有価証券報告書-第60期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い経済活動や社会活動が制限された影響を受け、急激に景気が後退しました。その後、段階的な経済活動の再開とともに一時持ち直しの動きも見られましたが、同感染症の感染再拡大により緊急事態宣言が再発出されるなど依然として収束が見通せず、先行きが不透明な状況が続きました。
建設業界におきましては、国内建設市場は東京オリンピック・パラリンピック関連工事が一巡したものの、都市部の再開発事業や地域の防災・減災、国土強靭化工事が下支えし、公共工事の発注は新型コロナウイルス感染症による影響は限定的で堅調に推移しましたが、民間工事は景気の先行き不透明感から設備投資を抑制する動きが広がり様子見の状況が続き、また受注価格競争が激化するなどの状況で推移いたしました。
このような状況の下、当社は、同感染症の感染予防に最大限努めながら、前事業年度から取組んでいる気泡コンクリート工事と地盤改良工事の営業活動及び施工それぞれの一体化を一層推進し、営業と施工の効率化に注力し、受注量の獲得と収益性の改善をはかってまいりました。
その結果、当事業年度の業績は、受注高においては官公庁からの受注比率が高い気泡コンクリート工事が順調に推移しましたが、民間建築分野の比率が高い地盤改良工事の受注高予想以上に低迷したことから、工事全体の受注高は4,091百万円(前事業年度比1.2%減)となりました。一方同感染症の感染拡大予防に伴う工事の中断や遅延などでの当社への影響は軽微であったことから、売上高は4,623百万円(前事業年度比14.7%増)となりました。
各段階の損益につきましては、施工の効率化に努めたことや、地盤改良工事より利益率の高い気泡コンクリート工事の完成工事高の増加などで完成工事総利益率が改善し、また新型コロナウイルス感染症の感染予防のための不要不急の出張控えや、リモート会議の推進による交通費の減少などで販売費及び一般管理費が当初見込みより減少したこともあり、営業利益215百万円(前事業年度比233.9%増)、経常利益223百万円(前事業年度比219.6%増)、法人税等調整額を26百万円計上したことにより当期純利益153百万円(前事業年度比285.8%増)となりました。
なお、当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う業績への影響は軽微でしたが、今後の流行状況によっては、安全確保のための工事の中断や発注の遅れ、工事用材料や資機材調達のためのサプライチェーンのマヒ等が懸念され、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としましては、最大限の感染予防に取組んでまいりますが、ワクチン接種の進展により、長期的にわたる影響は出ないものと考えております。
主要な工事の状況は、次のとおりであります。
(気泡コンクリート工事)
気泡コンクリート工事は、受注時期にタイムラグはありますが公共投資の動向に影響を受ける傾向があります。見込んでいた一部の工事の発注の遅れから軽量盛土工事の受注高は1,521百万円(前事業年度比4.5%減)となりましたが、公共工事の請負金額が堅調に推移したことから、管路中詰工事では受注高が646百万円(前事業年度比17.4%増)、空洞充填工事でも受注高が984百万円(前事業年度比137.0%増)となり、気泡コンクリート工事全体の受注高は3,152百万円(前事業年度比23.2%増)と増加いたしました。
完成工事高につきましても、前事業年度からの繰越工事が多かったことや、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防に伴い一部の工事で発注が遅れたこと、また令和2年7月豪雨の影響などでの工程調整で第3四半期の施工が超繁忙となりましたが、無事に施工出来たことで軽量盛土工事の完成工事高が1,869百万円(前事業年度比20.1%増)、管路中詰工事の完成工事高が692百万円(前事業年度比5.5%増)、空洞充填工事の完成工事高が868百万円(前事業年度比114.7%増)とそれぞれ増加し、気泡コンクリート工事全体の完成工事高は3,431百万円(前事業年度比31.1%増)となりました。
(地盤改良工事)
受注価格競争が激しく見込んでいた大型工事を失注したことや、また当事業年度は当社が傾向的に受注比率が高い民間建築分野の発注抑制もあり、地盤改良工事の受注高は897百万円(前事業年度比37.0%減)と大幅に減少いたしました。
完成工事高につきましては、受注高が大幅に減少しましたが前事業年度からの繰越工事が多かったことから、地盤改良工事の完成工事高は1,011百万円(前事業年度比18.9%減)となりました。
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ133百万円増加し、3,546百万円となりました。その主な要因としましては、受取手形が40百万円、繰延税金資産が28百万円減少しましたが、現金預金が154百万円、機械及び装置が33百万円、リース資産が19百万円増加したことなどによるものです。
負債合計は、前事業年度末に比べ7百万円減少し、2,050百万円となりました。その主な要因としましては、電子記録債務が43百万円、長期借入金が39百万円、リース債務が27百万円増加しましたが、工事未払金が107百万円減少したことなどによるものです。
純資産合計は、前事業年度末に比べ141百万円増加し、1,496百万円となりました。その主な要因としましては、配当金の支払いを行いましたが、当期純利益153百万円の計上により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により取得した資金は210百万円(前事業年度比1,740.8%増)となりました。これは主に、仕入債務が180百万円減少したものの、税引前当期純利益223百万円、減価償却費109百万円を計上したこと、売上債権が59百万円減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は51百万円(前事業年度比62.6%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は4百万円(前事業年度比95.2%減)となりました。これは主に、長期借入金による収入、長期借入金及びリース債務の返済並びに配当金の支払いなどによるものであります。
これにより「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度末に比べ154百万円増加し、663百万円(前事業年度比30.5%増)となりました。
(注) 営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、消費税等を含んだ金額で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
商品販売については、販売と仕入及び受注との差異が僅少なため、「① 財政状態及び経営成績の状況」における経営成績の記載を参照願います。
a. 受注高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがいまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
b. 受注高の受注方法別比率
工事の受注方法は、次のとおり特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
c. 完成工事高
(注) 1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものも含めて記載しております。
2 完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額5,000万円以上の主なもの
当事業年度 請負金額5,000万円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
d. 手持工事高(2021年3月31日現在)
(注) 1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものも記載しております。
2 手持工事のうち請負金額2,000万円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は1,889百万円で、前事業年度末に比べ102百万円増加しております。その主な要因としましては、前事業年度末に比べ完成工事高の増加により現金預金が154百万円増加したことなどによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,657百万円で、前事業年度末に比べ31百万円増加しております。その主な要因としましては、繰延税金資産が28百万円減少しましたが、設備投資により機械及び装置が33百万円、リース資産が19百万円増加したことなどによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は1,337百万円で、前事業年度末に比べ98百万円減少しております。その主な要因としましては、工事未払金が107百万円減少したことなどによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は713百万円で、前事業年度末に比べ90百万円の増加となりました。その主な要因としましては、前事業年度末に比べ長期借入金が61百万円、リース債務が25百万円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,496百万円で、前事業年度末に比べ141百万円増加しております。その主な要因としましては、配当金の支払いがありましたが、当期純利益153百万円の計上により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。
② 経営成績の分析
(受注高)
当事業年度における受注高は、4,091百万円(前事業年度比1.2%減)となりました。
当社主力の気泡コンクリート工事のうち、軽量盛土工事につきましては、見込んでいた一部の大型工事の受注を採算面の問題から見送ったことや、見込んでいた一部の工事の発注のずれ込みなどから1,521百万円(前事業年度比4.5%減)となりましたが、管路中詰工事につきましては、見込んでいた水道関係やガスパイプライン関係の大型工事の受注が出来たことから646百万円(前事業年度比17.4%増)となり、また空洞充填工事につきましても、道路トンネルや農水路トンネルの補修関係の受注増で984百万円(前事業年度比137.0%増)となり、その結果、気泡コンクリート工事全体の受注高は3,152百万円(前事業年度比23.2%増)となりました。気泡コンクリート工事の施主は官公庁の比率が高く、また当社が請負う工事はほぼ下請工事となるため、当社が請負う工事の受注は施主の発注時期や元請業者の各工程の進捗状況により左右されることがあります。当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては公共工事の発注の延期が懸念されましたが影響は限定的で、当社におきましても影響は軽微でした。
一方、地盤改良工事におきましては、受注価格競争の激化から見込んでいた一部の大型工事の失注があり、また新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や国内での非常事態宣言の再発出などで、経済活動が停滞し民間設備投資の様子見が続き民間建設投資が減少したことから、傾向的に民間建築分野の受注比率が大きい当社にとっては厳しい環境となり受注高は897百万円(前事業年度比37.0%減)となりましたが、前事業年度から地盤改良工事の営業強化のため取組んでいる気泡コンクリート工事との営業一体化につきましては、情報の共有化や営業の効率化の面で徐々に浸透してきております。
(売上高)
当事業年度における売上高は、4,623百万円(前事業年度比14.7%増)となりました。
気泡コンクリート工事の完成工事高は、上期に新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のための一部の工事の中断や公共工事の発注の遅延、また令和2年7月豪雨の影響による工期のずれ込みがあり、施工の工程調整により第3四半期においての施工が超繁忙となりましたが、各工種の堅調な受注と順調な施工により軽量盛土工事の完成工事高が1,869百万円(前事業年度比20.1%増)、管路中詰工事の完成工事高が692百万円(前事業年度比5.5%増)、空洞充填工事の完成工事高が868百万円(前事業年度比114.7%増)となり、気泡コンクリート工事全体の完成工事高は3,431百万円(前事業年度比31.1%増)となりました。
地盤改良工事の完成工事高は、受注高が大幅に減少しましたが、前事業年度からの繰越工事が多かったことから1,011百万円(前事業年度比18.9%減)となりました。
なお、2021年2月3日に公表いたしました「2021年3月期の業績予想」における売上高4,700百万円との比較におきましては、ほぼ予想に近い達成率98.4%となりました。
(売上総利益)
当事業年度における売上総利益は、890百万円(前事業年度比20.8%増)となりました。
引き続き施工効率に注力し工期短縮による外注労務費・機材リース料の低減に取組んだことや、利益率の高い気泡コンクリート工事の完成工事高の大幅な増加と、工事全体の完成工事高に占める気泡コンクリート工事の構成比の上昇により工事全体の完成工事総利益率が前事業年度に比べ1.2ポイント改善し、商品販売等を含めた売上総利益率は前事業年度に比べ1.0ポイントの改善となりました。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、675百万円(前事業年度比0.3%増)となりました。
当初は、施工力を強化するための工事部社員や技術開発活動を強化するための人材採用による人件費の増加を見込み707百万円(前事業年度比5.1%増)を計画しましたが、計画どおりに採用出来ませんでした。また新型コロナウイルス感染症の感染予防策として、不要不急の出張の抑制やリモート会議開催の促進などで交通費や交際費が減少いたしました。
(営業利益)
当事業年度における営業利益は、215百万円(前事業年度比233.9%増)となりました。
完成工事高の増加や利益率の改善に伴い、売上総利益が大幅に増加したことによるものです。
なお、2021年2月3日に公表いたしました「2021年3月期業績予想」における営業利益190百万円の比較におきましては、見込み以上に完成工事総利益率が改善したことにより13.2%増となりました。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は223百万円(前事業年度比219.6%増)となりました。
中国の合弁会社からの配当を計上したことから、営業外損益が前事業年度に比べ2百万円増加したことによるものです。
なお、2021年2月3日に公表いたしました「2021年3月期の業績予想」における経常利益200百万円との比較におきましては、11.5%増となりました。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は153百万円(前事業年度比285.8%増)となりました。
法人税等調整額26百万円を計上したことによるものです。
なお、2021年2月3日に公表いたしました「2021年3月期の業績予想」における当期純利益140百万との比較におきましては、9.3%増となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主な工事は、主に建設業者から下請けとして受注したもので、施主としましては官公庁の比率が以下のとおり高くなっております。
当社の気泡コンクリート工事におきましては、公共工事の発注から当社の事業領域である工事を受注するまでタイムラグがあり、必ずしも公共投資の動向に連動しない場合もありますが、全体として当社の経営成績は公共投資の動向に影響を受ける傾向があります。
(最近2期間における受注高のうち官公庁が占める比率)
(注) 民間受注高の( )は、施主がNEXCO各社のもので内数であります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの分析)
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度の期末残高508百万円から154百万円増加(前事業年度は211百万円の減少)して663百万円(前事業年度比30.5%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より198百万円増加し、210百万円の資金の増加(前事業年度は11百万円の増加)となりました。これは主に、仕入債務が180百万円減少(前事業年度比7.3%減)したものの、減価償却費109百万円(前事業年度比17.1%増)、税引前当期純利益223百万円(前事業年度比229.1%増)を計上したこと、売上債権が59百万円減少(前事業年度比12.0%減)したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より支出が85百万円減少し、51百万円の資金の減少(前事業年度は136百万円の減少)となりました。これは主に、施工品質や施工効率を向上させる機械の購入など有形固定資産の取得による支出51百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より支出が81百万円減少し、4百万円の資金の減少(前事業年度は85百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入300百万円、長期借入金の返済による支出260百万円、リース債務の返済による支出26百万円及び配当金の支払いによる支出17百万円などによるものであります。
(資金需要)
当社の運転資金需要のうち主なものは、当社の工事施工のための材料費、労務費、外注費、経費のほか販売費及び一般管理費によるものです。
販売費及び一般管理費の主なものは、人件費及び営業活動のための通信交通費等であります。
(財務政策)
当社は現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または金融機関からの借入れによる資金調達のほか、借入条件等を勘案し社債による調達も行うこととしております。
短期運転資金につきましては、内部資金または金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金及び施工機械等への設備投資資金につきましては、金融機関から固定金利を原則とした長期借入金にて調達しております。2021年3月31日現在、短期借入金の残高は8百万円、長期借入金の残高は611百万円であります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
⑥ 戦略的現状と見通し
建設業界におきましては、インフラ整備を通じて安心、安全を守る地域(国土)づくり、慢性的な技術者、技能者の不足に対し、建設業界を支える担い手の確保と育成、社会保険未加入対策、「働き方改革」で唱えられる雇用環境労働条件の改善、i-Constructionに推奨される建設業の生産性向上等が求められており、引き続き当社にとっても対応していかなければならない課題であると認識しております。
このような環境の中で当社としまして、会社の成長、企業価値の向上をはかるためには、社会、経済の要求に対し、安心・安全の確保や地域社会への貢献を念頭に「いいもの」を提供し続けることが大変重要であると考えており、そのため技術の深化(進化)、技術革新の実現に取組んでおります。
技術の深化(進化)としましては、社会環境の要求に応えられる施工能力と技術、施工体制の強化をはかり、当社の技術と施工の強みを最大限発揮することで「いいものづくり」の実現に取組んでおります。
また、技術革新の実現としましては、AIの導入も含め建設業界に求められているi-Constructionの推進への取組みが不可欠と考えており、このような技術の深化(進化)や技術革新の実現のためには、社内体制づくりが大変重要であり、技術開発部門を強化するための人材採用や、産官学との共同研究に注力しております。
今後も引き続き技術開発部門の人材採用に取組み研究開発活動に注力するとともに、当社保有の工法や開発した材料の普及に取組むことで、新しい市場創造が可能であると考えております。
また、新型コロナウイルス感染症につきましては、今後の流行状況によっては当社業績に影響を与える可能性がありますが、先ずは当社役職員の安全・安心の確保のための対応が重要であり、適宜予防対策を実施してまいります。同感染症につきましては、インフルエンザのように流行が繰り返されるのではないかと考えられていますが、ワクチンの接種や治療薬の開発が進むと思われ、中長期的には脅威は薄れていくと考えております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い経済活動や社会活動が制限された影響を受け、急激に景気が後退しました。その後、段階的な経済活動の再開とともに一時持ち直しの動きも見られましたが、同感染症の感染再拡大により緊急事態宣言が再発出されるなど依然として収束が見通せず、先行きが不透明な状況が続きました。
建設業界におきましては、国内建設市場は東京オリンピック・パラリンピック関連工事が一巡したものの、都市部の再開発事業や地域の防災・減災、国土強靭化工事が下支えし、公共工事の発注は新型コロナウイルス感染症による影響は限定的で堅調に推移しましたが、民間工事は景気の先行き不透明感から設備投資を抑制する動きが広がり様子見の状況が続き、また受注価格競争が激化するなどの状況で推移いたしました。
このような状況の下、当社は、同感染症の感染予防に最大限努めながら、前事業年度から取組んでいる気泡コンクリート工事と地盤改良工事の営業活動及び施工それぞれの一体化を一層推進し、営業と施工の効率化に注力し、受注量の獲得と収益性の改善をはかってまいりました。
その結果、当事業年度の業績は、受注高においては官公庁からの受注比率が高い気泡コンクリート工事が順調に推移しましたが、民間建築分野の比率が高い地盤改良工事の受注高予想以上に低迷したことから、工事全体の受注高は4,091百万円(前事業年度比1.2%減)となりました。一方同感染症の感染拡大予防に伴う工事の中断や遅延などでの当社への影響は軽微であったことから、売上高は4,623百万円(前事業年度比14.7%増)となりました。
各段階の損益につきましては、施工の効率化に努めたことや、地盤改良工事より利益率の高い気泡コンクリート工事の完成工事高の増加などで完成工事総利益率が改善し、また新型コロナウイルス感染症の感染予防のための不要不急の出張控えや、リモート会議の推進による交通費の減少などで販売費及び一般管理費が当初見込みより減少したこともあり、営業利益215百万円(前事業年度比233.9%増)、経常利益223百万円(前事業年度比219.6%増)、法人税等調整額を26百万円計上したことにより当期純利益153百万円(前事業年度比285.8%増)となりました。
なお、当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う業績への影響は軽微でしたが、今後の流行状況によっては、安全確保のための工事の中断や発注の遅れ、工事用材料や資機材調達のためのサプライチェーンのマヒ等が懸念され、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としましては、最大限の感染予防に取組んでまいりますが、ワクチン接種の進展により、長期的にわたる影響は出ないものと考えております。
主要な工事の状況は、次のとおりであります。
(気泡コンクリート工事)
気泡コンクリート工事は、受注時期にタイムラグはありますが公共投資の動向に影響を受ける傾向があります。見込んでいた一部の工事の発注の遅れから軽量盛土工事の受注高は1,521百万円(前事業年度比4.5%減)となりましたが、公共工事の請負金額が堅調に推移したことから、管路中詰工事では受注高が646百万円(前事業年度比17.4%増)、空洞充填工事でも受注高が984百万円(前事業年度比137.0%増)となり、気泡コンクリート工事全体の受注高は3,152百万円(前事業年度比23.2%増)と増加いたしました。
完成工事高につきましても、前事業年度からの繰越工事が多かったことや、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防に伴い一部の工事で発注が遅れたこと、また令和2年7月豪雨の影響などでの工程調整で第3四半期の施工が超繁忙となりましたが、無事に施工出来たことで軽量盛土工事の完成工事高が1,869百万円(前事業年度比20.1%増)、管路中詰工事の完成工事高が692百万円(前事業年度比5.5%増)、空洞充填工事の完成工事高が868百万円(前事業年度比114.7%増)とそれぞれ増加し、気泡コンクリート工事全体の完成工事高は3,431百万円(前事業年度比31.1%増)となりました。
(地盤改良工事)
受注価格競争が激しく見込んでいた大型工事を失注したことや、また当事業年度は当社が傾向的に受注比率が高い民間建築分野の発注抑制もあり、地盤改良工事の受注高は897百万円(前事業年度比37.0%減)と大幅に減少いたしました。
完成工事高につきましては、受注高が大幅に減少しましたが前事業年度からの繰越工事が多かったことから、地盤改良工事の完成工事高は1,011百万円(前事業年度比18.9%減)となりました。
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ133百万円増加し、3,546百万円となりました。その主な要因としましては、受取手形が40百万円、繰延税金資産が28百万円減少しましたが、現金預金が154百万円、機械及び装置が33百万円、リース資産が19百万円増加したことなどによるものです。
負債合計は、前事業年度末に比べ7百万円減少し、2,050百万円となりました。その主な要因としましては、電子記録債務が43百万円、長期借入金が39百万円、リース債務が27百万円増加しましたが、工事未払金が107百万円減少したことなどによるものです。
純資産合計は、前事業年度末に比べ141百万円増加し、1,496百万円となりました。その主な要因としましては、配当金の支払いを行いましたが、当期純利益153百万円の計上により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により取得した資金は210百万円(前事業年度比1,740.8%増)となりました。これは主に、仕入債務が180百万円減少したものの、税引前当期純利益223百万円、減価償却費109百万円を計上したこと、売上債権が59百万円減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は51百万円(前事業年度比62.6%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は4百万円(前事業年度比95.2%減)となりました。これは主に、長期借入金による収入、長期借入金及びリース債務の返済並びに配当金の支払いなどによるものであります。
これにより「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度末に比べ154百万円増加し、663百万円(前事業年度比30.5%増)となりました。
(注) 営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、消費税等を含んだ金額で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
商品販売については、販売と仕入及び受注との差異が僅少なため、「① 財政状態及び経営成績の状況」における経営成績の記載を参照願います。
a. 受注高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
| 期別 | 工事別 | 前期繰越 工事高 (千円) | 当期 受注高 (千円) | 計 (千円) | 当期完成 工事高 (千円) | 次期繰越工事高 | 当期施工高 (千円) | ||
| 手持工事高 (千円) | うち施工高 (%、千円) | ||||||||
| 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 781,977 | 2,559,887 | 3,341,864 | 2,617,785 | 724,078 | 0.3 | 1,898 | 2,615,232 |
| 地盤改良工事 | 92,773 | 1,425,360 | 1,518,134 | 1,247,551 | 270,582 | ― | ― | 1,247,551 | |
| その他工事 | 77,574 | 153,910 | 231,484 | 100,369 | 131,114 | ― | ― | 100,369 | |
| 計 | 952,324 | 4,139,158 | 5,091,482 | 3,965,706 | 1,125,776 | 0.2 | 1,898 | 3,963,152 | |
| 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 724,078 | 3,152,856 | 3,876,935 | 3,431,051 | 445,883 | 2.6 | 11,410 | 3,440,563 |
| 地盤改良工事 | 270,582 | 897,807 | 1,168,389 | 1,011,568 | 156,821 | ― | ― | 1,011,568 | |
| その他工事 | 131,114 | 40,350 | 171,464 | 150,869 | 20,595 | ― | ― | 150,869 | |
| 計 | 1,125,776 | 4,091,013 | 5,216,789 | 4,593,489 | 623,300 | 1.8 | 11,410 | 4,603,001 | |
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがいまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
b. 受注高の受注方法別比率
工事の受注方法は、次のとおり特命と競争に大別されます。
| 期別 | 工事別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) | |
| 前事業年度 | (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 100.0 | ― | 100.0 |
| 地盤改良工事 | 100.0 | ― | 100.0 | ||
| その他工事 | 100.0 | ― | 100.0 | ||
| 当事業年度 | (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 100.0 | ― | 100.0 |
| 地盤改良工事 | 100.0 | ― | 100.0 | ||
| その他工事 | 100.0 | ― | 100.0 | ||
(注) 百分比は請負金額比であります。
c. 完成工事高
| 期別 | 工事別 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 計(千円) | |
| 前事業年度 | (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 1,710,300 | 907,485 | 2,617,785 |
| 地盤改良工事 | 463,143 | 784,408 | 1,247,551 | ||
| その他工事 | 3,200 | 97,169 | 100,369 | ||
| 計 | 2,176,643 | 1,789,062 | 3,965,706 | ||
| 当事業年度 | (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 2,556,296 | 874,755 | 3,431,051 |
| 地盤改良工事 | 334,064 | 677,503 | 1,011,568 | ||
| その他工事 | ― | 150,869 | 150,869 | ||
| 計 | 2,890,361 | 1,703,128 | 4,593,489 | ||
(注) 1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものも含めて記載しております。
2 完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額5,000万円以上の主なもの
| (注文者) | (工事名) |
| 日特建設株式会社 | 東関東自動車道 塔ヶ崎工事 |
| 株式会社不動テトラ | 常磐自動車道鳥の海工事 |
| 株式会社守谷商会 | 談合坂スマートIC |
| 日特建設株式会社 | 浦添西原線道路改良工事(H30-7) |
| 南生建設株式会社 | 平成31年度川辺川農業水利事業東幹線水路閉塞工事 |
当事業年度 請負金額5,000万円以上の主なもの
| (注文者) | (工事名) |
| 大豊建設株式会社 | 平井賀大橋床版外工事 |
| ケミカルグラウト株式会社 | 横須賀火力発電所1、2号機建設工事 |
| 清水建設株式会社 | 新東名高速道路伊勢原北インターチェンジ工事 |
| 株式会社大林組 | 湯浅御坊道路 鳥松山トンネル工事 |
| 株式会社ジオダイナミック | 新名神高速道路 淀川橋工事(P13、P14橋脚) |
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、次のとおりであります。
前事業年度
| (注文者) | (金額) | (割合) |
| 日特建設株式会社 | 583,831千円 | 14.7% |
当事業年度
| (注文者) | ||
| 該当する相手先はありません。 |
d. 手持工事高(2021年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 計(千円) |
| 気泡コンクリート工事 | 279,159 | 166,723 | 445,883 |
| 地盤改良工事 | 78,983 | 77,838 | 156,821 |
| その他工事 | ― | 20,595 | 20,595 |
| 計 | 358,143 | 265,157 | 623,300 |
(注) 1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものも記載しております。
2 手持工事のうち請負金額2,000万円以上の主なものは、次のとおりであります。
| (注文者) | (工事名) | (完成予定) |
| 株式会社ジオダイナミック | 新名神高速道路 城陽第二高架橋西(下部工)工事 2期工事 | 2021年8月 |
| 日特建設株式会社 | 北陸自動車道 今庄トンネル背面空洞注入工事 | 2021年6月 |
| SMCテック株式会社 | 第2北部幹線第3工区配水管布設工事 | 2021年4月 |
| 株式会社奥村組 | (仮称)富津千葉高圧幹線第1期建設工事 | 2021年4月 |
| 大日本土木株式会社 | 安威川ダム 材料採取跡地整備工事 | 2021年5月 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は1,889百万円で、前事業年度末に比べ102百万円増加しております。その主な要因としましては、前事業年度末に比べ完成工事高の増加により現金預金が154百万円増加したことなどによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,657百万円で、前事業年度末に比べ31百万円増加しております。その主な要因としましては、繰延税金資産が28百万円減少しましたが、設備投資により機械及び装置が33百万円、リース資産が19百万円増加したことなどによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は1,337百万円で、前事業年度末に比べ98百万円減少しております。その主な要因としましては、工事未払金が107百万円減少したことなどによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は713百万円で、前事業年度末に比べ90百万円の増加となりました。その主な要因としましては、前事業年度末に比べ長期借入金が61百万円、リース債務が25百万円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,496百万円で、前事業年度末に比べ141百万円増加しております。その主な要因としましては、配当金の支払いがありましたが、当期純利益153百万円の計上により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。
② 経営成績の分析
(受注高)
当事業年度における受注高は、4,091百万円(前事業年度比1.2%減)となりました。
当社主力の気泡コンクリート工事のうち、軽量盛土工事につきましては、見込んでいた一部の大型工事の受注を採算面の問題から見送ったことや、見込んでいた一部の工事の発注のずれ込みなどから1,521百万円(前事業年度比4.5%減)となりましたが、管路中詰工事につきましては、見込んでいた水道関係やガスパイプライン関係の大型工事の受注が出来たことから646百万円(前事業年度比17.4%増)となり、また空洞充填工事につきましても、道路トンネルや農水路トンネルの補修関係の受注増で984百万円(前事業年度比137.0%増)となり、その結果、気泡コンクリート工事全体の受注高は3,152百万円(前事業年度比23.2%増)となりました。気泡コンクリート工事の施主は官公庁の比率が高く、また当社が請負う工事はほぼ下請工事となるため、当社が請負う工事の受注は施主の発注時期や元請業者の各工程の進捗状況により左右されることがあります。当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては公共工事の発注の延期が懸念されましたが影響は限定的で、当社におきましても影響は軽微でした。
一方、地盤改良工事におきましては、受注価格競争の激化から見込んでいた一部の大型工事の失注があり、また新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や国内での非常事態宣言の再発出などで、経済活動が停滞し民間設備投資の様子見が続き民間建設投資が減少したことから、傾向的に民間建築分野の受注比率が大きい当社にとっては厳しい環境となり受注高は897百万円(前事業年度比37.0%減)となりましたが、前事業年度から地盤改良工事の営業強化のため取組んでいる気泡コンクリート工事との営業一体化につきましては、情報の共有化や営業の効率化の面で徐々に浸透してきております。
(売上高)
当事業年度における売上高は、4,623百万円(前事業年度比14.7%増)となりました。
気泡コンクリート工事の完成工事高は、上期に新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のための一部の工事の中断や公共工事の発注の遅延、また令和2年7月豪雨の影響による工期のずれ込みがあり、施工の工程調整により第3四半期においての施工が超繁忙となりましたが、各工種の堅調な受注と順調な施工により軽量盛土工事の完成工事高が1,869百万円(前事業年度比20.1%増)、管路中詰工事の完成工事高が692百万円(前事業年度比5.5%増)、空洞充填工事の完成工事高が868百万円(前事業年度比114.7%増)となり、気泡コンクリート工事全体の完成工事高は3,431百万円(前事業年度比31.1%増)となりました。
地盤改良工事の完成工事高は、受注高が大幅に減少しましたが、前事業年度からの繰越工事が多かったことから1,011百万円(前事業年度比18.9%減)となりました。
なお、2021年2月3日に公表いたしました「2021年3月期の業績予想」における売上高4,700百万円との比較におきましては、ほぼ予想に近い達成率98.4%となりました。
(売上総利益)
当事業年度における売上総利益は、890百万円(前事業年度比20.8%増)となりました。
引き続き施工効率に注力し工期短縮による外注労務費・機材リース料の低減に取組んだことや、利益率の高い気泡コンクリート工事の完成工事高の大幅な増加と、工事全体の完成工事高に占める気泡コンクリート工事の構成比の上昇により工事全体の完成工事総利益率が前事業年度に比べ1.2ポイント改善し、商品販売等を含めた売上総利益率は前事業年度に比べ1.0ポイントの改善となりました。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、675百万円(前事業年度比0.3%増)となりました。
当初は、施工力を強化するための工事部社員や技術開発活動を強化するための人材採用による人件費の増加を見込み707百万円(前事業年度比5.1%増)を計画しましたが、計画どおりに採用出来ませんでした。また新型コロナウイルス感染症の感染予防策として、不要不急の出張の抑制やリモート会議開催の促進などで交通費や交際費が減少いたしました。
(営業利益)
当事業年度における営業利益は、215百万円(前事業年度比233.9%増)となりました。
完成工事高の増加や利益率の改善に伴い、売上総利益が大幅に増加したことによるものです。
なお、2021年2月3日に公表いたしました「2021年3月期業績予想」における営業利益190百万円の比較におきましては、見込み以上に完成工事総利益率が改善したことにより13.2%増となりました。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は223百万円(前事業年度比219.6%増)となりました。
中国の合弁会社からの配当を計上したことから、営業外損益が前事業年度に比べ2百万円増加したことによるものです。
なお、2021年2月3日に公表いたしました「2021年3月期の業績予想」における経常利益200百万円との比較におきましては、11.5%増となりました。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は153百万円(前事業年度比285.8%増)となりました。
法人税等調整額26百万円を計上したことによるものです。
なお、2021年2月3日に公表いたしました「2021年3月期の業績予想」における当期純利益140百万との比較におきましては、9.3%増となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主な工事は、主に建設業者から下請けとして受注したもので、施主としましては官公庁の比率が以下のとおり高くなっております。
当社の気泡コンクリート工事におきましては、公共工事の発注から当社の事業領域である工事を受注するまでタイムラグがあり、必ずしも公共投資の動向に連動しない場合もありますが、全体として当社の経営成績は公共投資の動向に影響を受ける傾向があります。
(最近2期間における受注高のうち官公庁が占める比率)
| 期別 | 工事別 | 官公庁受注高 (千円) | 構成比 (%) | 民間受注高 (千円) | 構成比 (%) | 計 (千円) | 構成比 (%) |
| 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 1,639,945 | 64.1 | 919,942 (280,894) | 35.9 | 2,559,887 | 100.0 |
| 地盤改良工事 | 581,088 | 40.8 | 844,272 (400,200) | 59.2 | 1,425,360 | 100.0 | |
| その他工事 | 3,200 | 2.1 | 150,710 (8,569) | 97.9 | 153,910 | 100.0 | |
| 計 | 2,224,233 | 53.7 | 1,914,924 (689,664) | 46.3 | 4,139,158 | 100.0 | |
| 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 2,416,752 | 76.7 | 736,103 (417,268) | 23.3 | 3,152,856 | 100.0 |
| 地盤改良工事 | 280,190 | 31.2 | 617,617 (222,000) | 68.8 | 897,807 | 100.0 | |
| その他工事 | ― | ― | 40,350 (―) | 100.0 | 40,350 | 100.0 | |
| 計 | 2,696,942 | 65.9 | 1,394,070 (639,286) | 34.1 | 4,091,013 | 100.0 |
(注) 民間受注高の( )は、施主がNEXCO各社のもので内数であります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの分析)
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度の期末残高508百万円から154百万円増加(前事業年度は211百万円の減少)して663百万円(前事業年度比30.5%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より198百万円増加し、210百万円の資金の増加(前事業年度は11百万円の増加)となりました。これは主に、仕入債務が180百万円減少(前事業年度比7.3%減)したものの、減価償却費109百万円(前事業年度比17.1%増)、税引前当期純利益223百万円(前事業年度比229.1%増)を計上したこと、売上債権が59百万円減少(前事業年度比12.0%減)したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より支出が85百万円減少し、51百万円の資金の減少(前事業年度は136百万円の減少)となりました。これは主に、施工品質や施工効率を向上させる機械の購入など有形固定資産の取得による支出51百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より支出が81百万円減少し、4百万円の資金の減少(前事業年度は85百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入300百万円、長期借入金の返済による支出260百万円、リース債務の返済による支出26百万円及び配当金の支払いによる支出17百万円などによるものであります。
(資金需要)
当社の運転資金需要のうち主なものは、当社の工事施工のための材料費、労務費、外注費、経費のほか販売費及び一般管理費によるものです。
販売費及び一般管理費の主なものは、人件費及び営業活動のための通信交通費等であります。
(財務政策)
当社は現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または金融機関からの借入れによる資金調達のほか、借入条件等を勘案し社債による調達も行うこととしております。
短期運転資金につきましては、内部資金または金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金及び施工機械等への設備投資資金につきましては、金融機関から固定金利を原則とした長期借入金にて調達しております。2021年3月31日現在、短期借入金の残高は8百万円、長期借入金の残高は611百万円であります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
⑥ 戦略的現状と見通し
建設業界におきましては、インフラ整備を通じて安心、安全を守る地域(国土)づくり、慢性的な技術者、技能者の不足に対し、建設業界を支える担い手の確保と育成、社会保険未加入対策、「働き方改革」で唱えられる雇用環境労働条件の改善、i-Constructionに推奨される建設業の生産性向上等が求められており、引き続き当社にとっても対応していかなければならない課題であると認識しております。
このような環境の中で当社としまして、会社の成長、企業価値の向上をはかるためには、社会、経済の要求に対し、安心・安全の確保や地域社会への貢献を念頭に「いいもの」を提供し続けることが大変重要であると考えており、そのため技術の深化(進化)、技術革新の実現に取組んでおります。
技術の深化(進化)としましては、社会環境の要求に応えられる施工能力と技術、施工体制の強化をはかり、当社の技術と施工の強みを最大限発揮することで「いいものづくり」の実現に取組んでおります。
また、技術革新の実現としましては、AIの導入も含め建設業界に求められているi-Constructionの推進への取組みが不可欠と考えており、このような技術の深化(進化)や技術革新の実現のためには、社内体制づくりが大変重要であり、技術開発部門を強化するための人材採用や、産官学との共同研究に注力しております。
今後も引き続き技術開発部門の人材採用に取組み研究開発活動に注力するとともに、当社保有の工法や開発した材料の普及に取組むことで、新しい市場創造が可能であると考えております。
また、新型コロナウイルス感染症につきましては、今後の流行状況によっては当社業績に影響を与える可能性がありますが、先ずは当社役職員の安全・安心の確保のための対応が重要であり、適宜予防対策を実施してまいります。同感染症につきましては、インフルエンザのように流行が繰り返されるのではないかと考えられていますが、ワクチンの接種や治療薬の開発が進むと思われ、中長期的には脅威は薄れていくと考えております。