有価証券報告書-第3期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)
(1)経営成績等の状況の概要
当社はベビー・子供服の企画販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績に関する記載は省略しております。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、米国と中国の通商問題やアジア新興国等の経済・政策、欧州諸国の政局に関して先行きの不透明感が残ったものの、企業収益及び雇用・所得環境の改善が続く中、設備投資や個人消費が堅調に推移したことから、景気は緩やかな回復基調が続きました。
一方、当社が属するアパレル業界は、消費者の低価格志向とファッションにおける個人の嗜好の細分化により、一部のファストファッション系企業の業績が好調に推移する一方、多くの企業が苦戦を強いられました。チャネル別には、百貨店、量販店が低迷する中で、大手の専門店やeコマースが堅調に推移し、アパレル小売市場の規模としては、全体で横ばいを維持しております。
こうした中、当社はベビー・子供服専門のSPA(注)1として、ショッピングセンターへの積極的な店舗展開と、ナルミヤオンラインサイトのリニューアルによるeコマース販売の強化を行いました。また、将来の事業基盤の拡大を図るため、中国でのTモールへの出店と新たな事業領域としてのフォトスタジオを開始いたしました。
当事業年度における各チャネルの売上高は、以下のとおりであります。
百貨店チャネルの売上高は、ベビー・トドラー向けブランドの「ANNA SUI mini」や「X-girl STAGES」が堅調に推移したものの、異常気象やジュニア世代の百貨店離れ等の要因もあり、ジュニア向けブランドが全般的に前年を下回りました。店舗数では、22店舗出店し、26店舗退店したため、当事業年度末において585店舗となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は9,796百万円(前期比5.7%減)(注)2となりました。
ショッピングセンターチャネルの売上高は、ベビー・トドラー向けブランド「petit main」及びジュニア向けブランド「Lovetoxic」がともに年間を通して堅調に推移しました。店舗数では、23店舗出店し、3店舗退店したため、当事業年度末において162店舗となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は11,770百万円(前期比22.4%増)となりました。
eコマースチャネルの売上高は、ナルミヤオンラインサイトのリニューアルにより、顧客の利便性を高め、キャンペーンを積極的に展開したことで、新規顧客獲得数が増加し、自社オンラインサイトの売上比率が向上しました。以上の結果、当事業年度の売上高は4,286百万円(前期比25.3%増)となりました。
その他のチャネル(注)3の売上高は、アウトレットが前期比10.7%増(3店舗出店(退店は0)、事業年度末店舗数22店)、卸売り販売が同3.5%増と堅調に推移しました。以上の結果、当事業年度の売上高は3,846百万円(前期比9.1%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は29,700百万円(前期は売上高-円)(注)4、営業利益は1,625百万円(前期は1百万円の営業損失)、経常利益は1,505百万円(前期比154.3%増)、当期純利益は1,802百万円(同202.8%増)となりました。
(注)1.商品の企画から製造、物流、プロモーション、販売までを一貫して行う販売形態を表します。
2.チャネル別の前期成績との比較を容易にするため、文中の( )内に前期比を記載しております。併せて、下表を参照ください。
⦅チャネル別売上高の前年対比表>
3.アウトレット、卸売り販売、フォトスタジオ、ライセンス販売を含みます。
4.当社は、2018年3月1日付で連結子会社であった株式会社ナルミヤ・インターナショナルを吸収合併したことにより、連結子会社が存続しなくなったため、当事業年度において連結財務諸表は作成しておりません。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産は14,182百万円となり、前事業年度末に比べて617百万円の増加(合併による増加11,403百万円の影響を除く)となりました。これは主に、未収還付法人税等が402百万円、のれんが177百万円減少したものの、商品が699百万円、売掛金が177百万円、有形固定資産のリース資産(純額)が110百万円、差入保証金が120百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は10,626百万円となり、前事業年度末に比べて146百万円の増加(合併による増加10,479百万円の影響を除く)となりました。これは主に、長期借入金が425百万円減少したものの、買掛金が139百万円、リース債務が242百万円、未払金が61百万円、退職給付引当金が18百万円、ポイント引当金が22百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は3,556百万円となり、前事業年度末に比べて470百万円の増加(合併による増加923百万円の影響を除く)となりました。これは主に、当期純利益の計上926百万円(合併に伴う抱合せ株式消滅差益875百万円の計上を除く)及び剰余金の配当869百万円により利益剰余金の額が56百万円、新株の発行により資本金及び資本剰余金が416百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べて137百万円の減少(合併による増加1,970百万円の影響を除く)し、1,847百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,551百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益2,316百万円の計上、減価償却費477百万円、のれん償却額177百万円、抱合せ株式消滅差益875百万円、売上債権の増加額167百万円、及びたな卸資産の増加額699百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は459百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出153百万円及び差入保証金の差入による支出213百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,230百万円となりました。これは株式の発行による収入416百万円、長期借入金の返済による支出425百万円、リース債務の返済による支出352百万円、及び配当金の支払額869百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当社は、ベビー・子供服の企画販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は2018年3月1日付で連結子会社であった株式会社ナルミヤ・インターナショナルを吸収合併したことにより、連結子会社が存在しなくなり、当事業年度において連結財務諸表は作成していないため、前年同期比は記載しておりません。
なお、前連結会計年度の仕入実績は、13,042,988千円であります。
c.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当社は、ベビー・子供服の企画販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に替えて、チャネル別販売実績を記載しております。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「その他」は、アウトレット、卸売り販売、フォトスタジオ、ライセンス販売を含みます。なお、フトスタジオは当事業年度から開始しております。
3.当社は2018年3月1日付で連結子会社であった株式会社ナルミヤ・インターナショナルを吸収合併したことにより、連結子会社が存在しなくなり、当事業年度において連結財務諸表は作成していないため、前年同期比に替えて、構成比を記載しております。
なお、前連結会計年度のチャネル別販売実績は、以下のとおりであります。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績の分析
a.売上高、売上原価及び売上総利益
売上高は29,700百万円となりました。これは、主に百貨店チャネルが、第2四半期における異常気象と百貨店業界における環境の厳しさを反映し、前期比で減収となったものの、ショッピングセンターチャネルとeコマースチャネルが成長を継続したことによります。特にショッピングセンターにおける既存店売上高が好調に推移したことに加え、新店の売上高がチャネルの業績拡大に貢献し、また、eコマースチャネルにおけるオンラインサイトリニューアルによる新規顧客獲得が自社オンラインサイトの成長に貢献いたしました。チャネル別売上高の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」と「④生産、受注及び販売の実績」をご参照ください。
売上原価合計は13,758百万円となりました。これは、異常気象等による苦戦とそれをカバーするための積極的な仕入高増による棚卸商品評価損の計上を主たる要因として、百貨店ブランドに比べ売上総利益率が高いショッピングセンターブランドの売上高比率が高まったものの、売上総利益率は前期比微増にとどまりました。以上の結果、売上総利益は15,937百万円となりました。
b.販売費及び一般管理費及び営業利益
販売費及び一般管理費は14,312百万円となりました。営業利益率の高いeコマースチャネルの売上高比率が高まったものの、自社オンライン販売における出荷量の増加と物流費の値上げによる荷具運賃の増加等により、売上高販管費比率は、前期比並みとなりました。
この結果、営業利益は1,625百万円となりました。
c.営業外損益及び経常利益
営業外収益は20百万円となりました。これは主に保険解約返戻金7百万円、受取賃貸料3百万円によるものであります。
営業外費用は139百万円となりました。これは主に長期借入金及びリース債務による支払利息72百万円、上場関連費用40百万円によるものであります。
この結果、経常利益は1,505百万円となりました。
d.特別損益及び当期純利益
特別利益は875百万円となりました。これは吸収合併に伴う抱合せ株式消滅差益875百万円によるものであります。
特別損失は64百万円となりました。これは主に減損損失45百万円、固定資産除却損17百万円によるものであります。
法人税、住民税及び事業税576百万円及び法人税等調整額△62百万円を差し引いた結果、当期純利益は1,802百万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照ください。
なお、当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうちは主なものは、商品の仕入費用ならびに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備投資を目的として資金需要は、計画に基づき、案件ごとに手持資金の支出とリース契約による長期借入に切り分けております。設備投資のうち、原則としてショッピングセンター、アウトレットモール及び路面店の店舗内装工事についてはリース契約で賄い、ショッピングセンター等の出店に際して負担する入居保証金や百貨店の内装工事費用及びその他の設備投資は手元資金により賄っております。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社は非上場化以降において、ナルミヤブランドの再構築及び百貨店販売に依存しない事業基盤の確立を目指し、必要な経営資源を必要なところに投入することに注力してまいりました。ベビー・子供服専業のSPAとして、子供服のナルミヤとしての基本路線を維持しながら、百貨店売場のブランドリプレースと、ショッピングセンターやアウトレットモールへの積極的な出店、及びeコマースの強化を図り、マルチチャネル・マルチブランド戦略を展開してまいりました。
当事業年度末現在、トドラー向け13ブランド、ジュニア向け6ブランドを展開、直営店舗として百貨店585店舗、ショッピングセンター162店舗、アウトレットモール22店舗を展開、eコマース事業において、自社オンラインサイト以外に、多くの他社オンラインショッピングサイトに出店しております。
今後におきましても、ブランドのポートフォリオの最適化に留意しながら、マルチチャネル・マルチブランド戦略を展開するとともに、越境ECやアジア近隣諸国への進出により、市場の拡大を図ってまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
アパレル小売市場は、依然として消費者の価格志向が強く、ブランド間の優勝劣敗が顕著になっております。当社が展開する子供服市場においても、少子高齢化により客数の増加が見込めない状況の中で、消費者の低価格志向が続くことが見込まれます。このような経営環境の中においては、MD(マーチャンダイジング)精度の向上と人材の確保、さらには、デジタルテクノロジーの活用が、より一層その重要度を増すものと見込まれます。
当社としては、今後において、オムニチャネル化による商品管理や顧客管理のシームレス化を図り、顧客への利便性や満足度を追求するとともに、アジア近隣諸国への進出や子供服事業とのシナジーを創出できる衣料品の企画販売以外の事業への展開により企業価値の拡大を図ってまいります。
当社はベビー・子供服の企画販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績に関する記載は省略しております。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、米国と中国の通商問題やアジア新興国等の経済・政策、欧州諸国の政局に関して先行きの不透明感が残ったものの、企業収益及び雇用・所得環境の改善が続く中、設備投資や個人消費が堅調に推移したことから、景気は緩やかな回復基調が続きました。
一方、当社が属するアパレル業界は、消費者の低価格志向とファッションにおける個人の嗜好の細分化により、一部のファストファッション系企業の業績が好調に推移する一方、多くの企業が苦戦を強いられました。チャネル別には、百貨店、量販店が低迷する中で、大手の専門店やeコマースが堅調に推移し、アパレル小売市場の規模としては、全体で横ばいを維持しております。
こうした中、当社はベビー・子供服専門のSPA(注)1として、ショッピングセンターへの積極的な店舗展開と、ナルミヤオンラインサイトのリニューアルによるeコマース販売の強化を行いました。また、将来の事業基盤の拡大を図るため、中国でのTモールへの出店と新たな事業領域としてのフォトスタジオを開始いたしました。
当事業年度における各チャネルの売上高は、以下のとおりであります。
百貨店チャネルの売上高は、ベビー・トドラー向けブランドの「ANNA SUI mini」や「X-girl STAGES」が堅調に推移したものの、異常気象やジュニア世代の百貨店離れ等の要因もあり、ジュニア向けブランドが全般的に前年を下回りました。店舗数では、22店舗出店し、26店舗退店したため、当事業年度末において585店舗となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は9,796百万円(前期比5.7%減)(注)2となりました。
ショッピングセンターチャネルの売上高は、ベビー・トドラー向けブランド「petit main」及びジュニア向けブランド「Lovetoxic」がともに年間を通して堅調に推移しました。店舗数では、23店舗出店し、3店舗退店したため、当事業年度末において162店舗となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は11,770百万円(前期比22.4%増)となりました。
eコマースチャネルの売上高は、ナルミヤオンラインサイトのリニューアルにより、顧客の利便性を高め、キャンペーンを積極的に展開したことで、新規顧客獲得数が増加し、自社オンラインサイトの売上比率が向上しました。以上の結果、当事業年度の売上高は4,286百万円(前期比25.3%増)となりました。
その他のチャネル(注)3の売上高は、アウトレットが前期比10.7%増(3店舗出店(退店は0)、事業年度末店舗数22店)、卸売り販売が同3.5%増と堅調に推移しました。以上の結果、当事業年度の売上高は3,846百万円(前期比9.1%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は29,700百万円(前期は売上高-円)(注)4、営業利益は1,625百万円(前期は1百万円の営業損失)、経常利益は1,505百万円(前期比154.3%増)、当期純利益は1,802百万円(同202.8%増)となりました。
(注)1.商品の企画から製造、物流、プロモーション、販売までを一貫して行う販売形態を表します。
2.チャネル別の前期成績との比較を容易にするため、文中の( )内に前期比を記載しております。併せて、下表を参照ください。
⦅チャネル別売上高の前年対比表>
チャネル | 前連結会計年度 | 当事業年度 | 増減額及び増減率 | |||
金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 金額 | 増減率 | |
百貨店 ショッピングセンター eコマース その他 | 百万円 10,385 9,620 3,421 3,527 | % 38.5 35.7 12.7 13.1 | 百万円 9,796 11,770 4,286 3,846 | % 33.0 39.6 14.4 13.0 | 百万円 △588 2,150 864 319 | % △5.7 22.4 25.3 9.1 |
合計 | 26,954 | 100.0 | 29,700 | 100.0 | 2,746 | 10.2 |
3.アウトレット、卸売り販売、フォトスタジオ、ライセンス販売を含みます。
4.当社は、2018年3月1日付で連結子会社であった株式会社ナルミヤ・インターナショナルを吸収合併したことにより、連結子会社が存続しなくなったため、当事業年度において連結財務諸表は作成しておりません。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産は14,182百万円となり、前事業年度末に比べて617百万円の増加(合併による増加11,403百万円の影響を除く)となりました。これは主に、未収還付法人税等が402百万円、のれんが177百万円減少したものの、商品が699百万円、売掛金が177百万円、有形固定資産のリース資産(純額)が110百万円、差入保証金が120百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は10,626百万円となり、前事業年度末に比べて146百万円の増加(合併による増加10,479百万円の影響を除く)となりました。これは主に、長期借入金が425百万円減少したものの、買掛金が139百万円、リース債務が242百万円、未払金が61百万円、退職給付引当金が18百万円、ポイント引当金が22百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は3,556百万円となり、前事業年度末に比べて470百万円の増加(合併による増加923百万円の影響を除く)となりました。これは主に、当期純利益の計上926百万円(合併に伴う抱合せ株式消滅差益875百万円の計上を除く)及び剰余金の配当869百万円により利益剰余金の額が56百万円、新株の発行により資本金及び資本剰余金が416百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べて137百万円の減少(合併による増加1,970百万円の影響を除く)し、1,847百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,551百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益2,316百万円の計上、減価償却費477百万円、のれん償却額177百万円、抱合せ株式消滅差益875百万円、売上債権の増加額167百万円、及びたな卸資産の増加額699百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は459百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出153百万円及び差入保証金の差入による支出213百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,230百万円となりました。これは株式の発行による収入416百万円、長期借入金の返済による支出425百万円、リース債務の返済による支出352百万円、及び配当金の支払額869百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当社は、ベビー・子供服の企画販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) | 前年同期比(%) |
ベビー・子供服の企画販売事業 (千円) | 14,458,071 | - |
合計(千円) | 14,458,071 | - |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は2018年3月1日付で連結子会社であった株式会社ナルミヤ・インターナショナルを吸収合併したことにより、連結子会社が存在しなくなり、当事業年度において連結財務諸表は作成していないため、前年同期比は記載しておりません。
なお、前連結会計年度の仕入実績は、13,042,988千円であります。
c.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当社は、ベビー・子供服の企画販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に替えて、チャネル別販売実績を記載しております。
チャネルの名称 | 当事業年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) | 構成比(%) | |||||
ベビー・子供服の企画販売事業 | |||||||
百貨店 | (千円) | 9,796,254 | 33.0 | ||||
ショッピングセンター | (千円) | 11,770,999 | 39.6 | ||||
eコマース | (千円) | 4,286,861 | 14.4 | ||||
そ の 他 (注)2 | (千円) | 3,846,774 | 13.0 | ||||
合 計 | (千円) | 29,700,888 | 100.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「その他」は、アウトレット、卸売り販売、フォトスタジオ、ライセンス販売を含みます。なお、フトスタジオは当事業年度から開始しております。
3.当社は2018年3月1日付で連結子会社であった株式会社ナルミヤ・インターナショナルを吸収合併したことにより、連結子会社が存在しなくなり、当事業年度において連結財務諸表は作成していないため、前年同期比に替えて、構成比を記載しております。
なお、前連結会計年度のチャネル別販売実績は、以下のとおりであります。
チャネル | 販売金額(千円) | 構成比(%) |
百貨店 | 10,385,247 | 38.5 |
ショッピングセンター | 9,620,244 | 35.7 |
eコマース | 3,421,890 | 12.7 |
その他 | 3,527,142 | 13.1 |
合 計 | 26,954,523 | 100.0 |
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績の分析
a.売上高、売上原価及び売上総利益
売上高は29,700百万円となりました。これは、主に百貨店チャネルが、第2四半期における異常気象と百貨店業界における環境の厳しさを反映し、前期比で減収となったものの、ショッピングセンターチャネルとeコマースチャネルが成長を継続したことによります。特にショッピングセンターにおける既存店売上高が好調に推移したことに加え、新店の売上高がチャネルの業績拡大に貢献し、また、eコマースチャネルにおけるオンラインサイトリニューアルによる新規顧客獲得が自社オンラインサイトの成長に貢献いたしました。チャネル別売上高の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」と「④生産、受注及び販売の実績」をご参照ください。
売上原価合計は13,758百万円となりました。これは、異常気象等による苦戦とそれをカバーするための積極的な仕入高増による棚卸商品評価損の計上を主たる要因として、百貨店ブランドに比べ売上総利益率が高いショッピングセンターブランドの売上高比率が高まったものの、売上総利益率は前期比微増にとどまりました。以上の結果、売上総利益は15,937百万円となりました。
b.販売費及び一般管理費及び営業利益
販売費及び一般管理費は14,312百万円となりました。営業利益率の高いeコマースチャネルの売上高比率が高まったものの、自社オンライン販売における出荷量の増加と物流費の値上げによる荷具運賃の増加等により、売上高販管費比率は、前期比並みとなりました。
この結果、営業利益は1,625百万円となりました。
c.営業外損益及び経常利益
営業外収益は20百万円となりました。これは主に保険解約返戻金7百万円、受取賃貸料3百万円によるものであります。
営業外費用は139百万円となりました。これは主に長期借入金及びリース債務による支払利息72百万円、上場関連費用40百万円によるものであります。
この結果、経常利益は1,505百万円となりました。
d.特別損益及び当期純利益
特別利益は875百万円となりました。これは吸収合併に伴う抱合せ株式消滅差益875百万円によるものであります。
特別損失は64百万円となりました。これは主に減損損失45百万円、固定資産除却損17百万円によるものであります。
法人税、住民税及び事業税576百万円及び法人税等調整額△62百万円を差し引いた結果、当期純利益は1,802百万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照ください。
なお、当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうちは主なものは、商品の仕入費用ならびに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備投資を目的として資金需要は、計画に基づき、案件ごとに手持資金の支出とリース契約による長期借入に切り分けております。設備投資のうち、原則としてショッピングセンター、アウトレットモール及び路面店の店舗内装工事についてはリース契約で賄い、ショッピングセンター等の出店に際して負担する入居保証金や百貨店の内装工事費用及びその他の設備投資は手元資金により賄っております。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社は非上場化以降において、ナルミヤブランドの再構築及び百貨店販売に依存しない事業基盤の確立を目指し、必要な経営資源を必要なところに投入することに注力してまいりました。ベビー・子供服専業のSPAとして、子供服のナルミヤとしての基本路線を維持しながら、百貨店売場のブランドリプレースと、ショッピングセンターやアウトレットモールへの積極的な出店、及びeコマースの強化を図り、マルチチャネル・マルチブランド戦略を展開してまいりました。
当事業年度末現在、トドラー向け13ブランド、ジュニア向け6ブランドを展開、直営店舗として百貨店585店舗、ショッピングセンター162店舗、アウトレットモール22店舗を展開、eコマース事業において、自社オンラインサイト以外に、多くの他社オンラインショッピングサイトに出店しております。
今後におきましても、ブランドのポートフォリオの最適化に留意しながら、マルチチャネル・マルチブランド戦略を展開するとともに、越境ECやアジア近隣諸国への進出により、市場の拡大を図ってまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
アパレル小売市場は、依然として消費者の価格志向が強く、ブランド間の優勝劣敗が顕著になっております。当社が展開する子供服市場においても、少子高齢化により客数の増加が見込めない状況の中で、消費者の低価格志向が続くことが見込まれます。このような経営環境の中においては、MD(マーチャンダイジング)精度の向上と人材の確保、さらには、デジタルテクノロジーの活用が、より一層その重要度を増すものと見込まれます。
当社としては、今後において、オムニチャネル化による商品管理や顧客管理のシームレス化を図り、顧客への利便性や満足度を追求するとともに、アジア近隣諸国への進出や子供服事業とのシナジーを創出できる衣料品の企画販売以外の事業への展開により企業価値の拡大を図ってまいります。