半期報告書-第103期(2026/01/01-2026/12/31)

【提出】
2026/08/14 11:30
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【項目】
38項目
(1)業績
当中間連結会計期間(2026年1月1日~6月30日)における世界経済は、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学リスクの高まりなどを背景に、先行きの不透明感が継続した中でも、総じて底堅く推移しました。米国においては、個人消費に減速感が見られたものの、雇用環境は持ち直し、企業の投資活動は堅調に推移しました。欧州においては、物価上昇圧力やエネルギー価格の上昇などの影響により、景気に弱さが見られました。日本においては、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費の緩やかな回復が見られました。
こうした状況のなか、アサヒグループは、『中長期経営方針』に基づき、各地域におけるプレミアム戦略の推進やグローバルブランドの拡大展開に加えて、BAC※1への投資強化などによる事業ポートフォリオの強靭化を推進しました。また、サステナビリティや人的資本の高度化など持続的な成長基盤を強化するとともに、成長投資や資本効率の向上に資本を適切に配分することで、中長期的な企業価値の向上に取り組みました。
その結果、アサヒグループの売上収益は1兆4,639億6千3百万円(前年同期比7.7%増)となりました。また、利益については、事業利益※2は1,113億5千4百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益は1,441億4千3百万円(前年同期比56.2%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は991億4千8百万円(前年同期比68.8%増)、調整後親会社の所有者に帰属する中間利益※3は730億1百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.6%の減収、事業利益は前年同期比8.5%の減益となりました。※4
※1 BAC:Beer Adjacent Categoriesの略。ノンアルコール飲料、RTD、成人向け清涼飲料など、ビール隣接カテゴリーを指します。
※2 事業利益とは、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の業績を測る当社独自の利益指標です。
※3 調整後親会社の所有者に帰属する中間利益とは、親会社の所有者に帰属する中間利益から事業ポートフォリオ再構築及び減損損失など一時的な特殊要因を控除したものです。
※4 当中間連結会計期間の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しています。
[日本・東アジア]
日本・東アジアにおいては、酒類、飲料、食品事業の主力ブランドの強化に加え、高付加価値商品の展開を中心とした新たな価値提案により、成長基盤の拡大に取り組みました。また、サイバー攻撃によるシステム障害の影響も踏まえ、既存領域における収益力の回復・強化と事業構造の見直しを進めるとともに、東アジア市場も含めた成長戦略の推進など、持続的な利益成長を目指した取り組みを進めました。さらに、サプライチェーンの最適化、人的資本の高度化、リスクマネジメントの強化などを通じて、強靭な事業基盤の構築を進めました。
日本の酒類事業では、ビール類において、『アサヒスーパードライ』の”辛口のうまさ“をより一層引き立てる「冷え」に注目した広告・販促活動の強化に取り組んだほか、『アサヒスーパードライ冷涼辛口』を数量限定発売するなど、「スーパードライ」ブランドの価値向上を図りました。また、麦芽100%のスタンダードビールとして9年ぶりの新ブランド『アサヒ ゴールド』を発売するなど、ビールカテゴリーの更なる強化を図りました。RTD※においては、成長を続けている「GINON」ブランドのクオリティアップを実施いたしました。アルコールテイスト飲料においては、「アサヒゼロ」ブランド初の限定商品となる『アサヒゼロ エールテイスト』を数量限定発売したほか、『未来のノンアルレモンサワー』を数量限定発売するなど、お酒を飲む人と飲まない人が共に楽しめる生活文化の創造を目指し、「スマートドリンキング」の推進に取り組みました。
日本の飲料事業では、1都3県のコンビニエンスストアにおいて、ギリシャで誕生した、砂糖・保存料不使用、カロリーゼロの『green cola』を日本で初めて発売するなど、健康志向の高まりを踏まえた価値提案の強化を図りました。また、期間限定商品の『ウィルキンソン ドライジンジャエール シャープレモン』の展開に加え、無糖でありながら飲みやすさとおいしさを備えた『アサヒ おいしい水 天然水 レモン水 無糖』や熱中症対策飲料の『アサヒ おいしい水 天然水 ソルティグレフル』を発売し、夏場の需要獲得に向けた商品ラインアップの拡充を図りました。
日本の食品事業では、「ミンティア」ブランドにおいて、ぶどう糖を92%配合し、“集中、スッとつづく”をコンセプトとした『ミンティア +FOCUSクリアラムネ』を発売するなど、集中維持ニーズに対応した価値提案を行いました。また、和光堂ブランドとハウス食品株式会社の「フルーチェ」がコラボレーションしたプレキッズ向けジュレ『はじめてのフルーチェジュレ』を発売するなど、多様化するニーズへの対応に取り組みました。
東アジアでは、中国を中心に『Asahi Super Dry』などのグローバルブランドの拡販に取り組み、プレゼンスの拡大を図りました。
以上の結果、売上収益は、価格改定効果などはありましたが、サイバー攻撃によるシステム障害の影響などにより、6,350億9千1百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
事業利益は、各種コストの効率化などに取り組みましたが、システム障害の影響や原材料関連費用の増加などにより、504億5百万円(前年同期比11.2%減)となりました。
※ RTD:Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。
[欧州]
欧州においては、主要国でのプレミアムビールやノンアルコール飲料のマーケティングを強化したことに加え、『Asahi Super Dry』と『Peroni Nastro Azzurro』のグローバル展開を加速し、周辺国や北米などの新市場での成長を推進しました。また、容器などの資源循環への取り組みやデジタル技術を活用した業務高度化を継続し、持続的成長に向けた基盤を強化しました。
欧州の主要地域では、チェコにおいてコクとバランスを特徴とするラガービール『Kozel 12』の発売によりラインナップを拡充したほか、ポーランドの『Zubr』において強いブランド力や販売支援活動を背景に、小売業者から高い評価を獲得するなど、ブランド基盤の強化を進めました。また、イタリアでは『Peroni Nastro Azzurro』においてイタリアラグビー連盟とのパートナーシップを更新し、スポーツを通じたブランドの伝統とプレミアムな世界観を訴求したほか、英国では『Peroni Nastro Azzurro』のイタリアンプレミアムビールとしての価値を軸に、統一したブランドコンセプトにより広告表現から店頭・飲食店での体験施策までを一貫して展開するなど、ブランドの浸透と需要喚起を進めました。
さらに、ノンアルコール飲料においては、チェコの「Birell」ブランドでは、フレーバー付き商品をアルコール度数0.0%へ全面的に切り替えたほか、ルーマニアでは「Cooler」ブランドにおいて、ビタミンやミネラルを配合した炭酸水カテゴリーに参入するなど、新たな飲用機会の創出に取り組みました。
欧州の周辺国や北米では、『Asahi Super Dry』において「City Football Group」のパートナーシップを活かしたマーケティング活動を強化しました。また、『Peroni Nastro Azzurro 0.0%』において「Scuderia Ferrari」とのパートナーシップを活用した広告活動を推進するなど、新たな市場における成長機会の創出に取り組みました。
以上の結果、売上収益は、主要国における販売数量は減少しましたが、プレミアムビールなどが堅調に推移したことや為替変動の影響により、4,053億5百万円(前年同期比13.7%増)となりました。
事業利益は、販売数量が減少しましたが、収益構造改革の推進によりコストマネジメントを強化したことや為替変動の影響により、512億2百万円(前年同期比8.7%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.0%の増収、事業利益は前年同期比6.1%の減益となりました。
[アジアパシフィック]
アジアパシフィックにおいては、酒類ではビールやRTDの主力ブランドの優位性を高めることに加え、『Asahi Super Dry』を軸に各国への拡大展開を促進しました。また、飲料では機能性飲料を中心とした成長領域における新たな価値提案を推進しました。さらに、サプライチェーンの最適化やDXの加速などの取り組みを強化するとともに、酒類と飲料の強みを活かしたマルチビバレッジ戦略の推進を通じて、事業基盤を一層強化しました。
オセアニアの酒類事業では、消費者嗜好の多様化や健康志向の高まりを受け、成長を続けるコンテンポラリービール※において、「Great Northern」ブランドでは豪州の「National Rugby League」とのパートナーシップを活用したキャンペーンを強化しました。また、2026年より全豪オープンテニストーナメントの公式ビールとなった『Asahi Super Dry』は、クラフトビール『Balter』とともに積極的なマーケティング活動を展開しました。さらに、RTDにおいては、炭酸飲料ブランド「SOLO」のアルコール版である『Hard Rated Lemon Lime 6%』の販促強化により、マルチビバレッジ戦略の推進を図りました。
オセアニアの飲料事業では、「Schweppes」ブランドにおいて人気テレビシリーズとのコラボ商品を発売するなどファミリー層のニーズに対応したほか、エナジードリンク『SOLO Energy』において、フレーバーの多様化を進めるなど、マルチビバレッジの強みを活かした商品ポートフォリオを拡充しました。また、ニュージーランド発のスペシャルティコーヒーロースター「Allpress」は、メルボルンとロンドンにコーヒー焙煎所を新設し、新たな成長機会の創出に取り組みました。
東南・南アジアの飲料事業では、マレーシアにおいて「WONDA」ブランドのPETボトル入りアイスコーヒーを発売したほか、「Goodday」ブランドではフィリピンで初となる炭酸入り乳酸菌飲料『Goodday Friz』を発売するなど、健康志向に対応した価値提案を行いました。酒類事業では、シンガポールにおいて、『Asahi Super Dry』の終業後の飲用シーンを飲食店で訴求し、認知度向上とプレミアムな飲用機会の創出を図りました。
以上の結果、売上収益は、各国の主力ブランドが堅調に推移したことで、4,119億9千万円(前年同期比19.0%増)となりました。
事業利益は、物流費などは増加しましたが、各種コストの効率化を推進したことや為替変動の影響により、441億3千万円(前年同期比18.0%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.7%の増収、事業利益は前年同期比0.2%の減益となりました。
※ 苦味などを抑えた飲みやすいビールのこと。
[その他]
その他については、売上収益は172億2千4百万円(前年同期比38.8%増)、事業利益は30億5千2百万円(前年同期比34.5%増)となりました。
セグメントの業績は次の通りです。各セグメントの売上収益はセグメント間の内部売上収益を含んでおります。
事業セグメント別の実績
(単位:百万円)

売上収益前年同期比事業利益前年同期比売上収益
事業利益率
営業利益前年同期比
為替一定為替一定
日本・東アジア635,091△2.2%△2.2%50,405△11.2%△11.2%7.9%80,22794.9%
欧州405,30513.7%0.0%51,2028.7%△6.1%12.6%35,1577.7%
アジアパシフィック411,99019.0%0.7%44,13018.0%△0.2%10.7%31,43930.4%
その他17,22438.8%34.7%3,05234.5%35.6%17.7%3,08635.3%
調整額計△5,647--△15,426---△5,767-
無形資産
償却費
---△22,010-----
合計1,463,9637.7%△0.6%111,3541.5%△8.5%7.6%144,14356.2%

※1 為替一定とは、当中間連結会計期間の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算したものです。
※2 営業利益における無形資産償却費は各事業に配賦しています。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間の連結総資産は、現金及び現金同等物やのれん及び無形資産の増加等により、総資産は前年度末と比較して2,475億1千1百万円増加し、6兆2,759億2千6百万円となりました。
負債は、長期借入金の増加等により、前年度末と比較して623億9千8百万円増加し、3兆822億6千9百万円となりました。
資本は、前年度末に比べ1,851億1千3百万円増加し、3兆1,936億5千6百万円となりました。これは、配当金支出により利益剰余金が減少したものの、当中間連結会計期間の親会社の所有者に帰属する中間利益の計上により利益剰余金が増加したこと及び為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額が増加したこと等によるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は50.8%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間利益が1,388億1千6百万円となりましたが、法人所得税等の支払による減少があった一方で、減価償却費等の非キャッシュ項目による増加や運転資本の効率化により、1,314億8千4百万円の収入(前年同期は25億5千4百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、393億5千5百万円(前年同期比:818億9千7百万円の支出減)の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入があった一方で、社債の償還や借入金の返済による支出などがあり、135億1百万円の支出(前年同期は927億3百万円の収入)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間では、前中間連結会計期間と比較して現金及び現金同等物の残高は1,854億8千1百万円増加し、2,430億7千5百万円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、アサヒグループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、86億2千1百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、アサヒグループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

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