有価証券報告書-第111期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 9:39
【資料】
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【項目】
153項目

対処すべき課題

国内建設市場は、国土強靭化や産業競争力強化のためのインフラ整備、首都圏を中心とした都市再生や地方創生等のニーズにより、一定の水準で建設投資が続くと考えられるが、中長期的には市場の拡大は見込みにくい状況である。一方、将来的に労働者の減少が危惧される建設業界においては、人材の確保・育成や人と技術の融合した生産システムのイノベーション等、生産力の向上が急がれる。
海外建設市場においては、当社グループが進出している東南アジア、北米及びターゲットとするオセアニア等において、インフラ整備や都市開発をはじめとする建設投資の拡大が見込まれる。
こうした事業環境をふまえ、平成27年度を初年度とする3ヵ年計画「大林組グループ中期経営計画2015(Evolution 2015)」を策定した。当社グループはこの計画に基づき、社会の安全、安心及び経営の更なる安定に向けて、各戦略及び施策を遂行していく。
(「Evolution 2015」における当社グループの取組み方針)
・切迫する巨大災害への備えや環境・エネルギー対策等の多様なニーズに応え、社会の安全、安心、快適を実現する
・建築、土木、開発の3事業に加え、新たな収益源を創出する「新領域事業」を第4の柱に、収益基盤の多様化を推進する
・当社の技術力、財務力を活かした強固なグループ経営の実践により、グループ各社の収益力を向上させる
(主な経営指標目標(連結))
収益力強化の指標として営業利益を重視し、中期経営計画期間中に安定的に450億円程度を計上することを経営目標としている。収益基盤の多様化を推進し、建設事業売上高に占める海外比率を約25%に、国内建設事業以外の営業利益の割合を約45%に高めることで、市場の変化に柔軟に適応できる収益構造を確立していく。
また、新領域事業(再生可能エネルギー事業等)における設備投資により減価償却費が増加することから、キャッシュフローから見た収益力を示す新たな指標としてEBITDAを採用した。
ROE(株主資本利益率)についても、中長期的に8%程度に引き上げることを目指している。
2015年度2016年度2017年度
売上高17,000億円 程度
建設事業16,000億円 程度
(海外比率:25%)
開発事業500~600億円
新領域事業220億円220億円280億円
その他100億円 程度
営業利益(安定的に)450億円 程度
国内建設60%55%
国内建設以外
(海外建設、開発、新領域)
40%45%
EBITDA ※590億円610億円630億円
国内建設55%53%51%
国内建設以外45%47%49%
経常利益500億円 程度
有利子負債4,000億円 程度(2018年3月末)
D/Eレシオ0.9倍 程度
ROE(中長期的に)8% 程度
配当性向20%~30%

※EBITDA=営業利益+減価償却費(Earnings Before Interest,Taxes,Depreciation and Amortization)
当社グループとしては、この新たな中期経営計画に全力で取り組むことで企業価値を向上させ、株主をはじめとしたステークホルダーの期待に応えていく。