有価証券報告書-第74期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、第12次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)に基づき、「信頼と企業ブランドの確立(Next Stage)を目指し、選ばれる会社への挑戦」に向けて、「お客さま等のニーズに応え受注拡大に繋げる営業力の強化」、「品質・安全の確保と生産性向上による施工力強化と利益の確保」、「企業の礎と将来を担う人財の確保と育成」、「ガバナンスの確保」の4項目を重点方針として取り組んでおります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化するなか、国内で工期延長や新規工事案件の計画見直しがあり、海外拠点でも受注高・売上高が大きく減少しました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。
受注高は、354億83百万円(前年同期比19.2%減)となりました。部門別の内訳は、内線部門(プラント工事部を含む。)は、本社、マレーシア、ミャンマーの減少により、242億69百万円(前年同期比17.3%減)となりました。電力部門は、送電線工事や大型再生可能エネルギー関連工事の減少により、56億92百万円(前年同期比44.3%減)となり、空調給排水部門は、48億59百万円(前年同期比34.1%増)となりました。
売上高は、内線部門においては本社、マレーシア及び台湾並びに空調給排水部門が減少したことにより、416億56百万円(前年同期比11.0%減)となりました。
利益面では、売上高の減少に伴い売上総利益が減少したことにより、営業損失1億51百万円(前年同期は営業利益7億9百万円)となり、受取地代家賃5億26百万円や太陽光発電による売電収入98百万円の計上により、経常利益4億75百万円(前年同期比64.4%減)、投資有価証券売却益4億86百万円や太陽光発電所の売却による固定資産売却益2億69百万円の計上により親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3億18百万円(前年同期比68.5%減)を計上する結果となりました。
個別業績につきましては、受注高は、227億8百万円(前年同期比24.4%減)となりました。売上高は、278億39百万円(前年同期比7.1%減)となり、利益面では、太陽光発電所建設工事の利益率悪化を主要因に営業損失3億47百万円(前年同期は営業利益3億24百万円)、経常利益2億49百万円(前年同期比72.7%減)、当期純利益2億69百万円(前年同期比65.3%減)を計上する結果となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
当連結会計年度の売上高は297億69百万円(前年同期比7.2%減)となり、営業利益は8億50百万円(前年同期は営業利益16億4百万円)となりました。
(東南アジア)
当連結会計年度の売上高は101億17百万円(前年同期比13.7%減)となり、営業利益は76百万円(前年同期は営業利益86百万円)となりました。
(その他アジア)
当連結会計年度の売上高は17億93百万円(前年同期比40.5%減)となり、営業利益は2百万円(前年同期は営業利益1億10百万円)となりました。
当連結会計年度末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億54百万円減少し、448億58百万円となりました。主な要因は、時価の上昇による投資有価証券5億91百万円の増加に対し、現金預金8億93百万円や受取手形・完成工事未収入金等7億64百万円の減少などによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ16億83百万円減少し、140億63百万円となりました。主な要因は、支払手形・工事未払金等21億19百万円の減少などによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億28百万円増加し、307億94百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金6億60百万円の増加などによるものです。
なお、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、63億14百万円(前年同期比6.7%減)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、13億23百万円の支出(前年同期は4億52百万円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が7億83百万円となった他、売上債権の減少10億40百万円などにより資金が増加しましたが、仕入債務の減少26億61百万円、法人税等の支払額4億88百万円などにより資金が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、12億95百万円の収入(前年同期は6億31百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入6億85百万円や無形固定資産の売却による収入5億4百万円、投資有価証券の売却による収入7億50百万円、定期預金の払戻による収入7億39百万円などにより資金が増加しましたが、有形固定資産の取得による支出6億86百万円や無形固定資産の取得による支出3億35百万円、定期預金の預入による支出3億26百万円などにより資金が減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、3億73百万円の支出(前年同期は9億12百万円の支出)となりました。主な要因は、短期借入金の増加2億24百万円などにより資金が増加しましたが、長期借入金の返済による支出73百万円や自己株式の取得による支出1億4百万円、配当金の支払額4億1百万円による支出などにより資金が減少したことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.売上実績
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
a.受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度12.1%、当事業年度9.8%で、そのうち請負金額7億円以上の主なものは次のとおりであります。
5 外貨建契約による海外工事の受注高と完成工事高の為替換算差額については、当該期の次期繰越工事高を修正しております。
手持工事高欄の( )内の金額は換算差額修正前の金額であります。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されております。
(注)1 百分比は請負金額比であります。
2 機器製作は少額のため内線工事に含めております。
c.完成工事高
(注)1 合計欄の( )内の数字(内書)は海外工事高及び海外工事割合であります。
2 海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。
3 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額8億円以上の主なもの
当事業年度 請負金額8億円以上の主なもの
4 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
d.手持工事高(2021年3月31日現在)
(注)1 合計欄の( )内の数字(内書)は海外工事の手持工事高及び手持工事割合であります。
2 手持工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状などを勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症による業績への影響としましては、主にマレーシア、バングラデシュにおいて、ロックダウンによる工事の中断が断続的に発生しております。また、シンガポール、ベトナムなど他拠点においても、コロナウイルスによる出社制限など、様々な影響が発生しております。一方、ミャンマーでは2月のクーデター以降工事の中断が相次いでおります。
a.収益の認識基準
当社グループの売上高は、主として工事進行基準によっております。将来、工事完成基準に比べ、工事収益及び工事原価に対して見積要素による変動が発生する可能性があります。
b.貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権などの貸倒による損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
c.たな卸資産の評価基準
当社グループのたな卸資産は、主として未成工事支出金であり、個別法による原価法によっております。将来、市場の需給の影響を受け、市場の価格変動により工事利益を圧迫する可能性があります。
d.有価証券の減損処理
当社は、長期的な取引関係の維持などの目的により、特定の顧客及び金融機関に対する株式を保有しております。これらの株式には、価格変動性がある上場会社の株式と価格の決定が困難である非上場会社の株式が含まれております。上場会社の株式市場の価格変動リスクや非上場会社の純資産額の低下リスクを負っているため、将来、合理的な基準に基づき、評価損の計上をする可能性があります。
e.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価において、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
a.売上高の分析
売上高は内線工事部門や空調給排水工事部門が減少したことにより416億56百万円(前年同期比11.0%減)となりました。部門別の内訳は、内線工事部門が263億27百万円(前年同期比10.8%減)、電力工事部門が108億22百万円(前年同期比1.0%増)、空調給排水工事部門が37億70百万円(前年同期比36.7%減)、機器製作部門が7億36百万円(前年同期比19.1%増)となりました。
また、海外工事高が118億87百万円(前年同期比19.2%減)と売上高の28.5%を占めることになりました。
b.売上原価、販売費及び一般管理費の分析
売上原価は売上高の減少に伴い、374億51百万円(前年同期比9.8%減)となりました。また、売上原価率は前連結会計年度より1.2ポイント悪化し89.9%となりました。
販売費及び一般管理費は43億56百万円(前年同期比4.8%減)となりました。主なものは、従業員給料手当21億72百万円であります。
c.営業外損益の分析
営業外収益は9億92百万円(前年同期比7.1%増)となりました。主なものは、受取地代家賃5億26百万円及び受取配当金94百万円であります。
営業外費用は3億64百万円(前年同期比22.1%増)となりました。主なものは、不動産賃貸費用1億74百万円であります。不動産賃貸費用は、投資不動産に対する固定資産税や定期的な修繕費などによるものであります。
d.特別損益の分析
特別利益は7億60百万円となりました。主なものは、固定資産売却益2億70百万円、投資有価証券売却益4億86百万円であります。
特別損失は4億52百万円となりました。主なものは、工事損失引当金繰入額3億10百万円、不正関連損失1億33百万円であります。
e.当期損益の分析
売上高の減少に伴い売上総利益が減少したことにより、営業損失1億51百万円(前期は営業利益7億9百万円)となり、受取地代家賃5億26百万円や太陽光発電による売電収入98百万円の計上により、経常利益4億75百万円(前年同期比64.4%減)、投資有価証券売却益4億86百万円や太陽光発電所の売却による固定資産売却益2億69百万円の計上により親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3億18百万円(前年同期比68.5%減)を計上する結果となりました。
f.財政状態についての分析
財政状態についての分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
g.キャッシュ・フローについての分析
キャッシュ・フローについての分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
h.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本政策の基本的方針は、「第12次中期経営計画の目標達成に向けて、体制整備・生産性向上・人財育成などの各施策を推進するために必要な投資を、積極的に実施していく。」、「第12次中計の残り期間においては、上記の成長投資及び新型コロナウイルス環境下での一定流動性確保を踏まえ、適切な株主還元を行う。」であります。自己株式については、事業計画の進捗状況、業績見通し、株価・金融市場動向等を総合的に勘案して取得を検討していく方針であります。
運転資金需要のうち主なものは、工事に要する材料の購入、外注費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払によるものであります。
運転資金については、自己資金、工事の前受金によるものの他、借入を適宜有効に行い調達しております。また、当社は総額33億円の貸出コミットメント契約も締結しております。
i.セグメントごとの分析
セグメントごとの分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、第12次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)に基づき、「信頼と企業ブランドの確立(Next Stage)を目指し、選ばれる会社への挑戦」に向けて、「お客さま等のニーズに応え受注拡大に繋げる営業力の強化」、「品質・安全の確保と生産性向上による施工力強化と利益の確保」、「企業の礎と将来を担う人財の確保と育成」、「ガバナンスの確保」の4項目を重点方針として取り組んでおります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化するなか、国内で工期延長や新規工事案件の計画見直しがあり、海外拠点でも受注高・売上高が大きく減少しました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。
受注高は、354億83百万円(前年同期比19.2%減)となりました。部門別の内訳は、内線部門(プラント工事部を含む。)は、本社、マレーシア、ミャンマーの減少により、242億69百万円(前年同期比17.3%減)となりました。電力部門は、送電線工事や大型再生可能エネルギー関連工事の減少により、56億92百万円(前年同期比44.3%減)となり、空調給排水部門は、48億59百万円(前年同期比34.1%増)となりました。
売上高は、内線部門においては本社、マレーシア及び台湾並びに空調給排水部門が減少したことにより、416億56百万円(前年同期比11.0%減)となりました。
利益面では、売上高の減少に伴い売上総利益が減少したことにより、営業損失1億51百万円(前年同期は営業利益7億9百万円)となり、受取地代家賃5億26百万円や太陽光発電による売電収入98百万円の計上により、経常利益4億75百万円(前年同期比64.4%減)、投資有価証券売却益4億86百万円や太陽光発電所の売却による固定資産売却益2億69百万円の計上により親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3億18百万円(前年同期比68.5%減)を計上する結果となりました。
個別業績につきましては、受注高は、227億8百万円(前年同期比24.4%減)となりました。売上高は、278億39百万円(前年同期比7.1%減)となり、利益面では、太陽光発電所建設工事の利益率悪化を主要因に営業損失3億47百万円(前年同期は営業利益3億24百万円)、経常利益2億49百万円(前年同期比72.7%減)、当期純利益2億69百万円(前年同期比65.3%減)を計上する結果となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
当連結会計年度の売上高は297億69百万円(前年同期比7.2%減)となり、営業利益は8億50百万円(前年同期は営業利益16億4百万円)となりました。
(東南アジア)
当連結会計年度の売上高は101億17百万円(前年同期比13.7%減)となり、営業利益は76百万円(前年同期は営業利益86百万円)となりました。
(その他アジア)
当連結会計年度の売上高は17億93百万円(前年同期比40.5%減)となり、営業利益は2百万円(前年同期は営業利益1億10百万円)となりました。
当連結会計年度末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億54百万円減少し、448億58百万円となりました。主な要因は、時価の上昇による投資有価証券5億91百万円の増加に対し、現金預金8億93百万円や受取手形・完成工事未収入金等7億64百万円の減少などによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ16億83百万円減少し、140億63百万円となりました。主な要因は、支払手形・工事未払金等21億19百万円の減少などによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億28百万円増加し、307億94百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金6億60百万円の増加などによるものです。
なお、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、63億14百万円(前年同期比6.7%減)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、13億23百万円の支出(前年同期は4億52百万円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が7億83百万円となった他、売上債権の減少10億40百万円などにより資金が増加しましたが、仕入債務の減少26億61百万円、法人税等の支払額4億88百万円などにより資金が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、12億95百万円の収入(前年同期は6億31百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入6億85百万円や無形固定資産の売却による収入5億4百万円、投資有価証券の売却による収入7億50百万円、定期預金の払戻による収入7億39百万円などにより資金が増加しましたが、有形固定資産の取得による支出6億86百万円や無形固定資産の取得による支出3億35百万円、定期預金の預入による支出3億26百万円などにより資金が減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、3億73百万円の支出(前年同期は9億12百万円の支出)となりました。主な要因は、短期借入金の増加2億24百万円などにより資金が増加しましたが、長期借入金の返済による支出73百万円や自己株式の取得による支出1億4百万円、配当金の支払額4億1百万円による支出などにより資金が減少したことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
セグメントの名称 | 前連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 (千円) | 当連結会計年度 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 (千円) | 増減率 (%) |
日本 | 30,443,380 | 25,274,688 | △17.0 |
東南アジア | 11,105,961 | 7,261,164 | △34.6 |
その他アジア | 2,352,378 | 2,947,912 | 25.3 |
合計 | 43,901,721 | 35,483,765 | △19.2 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.売上実績
セグメントの名称 | 前連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 (千円) | 当連結会計年度 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 (千円) | 増減率 (%) |
日本 | 32,089,700 | 29,769,247 | △7.2 |
東南アジア | 11,710,483 | 10,115,587 | △13.6 |
その他アジア | 3,002,792 | 1,771,760 | △41.0 |
合計 | 46,802,976 | 41,656,594 | △11.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
a.受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
期別 | 区分 | 前期繰越 工事高 (千円) | 当期受注 工事高 (千円) | 計 (千円) | 当期完成 工事高 (千円) | 次期繰越工事高 | 当期施工高 (千円) | ||
手持工事高 (千円) | うち施工高 | ||||||||
(%) | (千円) | ||||||||
前事業年度 自2019年4月1日 至2020年3月31日 | 内線工事 | 13,339,051 | 17,915,145 | 31,254,197 | 16,490,479 | (14,763,718) 14,949,715 | 1.2 | 182,114 | 16,517,732 |
電力工事 | 12,340,979 | 10,211,247 | 22,552,227 | 10,711,218 | 11,841,008 | 0.3 | 39,498 | 10,612,690 | |
空調給排水工事 | 1,789,482 | 1,177,503 | 2,966,985 | 2,155,743 | 811,242 | 0.7 | 5,670 | 2,145,058 | |
機器製作 | 361,467 | 721,848 | 1,083,316 | 617,979 | 465,336 | 10.1 | 46,915 | 620,603 | |
計 | 27,830,981 | 30,025,745 | 57,856,726 | 29,975,420 | (27,881,305) 28,067,302 | 1.0 | 274,198 | 29,896,085 | |
当事業年度 自2020年4月1日 至2021年3月31日 | 内線工事 | 14,949,715 | 15,416,311 | 30,366,026 | 15,179,298 | (15,186,728) 15,264,422 | 1.5 | 224,010 | 15,221,195 |
電力工事 | 11,841,008 | 5,692,484 | 17,533,492 | 10,822,355 | 6,711,136 | 1.1 | 75,655 | 10,858,512 | |
空調給排水工事 | 811,242 | 937,038 | 1,748,280 | 1,101,634 | 646,645 | 1.1 | 6,937 | 1,102,901 | |
機器製作 | 465,336 | 662,486 | 1,127,822 | 736,231 | 391,590 | 13.1 | 51,279 | 740,596 | |
計 | 28,067,302 | 22,708,319 | 50,775,622 | 27,839,520 | (22,936,101) 23,013,795 | 1.6 | 357,883 | 27,923,205 |
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度12.1%、当事業年度9.8%で、そのうち請負金額7億円以上の主なものは次のとおりであります。
前事業年度 | YANKIN PPP REDEVELOPMENT PROJECT | 鹿島建設株式会社 | (ミャンマー) |
当事業年度 | 巨菱精密化学(股)公司工場新建工程 | 三菱化工機株式会社 | (台湾) |
5 外貨建契約による海外工事の受注高と完成工事高の為替換算差額については、当該期の次期繰越工事高を修正しております。
手持工事高欄の( )内の金額は換算差額修正前の金額であります。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されております。
期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 内線工事 | 2.5 | 97.5 | 100.0 |
電力工事 | 33.5 | 66.5 | 100.0 | |
空調給排水工事 | - | 100.0 | 100.0 | |
当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 内線工事 | 1.1 | 98.9 | 100.0 |
電力工事 | 46.5 | 53.5 | 100.0 | |
空調給排水工事 | 0.1 | 99.9 | 100.0 |
(注)1 百分比は請負金額比であります。
2 機器製作は少額のため内線工事に含めております。
c.完成工事高
期別 | 区分 | 官公庁 (千円) | 民間会社 (千円) | 電力会社 (千円) | 計 | |
(千円) | (%) | |||||
前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 内線工事 | 2,431,030 | 14,052,019 | 7,430 | (2,546,082) 16,490,479 | (15.4) |
電力工事 | 3,349 | 4,584,724 | 6,123,144 | 10,711,218 | ||
空調給排水工事 | - | 2,155,743 | - | 2,155,743 | ||
機器製作 | - | 617,979 | - | 617,979 | ||
計 | 2,434,380 | 21,410,466 | 6,130,574 | (2,546,082) 29,975,420 | (8.5) | |
当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 内線工事 | 1,383,161 | 13,786,823 | 9,312 | (1,577,479) 15,179,298 | (10.4) |
電力工事 | - | 4,740,803 | 6,081,552 | 10,822,355 | ||
空調給排水工事 | 74,504 | 1,027,130 | - | 1,101,634 | ||
機器製作 | - | 736,231 | - | 736,231 | ||
計 | 1,457,665 | 20,290,989 | 6,090,865 | (1,577,479) 27,839,520 | (5.7) |
(注)1 合計欄の( )内の数字(内書)は海外工事高及び海外工事割合であります。
2 海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。
地域 | 前事業年度(%) | 当事業年度(%) |
東南アジア | 30.6 | 50.7 |
その他アジア | 69.4 | 49.3 |
計 | 100.0 | 100.0 |
3 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額8億円以上の主なもの
ダイダン株式会社 | 広島二葉の里プロジェクト(電気設備工事) |
東京都 | 有明テニスの森公園及び有明コロシアム(29)改築及び改修その他電気設備工事 |
東京電力パワーグリッド株式会社 | 神鋼真岡発電所系統連系接続工事(1工区) |
当事業年度 請負金額8億円以上の主なもの
中鹿営造股份有限公司(鹿島建設㈱) | 台湾華可貴股份有限公司中歴第二工廠新建工程 電気設備工事 |
4 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度 | 該当する相手先はありません。 | ||
当事業年度 | 中国電力株式会社 3,266,054千円 11.70% |
d.手持工事高(2021年3月31日現在)
区分 | 官公庁 (千円) | 民間会社 (千円) | 電力会社 (千円) | 計 | |
(千円) | (%) | ||||
内線工事 | 2,840,259 | 12,424,162 | - | (4,479,648) 15,264,422 | (29.3) |
電力工事 | - | 2,022,886 | 4,688,249 | 6,711,136 | |
空調給排水工事 | - | 646,645 | - | 646,645 | |
機器製作 | - | 391,590 | - | 391,590 | |
計 | 2,840,259 | 15,485,285 | 4,688,249 | (4,479,648) 23,013,795 | (19.5) |
(注)1 合計欄の( )内の数字(内書)は海外工事の手持工事高及び手持工事割合であります。
2 手持工事のうち請負金額20億円以上の主なもの
合同会社ESR神流町太陽光発電所 | ESR神流町太陽光発電所建設工事 | 2021年7月完成予定 |
杉之沢太陽光発電所合同会社 | 岐阜恵那杉之沢太陽光発電所建設工事 | 2021年6月完成予定 |
東京電力パワーグリッド株式会社 | 飛騨信濃直流幹線新設工事(4工区) | 2021年6月完成予定 |
北海道北部風力送電株式会社 | 北部送電豊富中川幹線・稚内線・開源線建設 工事 | 2023年3月完成予定 |
電源開発株式会社 | 佐久間東西幹線増強工事(第13工区) | 2028年3月完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状などを勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症による業績への影響としましては、主にマレーシア、バングラデシュにおいて、ロックダウンによる工事の中断が断続的に発生しております。また、シンガポール、ベトナムなど他拠点においても、コロナウイルスによる出社制限など、様々な影響が発生しております。一方、ミャンマーでは2月のクーデター以降工事の中断が相次いでおります。
a.収益の認識基準
当社グループの売上高は、主として工事進行基準によっております。将来、工事完成基準に比べ、工事収益及び工事原価に対して見積要素による変動が発生する可能性があります。
b.貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権などの貸倒による損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
c.たな卸資産の評価基準
当社グループのたな卸資産は、主として未成工事支出金であり、個別法による原価法によっております。将来、市場の需給の影響を受け、市場の価格変動により工事利益を圧迫する可能性があります。
d.有価証券の減損処理
当社は、長期的な取引関係の維持などの目的により、特定の顧客及び金融機関に対する株式を保有しております。これらの株式には、価格変動性がある上場会社の株式と価格の決定が困難である非上場会社の株式が含まれております。上場会社の株式市場の価格変動リスクや非上場会社の純資産額の低下リスクを負っているため、将来、合理的な基準に基づき、評価損の計上をする可能性があります。
e.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価において、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
a.売上高の分析
売上高は内線工事部門や空調給排水工事部門が減少したことにより416億56百万円(前年同期比11.0%減)となりました。部門別の内訳は、内線工事部門が263億27百万円(前年同期比10.8%減)、電力工事部門が108億22百万円(前年同期比1.0%増)、空調給排水工事部門が37億70百万円(前年同期比36.7%減)、機器製作部門が7億36百万円(前年同期比19.1%増)となりました。
また、海外工事高が118億87百万円(前年同期比19.2%減)と売上高の28.5%を占めることになりました。
b.売上原価、販売費及び一般管理費の分析
売上原価は売上高の減少に伴い、374億51百万円(前年同期比9.8%減)となりました。また、売上原価率は前連結会計年度より1.2ポイント悪化し89.9%となりました。
販売費及び一般管理費は43億56百万円(前年同期比4.8%減)となりました。主なものは、従業員給料手当21億72百万円であります。
c.営業外損益の分析
営業外収益は9億92百万円(前年同期比7.1%増)となりました。主なものは、受取地代家賃5億26百万円及び受取配当金94百万円であります。
営業外費用は3億64百万円(前年同期比22.1%増)となりました。主なものは、不動産賃貸費用1億74百万円であります。不動産賃貸費用は、投資不動産に対する固定資産税や定期的な修繕費などによるものであります。
d.特別損益の分析
特別利益は7億60百万円となりました。主なものは、固定資産売却益2億70百万円、投資有価証券売却益4億86百万円であります。
特別損失は4億52百万円となりました。主なものは、工事損失引当金繰入額3億10百万円、不正関連損失1億33百万円であります。
e.当期損益の分析
売上高の減少に伴い売上総利益が減少したことにより、営業損失1億51百万円(前期は営業利益7億9百万円)となり、受取地代家賃5億26百万円や太陽光発電による売電収入98百万円の計上により、経常利益4億75百万円(前年同期比64.4%減)、投資有価証券売却益4億86百万円や太陽光発電所の売却による固定資産売却益2億69百万円の計上により親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3億18百万円(前年同期比68.5%減)を計上する結果となりました。
f.財政状態についての分析
財政状態についての分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
g.キャッシュ・フローについての分析
キャッシュ・フローについての分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
h.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本政策の基本的方針は、「第12次中期経営計画の目標達成に向けて、体制整備・生産性向上・人財育成などの各施策を推進するために必要な投資を、積極的に実施していく。」、「第12次中計の残り期間においては、上記の成長投資及び新型コロナウイルス環境下での一定流動性確保を踏まえ、適切な株主還元を行う。」であります。自己株式については、事業計画の進捗状況、業績見通し、株価・金融市場動向等を総合的に勘案して取得を検討していく方針であります。
運転資金需要のうち主なものは、工事に要する材料の購入、外注費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払によるものであります。
運転資金については、自己資金、工事の前受金によるものの他、借入を適宜有効に行い調達しております。また、当社は総額33億円の貸出コミットメント契約も締結しております。
i.セグメントごとの分析
セグメントごとの分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。