有価証券報告書-第68期(2024/04/01-2025/03/31)
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
業績等の概要
(1)業績
①当連結会計年度の経営成績の概況
当連結会計年度におけるわが国経済は、為替レートの円安基調やインフレ進行に伴う原材料価格の更なる上昇、人手不足等に伴う人件費の増加等が、企業収益を圧迫しました。また、生活必需品の度々の値上がり等が個人消費の落ち込みの要因となっております。世界経済においては、各国で物価動向に応じた中央銀行の金融政策が注視される中、地政学的リスクや米国大統領の交代等もあり、先行きが不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、原材料価格の高止まりや為替レートの円安基調等を背景として、基礎食材を中心に値上げの傾向が継続しており、このことから消費者の節約志向が続いております。一方で、外食産業は、外食への消費マインドの上昇やインバウンド需要等により、回復傾向にありました。
このような状況下、当社グループは、厳格な生産体制の維持・管理を行いながら、効率化によるコスト削減や製品の販売価格是正を行い、収益性の確保に取り組みました。
販売面におきまして、ごま油事業のうち国内家庭用及び業務用では、製品の販売価格是正を2023年10月に実施しており、引き続き価格是正の浸透に取り組みました。輸出用では、原料コスト上昇に対応し、2024年5月に製品の販売価格の是正を行いました。この結果、当連結会計年度のごま油事業全体の販売数量は前期比102.9%、販売金額は輸出における為替レートの円安基調の影響等も寄与し、前期比112.4%となりました。
食品ごま事業におきましては、2023年10月に実施した業務用製品の販売価格是正の浸透に取り組んだことに加え、子会社のカタギ食品株式会社においても2024年10月と2025年2月に販売価格の是正を実施しております。この結果、当連結会計年度の食品ごま事業全体の販売数量は前期比97.5%となりましたが、製品の販売価格是正の影響等により、販売金額は前期比104.7%となりました。
一方、コスト面におきまして、売上原価は、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期比113.1%となりました。また、販売費及び一般管理費は、ベースアップの実施等による人件費の増加等により、前期比104.7%となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高39,450百万円(前期比3,769百万円増)、経常利益は3,394百万円(前期比14百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,357百万円(前期比101百万円増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
1)ごま油事業
国内市場向けについては、マーケティング投資等の取り組みが奏功し家庭用の販売数量が増加した他、業務用についても外食向けの需要が伸び、全体の販売数量は前期に比べ増加しました。また、北米向けについては、2024年5月に製品の販売価格是正を実施しつつ、積極的な販促を実施した結果、販売数量は前期に比べ増加しました。
一方、コスト面では、売上原価は、袖ケ浦工場の償却進行に伴う減価償却費の減少等があったものの、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は、人件費の増加やマーケティング投資の実施等により、前期に比べ増加しました。
以上の結果、売上高は31,081百万円(前期比3,432百万円増)、セグメント利益は2,874百万円(前期比89百万円増)となりました。
2)食品ごま事業
販売面では、加工ユーザー及び外食向けにねりごまが好調であった他、製品の販売価格是正等により、販売金額は前期比で増加しました。
一方、コスト面では、売上原価は、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期に比べ増加しております。販売費及び一般管理費は前期に比べ減少しました。
以上の結果、売上高は8,269百万円(前期比372百万円増)、セグメント利益は237百万円(前期比22百万円減)となりました。
②中期経営計画関連の当連結会計年度における取組
当社グループは、2025年度を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を、2023年11月に外部環境の変化を背景として最終年度を2028年度に延長しております。中期経営計画の達成に向けて商品/市場の開発を通じたトップラインの伸長やサプライチェーン全体の最適化等に取り組んでおります。
商品/市場の開発に関しては、ごま油を製造する過程で発生する副産物である脱脂ごまに含まれる良質なタンパク質に着目し、付加価値化に向けた研究を行っております。当連結会計年度は第一弾として『米麹グラノーラ セサミプロテイン』を株式会社オリゼと共同で開発し、2025年3月に上市いたしました。また、ごま油市場の底上げを企図し開発した“洋食に適した全く新しい風味”をお楽しみ頂ける『ごまの実オイル』が、日本の優れた商品・サービスを世界に広めることを目的として「“おもてなし”心にあふれる商品・サービス」に与えられる賞「OMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション) 2024」の金賞を受賞いたしました。
サプライチェーン全体の最適化に関しては、社長直轄組織「物流タスクフォース」を立ち上げ、在庫・配送の最適化に向けた取り組みを開始いたしました。
上記のほか、ごま油と菜種油のブレンドである調合ごま油と100%ごま油(純正ごま油)の違いを知らないと回答した消費者が7割以上に上るとの当社調べを踏まえ、純正ごま油の良さを伝える広告をテレビ中心に配信する等、マーケティング投資にも注力いたしました。また、「いつもの味が私たちを家族にする」をキーメッセージとし、長年に亘り日常に寄り添いながら食のしあわせを紡ぎ続けている当社の独自価値を表現した動画が2024年8月に「第77回広告電通賞・フィルム広告金賞」を受賞いたしました。
(2)経営上の目標の達成状況
当社グループは中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度のROEは6.8%となりました。
生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。
2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
③受注実績
当社は受注生産は行っておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,162百万円増加し、30,369百万円となりました。
これは現金及び預金が814百万円減少するなどの減少要因があったものの、棚卸資産が2,493百万円、売掛金が324百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ1,297百万円減少し、13,167百万円となりました。
これは繰延税金資産が249百万円増加するなどの増加要因があったものの、投資有価証券が705百万円、袖ケ浦工場の減価償却等により有形固定資産が757百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ865百万円増加し、43,536百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ52百万円減少し、6,018百万円となりました。
これは未払金が193百万円増加するなどの増加要因があったものの、支払手形及び買掛金が219百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ7百万円増加し、2,252百万円となりました。
これは繰延税金負債が19百万円減少するなどの減少要因があったものの、退職給付に係る負債が20百万円、役員株式給付引当金が7百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ45百万円減少し、8,271百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ910百万円増加し、35,265百万円となりました。
これは親会社株主に帰属する当期純利益2,357百万円の計上と配当金の支払い921百万円の加減算により利益剰余金が1,435百万円増加したこと等によるものであります。
(セグメントごとの分析)
当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ2,315百万円増加し、23,726百万円となりました。これは棚卸資産の増加等によるものであります。
また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ463百万円減少し、7,822百万円となりました。
(2)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ10.5%増加し、39,450百万円となりました。
主な内訳はごま油31,081百万円、食品ごま8,269百万円、その他99百万円であります。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ13.1%増加し、29,303百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ365百万円増加し10,146百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ1.7ポイント減少し、25.7%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ315百万円増加し6,980百万円となりました。
主な内訳は、運送費及び保管料1,581百万円、給料及び手当1,371百万円、広告宣伝費782百万円、賞与引当金繰入額484百万円、販売手数料331百万円であります。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ49百万円増加し3,166百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント減少し、8.0%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、営業外収益273百万円から営業外費用45百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ63百万円減少し、228百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ14百万円減少し3,394百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ1.0ポイント減少し、8.6%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益におきましては、固定資産除売却損を10百万円計上したこと等により、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ7百万円減少し、10百万円の損失となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ21百万円減少し、3,384百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が1,027百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ101百万円増加し2,357百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント減少し6.0%となりました。
なお、1株当たりの当期純利益は256円12銭、ROE(自己資本当期純利益率)は6.8%、総資産経常利益率は7.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ799百万円減少し、7,881百万円となりました。
なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、384百万円の収入(前期比2,588百万円収入減)となりました。これは法人税等の支払額1,086百万円、棚卸資産の増加額2,493百万円、売上債権の増加額324百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,384百万円、減価償却費1,129百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、258百万円の支出(前期比18百万円支出増)となりました。これは工場の設備投資等に関する有形固定資産の取得による支出が295百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、925百万円の支出(前期比2百万円支出増)となりました。これは配当金の支払いが921百万円あったこと等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新のほか、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。
資金調達
当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。
なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行3行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は9,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は3,000百万円になります。
株主還元
当社グループは、株主への利益還元を経営の重点政策の一つと位置付けており、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針とし、連結の親会社株主に帰属する当期純利益の40%を目処として業績に連動させた配当を採用しております。また、業績に関わらず1株当たり20円以上の配当を継続して行えるよう努力してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
業績等の概要
(1)業績
①当連結会計年度の経営成績の概況
当連結会計年度におけるわが国経済は、為替レートの円安基調やインフレ進行に伴う原材料価格の更なる上昇、人手不足等に伴う人件費の増加等が、企業収益を圧迫しました。また、生活必需品の度々の値上がり等が個人消費の落ち込みの要因となっております。世界経済においては、各国で物価動向に応じた中央銀行の金融政策が注視される中、地政学的リスクや米国大統領の交代等もあり、先行きが不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、原材料価格の高止まりや為替レートの円安基調等を背景として、基礎食材を中心に値上げの傾向が継続しており、このことから消費者の節約志向が続いております。一方で、外食産業は、外食への消費マインドの上昇やインバウンド需要等により、回復傾向にありました。
このような状況下、当社グループは、厳格な生産体制の維持・管理を行いながら、効率化によるコスト削減や製品の販売価格是正を行い、収益性の確保に取り組みました。
販売面におきまして、ごま油事業のうち国内家庭用及び業務用では、製品の販売価格是正を2023年10月に実施しており、引き続き価格是正の浸透に取り組みました。輸出用では、原料コスト上昇に対応し、2024年5月に製品の販売価格の是正を行いました。この結果、当連結会計年度のごま油事業全体の販売数量は前期比102.9%、販売金額は輸出における為替レートの円安基調の影響等も寄与し、前期比112.4%となりました。
食品ごま事業におきましては、2023年10月に実施した業務用製品の販売価格是正の浸透に取り組んだことに加え、子会社のカタギ食品株式会社においても2024年10月と2025年2月に販売価格の是正を実施しております。この結果、当連結会計年度の食品ごま事業全体の販売数量は前期比97.5%となりましたが、製品の販売価格是正の影響等により、販売金額は前期比104.7%となりました。
一方、コスト面におきまして、売上原価は、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期比113.1%となりました。また、販売費及び一般管理費は、ベースアップの実施等による人件費の増加等により、前期比104.7%となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高39,450百万円(前期比3,769百万円増)、経常利益は3,394百万円(前期比14百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,357百万円(前期比101百万円増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
1)ごま油事業
国内市場向けについては、マーケティング投資等の取り組みが奏功し家庭用の販売数量が増加した他、業務用についても外食向けの需要が伸び、全体の販売数量は前期に比べ増加しました。また、北米向けについては、2024年5月に製品の販売価格是正を実施しつつ、積極的な販促を実施した結果、販売数量は前期に比べ増加しました。
一方、コスト面では、売上原価は、袖ケ浦工場の償却進行に伴う減価償却費の減少等があったものの、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は、人件費の増加やマーケティング投資の実施等により、前期に比べ増加しました。
以上の結果、売上高は31,081百万円(前期比3,432百万円増)、セグメント利益は2,874百万円(前期比89百万円増)となりました。
2)食品ごま事業
販売面では、加工ユーザー及び外食向けにねりごまが好調であった他、製品の販売価格是正等により、販売金額は前期比で増加しました。
一方、コスト面では、売上原価は、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増加等により、前期に比べ増加しております。販売費及び一般管理費は前期に比べ減少しました。
以上の結果、売上高は8,269百万円(前期比372百万円増)、セグメント利益は237百万円(前期比22百万円減)となりました。
②中期経営計画関連の当連結会計年度における取組
当社グループは、2025年度を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を、2023年11月に外部環境の変化を背景として最終年度を2028年度に延長しております。中期経営計画の達成に向けて商品/市場の開発を通じたトップラインの伸長やサプライチェーン全体の最適化等に取り組んでおります。
商品/市場の開発に関しては、ごま油を製造する過程で発生する副産物である脱脂ごまに含まれる良質なタンパク質に着目し、付加価値化に向けた研究を行っております。当連結会計年度は第一弾として『米麹グラノーラ セサミプロテイン』を株式会社オリゼと共同で開発し、2025年3月に上市いたしました。また、ごま油市場の底上げを企図し開発した“洋食に適した全く新しい風味”をお楽しみ頂ける『ごまの実オイル』が、日本の優れた商品・サービスを世界に広めることを目的として「“おもてなし”心にあふれる商品・サービス」に与えられる賞「OMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション) 2024」の金賞を受賞いたしました。
サプライチェーン全体の最適化に関しては、社長直轄組織「物流タスクフォース」を立ち上げ、在庫・配送の最適化に向けた取り組みを開始いたしました。
上記のほか、ごま油と菜種油のブレンドである調合ごま油と100%ごま油(純正ごま油)の違いを知らないと回答した消費者が7割以上に上るとの当社調べを踏まえ、純正ごま油の良さを伝える広告をテレビ中心に配信する等、マーケティング投資にも注力いたしました。また、「いつもの味が私たちを家族にする」をキーメッセージとし、長年に亘り日常に寄り添いながら食のしあわせを紡ぎ続けている当社の独自価値を表現した動画が2024年8月に「第77回広告電通賞・フィルム広告金賞」を受賞いたしました。
(2)経営上の目標の達成状況
当社グループは中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度のROEは6.8%となりました。
生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前期比(%) |
ごま油(トン) | 53,158 | 104.0 |
内訳 | ||
(ごま油(トン)) | (28,151) | 102.5 |
(脱脂ごま(トン)) | (25,007) | 105.6 |
食品ごま(トン) | 11,771 | 99.0 |
合計(トン) | 64,929 | 103.0 |
(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。
2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前期比(%) |
その他(百万円) | 53 | 68.2 |
合計(百万円) | 53 | 68.2 |
③受注実績
当社は受注生産は行っておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前期比(%) |
ごま油(百万円) | 31,081 | 112.4 |
食品ごま(百万円) | 8,269 | 104.7 |
報告セグメント計(百万円) | 39,350 | 110.7 |
その他(百万円) | 99 | 73.6 |
合計(百万円) | 39,450 | 110.5 |
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,162百万円増加し、30,369百万円となりました。
これは現金及び預金が814百万円減少するなどの減少要因があったものの、棚卸資産が2,493百万円、売掛金が324百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ1,297百万円減少し、13,167百万円となりました。
これは繰延税金資産が249百万円増加するなどの増加要因があったものの、投資有価証券が705百万円、袖ケ浦工場の減価償却等により有形固定資産が757百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ865百万円増加し、43,536百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ52百万円減少し、6,018百万円となりました。
これは未払金が193百万円増加するなどの増加要因があったものの、支払手形及び買掛金が219百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ7百万円増加し、2,252百万円となりました。
これは繰延税金負債が19百万円減少するなどの減少要因があったものの、退職給付に係る負債が20百万円、役員株式給付引当金が7百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ45百万円減少し、8,271百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ910百万円増加し、35,265百万円となりました。
これは親会社株主に帰属する当期純利益2,357百万円の計上と配当金の支払い921百万円の加減算により利益剰余金が1,435百万円増加したこと等によるものであります。
(セグメントごとの分析)
当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ2,315百万円増加し、23,726百万円となりました。これは棚卸資産の増加等によるものであります。
また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ463百万円減少し、7,822百万円となりました。
(2)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ10.5%増加し、39,450百万円となりました。
主な内訳はごま油31,081百万円、食品ごま8,269百万円、その他99百万円であります。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ13.1%増加し、29,303百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ365百万円増加し10,146百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ1.7ポイント減少し、25.7%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ315百万円増加し6,980百万円となりました。
主な内訳は、運送費及び保管料1,581百万円、給料及び手当1,371百万円、広告宣伝費782百万円、賞与引当金繰入額484百万円、販売手数料331百万円であります。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ49百万円増加し3,166百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント減少し、8.0%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、営業外収益273百万円から営業外費用45百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ63百万円減少し、228百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ14百万円減少し3,394百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ1.0ポイント減少し、8.6%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益におきましては、固定資産除売却損を10百万円計上したこと等により、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ7百万円減少し、10百万円の損失となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ21百万円減少し、3,384百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が1,027百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ101百万円増加し2,357百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント減少し6.0%となりました。
なお、1株当たりの当期純利益は256円12銭、ROE(自己資本当期純利益率)は6.8%、総資産経常利益率は7.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ799百万円減少し、7,881百万円となりました。
なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、384百万円の収入(前期比2,588百万円収入減)となりました。これは法人税等の支払額1,086百万円、棚卸資産の増加額2,493百万円、売上債権の増加額324百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,384百万円、減価償却費1,129百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、258百万円の支出(前期比18百万円支出増)となりました。これは工場の設備投資等に関する有形固定資産の取得による支出が295百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、925百万円の支出(前期比2百万円支出増)となりました。これは配当金の支払いが921百万円あったこと等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新のほか、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。
資金調達
当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。
なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行3行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は9,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は3,000百万円になります。
株主還元
当社グループは、株主への利益還元を経営の重点政策の一つと位置付けており、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針とし、連結の親会社株主に帰属する当期純利益の40%を目処として業績に連動させた配当を採用しております。また、業績に関わらず1株当たり20円以上の配当を継続して行えるよう努力してまいります。