有価証券報告書-第15期(2022/07/01-2023/06/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績の状況
(当連結会計年度の経営成績の概況)
当社グループは、「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する」というミッションの達成に向けて、「保証サービス」及びクライアントの業務効率化を支援する「SaaSプロダクト」等の提供を通じて住宅会社の経営を支援する「HomeworthTech(ホームワーステック)事業」、並びにHomeworthTech事業の知見・ノウハウを活用した保証制度構築・運営を通じて新たな技術・製品の普及を支援する「ExtendTech(エクステンドテック)事業」の2事業を主力事業として展開しております。
近年の環境的・社会的持続性の確保という世界的な潮流が、「良いモノを永く使う」という保証本来の理念・思想とマッチすることで、今後さらに保証サービスの社会的ニーズが高まるものと確信しており、当社グループにとってさらなる事業拡大の大きな好機であると捉えております。
当連結会計年度(2022年7月1日から2023年6月30日まで)においても、今後の成長に対する蓋然性の高まりを受ける形で人材・システムを中心に積極的な先行投資を進めるとともに、事業を拡大してまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高3,919百万円(前年同期比18.6%増)、営業利益741百万円(同14.0%増)、経常利益1,021百万円(同33.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は751百万円(同37.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「おうちのトータルメンテナンス事業」を「HomeworthTech事業」に、「BPO事業」を「ExtendTech事業」に名称変更いたしました。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
また、当連結会計年度における各セグメントへの本部費配賦総額は、採用費、システム関連費用の増加等により、前年同期比136.2%の2,020百万円となりました。当連結会計年度のセグメント別の営業利益の算出にあたっては、これらの配賦費用額をHomeworthTech事業60.2%、ExtendTech事業36.3%、その他3.4%の割合で配賦しております。
(セグメント別売上高)
(セグメント別利益)
イ.HomeworthTech事業
HomeworthTech事業は、ハウスメーカー・マンションデベロッパーといった住宅事業者に対して長期保証をはじめとした各種アフターサービスソリューションを提供しております。補修や検査といったリアルサービスのほか、近年では、アプリ・チャットボット・電子マネーといったデジタルサービスを開発・提供することで住宅事業者のアフターサービスDXを支援しております。
当連結会計年度においては、設備保証・建物保証といった長期保証契約の獲得に引き続き注力するとともに、地震保証や資産価値保証といった新たな保証サービスの開発及びマーケティングを推進してまいりました。また、業務効率化・ストック型ビジネス転換といった住宅事業者の経営課題に対応する各種ソリューションの導入を組織的に推進することで、各クライアントとの関係深化にも引続き注力してまいりました。
これらの施策により、主要なKPIである新規契約獲得金額3,316百万円(前年同期比27.0%増)、前受収益・長期前受収益残高9,480百万円(同21.4%増)、電子マネー発行サービスの導入社数101社(同29.5%増)・未使用残高2,097百万円(同11.5%増)といずれも前年同期比で成長しております。この結果、売上高は2,256百万円(前年同期比17.4%増)、セグメント利益は120百万円(同7.8%増)となりました。
ロ.ExtendTech事業
ExtendTech事業においては、HomeworthTech事業で培ったノウハウを応用し、住宅領域以外の幅広い製品・サービスに対して、長期保証をはじめとした各種アフターサービスソリューションを提供しております。
近年では、家電・教育ICT機器のほか、太陽光発電機器やEV(電気自動車)など再生可能エネルギー関連機器に対してソリューション提供が大きく伸長しております。
当連結会計年度は、蓄電システムをはじめとした住宅用再生可能エネルギー設備に対する社会的ニーズに応える形で再生可能エネルギー領域が進展したほか、オペレーション業務の受託が拡大したことにより教育ICT領域も堅調に推移しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,624百万円(前年同期比30.6%増)、セグメント利益は659百万円(同21.8%増)となりました。
ハ.その他
「その他」の事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであるビジネスマッチング・決済等を行うプラットフォーム事業を行っております。当連結会計年度の売上高は38百万円(前年同期比72.0%減)、セグメント損失は38百万円(前年同期はセグメント損失3百万円)となりました。
(KPI推移)
(注)売上高については四半期連結会計期間の数値を使用しております。
b. 財政状態の分析
(当連結会計年度末の財政状態の概況)
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて3,883百万円増加し20,103百万円となりました。これは主に、現金及び預金が775百万円、投資有価証券が487百万円、長期前払費用が711百万円、投資不動産(純額)が1,174百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて3,181百万円増加し18,157百万円となりました。これは主に、新規借入により長期借入金が800百万円、住宅設備の延長保証事業を行うため一括で受領した保証料のうち1年超の期間に収益化される予定の長期前受収益が1,446百万円それぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ702百万円増加し1,946百万円となりました。これは主に、配当金の支払いが50百万円あった一方、親会社株主に帰属する当期純利益が751百万円計上されたことによるものです。
なお、当社の自己資本比率は上表のとおり10%以下の状態が続いており、他の事業会社と比較して低い水準となっております。これはサービス提供前に保証料を収受する当社のビジネスモデルに起因するものです。当社の負債の割合の内訳は、前受収益及び長期前受収益(将来の利益)が57.0%、預り金及び長期預り金(主に現預金)が26.2%という構成であり、有利子負債は12.6%と低水準となっております。さらに、流動比率も229.4%と十分な水準となっており、財務の健全性は十分に担保されております。
②キャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より740百万円増加し、3,799百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,861百万円(前年同期比535.7%増)となりました。これは主に、長期前払費用の増加718百万円等による資金の減少があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上1,021百万円、長期前受収益の増加1,446百万円等による資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,902百万円(前年同期は3,169百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入809百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出1,212百万円、投資不動産の取得による支出1,086百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は783百万円(前年同期比4.7%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入934百万円があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経営成績の分析)
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ614百万円増加し、3,919百万円となりました。
売上高の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ16百万円増加し、1,131百万円となりました。主な要因は、HomeworthTech事業の「保証サービス」において契約件数が堅調に推移したこと等により、住宅設備保証に伴い発生する修理コスト等を担保するための損害保険会社に対する支払保険料が増加し、取扱店・代理店に支払う販売手数料や業務委託報酬が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ598百万円増加し、2,788百万円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ507百万円増加し、2,046百万円となりました。主な要因は、業容拡大を目的とする法人営業・デジタル企画開発の人材採用を推進・加速したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ91百万円増加し、741百万円となりました。
d. 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ191百万円増加し、435百万円となりました。主な要因は、投資不動産賃貸料、有価証券売却益によるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ28百万円増加し、155百万円となりました。主な要因は、投資不動産賃貸費用によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ253百万円増加し、1,021百万円となりました。
e. 特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度において特別利益及び特別損失は発生しておりません。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ264百万円増加し、1,021百万円となりました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額は270百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ204百万円増加し、751百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループは、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、組織体制、法令遵守、市場動向、人材の確保等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化を図りながら、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開することにより、リスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
経営者の問題認識につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、長期保証サービスのリスク移転先への損害保険料、短期保証サービスの検査補修費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、投資有価証券の購入、収益不動産の購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の事業の性質上役務提供前にその対価を収受するものとなりますので、基本方針に沿って財源を確保しております。よって、運転資金は自己資金としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績の状況
(当連結会計年度の経営成績の概況)
2022年6月期 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) | 2023年6月期 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高(千円) | 3,305,011 | 3,919,991 | 614,980 | 18.6 |
営業利益(千円) | 650,292 | 741,605 | 91,312 | 14.0 |
経常利益(千円) | 767,321 | 1,021,299 | 253,977 | 33.1 |
親会社株主に帰属する 当期純利益(千円) | 546,443 | 751,284 | 204,840 | 37.5 |
1株当たり当期純利益(円) | 109.48 | 149.75 | - | - |
当社グループは、「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値を最大化する」というミッションの達成に向けて、「保証サービス」及びクライアントの業務効率化を支援する「SaaSプロダクト」等の提供を通じて住宅会社の経営を支援する「HomeworthTech(ホームワーステック)事業」、並びにHomeworthTech事業の知見・ノウハウを活用した保証制度構築・運営を通じて新たな技術・製品の普及を支援する「ExtendTech(エクステンドテック)事業」の2事業を主力事業として展開しております。
近年の環境的・社会的持続性の確保という世界的な潮流が、「良いモノを永く使う」という保証本来の理念・思想とマッチすることで、今後さらに保証サービスの社会的ニーズが高まるものと確信しており、当社グループにとってさらなる事業拡大の大きな好機であると捉えております。
当連結会計年度(2022年7月1日から2023年6月30日まで)においても、今後の成長に対する蓋然性の高まりを受ける形で人材・システムを中心に積極的な先行投資を進めるとともに、事業を拡大してまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高3,919百万円(前年同期比18.6%増)、営業利益741百万円(同14.0%増)、経常利益1,021百万円(同33.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は751百万円(同37.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「おうちのトータルメンテナンス事業」を「HomeworthTech事業」に、「BPO事業」を「ExtendTech事業」に名称変更いたしました。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
また、当連結会計年度における各セグメントへの本部費配賦総額は、採用費、システム関連費用の増加等により、前年同期比136.2%の2,020百万円となりました。当連結会計年度のセグメント別の営業利益の算出にあたっては、これらの配賦費用額をHomeworthTech事業60.2%、ExtendTech事業36.3%、その他3.4%の割合で配賦しております。
(セグメント別売上高)
2022年6月期 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) | 2023年6月期 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | 前年同期比 | ||||
金額(千円) | 構成比 (%) | 金額(千円) | 構成比 (%) | 増減額(千円) | 増減率 (%) | |
HomeworthTech事業 | 1,922,074 | 58.2 | 2,256,685 | 57.6 | 334,610 | 17.4 |
ExtendTech事業 | 1,244,080 | 37.6 | 1,624,446 | 41.4 | 380,366 | 30.6 |
その他 | 138,855 | 4.2 | 38,859 | 1.0 | △99,996 | △72.0 |
合計 | 3,305,011 | 100.0 | 3,919,991 | 100.0 | 614,980 | 18.6 |
(セグメント別利益)
2022年6月期 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) | 2023年6月期 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | 前年同期比 | ||||
金額(千円) | 構成比 (%) | 金額(千円) | 構成比 (%) | 増減額(千円) | 増減率 (%) | |
HomeworthTech事業 | 111,952 | 17.2 | 120,717 | 16.3 | 8,764 | 7.8 |
ExtendTech事業 | 541,542 | 83.3 | 659,725 | 89.0 | 118,183 | 21.8 |
その他 | △3,202 | △0.5 | △38,837 | △5.2 | △35,634 | - |
合計 | 650,292 | 100.0 | 741,605 | 100.0 | 91,312 | 14.0 |
イ.HomeworthTech事業
HomeworthTech事業は、ハウスメーカー・マンションデベロッパーといった住宅事業者に対して長期保証をはじめとした各種アフターサービスソリューションを提供しております。補修や検査といったリアルサービスのほか、近年では、アプリ・チャットボット・電子マネーといったデジタルサービスを開発・提供することで住宅事業者のアフターサービスDXを支援しております。
当連結会計年度においては、設備保証・建物保証といった長期保証契約の獲得に引き続き注力するとともに、地震保証や資産価値保証といった新たな保証サービスの開発及びマーケティングを推進してまいりました。また、業務効率化・ストック型ビジネス転換といった住宅事業者の経営課題に対応する各種ソリューションの導入を組織的に推進することで、各クライアントとの関係深化にも引続き注力してまいりました。
これらの施策により、主要なKPIである新規契約獲得金額3,316百万円(前年同期比27.0%増)、前受収益・長期前受収益残高9,480百万円(同21.4%増)、電子マネー発行サービスの導入社数101社(同29.5%増)・未使用残高2,097百万円(同11.5%増)といずれも前年同期比で成長しております。この結果、売上高は2,256百万円(前年同期比17.4%増)、セグメント利益は120百万円(同7.8%増)となりました。
ロ.ExtendTech事業
ExtendTech事業においては、HomeworthTech事業で培ったノウハウを応用し、住宅領域以外の幅広い製品・サービスに対して、長期保証をはじめとした各種アフターサービスソリューションを提供しております。
近年では、家電・教育ICT機器のほか、太陽光発電機器やEV(電気自動車)など再生可能エネルギー関連機器に対してソリューション提供が大きく伸長しております。
当連結会計年度は、蓄電システムをはじめとした住宅用再生可能エネルギー設備に対する社会的ニーズに応える形で再生可能エネルギー領域が進展したほか、オペレーション業務の受託が拡大したことにより教育ICT領域も堅調に推移しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,624百万円(前年同期比30.6%増)、セグメント利益は659百万円(同21.8%増)となりました。
ハ.その他
「その他」の事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであるビジネスマッチング・決済等を行うプラットフォーム事業を行っております。当連結会計年度の売上高は38百万円(前年同期比72.0%減)、セグメント損失は38百万円(前年同期はセグメント損失3百万円)となりました。
(KPI推移)
(単位:百万円、社) |
2022年6月期 | ||||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年度計 | ||
実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | ||
[HomeworthTech事業] | ||||||
新規契約獲得金額 | 525 | 602 | 758 | 724 | 2,611 | |
前受収益・長期前受収益残高 | 6,744 | 7,027 | 7,389 | 7,811 | 7,811 | |
売上高 | 保証サービス | 330 | 345 | 366 | 406 | 1,447 |
検査補修サービス | 82 | 80 | 81 | 86 | 330 | |
その他 | 34 | 34 | 40 | 37 | 147 | |
電子マネー | 導入社数 | 75 | 77 | 78 | 78 | 78 |
未使用残高 | 1,669 | 1,745 | 1,813 | 1,880 | 1,880 | |
[ExtendTech事業] | ||||||
売上高 | 再生可能エネルギー | 196 | 155 | 184 | 218 | 755 |
家電・その他 | 228 | 71 | 68 | 119 | 488 |
2023年6月期 | |||||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年度計 | |||
実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 前年同期比 | ||
[HomeworthTech事業] | |||||||
新規契約獲得金額 | 709 | 748 | 860 | 997 | 3,316 | 127.0% | |
前受収益・長期前受収益残高 | 8,124 | 8,487 | 8,929 | 9,480 | 9,480 | 121.4% | |
売上高 | 保証サービス | 394 | 421 | 442 | 509 | 1,768 | 122.2% |
検査補修サービス | 76 | 78 | 81 | 72 | 307 | 93.1% | |
その他 | 38 | 41 | 54 | 45 | 180 | 122.1% | |
電子マネー | 導入社数 | 80 | 81 | 87 | 101 | 101 | 129.5% |
未使用残高 | 1,950 | 2,004 | 2,071 | 2,097 | 2,097 | 111.5% | |
[ExtendTech事業] | |||||||
売上高 | 再生可能エネルギー | 196 | 253 | 261 | 433 | 1,145 | 151.5% |
家電・その他 | 116 | 105 | 133 | 123 | 479 | 98.2% |
(注)売上高については四半期連結会計期間の数値を使用しております。
b. 財政状態の分析
(当連結会計年度末の財政状態の概況)
2022年6月期 | 2023年6月期 | 増減額 | |
総資産(千円) | 16,219,786 | 20,103,706 | 3,883,920 |
純資産(千円) | 1,243,885 | 1,946,129 | 702,243 |
自己資本比率(%) | 7.7 | 9.7 | - |
1株当たり純資産(円) | 247.90 | 387.95 | - |
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて3,883百万円増加し20,103百万円となりました。これは主に、現金及び預金が775百万円、投資有価証券が487百万円、長期前払費用が711百万円、投資不動産(純額)が1,174百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて3,181百万円増加し18,157百万円となりました。これは主に、新規借入により長期借入金が800百万円、住宅設備の延長保証事業を行うため一括で受領した保証料のうち1年超の期間に収益化される予定の長期前受収益が1,446百万円それぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ702百万円増加し1,946百万円となりました。これは主に、配当金の支払いが50百万円あった一方、親会社株主に帰属する当期純利益が751百万円計上されたことによるものです。
なお、当社の自己資本比率は上表のとおり10%以下の状態が続いており、他の事業会社と比較して低い水準となっております。これはサービス提供前に保証料を収受する当社のビジネスモデルに起因するものです。当社の負債の割合の内訳は、前受収益及び長期前受収益(将来の利益)が57.0%、預り金及び長期預り金(主に現預金)が26.2%という構成であり、有利子負債は12.6%と低水準となっております。さらに、流動比率も229.4%と十分な水準となっており、財務の健全性は十分に担保されております。
②キャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フローの状況)
2022年6月期 | 2023年6月期 | 増減額 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) | 292,816 | 1,861,567 | 1,568,751 |
投資活動によるキャッシュ・フロー(千円) | △3,169,405 | △1,902,865 | 1,266,540 |
財務活動によるキャッシュ・フロー(千円) | 748,235 | 783,349 | 35,114 |
現金及び現金同等物に係る換算差額(千円) | 13,907 | △1,084 | △14,992 |
現金及び現金同等物の増減額(千円) | △2,114,445 | 740,967 | 2,855,413 |
現金及び現金同等物の期首残高(千円) | 5,172,788 | 3,058,342 | △2,114,445 |
現金及び現金同等物の期末残高(千円) | 3,058,342 | 3,799,310 | 740,967 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より740百万円増加し、3,799百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,861百万円(前年同期比535.7%増)となりました。これは主に、長期前払費用の増加718百万円等による資金の減少があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上1,021百万円、長期前受収益の増加1,446百万円等による資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,902百万円(前年同期は3,169百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入809百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出1,212百万円、投資不動産の取得による支出1,086百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は783百万円(前年同期比4.7%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入934百万円があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
HomeworthTech事業 | 2,256,685 | 117.4 |
ExtendTech事業 | 1,624,446 | 130.6 |
その他 | 38,859 | 28.0 |
合計 | 3,919,991 | 118.6 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経営成績の分析)
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ614百万円増加し、3,919百万円となりました。
売上高の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ16百万円増加し、1,131百万円となりました。主な要因は、HomeworthTech事業の「保証サービス」において契約件数が堅調に推移したこと等により、住宅設備保証に伴い発生する修理コスト等を担保するための損害保険会社に対する支払保険料が増加し、取扱店・代理店に支払う販売手数料や業務委託報酬が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ598百万円増加し、2,788百万円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ507百万円増加し、2,046百万円となりました。主な要因は、業容拡大を目的とする法人営業・デジタル企画開発の人材採用を推進・加速したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ91百万円増加し、741百万円となりました。
d. 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ191百万円増加し、435百万円となりました。主な要因は、投資不動産賃貸料、有価証券売却益によるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ28百万円増加し、155百万円となりました。主な要因は、投資不動産賃貸費用によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ253百万円増加し、1,021百万円となりました。
e. 特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度において特別利益及び特別損失は発生しておりません。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ264百万円増加し、1,021百万円となりました。
f. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額は270百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ204百万円増加し、751百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループは、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、組織体制、法令遵守、市場動向、人材の確保等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化を図りながら、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開することにより、リスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
経営者の問題認識につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、長期保証サービスのリスク移転先への損害保険料、短期保証サービスの検査補修費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、投資有価証券の購入、収益不動産の購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の事業の性質上役務提供前にその対価を収受するものとなりますので、基本方針に沿って財源を確保しております。よって、運転資金は自己資金としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。