四半期報告書-第12期第2四半期(2024/02/01-2024/04/30)

【提出】
2024/06/13 15:00
【資料】
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【項目】
42項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、2023年10月期第4四半期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2023年10月期第2四半期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなど、景気は緩やかな回復が見られました。一方で、国際情勢の動向、原材料価格や資源価格の高騰、物価の上昇、為替の大幅な変動等が国内外の経済活動に与える影響が懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの属する不動産市場におきましては、首都圏中古マンション成約件数は2023年10月~2024年4月にかけて前年比で増加傾向が続いており(公益財団法人 東日本不動産流通機構 統計情報)、当社グループの主力とする中古コンパクトマンション投資の市場も拡大傾向にあると想定しております。また、現在、国策の「資産所得倍増プラン」での新NISA等の税制優遇制度強化による個人の投資意欲の高まりを背景に、分散投資の一環として不動産投資にも注目が集まってきており、特に不動産は、株式などと比較して相対的に安定した収益を見込める資産であるとの認識から、特にインフレーションに対するヘッジ手段として注目されています。そのため、個人投資家の不動産への積極的かつ継続的な投資姿勢は今後も継続していくものと考えております。
このような環境の中、当社グループは、RENOSYマーケットプレイス事業※1及びITANDI事業にリソースを集中し、マーケットシェア拡大による将来の利益最大化のため、成長投資を行ってまいりました。また、従来より取組を行っている構造改革の成果も着実に実現しております。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上収益85,921百万円(前年同期比35.5%増)、売上総利益14,051百万円(前年同期比40.1%増)、事業利益2,223百万円(前年同期比146.1%増)、営業利益2,130百万円(前年同期比126.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益927百万円(前年同期比149.2%増)となり、各指標全てにおいて過去最高を更新しております。
なお、上記以外の主要KPIは、ネット売上収益※2 14,470百万円(前年同期比39.7%増)、ストックビジネス粗利※3 3,435百万円(前年同期比72.8%増)、調整後事業利益率※4 15.4%(前年同期は8.7%)、ノンオーガニック比率※5 40.4%(前年同期は41.5%)となります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは経営管理区分の見直しを行ったことに伴い、第1四半期連結会計期間より「その他」に含まれていた中華圏の投資家向け不動産プラットフォーム事業を「RENOSYマーケットプレイス」に含めて記載する方法に変更しております。これに伴い、セグメント別の業績における前年同期比は、前年同期を変更後の方法に基づき作成したものを基礎として算定しております。
① RENOSYマーケットプレイス事業
認知度拡大施策や個人投資家の不動産への積極的かつ継続的な投資姿勢等を背景に、中古マンション投資で5年連続No.1となるなど、好調にシェアを拡大いたしました※6。また、売却DXの推進、商品ラインアップの拡充等の各種手数料改善策により粗利額の最大化を図ってまいりました。加えて、プロパティマネジメント事業を営む株式会社Core Asset Managementを2023年12月に、RW OpCo, LLCを2024年3月に、それぞれM&Aを実施いたしました。さらに、プロパティマネジメントを行うサブスクリプションにおいて、AIを活用した高い入居率の維持やスケールメリットを生かした設備原価のコスト圧縮などに加えて、居住者視点のリノベーション等での賃料アップ施策などにも注力してまいりました。これにより、主なKPIはRENOSY会員数※7 45.6万人(前年同期比約29%増)、購入DX成約件数※8 1,919件(前年同期比約26%増)、売却DX成約件数※9 738件(前年同期比約37%増)、サブスクリプション契約件数※10 30,384戸(前年同期比約98%増)、コンサルタント数(中古コンパクトマンション)※11 123人(前年同期比約24%増)、ARPA(中古コンパクトマンション)※12 1,061百万円(前年同期比約1.8億円増)となり、好調に進捗しております。その結果、RENOSYマーケットプレイス事業の業績は、売上収益83,586百万円(前年同期比35.3%増)、売上総利益12,135百万円(前年同期比39.4%増)、セグメント利益4,458百万円(前年同期比58.9%増)となっております。
② ITANDI事業
電子入居申込数が年間100万件を突破し、全国賃貸入居申込の3件に1件が利用し、約3割超となる、RENOSYマーケットプレイス事業同様に高いシェアを獲得いたしました※13。また、バーティカルSaaSのネットワーク効果や2024年1月の株式会社HousmartのM&Aにより、ARR※14 39.8億円(前年同期比約36%増)、チャーンレート※15 0.47%(前年同期は0.43%)、累計顧客数3,795社(前年同期比約58%増)、ユニットエコノミクス※16 32.8倍(前年同期は34.3倍)、導入プロダクト数11,051プロダクト(前年同期比約60%増)、ITANDI BB PV数1,255万PV(前年同期比約28%増)の達成など、順調に業績を拡大しました。その結果、ITANDI事業の業績は、売上収益2,104百万円(前年同期比34.1%増)、売上総利益1,757百万円(前年同期比31.9%増)、セグメント利益706百万円(前年同期比58.4%増)となっております。
※1 RENOSYマーケットプレイス事業は、主に投資用不動産の買取再販事業、不動産の売買・賃貸仲介・管理事業
※2 ネット売上収益は、「RENOSYマーケットプレイス事業の売上総利益+(連結売上収益-RENOSYマーケットプレイス事業の売上収益)」で算出
※3 ストックビジネス粗利は、RENOSYマーケットプレイス事業のサブスクリプションビジネス及びITANDI事業の売上総利益の合計
※4 調整後事業利益率は、「連結事業利益÷ネット売上収益」で算出
※5 ノンオーガニック比率は、中古コンパクトマンション及びサブスクリプション以外の事業の売上総利益の合計をノンオーガニックの売上総利益と定義し、全体の売上総利益に占める割合を算出
※6 ネット不動産投資のRENOSY、 マンション投資の売上高・マッチング件数で全国No.1を獲得https://ssl4.eir-parts.net/doc/3491/tdnet/2437813/00.pdf
※7 RENOSY会員数は、2024年4月末時点での会員ストック数(会員登録した累計の人数)
※8 購入DX成約件数は、RENOSYマーケットプレイス内の投資、実需の購入成約件数の当第2四半期3ヶ月累計
※9 売却DX成約件数は、RENOSYマーケットプレイス内の投資、実需の売却成約件数の当第2四半期3ヶ月累計
※10 サブスクリプション契約件数は、2024年4月末時点での管理戸数
※11 コンサルタント数(中古コンパクトマンション)は、2024年4月末の人数
※12 ARPA(Average Revenue per Agent)(中古コンパクトマンション)は、2023年10月期の中古コンパクトマンションの通期売上収益を、当該年度の各月末時点のセールス人員数の平均値で除して算出
※13 イタンジ「申込受付くん」、入居申込件数 年間100万件突破! 全国賃貸入居申込の3件に1件で利用https://ssl4.eir-parts.net/doc/3491/tdnet/2421482/00.pdf
※14 Annual Recurring Revenue。各四半期末の月末MRR(Monthly Recurring Revenueの略。月額利用料金、従量課金、ライフラインサービスの収益を含む)に12を乗じて算出。なお、2024年10月期第1四半期より、従来までの主要プロダクトにイタンジの全てのSaaSサービス、Housmart社の「PropoCloud」及びRENOSY XのSaaSサービスを追加し算出
※15 2024年4月末時点での直近12ヶ月の平均月次チャーンレート
※16 1顧客当たり経済性。LTVをCACで除して算定した倍率、2024年4月末時点での直近12ヶ月の平均値
(2)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,914百万円増加し39,055百万円となりました。これは主に現金及び現金同等物が2,763百万円増加し20,216百万円となったこと、その他の金融資産が2,470百万円増加し3,441百万円となったこと及び、その他の流動資産が1,233百万円増加し2,900百万円となったことによるものであります。また、非流動資産は前連結会計年度末に比べ6,295百万円増加し36,506百万円となりました。これは主にのれんが6,699百万円増加し14,472百万円となったこと、投資不動産が946百万円減少し10,357百万円となったことによるものであります。
この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ14,210百万円増加し75,562百万円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ12,061百万円増加し35,881百万円となりました。これは主に社債及び借入金が5,240百万円増加し15,687百万円となったこと、その他の金融負債が6,886百万円増加し9,436百万円となったことによるものであります。また、非流動負債は前連結会計年度末に比べ891百万円増加し17,838百万円となりました。これは主に社債及び借入金が2,531百万円増加し7,027百万円となったこと、リース負債が948百万円減少し9,870百万円となったこと及び、その他の金融負債が685百万円減少し241百万円となったことによるものであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ12,952百万円増加し53,720百万円となりました。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,257百万円増加し21,842百万円となりました。これは主に利益剰余金が927百万円増加し1,917百万円となったことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,763百万円増加し20,216百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、1,302百万円(前年同期は1,140百万円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費及び償却費2,722百万円、税引前四半期利益1,804百万円、棚卸資産の増加額1,086百万円、法人所得税の支払額850百万円、営業債務及びその他の債務の減少額694百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、3,257百万円(前年同期は839百万円の使用)となりました。これは主に、企業結合による支出2,611百万円、企業結合による収入1,669百万円、無形資産の取得による支出694百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、4,730百万円(前年同期は661百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入4,710百万円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、106百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、RENOSYマーケットプレイス事業において、RW OpCo, LLC等29社の持分を取得し、連結の範囲に含めたことにより、同社の従業員数121名が当社グループの従業員に加わっております。