有価証券報告書-第18期(2023/07/01-2024/06/30)

【提出】
2024/09/26 15:30
【資料】
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【項目】
160項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは、当連結会計年度より「スポーツ&ヘルスケア事業」としていた報告セグメントの名称を、ヘルスケア事業撤退のため「スポーツ事業」に変更しております。なお、この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
① 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は50,605,556千円となり、前連結会計年度末に比べ4,269,710千円増加いたしました。これは主に投資有価証券が1,172,037千円、機械及び装置が1,085,497千円、売掛金が412,093千円、商品及び製品が348,849千円、仕掛品が286,558千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は27,333,603千円となり、前連結会計年度末に比べ3,397,066千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が1,120,079千円、未払金が728,961千円、社債が650,000千円、買掛金が353,127千円、1年内償還予定の社債が300,000千円増加した一方で、未払法人税等が561,973千円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は23,271,952千円となり、前連結会計年度末に比べ872,644千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が804,846千円、為替換算調整勘定が475,263千円、非支配株主持分が210,977千円増加した一方で、配当金の支払いにより利益剰余金が320,654千円減少、自己株式の取得により自己株式が568,728千円増加(株主資本の減少)したことによるものです。
② 経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、社会・経済活動の持ち直しの傾向が続いている一方、社会情勢の変化、継続的な物価の上昇や為替の変動による影響等によって、依然として先行きが不透明な状況が続きました。
このような環境の中、当社グループは「IPディベロッパー」戦略のもと、TCG(トレーディングカードゲーム)を柱とし、グローバル展開を引き続き推進してまいりました。2024年4月20日に新TCG「プロ野球カードゲーム ドリームオーダー」を発売し、さらに、2024年7月以降も複数の新TCGを発売することを発表しております。また、今後のTCGの開発・製造体制のさらなる強化と安定的な体制構築を目的として、2024年1月に㈲遊宝洞との資本業務提携を実施し、2024年4月にGorin Technical Industry (Malaysia) Sdn. Bhd.を連結子会社化いたしました。グローバルにおいては、年間を通して全世界各地で「Bushiroad EXPO」を開催、引き続き日本国外で多数のお客様とディストリビューターにご来場いただいております。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高46,262,958千円(前年同期比5.2%減)、営業利益882,574千円(同73.9%減)、経常利益1,898,197千円(同57.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益804,846千円(同60.8%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメント売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
1.エンターテイメント事業
①TCG(トレーディングカードゲーム)ユニット
「カードファイト!! ヴァンガード」では新シリーズの展開を開始し、新規層を取り込むことに注力いたしました。「ヴァイスシュヴァルツ」では2024年1月に新たに簡体字版をリリースし、英語版に続いて多言語での展開を開始しました。「Shadowverse EVOLVE」は軟調に推移しました。2024年4月に新TCG「プロ野球カードゲーム ドリームオーダー」を発売開始しました。
②デジタルコンテンツユニット
市況の影響を受け、赤字縮小のために体制変更に注力いたしました。モバイルゲームでは5タイトルをクローズ・1タイトルを運営移管し、運営をコンパクト化しました。コンソールゲームでは6タイトルをリリースいたしました。
なお、翌連結会計年度より「デジタルコンテンツユニット」としていたユニットの名称を「コンテンツユニット」に変更いたします。
③BI(Bushiroad International)ユニット
「カードファイト!! ヴァンガード」英語版は日本語版と同じく新シリーズの展開開始で順調に推移しました。モバイルゲームは、国内に合わせて2タイトルをクローズし運営を縮小いたしました。
「2023 Bushiroad Expo Asia」として4地域(クアラルンプール、バンコク、シンガポール、イルサン)、「Bushiroad EXPO 2024」として3地域(台北、インド、インドネシア)で開催しました。
④ライブエンタメユニット
バンドリ!プロジェクトの新バンド「MyGO!!!!!」や「Ave Mujica」が国内外で人気を博し、好調に推移いたしました。その結果、ライブエンタメユニットの当連結会計年度の売上は過去最高を更新しました。
⑤MD(マーチャンダイジング)ユニット
2023年8月にグローバルブレイクの柱となるフィギュアブランド「PalVerse(パルバース)」を始動し、開発体制の整備・権利取得が順調に進行するとともに、中国の推し活ブームに乗り、海外販路の開拓に成功しました。また、バンドリ!プロジェクトの新バンド「MyGO!!!!!」と「Ave Mujica」が人気を集め、ライブグッズの収益が順当に推移しました。その結果、MDユニットの当連結会計年度の売上は過去最高を更新しました。
⑥アドユニット
㈱ブシロードムーブでは、代理店事業・自社及び他社の大型イベントを複数担当し、堅調に推移しました。アニメ制作委員会への出資・参画を積極的に行い、TCGやグッズの商品化権、声優・音響等の役務を獲得しております。
㈱ゲームビズでは、インフルエンサーマーケティングを行うWEBプラットフォーム「インフルエンジン」の運営を開始いたしました。
これらの結果、エンターテイメント事業は、売上高39,679,038千円(前年同期比5.1%減)、セグメント利益438,812千円(同85.6%減)となりました。
2.スポーツ事業
「新日本プロレス」「スターダム」ともに堅調に推移いたしました。また、スポーツユニットの運営体制を強化するために、新日本プロレスリング㈱及び㈱ブシロードファイト(2024年6月28日に㈱スターダムに商号変更)の両社の社長が交代となり、スポーツユニットにおける事業の重複業務を削減し、事業効率の向上を図るため、2024年6月28日付で連結子会社である㈱ブシロードファイトの全株式を連結子会社である新日本プロレスリング㈱に譲渡いたしました。
これらの結果、スポーツ事業は、売上高6,583,919千円(前年同期比5.6%減)、セグメント利益443,761千円(同31.2%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて150,272千円減少し、23,450,654千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、362,678千円となりました。主な収入要因は、税金等調整前当期純利益1,932,033千円及び減価償却費793,188千円であり、主な支出要因は、法人税等の支払額1,846,648千円、為替差益427,592千円及び棚卸資産の増加額359,042千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、46,600千円となりました。主な収入要因は、定期預金の払戻による収入2,503,368千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入1,197,762千円であり、主な支出要因は、定期預金の預入による支出2,265,570千円、投資有価証券の取得による支出943,246千円及び固定資産の取得による支出770,106千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、190,293千円となりました。主な収入要因は、長期借入れによる収入4,602,050千円及び社債の発行による収入1,490,807千円であり、主な支出要因は、長期借入金の返済による支出4,789,833千円、自己株式の取得による支出569,866千円、社債の償還による支出550,000千円及び配当金の支払額320,903千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループにおいては、提供するサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループにおいては、一部請負業務を行っておりますが、「a 生産実績」に記載の理由から、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
前年同期比(%)
エンターテイメント事業(千円)39,679,03894.9
スポーツ事業(千円)6,583,91994.4
合計(千円)46,262,95894.8

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来事項に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ①財政状態の分析・②経営成績の分析」をご参照ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。また、経営者の問題意識及び今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、自社IP開発、他社IP投資、IPを発展させるための広告宣伝費等の営業費用であり、事業運営上必要な資本の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としており当連結会計年度末における借入金の残高は、12,547,667千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。