,235千円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,396,153千円増加し6,216,810千円となりました。これは主におうちポイント(電子マネー)を発行している住宅メンテナンス向けポイント制度の運営に伴う発行ポイント残高等の長期預り金が377,470千円、住宅設備の延長保証事業を行うため一括で受領した保証料のうち1年以内に収益化される予定の前受収益が175,304千円、1年超の期間に対応する長期前受収益が697,023千円それぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ152,993千円増加し475,082千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が143,015千円計上されたことのよるものです。
②キャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フローの状況)
2018年6月期 | 2019年6月期 | 増減額 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) | 761,255 | 889,666 | 128,411 |
投資活動によるキャッシュ・フロー(千円) | △128,080 | △1,275,111 | - |
財務活動によるキャッシュ・フロー(千円) | 296,434 | 5,540 | △290,894 |
現金及び現金同等物に係る換算差額(千円) | - | △1,972 | - |
現金及び現金同等物の増減額(千円) | 929,609 | △381,876 | - |
現金及び現金同等物の期首残高(千円) | 1,534,329 | 2,463,938 | 929,609 |
現金及び現金同等物の期末残高(千円) | 2,463,938 | 2,082,061 | △381,876 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より381,876千円減少し、2,082,061千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は889,666千円(前年同期比16.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益211,797千円の計上、長期前受収益の増加697,023千円、長期預り金の増加377,470千円等による資金の増加があった一方で、長期前払費用の増加253,841千円、立替金の増加270,675千円等による資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,275,111千円(前年同期は128,080千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出261,438千円、投資不動産の取得による支出673,139千円、差入保証金の差入による支出284,000千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、株式の発行による収入により5,540千円(前年同期比98.1%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
おうちのトータルメンテナンス事業 | 1,206,630 | 25.0 |
BPO事業 | 441,095 | 37.1 |
合計 | 1,647,725 | 28.0 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年7月1日 至 2018年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
野村不動産アーバンネット株式会社 | 139,800 | 10.9 | - | - |
田淵電機株式会社 | 146,390 | 11.4 | - | - |
(注)当連結会計年度の野村不動産アーバンネット株式会社及び田淵電機株式会社については、総販売高の100
分の10未満のため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経営成績の分析)
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ360,676千円増加し、1,647,725千円となりました。
売上高の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ181,053千円増加し、648,369千円となりました。主な要因は、「おうちのトータルメンテナンス事業」の「保証サービス」において契約件数が堅調に推移したこと等により、住宅設備保証に伴い発生する修理コスト等を担保するための損害保険会社に対する支払保険料の増加、取扱店・代理店に支払う販売手数料や業務委託報酬が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ179,622千円増加し、999,355千円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ161,038千円増加し、818,398千円となりました。主な要因は、業容拡大を目的とする営業体制強化により人件費等の先行投資費用が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ18,584千円増加し、180,957千円となりました。
d. 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ43,790千円増加し、52,244千円となりました。主な要因は、投資不動産賃貸料によるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、投資不動産賃貸費用17,437千円等によるものです。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ54,603千円増加し、213,092千円となりました。
e. 特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別損失は、固定資産除却損1,294千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ55,281千円増加し、211,797千円となりました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額は68,781千円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ39,964千円増加し、143,015千円となりました。
(キャッシュ・フローの状況の分析)
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、組織体制、法令遵守、市場動向、人材の確保等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化を図りながら、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開することにより、リスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
当社グループの属する住宅・不動産業界におきましては、政府による各種住宅取得支援策の継続や住宅ローン金利の低水準などを背景に新築住宅着工件数は概ね堅調に推移いたしました。既存住宅流通市場においては、宅地建物取引業法の一部を改正する法律が2018年4月1日より施行され、建物状況調査(インスペクション)の実施が増加傾向にあります。
このような状況のもと、当社グループは、「すまいと暮らしの“未来(コレカラ)”を創る」という企業理念に基づき、「保証サービス」、「検査補修サービス」及び「電子マネー発行サービス」を有機的に組み合わせた「おうちのトータルメンテナンス事業」を主力事業として、独自性と付加価値の高い商品ラインナップの拡充を図っております。顧客ニーズを適切に把握し、迅速に対応できる商品開発体制の強化や提案型営業の推進による新規開拓、既存取引先への拡販に向けた営業体制の強化を図るなど積極的に営業活動を展開するとともに、事業を通じて社会的課題への取組みと人々の快適な暮らしのために出来ることを追求し、お客様に、便利で安心、高品質なアフターサービスを提供することに努めてまいります。
住宅・不動産業界においては、2016年5月に成立した宅地建物取引業法の一部を改正する法律が2018年4月1日より施行され、建物状況調査(インスペクション)の実施が増加傾向にあり、当社グループにおける「おうちのトータルメンテナンス事業」のマーケットは、今後しばらくは拡大傾向にあるものと判断しております。
一方で、競争が激化することも予想されるため、当社グループとしましては、「おうちのトータルメンテナンス事業」及び「BPO事業」において培ったノウハウを新サービスの開発・販売に活用し、住宅事業者に対するきめ細やかな営業体制や住宅オーナーに対する満足度の高い受付体制を構築することで、さらなる事業基盤の拡充を図る方針です。
経営者の問題認識につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、長期保証サービスのリスク移転先への損害保険料、短期保証サービスの検査補修費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、投資有価証券の購入、収益不動産の購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の事業の性質上役務提供前にその対価を収受するものとなりますので、基本方針に沿って財源を確保しております。よって、運転資金は自己資金としております。