有価証券報告書-第90期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 14:52
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157項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦による中国経済の減速など先行きの不透明感が強まりました。食品業界においては、原料価格の変動や労働力不足にともなう人件費や物流費が上昇したことにより、製品価格の改定が相次ぎました。
当連結会計年度は、当社を代表するブランドである「シーチキン」の誕生60周年にあたります。このため、当連結会計年度においては、新たに製作したイベント車両「シーチキン号」を活用したPR活動やテレビCM「シーチキン食堂」と連動した販売促進活動を展開し、ブランド力の強化を図りました。
一方、主要な原材料であるまぐろ類は、漁獲規制の強化等の影響を受け高値で推移しています。このため、当社では、きはだまぐろ・かつお等の原材料をバランスよく調達し、製品の安定供給と適正価格による販売に努めました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、原料事情の悪化等により価格改定した業務用製品の売上が減少したものの、家庭用ツナ製品の販売が伸長したことにより、799億20百万円(前期比0.1%増)となりました。利益面では、広告宣伝費が増加したものの、ツナや乾物製品などの価格改定や新製品の開発・育成などが奏功し、営業利益は15億59百万円(同10.9%増)となりました。海外関連会社による持分法投資利益や受取配当金が増加したことにより経常利益は18億68百万円(同10.3%増)となりました。特別損失にマカロニ製品の回収費用や旧本社事務所の固定資産除却損と事務所の移転費用を計上しました。加えて、税務上の繰越欠損金を持つ連結子会社を吸収合併したことによる特殊要因のあった前連結会計年度に比べて税金費用が増加したため、親会社株主に帰属する当期純利益は9億93百万円(同40.1%減)となりました。
なお、当社グループは、食品事業およびこの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っていませんが、製品群別の販売動向は以下のとおりです。
表:製品群別売上高(連結) (単位:千円、%)
製品群前期当期増減
金額構成比金額構成比金額

家庭用食品ツナ34,209,62842.835,738,22844.71,528,6004.5
デザート5,121,3456.45,170,7536.549,4081.0
パスタ&ソース7,785,0799.87,886,9359.9101,8561.3
総菜7,765,4139.77,804,8509.839,4370.5
削りぶし・のり・ふりかけ類5,287,2056.64,992,6756.2△294,530△5.6
ギフト・その他食品3,632,7934.63,614,4944.5△18,298△0.5
63,801,46479.965,207,93881.61,406,4732.2
業務用食品13,863,53517.412,620,10815.8△1,243,427△9.0
ペットフード・バイオ他1,768,4462.21,652,1682.1△116,277△6.6
79,433,44699.579,480,21599.546,7680.1
その他422,6440.5440,3540.517,7104.2
合計79,856,091100.079,920,570100.064,4780.1

(注)1.上記金額は消費税等を含みません。
「ツナ」では、2018年11月に価格改定したきはだまぐろ製品の販売機会が減少していますが、油を使用せずに油漬けのおいしさを再現した「オイル不使用シーチキン」や使い切りタイプのパウチ容器の「シーチキンSmile」が好調でした。加えて、まぐろの塊肉を真空パック包装し、常温での流通を可能にした新製品「サラダシーチキン」が伸長し、売上高は前期比4.5%増加しました。
「デザート」では、価格競争の影響を受けたパウチ容器のフルーツが低調でしたが、個食タイプの「朝からフルーツ」シリーズが好調で売上高は同1.0%増加しました。
「パスタ&ソース」では、製品回収の影響によりマカロニ製品が減少しましたが、健康志向にマッチした低糖質パスタ「ポポロスパCarbOFF(カーボフ)」や「低糖質パスタソースCarbOFF」シリーズが好調で売上高は1.3%増加しました。
「総菜」では、主力の「シャキッとコーン」が価格競争の影響を受けて販売機会が減少しましたが、健康ニーズ、個食ニーズにマッチしたパウチ容器入りの「さば」「さんま」「いわし」を使った健康シリーズの販売が伸長し、売上高は同0.5%増加しました。
「削りぶし・のり・ふりかけ類」では、新製品を追加して品揃えを強化した「きざみのりシリーズ」が好調でしたが、原料価格の高騰により価格改定した花かつお・削りぶしの販売機会が減少し、売上高は同5.6%減少しました。
「ギフト・その他食品」では、個食ニーズにマッチした包装米飯「パパッとライス」が伸長しましたが、市場の縮小が続くギフト製品が低調で、売上高は同0.5%減少しました。
「業務用製品」では、製品の価格競争の激化に加え、原料価格や物流費の上昇を受けて、ツナ、デザート、総菜、乾物製品の価格改定を行ったこと等により販売数量が減少し、売上高は同9.0%減少しました。
「ペットフード・バイオ他」では、まぐろ原料の供給が減少したことによる生産数量の減少で、売上高は同6.6%減少しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3億30百万円減少し、8億10百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は26億20百万円(前年同期は19億12百万円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の増加があったものの、税金等調整前当期純利益を計上したことや売上債権が減少したこと、および減価償却費の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により減少した資金は20億66百万円(前年同期は9億23百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により減少した資金は8億83百万円(前年同期は9億6百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済や配当金の支払によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における製品群別生産実績は次のとおりです。
品目金額(千円)前期比(%)
家庭用食品ツナ39,931,5034.9
デザート5,456,328△6.0
パスタ&ソース8,348,8684.0
総菜8,379,1102.8
削りぶし・のり・ふりかけ類5,242,950△5.0
ギフト・その他食品4,015,022△5.1
71,373,7832.2
業務用食品16,180,163△7.7
ペットフード・バイオ他1,598,880△5.6
合計89,152,8270.1

(注) 1 金額は販売価額で表示しています。
2 生産実績には外注仕入実績を含みます。
3 上記金額は消費税等を含みません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていません。
c. 販売実績
当社グループは主として卸売業者に販売しています。当連結会計年度の販売実績は次のとおりです。
品目金額(千円)前期比(%)
製品家庭用食品ツナ35,738,2284.5
デザート5,170,7531.0
パスタ&ソース7,886,9351.3
総菜7,804,8500.5
削りぶし・のり・ふりかけ類4,992,675△5.6
ギフト・その他食品3,614,494△0.5
65,207,9382.2
業務用食品12,620,108△9.0
ペットフード・バイオ他1,652,168△6.6
79,480,2150.1
その他440,3544.2
合計79,920,5700.1

(注) 1 上記金額は消費税等を含みません。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
伊藤忠商事㈱25,323,68531.725,696,86532.2
三井物産㈱15,445,95819.315,721,99019.7
三菱商事㈱12,494,28415.712,519,44415.7

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されています。
この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因にもとづき、見積りおよび判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの製品の原材料の多くは天産物であり、年度や季節により漁獲量や収穫量が増減します。また、食糧需給のバランスや資源問題による規制の影響等の様々な要因で市場価格が変動します。一方、製品の販売は、主に卸店等を経由した後に量販店で販売される形態であり、原材料等の市場価格の変動を製品の販売価格に反映させるには一定期間を要するため、販売奨励金を有効に活用しながら、販売数量と利益の最適化を目指します。さらに、当社グループは、ツナ製品を製造する海外関連会社における持分法による投資利益や、保有する取引先等の株式からの受取配当金を含めた売上高経常利益率を重視しています。
このような背景を踏まえ、当社グループは単年度ではなく中長期的な視点で、各種製品の市場シェアの向上と利益の基調的な改善と株主重視の観点から株主資本利益率(ROE)を指標として捉え、これらの基調的な改善に取り組んでいます。
当連結会計年度を初年度とする中期経営計画(2018年4月~2021年3月の3ケ年)は、『SMILE90』と名付け、「収益基盤の強化(選択と集中)」を基本方針に掲げました。人口の減少に加え、各種規制の緩和・撤廃にともなう輸入製品との競合も想定されており、今後も、開発・生産・販売の各局面において、独創力・競争力を具備した製品やサービスを提供し続けることで、持続的な収益の維持・改善を目指します。
当連結会計年度においては、製品の集約化を進め、販売・管理・開発業務の迅速化と効率化を図りました。特に、乾物製品や業務用製品においては、不採算製品の改廃や価格改定を実施しました。また、健康志向や簡便性を追及した価値訴求型の新製品の開発に積極的に取り組みました。これらにより、得意分野での一層のシェアアップを図り、各カテゴリーにおける№1製品の育成に努めました。一方で、製品の品質保証体制の更なる強化と安定調達を目指し、2018年11月には、旧本社(静岡市清水区)を増改築し、製品の研究・開発や品質管理・分析等を行う拠点「はごろもイノベーションセンター」を開設しました。また、「シーチキン食堂」を中心とした広告宣伝活動を引き続き展開し、特に学生から30代の年齢層の消費者に当社ブランドへの関心や認識を高めることで、継続的に製品の購買意欲を喚起するような施策を進めました。
このような施策を実施した結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前期比0.2ポイント上昇し、2.3%となりましたが、株主資本利益率(ROE)は、同2.7ポイント下落し、3.7%となりました。詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
③財政状態の分析
当社グループの資産構成は、流動資産が約60%、有形固定資産が約20%、投資有価証券が約15%、その他の資産が約5%で、他の食品製造業者と比べて有形固定資産の比率が低いと認識しています。この背景としては、多品種の製品を安定的に生産し、市場に供給するため、国内外約80か所の協力工場に製品の製造を委託していることによるものです。
当社グループの生産設備等の投資計画は、使用年数や生産性等を考慮し、設備の更新時期が短期間に集中しないよう計画的に実施することとしています。
自己資本に蓄積した利益等は、配当金として株主へ還元する一方で、将来の生産設備の更新に充てることで、投資と調達のバランスを意識しています。
なお、2020年には、静岡市清水区にツナ製品を生産する新清水プラントの稼働を予定しています。
当連結会計年度末における財政状態の分析は次のとおりです。
a. 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より5億57百万円減少して、474億70百万円となりました。これは主に、商品及び製品が12億36百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が14億9百万円、投資有価証券が5億16百万円減少したことによるものです。
b. 負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より9億97百万円減少して、203億54百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が5億円、支払手形及び買掛金が3億97百万円減少したことによるものです。
c. 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より4億40百万円増加して、271億16百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が3億91百万円減少したものの、利益剰余金が6億55百万円、退職給付に係る調整累計額が1億3百万円増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は57.1%、1株当たり純資産額は2,881円41銭となりました。
また、株主資本利益率(ROE)については、前期比2.7ポイント下落し3.7%となりました。これは、純資産が前期比1.6%増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比40.1%減少したこと等によるものです。
④資本の財源および資金の流動性
当社グループは営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの借入等により資金調達を行っています。当社グループの資金調達の方針は、必要資金を円滑かつ効率的に調達することにあります。
今後の資金需要の主なものとしては、当社の新清水プラントの建設があり、自己資金および借入金による資金調達を予定しています。
なお、キャッシュ・フローにつきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。

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